Season 3 Episode 3 Flashcards

1
Q

債務不履行について。

債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。

A

正しい。 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、「その期限の到来した後に履行の請求を受けた時」または「その期限の到来したことを知った時」のいずれか早い時から遅滞の責任を負います。例えば、債務者は、その期限が到来したことを知らない場合には、期限到来後に履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負います(民法 412 条2項)。

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2
Q

債務不履行について。売主Aと買主Bが甲建物の売買契約を締結した後、甲建物の引渡期日が到来する前に、甲建物が地震により全壊したため、甲建物の引渡しが不可能となったときは、Bは、甲建物の売買契約を解除することができる。

A

正しい。 債務の全部の履行が不能である場合には、債権者は、それが債権者の責めに帰すべき事由によるものでなければ、(債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても、)契約を解除することができます。したがって、Bは、甲建物の売買契約を解除することができます(542 条1項1号、543 条)。

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3
Q

債務不履行について。売主Aと買主Bが甲建物の売買契約を締結した後、Aが甲建物の引渡債務について遅

滞の責任を負っている間に甲建物が地震により全壊したため、甲建物の引渡しが不可能となったときは、Bは、Aに対し、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

A

正しい。 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされます。
したがって、Bは、 Aに対し、履行不能によって生じた損害の賠償を請求することができます(413 条の2 第1項、415 条1項)。

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4
Q

債務不履行について。契約に基づく債務の履行が契約の成立時に不能であった場合には、その不能が債務者 の責めに帰することができない事由によるものでなくても、債権者は、履行不能によって生じた損害について、債務不履行による損害賠償請求をすることができない。

A

誤り。 契約に基づく債務の履行が契約の成立時に不能であったことは、民法 415 条の規定(債務不履行による損害賠償の規定)によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げません。したがって、その不能が債務者の責めに帰することができない事由によるものでなければ、債権者は、履行不能によって生じた損害について、債務不履行による損害賠償請求をすることができます(412 条の2第2項、415 条 1項)。

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5
Q

債務不履行について。売主Aと買主Bが甲建物の売買契約を締結した場合、Bは、特別の事情がない限り、

甲建物の登記の移転に係る履行の提供を受けていないことを理由として、代金の支払期日に、Aに対して代金の支払を拒んでも、履行遅滞の責任を負わない。

A

正しい。 不動産売買における、売主の所有権移転登記に協力する債務と、買主の代金支払債務は、特別の事情がない限り、同時履行の関係に立ちます。
したがって、Bは、 特別の事情がない限り、甲建物の登記の移転に係る履行の提供を受けていないことを理 由として、代金の支払期日に、Aに対して代金の支払を拒んでも、履行遅滞の責任を負いません(民法 533 条、判例)。

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6
Q

債務不履行について。債務の不履行に対する損害賠償の請求においては、債権者は、特別の事情によって生 じた損害については、当事者がその事情を知っていたときに限り、その賠償を請求することができる。

A

誤り。 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることを、その目的とします。

そして、特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を「予見すべきであったとき」は、債権者は、その賠償を請求することができます(民法 416 条)。

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7
Q

債務不履行について。債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があっ

たときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。

A

正しい。 債務の不履行またはこれによる損害の発生もしくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任およびその額を定めます(過失相殺)。
なお、当事者が債務の不履行について損害賠償の額を予定した場合にも、この過失相殺の規定は適用されます(418 条、420 条1項、判例)。

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8
Q

債務不履行について。売主Aと買主Bが甲建物の売買契約を締結した場合、代金支払債務の不履行による損

害賠償については、Bは、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

A

正しい。 金銭の給付を目的とする債務(金銭債務)の不履行による損害賠償については、債務者は、不可抗力(債務者の責めに帰することができない事由によること)をもって抗弁とすることができません(419 条3項)。

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9
Q

契約の解除について。当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてそ

の履行の催告をし、その期間内に履行がない場合、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、相手方は、契約の解除をすることができない。

A

正しい。 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができます。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約 および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、契約の解除をすることができません(民法 541 条)。

