Season 3 Episode 4 Flashcards

1
Q

不法行為について。責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定

の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

A

正しい。 自己の行為の責任を弁識する能力(責任能力)を有しない者(幼児や精神障害者など)は、不法行為責任を負いません。
この場合には、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者(親など)が、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、またはその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、責任を負いません(民法 712 条、713 条、714 条1項)。

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2
Q

不法行為について。Aの加害行為によりBが即死した場合、BにはAに対する慰謝料請求権が発生し、B の相続人は、その慰謝料請求権を相続することができる。

A

正しい。 不法行為の被害者が即死した場合にも、被害者は慰謝料請求権を取得したと考えることができます。

そして、その被害者の相続人は、その慰謝料請求権を相続することができます(709 条、710 条、判例)。

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3
Q

不法行為について。不法行為による損害賠償の支払債務は、催告の時から遅滞に陥るので、加害者は、そ の時以降完済に至るまでの遅延損害金を被害者に支払わなければならない。

A

誤り。 不法行為による損害賠償債務は、被害者からの催告を要することなく、損害の発生と同時に履行遅滞に陥ります。

したがって、加害者は、損害発生時から完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければなりません(709 条、判例)。

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4
Q

不法行為について。不法行為の被害者が幼児である場合、その被害者と身分上ないしは生活関係上一体を なすと認められる者に過失があるときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

A

正しい。 不法行為の被害者が幼児である場合、その被害者と身分上ないしは生活関係 上一体をなすと認められる者(母親など)に過失があるときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができます(被害者側の過失に基づく過失相殺、722 条 2項、判例)。

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5
Q

不法行為について。人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定

代理人が損害及び加害者を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。

A

正しい。 不法行為による損害賠償の請求権は、原則として、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅します。
ただし、「人の生命または身体を害する不法行為」による損害賠償の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から「5年」間行使しないときは、時効によって消滅します(民法 724 条1号、724 条の2)。

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6
Q

不法行為について。

使用者Aの事業の執行につき、被用者Bが不法行為を行ったため、Cに損害が生じ、AがCに対して使用者としての損害賠償責任を負う場合、Cは、Aに対して損害額の全額の賠償を請求するときは、Bに対して損害賠償請求をすることができない。

A

誤り。 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負います(使用者責任)。
そして、使用者責任が成立する場合、被用者自身も不法行為責任を負います。この場合、両者の関係は、連帯債務に 類似した関係となります。したがって、被害者は、被用者と使用者の両方に、損害額の全額の賠償を請求することができます(709 条、715 条1項、436 条、判例)。

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7
Q

不法行為について。使用者Aの事業の執行につき、被用者Bが不法行為を行ったため、Cに損害が生じ、

AがCに対して使用者としての損害賠償責任を負う場合、BのCに対する損害賠償債務が時効により消滅すれば、AのCに対する損害賠償債務も当然に消滅する。

A

誤り。 使用者責任が成立する場合、被用者自身も不法行為責任を負います。この場合、両者の関係は、連帯債務に類似した関係となり、被用者の被害者に対する損害賠償債務が時効により消滅しても、使用者の被害者に対する損害賠償債務には影響を与えません (709 条、715 条1項、436 条、441 条、判例)。

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8
Q

不法行為について。使用者Aの事業の執行につき、被用者Bが不法行為を行ったため、Cに損害が生じ、

AがCに対して使用者としての損害賠償責任を負う場合、Bは、Cに対して損害を賠償しても、Aに対して求償することはできない。

A

誤り。 使用者責任が成立する場合、被用者は、被害者に損害の賠償をしたときは、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができます。
民法は、被用者から使用者に対する求償について規定を設けていませんが、判例は、損害の公平な分担という見地から、これを認めました(715 条、判例)。

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9
Q

不法行為について。使用者Aの事業の執行につき、被用者Bが不法行為を行ったため、Cに損害が生じ、

AがCに対して使用者としての損害賠償責任を負う場合、Aは、Cに対して損害を賠償したときは、損害の公平な分担という見地から、信義則上相当と認められる限度において、Bに対して求償することができる。

A

正しい。 使用者責任が成立する場合、使用者は、被害者に損害の賠償をしたときは、 被用者に求償することができます。ただし、その求償額は、損害の公平な分担という見地から、信義則上相当と認められる額に制限されます(民法 715 条3項、判例)。

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10
Q

不法行為について。注文者Aと請負人Bが請負契約を締結し、Bがその仕事について第三者Cに損害を加 えた場合、その注文又は指図についてAに過失があったときは、Aは、Cに対して、その損害を賠償する責任を負う。

A

正しい。 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負いません。ただし、注文または指図について注文者に過失があったときは、注文者は、 責任を負います(716 条)。

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11
Q

不法行為について。AがA所有の甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物を占有している際に、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってCに損害が生じた場合、Bは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Cに対して損害賠償責任を負わない。

A

正しい。 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対して損害賠償責任を負います。
ただし、 占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、占有者は損害賠償責任を負いません(717 条1項)。

