Season 4 Episode 5 Flashcards
賃貸借契約について。建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、借地権の登記がなくても、その
土地上の建物に借地人が自己を所有者と記載した表示の登記をしていれば、借地権を第三者に対抗することができる。
正しい。 借地上の建物の登記は、表示に関する登記でよい。
借地権を第三者に対抗するためには、賃借権の登記を備えるか、借地権者が借地上に登記されている建物を所有していることのどちらかが必要です。借地上の建物の登記により借地権を対抗する場合、その登記は、表示に関する登記でも差し支えありません。
賃貸借契約について。建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、建物が全焼した場合でも、借地
権者は、その土地上に滅失建物を特定するために必要な事項等を掲示すれば、借地権を第三者に対抗することができる場合がある。
正しい。 登記された建物が滅失しても、掲示により対抗力が持続。
借地権を第三者に対抗するためには、賃借権の登記を備えるか、借地権者が借地上に登記されている建物を所有していることのどちらかが必要です。登記されていた建物が滅失しても、借地権者がその建物を特定する事項や滅失があった日などを土地の上の見やすい場所に掲示したときは、建物が滅失した日から2年間は借地権を第三者に対抗できます。
賃貸借契約について。建物の所有を目的とする土地の適法な転借人は、自ら対抗力を備えていなくても、賃
借人が対抗力のある建物を所有しているときは、転貸人たる賃借人の賃借権を援用して転借権を第三者に対抗することができる。
正しい。 転貸人が対抗力を備えている→転借人も対抗可。
賃借人が、借地上に対抗力のある登記ある建物を所有しており、借地に関する対抗力を備えている場合、適法な転借人は、自らは対抗力を備えていなくても、転貸人たる賃借人の賃借権を援用して、転借権を第三者に対抗することができます。
賃貸借契約について。仮設建物を建築するために土地を一時使用として1年間賃借し、借地権の存続期間が
満了した場合には、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るように請求することができる。
誤り。 一時使用目的の借地権で、建物買取請求権は不可。
借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができるのが原則です。もっとも、一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、この建物買取請求権は認められません。
AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下こ の問において「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。
誤り。 事業用建物を目的としても、一般の借地権は公正証書による必要なし。
契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしない「事業用定期借地権」とするのであれば、公正証書によってしなければなりません。しかし、単に事業の用に供する建物の所有を目的とする借地権(一般の借地権)を設定するのであれば、 公正証書による必要はありません。
AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下こ の問において「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を 20 年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。
正しい。 30年未満の存続期間の定めや更新請求しない旨の特約は、無効。
借地権の存続期間は、最低 30 年です。また、借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件 で契約を更新したものとみなします。これらの規定に反する特約で借地権者に不利なものは、 無効となります。
AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下こ の問において「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約において借地権の存続期間を 60 年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は 30 年となる。
誤り。 30 年より長い期間の定めは、そのまま有効。
借地権の存続期間は、30 年です。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間となります。したがって、契約で存続期間を 60 年と定めたのであれば、60 年がそのまま本件契約の存続期間となります。また、公正証書によって定める必要はありません。
AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下こ の問において「本件契約」という)を締結する場合について。
Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。
誤り。 借地上の建物の登記は、本人名義に限る。
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができます。この登記は、借地権者本人名義でなされている必要があります。したがって、土地賃借人は、当該土地上に自己と氏を同じくしかつ同居する未成年の長男名義で保存登記をした建物を所有していても、その後当該土地の 所有権を取得した第三者に対し、当該土地の賃借権を対抗することができません。
Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合について。
Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。
正しい。 借地上の建物の登記は、自己名義に限る。
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができます。しかし、この建物の登記が借地権者の家族名義など借地権者以外の名義でなされている場合には、対抗力はありません。
Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合について。
Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
誤り。 建物の地番等が多少相違しても、同一性を認識できれば、対抗力がある。
登記された建物の地番が、錯誤又は遺漏により、実際と多少相違していても、建物の種類・構造・床面積等の記載と相まって、建物の同一性を認識できれば、対抗力を有します。
Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合について。
AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
誤り。 居住用建物を目的とする場合は、事業用定期借地権の設定はできない。
専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的として、かつ存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合は、その契約を公正証書で行えば、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、建物買取請求をしないこととする旨を定めることができます(事業用定期借地権)。しかし、本問の甲建物は「居住用」ですから、定めることはできません。
Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合について。
Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、 契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。
誤り。 債務不履行解除の場合は、建物買取請求権の行使は不可。
借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべ きことを請求することができます。しかし、借地権者の債務不履行を理由として契約が解除された場合は、建物買取請求権の行使をすることはできません。
借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という)について。