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10
Q

契約の解除について。当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が、不相当な短い期間を 定めてその履行の催告をしたときは、その後、客観的に相当な期間が経過して、なお履行がないときでも、相手方は、契約の解除をすることができない。

A

誤り。 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が、不相当な短い期間を定めてその履行の催告をしたときでも、その後、客観的に相当な期間が経過して、 なお履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができます(541 条、判例)。

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11
Q

契約の解除について。建物の売買契約の締結後、当該建物の引渡期日前に、買主の責めに帰すべき事由によ り当該建物が焼失したため、当該建物の引渡が不可能となった場合には、買主は、当該 売買契約の解除をすることができない。

A

正しい。 債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、債務の全部の履行が不能であっても、契約の解除をすることができません(543 条、542 条1項1号)。

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12
Q

契約の解除について。債権者は、債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、 債務者に対する履行の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。

A

正しい。 債権者は、債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合には、履行の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができます。 なお、債務の一部の履行が不能であるときも、直ちに契約の一部の解除をすることがで きます(542 条2項)。

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13
Q

AB間でA所有の甲建物の売買契約を締結した場合における、契約の解除について。
Aが、売買代金の一部を受領し、Bが甲建物の引渡しを受けて入居したが、3ヵ月経過後、Aが、Bの残代金の不払を理由に甲建物の売買契約を解除した場合、Bは、Aに 甲建物を返還しなければならないが、甲建物の3ヵ月分の使用料相当額をAに支払う必要はない。

A

誤り。 建物の売買契約が解除された場合、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務(原状回復義務)を負います。この場合、買主が建物を返還するときは、その引渡しを受けた時からの使用料相当額も返還する必要があります(民法 545 条1項・3項)。

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14
Q

AB間でA所有の甲建物の売買契約を締結した場合における、契約の解除について。
Aが、売買代金の一部を受領し、Bが甲建物の引渡しを受けて入居した後、Aが、B の残代金の不払を理由に甲建物の売買契約を解除した場合、Bは、自らの債務不履行を理由に契約が解除されたので、甲建物の返還義務を履行した後でなければ、Aに対して、 支払済みの代金の返還を請求することができない。

A

誤り。 建物の売買契約が解除された場合、売主の代金の返還義務と、買主の建物の返還義務は、同時履行の関係に立ちます。つまり、両当事者の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます。したがって、Bは、自らの債務不履行を理由に契約が解除されたとしても、甲建物の返還義務を先に履行することを強制されません(546 条、545 条1項、533 条、判例)。

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15
Q

AB間でA所有の甲建物の売買契約を締結した場合における、契約の解除について。
Aが甲建物の引渡債務の履行を遅滞し、その債務の不履行がAの責めに帰することができない事由によるものでない場合、Bは、相当の期間を定めてその履行の催告をしたが、Aがその履行をしないため、甲建物の売買契約を解除したときは、Aに対して損害賠償請求をすることができない。

A

誤り。 債権者は、債務者が債務の履行を遅滞したため、催告による契約の解除をした場合でも、損害が発生すれば、債務者に対してその賠償を請求することができます(545条4項、541 条)。

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16
Q

AB間でA所有の甲建物の売買契約を締結した場合における、契約の解除について。

Bが甲建物をCに売却した後、Aが、Bの残代金の不払を理由に、AB間の甲建物の売買契約を解除した場合、Aは、Cが登記を備えていないときは、Cに対して甲建物の返還を請求することができる。

A

正しい。 売買契約を解除しても、解除前に目的物を取得した第三者の権利を害することはできません。

ただし、第三者は、登記を備えなければ、保護されません。したがって、Aは、Cが登記を備えていなければ、Cに対して甲建物の返還を請求することができます(545 条1項、判例)。

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17
Q

売主Aと、買主Bが甲建物の売買契約を締結した場合、甲建物の引渡期日が到来する前に、甲建物が地震により全壊したため、甲建物の引渡しが不可能となったときは、Bは、代金の支払いを拒むことができる。