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12
Q

不法行為について。AがA所有の甲建物をBに賃貸し、Bが甲建物を占有している際に、甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってCに損害が生じた場合、A及びBが、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Aは、Cに対して損害賠償責任を負わない。

A

誤り。 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対して損害賠償責任を負います。
ただし、 占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、占有者は損害賠償責任を負わず、所有者が損害賠償責任を負います。そして、この所有者の責任は無過失責任なので、所有者は、損害の発生を防止するのに必要な注意をしても、損害賠償責任を負います(717 条1項)。

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13
Q

Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、共同してEに対して不法行為を行ったため、B及びDは、Eに対して損害賠償責任を負っている。また、A及びCも、Eに対して、 それぞれ使用者としての損害賠償責任を負っている(なお、Eに対するBとDの過失割合 は6対4であるものとする)。
Eは、B及びDに対し、損害額の全額の賠償を請求することができるが、A及びCに対しては、損害額の全額の賠償を請求することができない。

A

誤り。 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負います。
したがって、Eは、BおよびDに対し、損害額の全額の賠償を請求することができます。さらに、Eは、Bの使用者であるAと、Dの使用者であるCに対し、使用者責任を追及して、損害額の全額の賠償を請求することができます(民法 719 条1項、715 条1項、436 条、判例)。

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14
Q

Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、共同してEに対して不法行為を行ったため、B及びDは、Eに対して損害賠償責任を負っている。また、A及びCも、Eに対して、 それぞれ使用者としての損害賠償責任を負っている(なお、Eに対するBとDの過失割合は6対4であるものとする)。
EがBに対して、損害賠償債務の履行を請求した場合、その効力は、Dに対しても及ぶ。

A

誤り。 共同不法行為者の1人に対して履行の請求をしても、その効力は、他の共同不法行為者には及びません(719 条1項、436 条、441 条、判例)。

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15
Q

Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、共同してEに対して不法行為を行ったため、B及びDは、Eに対して損害賠償責任を負っている。また、A及びCも、Eに対して、 それぞれ使用者としての損害賠償責任を負っている(なお、Eに対するBとDの過失割合は6対4であるものとする)。
Aは、Eに対して損害額の全額の賠償をしたときでも、Cに対しては、求償することができない。

A

誤り。 共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合、一方の加害者の使用者は、損害額の全額の賠償をしたときは、他方の加害者の使用者に対し、加害者間の過失割合に従って定めるべき額について求償権を行使することができます。
したがって、 Aは、Eに対して損害額の全額の賠償をしたときは、Cに対して、損害額の4割に相当する金額について求償することができます(719 条1項、715 条、判例)。

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16
Q

Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、共同してEに対して不法行為を行ったため、B及びDは、Eに対して損害賠償責任を負っている。また、A及びCも、Eに対して、 それぞれ使用者としての損害賠償責任を負っている(なお、Eに対するBとDの過失割合は6対4であるものとする)。
Aは、Eに対して損害額の全額の賠償をしたときは、Dに対して、損害額の4割に相当する金額について求償することができる。

A

正しい。 共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合、一方の加害者の使用者は、損害額の全額の賠償をしたときは、他方の加害者に対し、加害者間の過失割合に従って定めるべき額について求償権を行使することができます。
したがって、Aは、 Eに対して損害額の全額の賠償をしたときは、Dに対して、損害額の4割に相当する金額について求償することができます(719 条1項、715 条、判例)。

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17
Q

Aが死亡した場合の相続について。

Aの子Bが、相続に関するAの遺言書を不当な利益を目的として破棄した場合、Bは、Aの相続人となることができない。

A

正しい。 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者は、相続人となることができません。

したがって、Bは、Aの相続人となることがで きません(相続人の欠格事由、民法 891 条5号)。

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18
Q

Aが死亡した場合の相続について。

Aに、配偶者B、子C、子Dがいる場合、1Bが相続の放棄をしたときは、Dの法定相続分は2分の1であり、2Cが相続の放棄をしたときも、Dの法定相続分は2分の1である。

A

正しい。 1の場合、相続の放棄をしたBは、初めから相続人とならなかったものとみ なされるので、Aの相続人は、CとDになります。そして、子が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとします。
したがって、Dの法定相続分は2分の1となります。また、2の場合、相続の放棄をしたCは、初めから相続人とならなかったものとみなされるので、Aの相続人は、BとDになります。そして、配偶者と子が相続人の場合、 配偶者の相続分は2分の1、子の相続分も2分の1となります。したがって、Dの法定相続分は2分の1となります(939 条、900 条1号・4号)。

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19
Q

Aが死亡した場合の相続について。

Aの子が、Aの相続人となるときは、Aの父母や、Aの兄弟姉妹は、Aの相続人となることができない。また、Aの父母が、Aの相続人となるときは、Aの兄弟姉妹は、Aの相続人となることができない。

A

正しい。 子が相続人となる場合には、直系尊属や、兄弟姉妹は、相続人となることができません。

また、直系尊属が相続人となる場合には、兄弟姉妹は相続人となることができません。なお、配偶者は、常に相続人となります(887 条1項、889 条1項、890 条)。