事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であれば、従業員の社宅として従業員の居住の用に供するときであっても、事業用定期借地権を設定することができる。
誤り。 事業用定期借地権は、社宅目的には設定できない。
事業用定期借地権は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として設定することができます。しかし、本肢のように、従業員の社宅である居住用建物を所有する目的では、設定することができません。
借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という)について。
存続期間を10年以上20年未満とする短期の事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によらなくとも、書面又は電磁的記録によって適法に締結することができる。
誤り。 事業用定期借地権は、公正証書による必要あり。
事業用定期借地権は、10 年以上 50 年未満で存続期間を定めて設定することができますが、存続期間の長短にかかわらず、公正証書によって契約を締結しなければなりません。
借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という)について。
事業用定期借地権が設定された借地上にある建物につき賃貸借契約を締結する場合、建物を取り壊すこととなるときに建物賃貸借契約が終了する旨を定めることができるが、その特約は公正証書によってしなければならない。
誤り。 取壊し予定の建物賃貸借は、書面によればよい。
事業用定期借地権に基づく建物のように、一定の期間を経過した後に建物を取り壊すことが明らかな場合、その時に賃貸借が終了する旨を定めることができます。このような「取壊し予定の建物賃貸借」は、取り壊すべき事由を記載した書面でしなければなりませんが、公正証書による必要はありません。
借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という)について。
事業用定期借地権の存続期間の満了によって、その借地上の建物の賃借人が土地を明け渡さなければならないときでも、建物の賃借人がその満了をその1年前までに知らなかったときは、建物の賃借人は土地の明渡しにつき相当の期限を裁判所から許与される 場合がある。
正しい。 期間満了を知らない賃借人は、明渡し猶予を得る。
借地上の建物の賃借人が、借地権の存続期間の満了によって土地を明け渡すべき場合であっても、存続期間の満了を1年前までに知らなかったときは、裁判所は、建物の賃借人の請 求により、賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができます。
甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース1」という)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース2」という)について。
賃貸借の存続期間を60年と定めた場合には、ケース1では書面で契約を締結しなければ期間が 30 年となってしまうのに対し、ケース2では口頭による合意であっても期間は 60 年となる。
本問のケース1では、建物の所有を目的として土地の賃貸借をしているので、「借地借家法の借地権」の規定の適用があります。これに対して、ケース2では、建物の所有を目的としていませんので、「民法の賃貸借」の規定によることになります。
誤り。 借地権の存続期間は 30 年以上。民法上の賃貸借は 50 年以下。
借地権の存続期間は 30 年ですが、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間となります。これは書面によって契約をしたかどうかは問いません。したがって、ケース1の期間は 60 年となります。よって、ケース1の「30 年」という点は誤りです。これに対して、 民法上の賃貸借では、賃貸借の存続期間は、50 年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は 50 年となります。したがって、口頭によるものかどうかを問わず、ケース2の契約は 50 年となります。よって、ケース2の「60 年」という点も誤りです。
甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース1」という)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース2」という)について。
ケース1では、賃借人は、甲土地の上に登記されている建物を所有している場合には、 甲土地が第三者に売却されても賃借人であることを当該第三者に対抗できるが、ケース 2では、甲土地が第三者に売却された場合に賃借人であることを当該第三者に対抗する方法はない。
本問のケース1では、建物の所有を目的として土地の賃貸借をしているので、「借地借家法の借地権」の規定の適用があります。これに対して、ケース2では、建物の所有を目的としていませんので、「民法の賃貸借」の規定によることになります。
誤り。 対抗力は、借地は借地上の建物の登記、民法上の賃貸借は賃借権の登記。 借地権は、その登記がなくても、借地上に登記された建物を所有していれば、第三者に対抗することができます。したがって、ケース1は正しい記述です。そして、民法上の賃貸借では、賃借権の登記を備えていれば、第三者に対抗することができます。したがって、ケース2の「第三者に対抗する方法はない」という点は誤りです。
甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース1」という)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース2」という)について。
期間を定めない契約を締結した後に賃貸人が甲土地を使用する事情が生じた場合において、ケース1では賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しないのに対し、ケース2では賃貸人が解約の申入れをすれば契約は申入れの日から1年を経過することによって終了する。
本問のケース1では、建物の所有を目的として土地の賃貸借をしているので、「借地借家法の借地権」の規定の適用があります。これに対して、ケース2では、建物の所有を目的としていませんので、「民法の賃貸借」の規定によることになります。
正しい。 借地権は解約申入れ不可。土地の賃貸借は解約申入れから1年で終了。
借地権の存続期間は 30 年以上で、この規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効です。そして、借地権では、期間を定めない契約を締結すると、存続期間は 30 年となります。 よって、借地契約では、そもそも「解約申入れ」はできませんし、両当事者の合意がなければ、契約が終了することはありません。したがって、ケース1は正しい記述です。これに対して、民法上の賃貸借では、当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができ、土地の賃貸借は、解約申入れの日から1年を経過することによって、終了します。したがって、ケース2も正しい記述です。
甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース1」という)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース2」という)について。
賃貸借の期間を定めた場合であって当事者が期間内に解約する権利を留保していないとき、ケース1では賃借人側は期間内であっても1年前に予告することによって中途解 約することができるのに対し、ケース2では賃貸人も賃借人もいつでも一方的に中途解約することができる。
本問のケース1では、建物の所有を目的として土地の賃貸借をしているので、「借地借家法の借地権」の規定の適用があります。これに対して、ケース2では、建物の所有を目的としていませんので、「民法の賃貸借」の規定によることになります。
誤り。 期間の定めがあれば、原則として中途解約不可。 借地権でも、民法上の賃貸借でも、存続期間の定めがある以上、期間内に解約する権利を留保していない限り、賃貸人も賃借人も、ともに中途解約することはできません。
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合について。
AがBに対し、賃貸借契約の期間満了の6か月前までに更新しない旨の通知をしなかったときは、AとBは、期間3年、賃料月額 10 万円の条件で賃貸借契約を更新したものとみなされる。