A

正しい。 当事者双方の責めに帰することができない事由(地震)によって債務者(売主)が債務を履行することができなくなったときは、債権者(買主)は、反対給付の履行(代金の支払い)を拒むことができます。したがって、Bは、代金の支払いを拒むことができます(民法 536 条1項)。

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18
Q

売主Aと、買主Bが甲建物の売買契約を締結した場合、甲建物の引渡期日が到来する前に、甲建物がBの失火により全焼したため、甲建物の引渡しが不可能となったときは、Bは、代金の支払いを拒むことができない。

A

正しい。 債権者の責めに帰すべき事由(買主の失火)によって債務者(売主)が債務を履行することができなくなったときは、債権者(買主)は、反対給付の履行(代金の 支払い)を拒むことができません。
なお、この場合において、債務者(売主)は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者(買主)に償還しなければなりません(536 条2項)。

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19
Q

注文者Aと、請負人Bが甲建物の増築を目的とする請負契約を締結した場合、Aの失火により甲建物が焼失し、増築が不可能となったときは、Aは、報酬の支払いを拒むことができる。

A

誤り。 債権者の責めに帰すべき事由(注文者の失火)によって債務者(請負人)が債務を履行することができなくなったときは、債権者(注文者)は、反対給付の履行(報酬の支払い)を拒むことができません。
したがって、Aは、報酬の支払いを拒むことができません。なお、この場合において、債務者(請負人)は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者(注文者)に償還しなければなりません(536 条2項)。

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20
Q

委任者Aと、受任者Bが委任契約を締結し、AがBに対して報酬を支払う旨の特約がある場合、Aの責めに帰すべき事由によって、Bが委任事務の一部の履行をすることができなくなったときは、Bは、報酬全額の支払いをAに対して請求することができる。

A

正しい。 債権者の責めに帰すべき事由(委任者の責めに帰すべき事由)によって債務者(受任者)が債務の一部の履行をすることができなくなったときは、債権者(委任者) は、反対給付の全部の履行(報酬の全額の支払い)を拒むことができません。
したがって、Bは、報酬全額の支払いをAに対して請求することができます。なお、この場合において、債務者(受任者)は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者(委任者)に償還しなければなりません(536 条2項)。

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21
Q

債務の弁済について。

債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる。

A

正しい。 債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れます。

なお、弁済の提供をしただけでは、債務は消滅しません。債務を消滅させるためには、弁済や、供託をする必要があります(民法 492 条、473 条、494 条)。

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22
Q

債務の弁済について。弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならないが、債権者があらかじめその受領を拒んでいるときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領を催告すれば足りる。

A

正しい。 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければなりません(現実の提供)。

ただし、債権者があらかじめその受領を拒んでいるときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領を催告すれば(口頭の提供をすれば)足ります(493 条)。

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23
Q

債務の弁済について。債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加

額について、債権者と債務者はそれぞれ半額ずつ負担しなければならない。

A

誤り。 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とします。

ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とします。したがって、債権者と債務者がそれぞれ半額ずつ負担するのではありません(485 条)。

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24
Q

債務の弁済について。弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求

することができる。

A

正しい。 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができます。

つまり、弁済と受取証書の交付は、同時履行の関係に立つということです(486 条)。

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25
Q

債務の弁済について。弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁

済をすることを債権者が知らなかったときでも、債務者の意思に反して弁済をすることはできない。

A

誤り。 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができません。

ただし、債務者の意思に反することを債権者が知ら なかったときは、債務者の意思に反して弁済をすることができます(民法 474 条2項)。

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26
Q

債務の弁済について。AのBに対する金銭債権を担保するため、BがB所有の甲土地にAのために抵当権を

設定し、その旨の登記をした後、Bが甲土地をCに売却した場合、Cは、Bの意思に反しても、Aに対して当該金銭債権について債務の弁済をすることができる。

A

正しい。 抵当不動産の第三取得者は、被担保債権に係る弁済について法律上の利害関係を有するので、「弁済をするについて正当な利益を有する者」に該当します。
したがって、第三取得者Cは、被担保債権に係る債務者Bの意思に反しても、債権者Aに対して弁済をすることができます(474 条2項、判例)。