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20
Q

Aが死亡した場合の相続について。Aの相続人が、Aの父方の祖父B、Aの父方の祖母C、及びAの母方の祖父Dのみである場合、B及びCの法定相続分は、それぞれ4分の1であり、Dの法定相続分は、2 分の1である。

A

誤り。 直系尊属が数人いる場合に、その親等が異なるときは、その親等が近い者(世代が近い者)が、相続人となります。
また、直系尊属が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとします。したがって、B、CおよびDの法定相続分は、それぞれ3分の1となります。なお、直系尊属については、代襲相続のような制度(例えば、祖父母が、父母を代襲して相続人となるような制度)は、存在しません(889 条1項1号、 900 条4号)。

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21
Q

Aが死亡した場合の相続について。Aの子Bが、詐欺によって、Aに相続に関する遺言をさせたため、Aの相続人となることができないときは、Bの子C(Aの孫C)も、Aの相続人となることができない。

A

誤り。 詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、または変更させた者は、相続人となることができません(相続人の欠格事由)。
そして、被相続人の子が、相続人の欠格事由に該当するため、その相続権を失ったときは、その者の子が、これを代襲して相続人となることができます。したがって、Cは、 Aの相続人となることができます。なお、被相続人の子が、相続の放棄をしたときは、 代襲相続は生じません(民法 891 条4号、887 条2項)。

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22
Q

Aが死亡した場合の相続について。

Aの子Bが、Aより先に死亡しているときは、Bの子C(Aの孫C)は、Aの相続人となることができるが、Bだけでなく、CもAより先に死亡しているときは、Cの子D(Aの曾孫D)は、Aの相続人となることができない。

A

誤り。 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したときは、その者の子が、これを代襲して相続人となることができます。
したがって、Aの子Bが、Aより先に死亡しているときは、Bの子Cは、Aの相続人となることができます。また、代襲相続人となるべき被相続人の孫が、相続の開始以前に死亡したときは、その者の子が、さらに、これを 代襲して相続人となることができます。したがって、Aの子Bだけでなく、Bの子Cも、 Aより先に死亡しているときは、Cの子Dは、Aの相続人となることができます(887 条 2項・3項)。

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23
Q

Aが死亡した場合の相続について。Aの相続人が、配偶者B、長男Cの子E(Aの孫E)、長男Cの子F(Aの孫F)、及び次男Dである場合(Cは、Aより先に死亡しているものとする。)、Bの法定相続分は、2分の1であり、D、E及びFの法定相続分は、それぞれ6分の1である。

A

誤り。 配偶者と子が相続人のときは、配偶者の相続分が2分の1、子の相続分が2分の1となります。
そして、子が数人いるときは、子の相続分を均分します。したがって、 Bの相続分が2分の1、Cの相続分が4分の1、Dの相続分が4分の1となるはずでしたが、Cが既に死亡しているため、EとFが、Cを代襲して相続人となっています。そして、代襲相続人であるEとFは、被代襲者Cの相続分を均分するので、EおよびFの 相続分は、それぞれ8分の1となります。以上により、Bの相続分が2分の1、Dの相続分が4分の1、EおよびFの相続分が、それぞれ8分の1となります(900 条1号・ 4号、901 条1項、887 条2項)。

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24
Q

Aが死亡した場合の相続について。Aには、配偶者はいるが、子及びその代襲相続人となるべき者はなく、直系尊属も兄弟姉妹も既に死亡している場合、Aの兄の子B(Aの姪B)は、Aの相続人となることができる。

A

正しい。 相続人となりうる兄弟姉妹が、相続の開始以前に死亡したときは、その子(被相続人の甥・姪)が、これを代襲して相続人となることができます。したがって、Bは、 Aの相続人となることができます。
なお、兄弟姉妹については、再代襲(兄弟姉妹の子 を代襲して、さらに、その子が相続人となること)は認められません(889 条1項2号・ 2項、887 条2項)。

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25
Q

相続について。AがBに対して100万円の借入金債務を負っている場合に、Aが死亡し、唯一の相続人であるCが単純承認をしたときは、Cは、当該借入金債務の存在を知らなかったとしても、当該借入金債務を相続する。

A

正しい。 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継します。

したがって、Cは、単純承認をしたときは、当該借入金債務の存在を知らなかったとしても、当該借入金債務を相続します(民法 896 条、920 条)。

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26
Q

相続について。相続人は、相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされるが、相続財産について保存行為をしたときは、単純承認をしたものとみなされない。

A

正しい。 相続人は、相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます。

しかし、相続財産について保存行為をしても、単純承認をしたものとみなされません(921 条1号)。

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27
Q

相続について。相続人は、自己のために相続の開始があった時から3か月以内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされる。

A

誤り。 相続人は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に限定承認または相続の放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされます。 したがって、「自己のために相続の開始があった時」という記述は、誤りです(921 条2 号)。