誤り。 更新後の期間は「定めがないもの」となる。
建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から 6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約 と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、その期間は、「定めがないもの」 となります。したがって、「期間3年」とする本肢は誤りです。
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合について。
賃貸借契約を期間を定めずに合意により更新した後に、AがBに書面で解約の申入れをした場合は、申入れの日から3か月後に賃貸借契約は終了する。
誤り。 賃貸人が解約申入れをした場合、その日から「6ヵ月」で終了。 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から「6月」を経過することによって終了します。
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合について。
Cが、AB間の賃貸借契約締結前に、Aと甲建物の賃貸借契約を締結していた場合、 AがBに甲建物を引き渡しても、Cは、甲建物の賃借権をBに対抗することができる。
誤り。 建物の引渡しは、借家の対抗要件。
建物の賃貸借は、賃借権の登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、対抗力を有します。したがって、二重に賃貸借契約が締結された場合、建物の引渡しを受けた賃借人は、その賃借権を対抗することができます。
AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した場合について。
AB間の賃貸借契約がBの賃料不払を理由として解除された場合、BはAに対して、Aの同意を得てBが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。
正しい。 債務不履行解除の場合は、造作買取請求は不可。
建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができます。しかし、賃借人の債務不履行によって賃貸借契約が解除された場合は、造作買取請求権を行使することはできません。
A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合について。
BがAに無断で甲建物を転貸しても、Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除できないのに対し、CがAに無断で甲建物を転貸した場合には、Aは使用貸借契約を解除できる。
正しい。 賃貸借では、無断転貸も特段の事情があれば、解除不可。
賃貸借の場合も使用貸借の場合も、目的物を貸主に無断で転貸することはできませんから、 無断転貸によって第三者が使用収益を開始したときは、貸主は契約を解除をすることができます。ただし、賃貸借の場合には、貸主に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、解除することができません。
A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合について。
期間の定めがない場合、AはBに対して正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができるのに対し、返還時期の定めがない場合、AはCに対していつでも返還を請求できる。
誤り。 使用貸借は、使用収益に十分な期間後に返還請求できる。
期間の定めがない建物賃貸借については、貸主は正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができます。一方、当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合で、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了します。したがって、本肢の場合、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住という目的に従って使用及び収益を終えることによって、AC間の使用貸借は終了します。 よって、AはCに対して「いつでも返還を請求できる」わけではありません。
A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合について。
Aが甲建物をDに売却した場合、甲建物の引渡しを受けて甲建物で居住しているBは Dに対して賃借権を主張することができるのに対し、Cは甲建物の引渡しを受けて甲建物に居住していてもDに対して使用借権を主張することができない。
正しい。 使用借権は、賃借権と異なり対抗力はない。
目的物が第三者に売却された場合、建物の賃貸借の場合には、借主は建物の引渡しを受けていれば、賃借権を当該第三者に対抗することができます。一方、使用貸借の場合には、建物の引渡しを受けていても、使用借権を当該第三者に対抗することができません。
A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合について。
Bが死亡しても賃貸借契約は終了せず賃借権はBの相続人に相続されるのに対し、C が死亡すると使用貸借契約は終了するので使用借権はCの相続人に相続されない。
正しい。 賃借権は相続されるが、使用借権は相続されない。
賃貸借契約は、借主(賃借人)が死亡しても直ちに終了せず、賃借権は相続人に相続されます。一方、使用貸借契約は、借主(使用借主)の死亡によって終了するので、使用借権は相続人に相続されません。
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」 という)について。
定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
正しい。 定期建物賃貸借は、公正証書による等「書面」による必要がある。
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができます(定期建物賃 貸借)。
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」 という)について。
定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。
正しい。 定期建物賃貸借では、1年未満の定めも有効。
通常の借家契約では、期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます。しかし、定期建物賃貸借では、この規定は適用されませんので、期間 を1年未満とする定めは、そのまま有効となります。
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」 という)について。
定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
誤り。 定期建物賃貸借では、説明書面と契約書面は、別個独立の書面。 定期建物賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、定期建物賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した「書面」を交付して説明しなければなりません。そして、この説明のための「書面」は、賃借人が契約の更新がないこと等を認識しているか否かにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることが必要です。なお、この事前説明は書面を交付したうえで、テレビ電話等の IT を活用して行うことができます。
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」 という)について。
定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。
正しい。 更新がないこと等を書面で説明しないと、更新がない定めは無効。
建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、 定期建物賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。そして、建物の賃貸人がこの説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効となります。