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27
Q

債務の弁済について。A所有の甲土地を賃借しているBが、甲土地上に乙建物を建築し、これをCに賃貸し ている場合、Cは、Bの意思に反しても、Aに対して甲土地の地代の弁済をすることができる。

A

正しい。 借地上の建物の賃借人は、その敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有するので、「弁済をするについて正当な利益を有する者」に該当します。
したがって、借地上の建物の賃借人Cは、その敷地の賃借人Bの意思に反しても、その敷地の地代の弁済をすることができます(474 条2項、判例)。

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28
Q

債務の弁済について。弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、その第三者が債務者の委

託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、債権者の意思に反して弁済をすることができる。

A

正しい。 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができません。

ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、債権者の意思に反して弁済をすることができます(474 条3項)。

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29
Q

債務の弁済について(なお、本問において「受領権者」とは、債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいうものとする)。
弁済をするについて正当な利益を有する者は、債務者のために弁済をしたときは、債権者から債務者への通知又は債務者の承諾がなければ、債権者に代位する旨を債務者に主張することができない。

A

誤り。 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位します。
この場合、「弁済をするについて正当な利益を有する者」は、債権者から債務者への通知または債務者の承諾がなくても、債権者に代位する旨を債務者に主張することができます。なお、「弁済をするについて正当な利益を有する者でない者」は、債権者から債務者への通知または債務者の承諾がなければ、債権者に代位する旨を債務者に主張することができません(民法 499 条、500 条、467 条)。

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30
Q

債務の弁済について(なお、本問において「受領権者」とは、債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいうものとする)。
受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

A

正しい。 受領権者(債権者および法令の規定または当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいいます)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意無過失のときに限り、その効力を有します(478 条)。

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31
Q

債務の弁済について(なお、本問において「受領権者」とは、債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいうものとする)。
不動産の所有権をもって代物弁済の目的とする場合、その代物弁済による債務消滅の効果は、原則として、単に所有権移転の意思表示をしただけで生じる。

A

誤り。 不動産の所有権をもって代物弁済の目的とする場合、その代物弁済による債務消滅の効果は、原則として、所有権移転登記の手続の完了によって生じ、単に所有権移転の意思表示をしただけでは、債務消滅の効果は生じません(482 条、判例)。

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32
Q

債務の弁済について(なお、本問において「受領権者」とは、債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいうものとする)。
債務者は、債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいるときは、原則として、口頭の提供をすることなく、直ちに債権者のために弁済の目的物を供託することができる。

A

誤り。 弁済者は、弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだときは、 債権者のために弁済の目的物を供託することができます。
そして、債務者は、債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいるときは、原則として、まず口頭の提供をしなければ、 供託をすることができません(494 条1項1号、493 条)。

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33
Q

相殺について。AがBに対して弁済期の到来した代金債権を有し、BがAに対して弁済期の到来して

いない貸金債権を有している場合、Bは、Aに対して相殺の意思表示をすることができる。

A

誤り。 自働債権の弁済期が到来していなければ、相殺をすることができません。
したがって、Bは、Aに対して相殺の意思表示をすることができません。なお、自働債権の弁済期が到来していれば、受働債権の弁済期が到来していなくても、受働債権について期限の利益を放棄して、相殺をすることができます。したがって、Aは、当該貸金債権について期限の利益を放棄して、Bに対して相殺の意思表示をすることができます(民法 505 条1項、136 条)。

34
Q

相殺について。AがBに対して代金債権を有し、BがAに対して貸金債権を有し、双方の債権が相殺に適するようになっている場合、その後、当該貸金債権が時効により消滅したときは、Bは、Aに対して相殺の意思表示をすることができない。

A

誤り。 時効によって消滅した債権が、その消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。したがって、Bは、当該貸金債権が時効によって消滅した後も、Aに対して相殺の意思表示をすることができます(508条)。