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28
Q

相続について。Aが死亡し、BとCが相続人となった場合に、Bが単純承認をしたときは、Cは限定承認をすることができないが、Bが相続の放棄をしたときは、Cは限定承認をすることができる。

A

正しい。 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみ、 これをすることができます。
したがって、Bが単純承認をしたときは、Cは限定承認をすることができません。また、相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。したがって、Bが相続の放棄をすると、C だけが相続人となるので、Cは限定承認をすることができます(939 条、923 条)。

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29
Q

Aが、相続人B及びCを残して死亡した場合について。

預貯金債権は遺産分割の対象となるが、B及びCは、Aの遺産に属する預貯金債権のうち一定の額については、遺産の分割前であっても、単独で権利を行使することができる。

A

正しい。 預貯金債権は、遺産分割の対象になります。
しかし、共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の3分の1に法定相続分を乗じた額(預貯金債権の債務者ごとに 150 万円を限度とします)については、遺産の分割前であっても、単独でその権利を行使することができます。この場合、その権利を行使した預貯金債権については、その共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなします(民法 898 条、907 条、909 条の2、平成 30 年法務省令第 29 号、判例)。

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30
Q

Aが、相続人B及びCを残して死亡した場合について。

Aが、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁止したときは、B及びCは、その期間内は、協議により、遺産の全部又は一部の分割をすることができない。

A

正しい。 共同相続人は、いつでも、その協議で、遺産の全部または一部の分割をすることができます。

ただし、被相続人が、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁止したときは、その期間内は、遺産の分割をすることができ ません(907 条1項、908 条)。

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31
Q

Aが、相続人B及びCを残して死亡した場合について。

B及びCは、既に成立した遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることはできない。

A

誤り。 共同相続人は、既に成立した遺産分割協議の全部または一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることができます(907 条、判例)。

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32
Q

Aが、相続人B及びCを残して死亡した場合について。

相続の開始後認知によってAの相続人となったDが、遺産の分割を請求しようとする場合において、B及びCが既にその分割その他の処分をしたときは、Dは、価額のみによる支払の請求権を有する。

A

正しい。 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有します(910条)。

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33
Q

遺言について。前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前

の遺言を撤回したものとみなされる。

A

誤り。 15 歳に達した者は、未成年者であっても、法定代理人の同意を得ずに、単独で有効に遺言をすることができます(民法 961 条、962 条、5条)。

34
Q

遺言について。遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合において、その受遺者に子があるときは、その子について効力を生じる。

A

誤り。 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。
そして、判例は、「遺言者が、自筆証書遺言 をするにつき書簡の形式を採ったため、遺言書本文の自署名下には押印をしなかったが、 遺言書であることを意識して、これを入れた封筒の封じ目に押印したものであるなどの 事実関係の下においては、その押印により、自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはない。」としています(968 条1項、判例)。

35
Q

遺言について。遺言書の保管者は、公正証書遺言の場合を除き、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出してその検認を請求しなければならないが、この検認を経ることを怠り、そのままその遺言が執行されたときでも、その遺言の効力は失われない。

A

正しい。 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。
しかし、自筆証書にこれと一体のものと して相続財産の全部または一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書する必要がありません。この場合、遺言者は、その目録の毎葉に(一枚ごとに)署名し、 印を押さなければなりません(968 条1項・2項)。

36
Q

遺言について。遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべ

き行為をすることができない。

A

誤り。 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を撤回することができます。

そして、遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することがで きません(1022 条、1026 条)。

37
Q

遺言について。前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前

の遺言を撤回したものとみなされる。

A

正しい。 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
なお、遺言が遺言後の生前処分その他 の法律行為と抵触するときは、その抵触する部分については、その行為により遺言を撤回したものとみなされます(民法 1023 条)。

38
Q

遺言について。遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合において、その受遺者に子があるときは、その子について効力を生じる。

A

誤り。 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じません。

したがって、その受遺者の子について、その遺贈の効力が生じることはありません(994 条1項)。

39
Q

遺言について。遺言書の保管者は、公正証書遺言の場合を除き、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出してその検認を請求しなければならないが、この検認を経ることを怠り、そのままその遺言が執行されたときでも、その遺言の効力は失われない。

A

正しい。 遺言書の保管者は、公正証書遺言の場合を除き、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。
しかし、 検認を経ることを怠ったまま遺言が執行されたとしても、遺言の効力に影響はありません。ただし、過料に処せられます(1004 条1項・2項、1005 条)。

41
Q

配偶者居住権について。被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合には、被相続人が相続開始の時に当該建物を配偶者以外の者と共有していたときでも、遺産の分割によって、当該建物について配偶者居住権を取得することができる。

A

誤り。 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合には、遺産の分割または遺贈によって、その居住していた建物の全部について無償で使用および収益をする権利(配偶者居住権)を取得することができます。
ただし、 被相続人が相続開始の時にその建物を配偶者以外の者と共有していたときは、配偶者居住権を取得することができません(民法 1028 条1項)。