35
Q

相殺について。AがBに対して弁済期の到来した代金債権を有しており、Aが過失によりBの身体を侵害したため、BがAに対して損害賠償請求権を有する場合、Aは、Bに対して相殺の意思表示をすることができない。

A

正しい。 人の生命または身体の侵害による損害賠償の債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができません。

したがって、Aは、Bに対して相殺の意思表示をすることができません(509 条2号)。

36
Q

相殺について。Aの債権者Cが、AのBに対する代金債権を差し押さえた場合、Bが、その差押え後に、Aに対する貸金債権を取得したときは、Bは、当該貸金債権による相殺をもってCに対抗することができる。

A

誤り。 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできませんが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができます。したがって、Bは、当該貸金債権による相殺をもってCに対抗することができません(511 条1項)。

37
Q

売主Aと買主Bが、A所有の甲土地の売買契約を締結した際に、BがAに対して手付を交付した場合について。

Aは、Bが代金を準備するために銀行に対して融資の申込みをした後は、Bに対して手付の倍額を現実に提供して、甲土地の売買契約を解除することができない。

A

誤り。 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍 額を現実に提供して、契約の解除をすることができます。
ただし、その相手方が契約の 履行に着手した後は、契約の解除をすることができません。そして、買主は、代金を準備するために銀行に対して融資の申込みをしただけでは、契約の履行に着手したことになりません。したがって、Aは、Bに対して手付の倍額を現実に提供して、甲土地の売買契約を解除することができます(民法 557 条1項)。

38
Q

売主Aと買主Bが、A所有の甲土地の売買契約を締結した際に、BがAに対して手付を交付した場合について。

Bは、Aに対して代金の一部を支払った後であっても、Aが契約の履行に着手していなければ、手付を放棄して、甲土地の売買契約を解除することができる。

A

正しい。 買主は、代金の一部を支払った後も(自らが契約の履行に着手した後も)、売主(相手方)が契約の履行に着手していなければ、手付を放棄して、契約の解除をすることができます(557 条1項)。

39
Q

売主Aと買主Bが、A所有の甲土地の売買契約を締結した際に、BがAに対して手付を交付した場合について。

A及びBが契約の履行に着手していない場合、Aは、Bに対して、口頭で手付の額の倍額を償還する旨を告げて受領を催告すれば、甲土地の売買契約を解除することができる。

A

誤り。 売主は、手付による解除をするときは、買主に対して、単に口頭で手付の額の倍額を償還することを告げて受領を催告するだけでは足りず、これを現実に提供しなければなりません(557 条1項)。

40
Q

売主Aと買主Bが、A所有の甲土地の売買契約を締結した際に、BがAに対して手付を交付した場合について。

A及びBが契約の履行に着手していない場合、Bが手付を放棄して甲土地の売買契約を解除したときは、Aは、手付の額を超える額の損害を受けたことを立証すれば、その損害全部の賠償をBに対して請求することができる。

A

誤り。 手付による解除が行われても、損害賠償の問題は生じません。したがって、買主が、手付を放棄して、契約を解除しても、売主は、そのことを理由に、買主に対して損害賠償請求をすることはできません(557 条2項、545 条4項)。

41
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡した。甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
Bは、Aに対し、甲建物の修補による履行の追完を請求することができるだけでなく、代替物の引渡しによる履行の追完を請求することもできる。

A

正しい。 引き渡された目的物が、品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができます(民法 562 条1項)。

42
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡した。甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
BがAに対して代替物の引渡しによる履行の追完を請求した場合、Aは、Bに不相当な負担を課するものでないときは、甲建物の修補による履行の追完をすることができる。

A

正しい。 引き渡された目的物が、品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができます(562 条1項)。

43
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡した。甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
地震が原因で、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものとなったときは、Bは、Aに対して、履行の追完を請求することができない。

A

誤り。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、 その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、履行の追完の請求をすることができません。
しかし、その不適合が地震などの不可抗力によるもの であるときは、買主は、履行の追完の請求をすることができます(562 条2項)。

44
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡した。甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
BがAに対して相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、BはAに対し、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

A

正しい。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができます(563 条1項)。

45
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡したが、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
Bは、Aが履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したときは、Aに対して履行の追完の催告をすることなく、代金の減額を請求することができる。
Bの責めに帰すべき事由により、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものとなったときは、Bは、Aに対して代金の減額を請求することができない。

A

正しい。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、代金の減額を請求することができません(563 条3項)。

46
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡したが、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
Bの責めに帰すべき事由により、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものとなったときは、Bは、Aに対して代金の減額を請求することができない。

A

正しい。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、代金の減額を請求することができません(563 条3項)。

47
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡したが、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
Bは、Aに対して代金の減額を請求した場合であっても、Aに対して損害賠償請求をすることができる。

A

誤り。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、 買主は、代金の減額を請求したときは、これと両立しない損害賠償請求や契約の解除をすることはできないと解されています(564 条、563 条)。

48
Q

売主Aと買主Bとの間で甲建物の売買契約を締結し、Aが甲建物をBに引き渡したが、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合について。
Bが、甲建物が品質に関して契約の内容に適合しないものであることを知った時から1年以内にその旨をAに通知しなかった場合でも、Aが引渡しの時にその不適合を知っていたときは、Bは、Aに対して履行の追完の請求をすることができる。

A

正しい。 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求をすることができません。
ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、履行の追完の請求をすることができます(566 条)。

49
Q

売主Aと買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結した場合について。

AがBに対して甲土地を引き渡したが、甲土地が数量に関して契約の内容に適合しないものである場合、Bは、その不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなければ、Aに対して代金の減額を請求することができない。

A

誤り。 売主が「数量」に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合には、「買主がその不適合を知った時から 1 年以内にその旨を売主に通知する」旨の規定は存在しません。
したがって、Bは、その不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなくても、Aに対して代金の減額を請求することができます(民法 566 条参照)。

50
Q

売主Aと買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結した場合について。

甲土地がCの所有に属し、Cが、AB間の売買契約の締結時において甲土地を他に譲渡する意思を有しなかった場合には、当該売買契約は無効である。

A

誤り。 他人の権利の売買は、その権利者に売買成立当時から他に権利を譲渡する意思がなかった場合でも、有効です。この場合、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います(561 条、判例)。

51
Q

売主Aと買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結した場合について。

甲土地に契約の内容に適合しない抵当権が存していた場合、その抵当権の実行により、Bが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、甲土地の売買契約を解除することができる。

A

正しい。 売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合、買主は、要件を満たせば、契約の解除をすることができます。
本肢では、抵当権の実行により、Bが甲土地の所有権を失っている(債務の全部の履行が不能である)ため、Bは、 売買契約を解除することができます(565 条、564 条、542 条1項1号)。

52
Q

売主Aと買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結した場合について。

甲土地が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、Aがその不適合を担保すべき責任を負わない旨の特約が存在するときは、Aは、知りながら告げなかった事実についても、その責任を免れることができる。

A

誤り。 売主は、引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(572 条)。

53
Q

賃貸借について。Aが、A所有の甲土地をBに賃貸し、Bが甲土地を資材置場として更地で利用する場合、当該賃借権の存続期間は、20 年を超えることができず、AB間で 20 年を超える存続期間を定めたときは、その存続期間は 20 年となる。

A

誤り。 民法上は、賃貸借の存続期間は、50 年を超えることができず、これを超える期間を定めたときは、50 年に短縮されます。
なお、この期間は更新できますが、その期間も50 年が限度です(民法 604 条)。

54
Q

賃貸借について。Aが、A所有の甲土地をBに賃貸し、Bが当該賃借権の登記を備えた場合、その後、Aが甲土地をCに譲渡したときは、AC間に特段の合意がない限り、甲土地の賃貸人たる地位はCに移転するが、Cは、甲土地について所有権の移転の登記を備えなければ、 賃貸人たる地位の移転をBに対抗することができない。