41
Q

遺言について。遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべ

き行為をすることができない。

A

正しい。 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません。

なお、この規定に違反して行った行為は、無効となります。ただし、この無効を善意の第三者に対抗することはできません(1013 条 1項・2項)。

42
Q

配偶者居住権について。被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合には、被相続人が相続開始の時に当該建物を配偶者以外の者と共有していたときでも、遺産の分割によって、当該建物について配偶者居住権を取得することができる。
配偶者居住権を有する配偶者は、従前の用法に従い、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、当該居住建物の使用及び収益をしなければならない。

A

誤り。 配偶者居住権を有する配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、当該居住建物の使用および収益をしなければなりません。
なお、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することもできます(1032 条1 項)。

43
Q

配偶者居住権について。配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の所有者の承諾を得なくても、第三者に当該居住建物の使用又は収益をさせることができる。

A

誤り。 配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の所有者の承諾を得なければ、 第三者に当該居住建物の使用または収益をさせることができません。
なお、配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の所有者の承諾を得なければ、当該居住建物の改築 または増築を行うことができません(1032 条3項)。

44
Q

配偶者居住権について。配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができるが、当該居住建物の通常の必要費を負担しなければならない。

A

正しい。 配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の使用および収益に必要な修繕をすることができます。

そして、配偶者居住権を有する配偶者は、当該居住建物の通常の必要費を負担しなければなりません(1033 条1項、1034 条1項)。

45
Q

遺言及び遺留分について。Aが死亡し、その相続人が、配偶者Bと、弟Cである場合、Aが「相続財産全部をDに遺贈する」旨の遺言をしていたときは、Bは、Dに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができるが、Cは、Dに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができない。

A

正しい。 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分を有します。
しかし、兄弟姉妹は、遺留分を有しません。したがって、Bは、Dに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができますが、Cは、Dに対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができません(民法 1042 条1項、1046 条1項)。

46
Q

遺言及び遺留分について。Aが死亡し、その相続人が、配偶者Bと、子Cである場合、B及びCは、遺留分として、それぞれ、「遺留分を算定するための財産の価額」の4分の1の額を受ける。

A

正しい。 配偶者と子が相続人である場合は、「遺留分を算定するための財産の価額」 の2分の1の額が、全体の遺留分の額となり、それを各自の法定相続分の割合で分けたものが、各自の遺留分の額となります。
そして、配偶者と子が相続人の場合には、配偶者の法定相続分が2分の1、子の法定相続分も2分の1ですから、BおよびCは、遺留分として、それぞれ、「遺留分を算定するための財産の価額」の4分の1(1/2×1/ 2=1/4)の額を受けることになります(1042 条、900 条1号)。

47
Q

遺言及び遺留分について。Aが死亡し、その相続人が、配偶者Bと、子Cである場合、Aが「相続財産全部をD に遺贈する」旨の遺言をしていたときは、当該遺言は有効である。

A

正しい。 遺留分を侵害する旨の遺言も、有効です。ただし、遺留分を侵害する遺贈または贈与が行われたときは、遺留分権利者は、その受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができます(1046 条1項)。

48
Q

遺言及び遺留分について。Aが死亡し、その相続人が、配偶者Bと、子Cである場合、Bが、相続開始前に家庭裁判所の許可を受けて遺留分の放棄をしていたときは、Cは、遺留分として、「遺留分を算定するための財産の価額」の2分の1の額を受ける。

A

誤り。 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、 その効力を生じます。しかし、共同相続人の1人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼしません。したがって、Bが、相続開始前に家庭裁判所の許 可を受けて遺留分の放棄をしていたときも、Cは、遺留分として、「遺留分を算定するための財産の価額」の4分の1の額を受けます(1049 条、1042 条、900 条1号)。

49
Q

A所有の甲土地について、AとBが賃貸借契約を締結する場合について。

Bが、建物の所有を目的とせず、資材置場として利用するために、甲土地を賃借する場合でも、AとBは、必ずその契約期間を定めなければならない。

A

誤り。 「建物の所有を目的としない」土地の賃貸借には、借地借家法は適用されず、 民法が適用されます。民法上は、土地の賃貸借においても、契約期間を定めないことができます。この場合、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができますが、解約の申入れの日から1年を経過することによって、契約が終了します(借地借家法1条、 2条1号、民法 617 条1項1号)。

50
Q

A所有の甲土地について、AとBが賃貸借契約を締結する場合について。

Bが、仮設建物を建築するために甲土地を一時使用として1年間賃借する場合、Bは、甲土地の賃貸借の存続期間が満了したときは、Aに対し、当該建物を時価で買い取るように請求することができる。

A

誤り。 「建物の所有を目的とする」土地の賃借権は、「借地権」に該当します。
そして、 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができます(建物買取請求権)。しかし、一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、この建物買取請求権は認められません(借地借家法2条1号、13 条、25 条)。

51
Q

A所有の甲土地について、AとBが賃貸借契約を締結する場合について。

Bが、居住用建物の所有を目的として甲土地を賃借する場合、AB間でその契約期間を 20 年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めたときは、その定めは有効となる。