A

正しい。 不動産の賃借人は、その賃借権の登記を備えれば、その後その不動産について物権(所有権)を取得した第三者に対しても、賃借権を対抗することができます。
そして、不動産について賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、譲渡人と譲受人との間に特段の合意がない限り、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転します。そして、この賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができません (605 条、605 条の2第1項・2項・3項)。

55
Q

賃貸借について。Aが、A所有の甲土地をBに賃貸し、Bが当該賃借権の登記を備えた場合、その後、 甲土地をDが占有しているときでも、Bは、Dに対して、甲土地の返還の請求をすることはできない。

A

誤り。 不動産の賃借人は、賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産を第三者が占有しているときは、その第三者に対し、当該不動産の返還の請求をすることができます(605 条の4第2号)。

56
Q

賃貸借について。Aが、A所有の乙建物をBに賃貸した場合、AB間に特約がなければ、Bの責めに帰すべき事由によって乙建物の修繕が必要となったときも、Aは、その修繕をする義務を負う。

A

誤り。 賃貸人は、特約がなければ、賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負います。

ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、賃貸人は修繕義務を負いません(606 条1項)。

57
Q

Aが、A所有の甲建物を、月額10万円でBに賃貸している場合について。

Aが甲建物の保存に必要な修繕をしようとする場合には、それがBの意思に反するときでも、Bは、これを拒むことができない。

A

正しい。 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができません。

なお、賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約を解除することができます(民法 606 条2項、607 条)。

58
Q

Aが、A所有の甲建物を、月額10万円でBに賃貸している場合について。

Bは、甲建物についてAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対し、直ちに、その償還を請求することができる。

A

正しい。 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、 賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができます(608 条1項)。

59
Q

Aが、A所有の甲建物を、月額10万円でBに賃貸している場合について。

Bが、Aの承諾を得ずに甲建物をCに転貸し、Cに甲建物を使用させている場合、その行為がAに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは、Bの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。

A

正しい。 賃借人が、賃貸人の承諾を得ずに、賃借物を転貸し、第三者に使用させたときは、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができます。
ただし、その行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができません(612 条、判例)。

60
Q

Aが、A所有の甲建物を、月額10万円でBに賃貸している場合について。

BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸した場合、BがAに対して賃料を支払期日になっても支払わないときは、AはCに対して、賃料 15 万円をAに 直接支払うよう請求することができる。

A

誤り。 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の 賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負います。
したがって、賃貸人は、転借人にも賃料を請求できま すが、この場合、最初の賃貸借契約で定められた賃料と、転貸借契約で定められた賃料を比較し、額が少ない方の分しか、請求できません。したがって、AはCに対して、賃料 10 万円をAに直接支払うよう請求することができます(613 条1項)。

61
Q

AがBに甲建物を賃貸し、BがAに敷金を交付している場合について。

Bが、Aの承諾を得て、甲建物をCに転貸した後、Aが、Bの賃料不払いを理由にAB間の賃貸借契約を解除した場合には、当該転貸借は終了し、Cは、当該転貸借に基づく権利をAに対抗することができない。

A

正しい。 賃借人が適法に(賃貸人の承諾を得て)賃借物を転貸した後、賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が賃貸借契約を解除した場合には、その転貸借は履行不能により終了し、転借人は、転貸借に基づく権利を賃貸人に対抗することができません(民法 613 条、判例)。

62
Q

AがBに甲建物を賃貸し、BがAに敷金を交付している場合について。
Bは、甲建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた甲建物の損耗並びに甲建物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷がBの責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、その損傷を原状に復する義務を負う。

A

正しい。 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用および収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除きます)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負います。
ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、その損傷を原状に復する義務を負いません(621 条)。

63
Q

AがBに甲建物を賃貸し、BがAに敷金を交付している場合について。

Bが契約の本旨に反する甲建物の使用をしたためAに損害が生じた場合、AのBに対する損害賠償は、Aが甲建物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