A

誤り。 借地権の存続期間を定める場合には、その期間を 30 年以上としなければなりません。
また、借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、借地権設定者が正当の事由に基づき遅滞なく異議を述べなければ、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなします。これらの規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効となります。したがって、本肢の定めは無効です(3条、5条1項、9条)。

52
Q

A所有の甲土地について、AとBが賃貸借契約を締結する場合について。

Bが、居住用建物の所有を目的として甲土地を賃借した後、最初にその契約を更新する場合、AB間で更新後の契約期間を 10 年と定めたときは、その期間は 20 年となる。

A

正しい。 借地権の設定後、最初に借地契約を更新する場合、更新後の契約期間を 20 年 未満とする約定をしたときは、その約定は無効となり、その契約期間は 20 年となります(4条、9条)。

53
Q

A所有の甲土地について、Bが、乙建物の所有を目的として、期間30年と定めて、Aと賃貸借契約を締結している場合について。

甲土地の借地権の存続期間が満了する場合において、Bが契約の更新を請求し、乙建物が存在する場合に、Aが正当の事由に基づき遅滞なく異議を述べたときは、契約は更新されない。

A

正しい。 借地権の存続期間が満了する場合に、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件(更新後の期間を除きます)で契 約を更新したものとみなされます。
ただし、借地権設定者が、正当の事由に基づき遅滞なく異議を述べたときは、更新されません(借地借家法5条1項、6条)。

54
Q

A所有の甲土地について、Bが、乙建物の所有を目的として、期間30年と定めて、Aと賃貸借契約を締結している場合について。

甲土地の借地権の存続期間が満了した後、Bが甲土地の使用を継続し、乙建物が存在する場合、Aが正当の事由に基づかないで遅滞なく異議を述べたときは、契約は更新される。

A

正しい。 借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときは、 建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件(更新後の期間を除きます)で契約を更新したものとみなされます。
ただし、借地権設定者が、正当の事由に基づき遅滞なく 異議を述べたときは、更新されません。したがって、Aが正当の事由に基づかないで遅滞なく異議を述べたときは、契約は更新されます(5条2項、6条)。

55
Q

A所有の甲土地について、Bが、乙建物の所有を目的として、期間30年と定めて、Aと賃貸借契約を締結している場合について。

Bが地代を支払わなかったことを理由として、Aが甲土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは、Aに対し、乙建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

A

誤り。 借地権者の地代不払いその他の債務不履行により、借地権設定者が借地契約を解除したときは、借地権者は、建物買取請求権を行使することができません(13 条1項、 判例)。

56
Q

A所有の甲土地について、Bが、乙建物の所有を目的として、期間30年と定めて、Aと賃貸借契約を締結している場合について。
甲土地の借地権の存続期間が満了し、契約の更新がないときは、Bは、Aに対し、乙建物を時価で買い取るべきことを請求することができるが、この場合、Bは、Aから乙 建物の代金の支払いの提供を受けるまで、乙建物の明渡しを拒むことができるが、乙建物を明け渡すまでの間、地代相当額をAに支払わなければならない。

A

正しい。 借地権の存続期間が満了し、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができます。
この場合、 借地権者は、建物代金の支払の提供を受けるまで、建物の明渡し(土地の明渡し)を拒むことができますが、建物を明け渡すまでの間、地代相当額を支払う必要があります(13 条1項、判例)。

57
Q

A所有の甲土地を、Bが、建物の所有を目的として賃借している場合について。

甲土地の借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失があった場合に、Bが残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつきAの承諾がある場合に限り、甲土地の借地権は、常に、建物が築造された日から 20 年間存続する。

A

誤り。 借地権の存続期間が満了する前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造した場合、その築造について借地権設定者の承諾があるときは、 借地権は、原則として、「承諾があった日または建物が築造された日のいずれか早い日」 から 20 年間存続します。
したがって、「甲土地の借地権は、常に、建物が築造された日から 20 年間存続する。」という記述は誤りです(借地借家法7条1項)。

58
Q

A所有の甲土地を、Bが、建物の所有を目的として賃借している場合について。

甲土地の借地契約が更新された後に建物の滅失があった場合、BがAに対し、借地権の残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知したが、Aがその通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、再築についてAが承諾したものとみなされる。

A

誤り。 借地権の当初の存続期間が満了する前に建物が滅失し、借地権者が借地権設定者に対し、借地権の残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合に、借地権設定者がその通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、再築 の承諾をしたものとみなされます。しかし、借地契約の更新後は、再築についての「みなし承諾」の制度は、存在しません(7条2項)。

59
Q

A所有の甲土地を、Bが、建物の所有を目的として賃借している場合について。
甲土地の借地契約が更新された後に建物の滅失があった場合において、Bが残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、Aがその建物の築造を承諾しないときは、Aが甲土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、Bの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。

A

正しい。 借地契約が更新された後に建物の滅失があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、 借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます (18 条1項)。

60
Q

A所有の甲土地を、Bが、建物の所有を目的として賃借している場合について。

甲土地の借地契約が更新された後に建物が滅失した場合、Bが、Aに対して甲土地の 賃貸借の解約の申入れをしたときは、その申入れがあった日から6月を経過することによって契約が終了する。

A

誤り。 借地契約の更新後に、建物が滅失した場合には、借地権者は、借地権設定者に対し、土地の賃貸借の解約の申入れをすることができます。
この場合、借地権は、その 解約の申入れがあった日から「3月」を経過することによって消滅します(8条1項・ 3項)。

61
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

Bは、乙建物について、B名義の表示に関する登記をしているにすぎないときは、甲土地の賃借権を第三者に対抗することができない。

A

誤り。 借地権者は、借地上に自己名義で登記されている建物を所有している場合には、 その登記が表示に関する登記であっても、借地権を第三者に対抗することができます (借地借家法 10 条1項、判例)。

62
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

Bは、乙建物について、Bと同居している長男の名義で所有権の保存登記をしているときは、甲土地の賃借権を第三者に対抗することができる。

A

誤り。 借地権者は、借地上に登記されている建物を所有している場合でも、その登記が「借地権者の自己名義」でないときは、借地権を第三者に対抗することができません (10 条1項、判例)。

63
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。
Bは、乙建物についてB名義の所有権の保存登記をしている場合には、登記上の乙建物の地番が、錯誤又は遺漏により、実際と多少相違していても、建物の種類・構造・床面積等の記載と相まって、建物の同一性を認識できれば、甲土地の賃借権を第三者に対抗することができる。

A

正しい。 借地権者は、借地上に自己名義で登記されている建物を所有している場合には、登記された建物の地番が、錯誤または遺漏により、実際と多少相違していても、建物の種類・構造・床面積等の記載と相まって、建物の同一性を認識できれば、借地権を
第三者に対抗することができます(10 条1項、判例)。

64
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

Bが乙建物についてB名義の所有権の保存登記をした後、乙建物が滅失した場合には、 Bは、その滅失があった日などの一定の事項を甲土地の見やすい場所に掲示すれば、乙建物が滅失した日から1年間に限り、甲土地の賃借権を第三者に対抗することができる。

A

誤り。 借地上の登記済みの建物が滅失した場合、借地権者は、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日および建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示すれば、建物の滅失があった日から「2年」以内に限り、借地権を第三者に対抗することができます(10 条2項)。

65
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

Bが乙建物をCに賃貸しても、Bが甲土地をCに転貸したことにはならないから、Bが、Aの承諾を得ずに、乙建物をCに賃貸した場合でも、Aは、甲土地の無断転貸を理由に、甲土地の賃貸借契約を解除することはできない。

A

正しい。 借地上の「建物」を賃貸しても、「借地」を転貸したことにはなりません。

なぜなら、借地権者は、建物を賃貸した後も、建物を所有するため自ら借地を使用しているからです。したがって、Aは、甲土地の無断転貸を理由に、甲土地の賃貸借契約を解除することはできません(民法 612 条、判例)。

66
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

Bが、乙建物をCに譲渡しようとする場合において、Cが甲土地の賃借権を取得してもAに不利となるおそれがないにもかかわらず、Aが甲土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Cの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。

A

誤り。 借地権者が、借地上の建物を第三者に「譲渡しようとする」場合において、その第三者が土地の賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者が土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、「借地権 者」の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます。したがって、裁判所に申立てをするのは、Cではなく、Bです(借地借家法 19 条1項)。

67
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。Bが、乙建物をCに売却した場合において、Aが甲土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、Cは、Aに対し、乙建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

A

正しい。 第三者が借地上の建物を売買により取得した場合に、借地権設定者が土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができます(14 条)。

68
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。
Cが乙建物を競売により取得した場合において、Cが甲土地の賃借権を取得してもA に不利となるおそれがないにもかかわらず、Aが甲土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Cの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができるが、 この申立ては、乙建物の代金を支払った後2か月以内に限り、行うことができる。

A

正しい。 第三者が借地上の建物を「競売」によって「取得した」場合において、その第三者が土地の賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者が土地の賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、「第三者」 の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます。この場合、 第三者(競落人)は、建物の代金を支払った後2月以内に限り、この申立てをすることができます(20 条1項・3項)。

69
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。
乙建物の用途を制限する旨の借地条件がある場合、法令による土地利用の規制の変更により、その借地条件が相当でなくなり、その借地条件の変更についてAB間の協議が調わないときは、裁判所は、A又はBからの申立てにより、その借地条件の変更をすることができる。

A

正しい。 建物の種類、構造、規模または用途を制限する旨の借地条件がある場合に、 法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により、現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とする ことが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができます(借 地借家法 17 条1項)。

70
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。
乙建物の増改築を制限する旨の借地条件がある場合に、土地の通常の利用上相当とすべき増改築についてAB間に協議が調わないときは、Bの申立てにより、裁判所は、A の承諾に代わる許可を与えることができるが、借地権の存続期間の延長まですることは できない。

A

誤り。 増改築を制限する旨の借地条件がある場合でも、土地の通常の利用上相当な増改築については、当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができます。
この場合、裁判所は、必要があれば、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができます。したがって、借地権の存続期間を延長することもで きます(17 条2項・3項)。

71
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

AとBが、「一定の期間、甲土地の借賃を増額しない」旨の特約を定めたときは、A は、その期間内は、借賃が土地の価格の上昇により不相当となっても、Bに対して甲土地の借賃の増額を請求することはできない。

A

正しい。 土地の借賃が土地の価格の上昇その他の経済事情の変動により不相当となった場合でも、一定の期間土地の借賃を増額しない旨の特約があるときは、借地権設定者は、その期間内は、借地権者に対し、土地の借賃の増額を請求することができません (11 条1項)。

72
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借している場合について。

AとBが、「甲土地の賃料を3年ごとに1%ずつ増額し、借賃の減額を認めない」旨を公正証書で定めた場合でも、借賃が土地の価格の低下により不相当となったときは、 Bは、Aに対して甲土地の借賃の減額を請求することができる。

A

正しい。 土地の借賃が土地の価格の低下その他の経済事情の変動により不相当となった場合には、「土地の賃料を3年ごとに1%ずつ増額し、借賃の減額を認めない」旨を公正証書で定めたときでも、借賃の減額を認めない旨の定めは無効となるため、借地権者は、借地権設定者に対し、土地の借賃の減額を請求することができます(11 条1項、 判例)。

73
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

AB間の契約が、法第22条の定期借地権の設定を目的とする契約である場合には、その存続期間を50 年以上としなければならず、乙建物を専ら事業の用に供する建物にすることはできない。

A

誤り。 存続期間を 50 年以上として借地権を設定する場合には、
1,契約の更新をしない、
2,建物の再築による期間の延長をしない、
3,期間満了時の建物買取請求権を認めない旨の特約を、書面によってすることができます(定期借地権)。
そして、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合にも、この定期借地権を設定することができます (借地借家法 22 条)。

74
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

乙建物が専ら事業の用に供する建物である場合には、AB間の契約は、公正証書によらなければ、無効となる。

A

誤り。 事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければなりません。

しかし、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であっても、更新のある一般の借地権を設定するときや、肢1の定期借地権を設定するときは、公正証 書による必要はありません(23 条、22 条参照)。

75
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

AB間の契約が、法第23条の事業用定期借地権の設定を目的とする契約である場合には、乙建物は、専ら事業の用に供する建物であれば、居住用の賃貸マンションであってもよい。

A

誤り。 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合でも、居住の用に供する建物の所有を目的とするときは、事業用定期借地権を設定することができません(23 条1 項・2項)。

76
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

AB間の契約が、法第22条の定期借地権の設定を目的とする契約である場合には、契約の更新がないなどの一定の特約を、公正証書以外の書面によってすることができる。

A

正しい。 肢1の定期借地権を設定する場合には、契約の更新がないなどの一定の特約を公正証書による等書面によってしなければなりません。つまり、公正証書以外の書面でも構いません(22 条)。

77
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

甲土地に法第23条の事業用定期借地権を設定した場合には、Bは、Aの承諾を得なくても、当該借地権を第三者に譲渡することができる。

A

誤り。 事業用定期借地権であっても、それが土地の「賃借権」である限り、その譲渡には、賃貸人の承諾が必要となります。

したがって、Bは、Aの承諾を得なければ、当該借地権を第三者に譲渡することができません(民法 612 条1項)。

78
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

甲土地に法第24条の建物譲渡特約付借地権を設定する場合、AとBは、「借地権を消滅させるため、その設定後 30 年以上を経過した日に乙建物をAに相当の対価で譲渡する」旨を書面で定めなければならない。

A

誤り。 建物譲渡特約付借地権を設定する場合、その特約は、書面でする必要はありません(借地借家法 24 条1項)。

79
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。
甲土地に法第24条の建物譲渡特約付借地権を設定した場合、その後、その特約により当該借地権が消滅した際にBが乙建物の使用を継続しているときは、Bが請求をすれば、その請求の時に乙建物につきBとAとの間で期間の定めのない賃貸借(借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなされる。

A

正しい。 建物譲渡特約付借地権を設定した後、その特約により借地権が消滅した際に、 その建物の使用を継続している借地権者が請求をしたときは、請求の時にその建物につき、借地権者と借地権設定者との間で、期間の定めのない賃貸借(借地権の残存期間が あるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなされます(24 条2項)。

80
Q

A所有の甲土地を、Bが、乙建物の所有を目的として賃借する場合について。

甲土地に法第24条の建物譲渡特約付借地権を設定した場合には、その後、Bは乙建物を第三者に賃貸することができない。

A

誤り。 建物譲渡特約付借地権を設定した後に、その建物を第三者に賃貸することは禁止されません。
なお、建物が賃貸された後に、特約により借地権が消滅した場合には、 その際にその建物の使用を継続している建物の賃借人が請求をしたときは、請求の時に その建物につき、建物の賃借人と借地権設定者との間で、期間の定めのない賃貸借がされたものとみなされます(24 条2項)。