A

正しい。 賃借人が、契約の本旨に反して、目的物の使用または収益を行ったため、賃貸人に損害が生じたときは、賃貸人は、目的物の返還を受けた時から1年以内に、その賠償を請求しなければなりません。なお、賃借人が支出した費用の償還請求も、目的物の返還時から1年以内に行う必要があります(622 条、600 条1項)。

64
Q

AがBに甲建物を賃貸し、BがAに敷金を交付している場合について。

AB間の賃貸借契約が終了した場合、Aの敷金返還債務と、Bの甲建物の明渡債務は、 特別の約定がない限り、同時履行の関係に立つ。

A

誤り。 賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければなりません。つまり、賃借人は、目的物を明け渡した後でなければ、敷金の返還を請求することができません。したがって、Aの敷金返還債務と、Bの甲建物 の明渡債務は、特別の約定がない限り、同時履行の関係に立ちません。Bの甲建物の明渡債務が先履行となります(622 条の2第1項1号)。

65
Q

AがBに甲建物を賃貸し、Bが甲建物の引渡しを受け、BがAに敷金を交付している場合について。

Bが、Aの承諾を得て、賃借権をCに譲渡した場合、Aは、Bに対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じたBのAに対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

A

正しい。 賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、賃借人が適法に(賃貸人の承諾を得て)賃借権を譲り渡したときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければなりません。
つまり、適法に賃借権の譲渡が行われた場合は、敷金関係は新賃借人に承継されません(民法 622 条の2第1項2号、612 条)。

66
Q

AがBに甲建物を賃貸し、Bが甲建物の引渡しを受け、BがAに敷金を交付している場合について。

AB間の賃貸借の契約期間中に、Bが賃料を延滞しているときは、Bは、Aに対し、敷金をその賃料債務の弁済に充てることを請求することができる。

A

誤り。 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができます。
しかし、賃借人は、 賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することはできません(民法 622 条の2第2項)。

67
Q

AがBに甲建物を賃貸し、Bが甲建物の引渡しを受け、BがAに敷金を交付している場合について。

AB間の賃貸借の契約期間中に、Aが甲建物をCに譲渡し、Cが所有権移転登記を備えたときは、当該敷金については、賃貸借に基づいて生じたBのAに対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額についての権利義務関係がCに承継される。

A

正しい。 賃貸中の建物が譲渡され(建物の賃借人は、建物の引渡しを受ければ、その後、その賃借権を第三者に対抗することができます)、所有権移転登記がなされた場合には、譲受人は、賃貸人としての地位が譲受人に移転したことを、賃借人に対抗することができます。
この場合、旧賃貸人に差し入れられた敷金については、賃貸借に基づいて生じた賃借人の旧賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額についての権利義務関係が、新賃貸人に承継されます(605 条の2第1項・3項、622 条 の2第1項参照、借地借家法 31 条、判例)。

68
Q

AがBに甲建物を賃貸し、Bが甲建物の引渡しを受け、BがAに敷金を交付している場合について。

Bが、賃貸借契約に基づく義務に違反してAとの間の信頼関係を破壊し、当該賃貸借契約の継続を著しく困難にしたときは、Aは、Bに対する催告をすることなく、当該賃貸借契約を解除することができる。

A

正しい。 賃借人が、賃貸借契約に基づく義務に違反して賃貸人との信頼関係を破壊し、 賃貸借契約の継続を著しく困難にした場合には、賃貸人は、催告をしないで、(将来に向かって)契約を解除することができます(541 条、判例)。

69
Q

Aが、A所有の甲建物について、Bと使用貸借契約を締結した場合について。

Aが甲建物をCに売却し、所有権移転登記を行った場合、Cは、Aによる売却の前にBが甲建物の引渡しを受けていたときは、Bに対して甲建物の明渡しを請求することができない。

A

誤り。 使用貸借に基づく権利(使用借権)は、登記をすることができず、建物の使用貸借には借地借家法の適用もないため、建物の引渡しによる対抗力も認められません。
したがって、使用借権を第三者に対抗することはできず、Cは、Bに対して甲建物の明渡しを請求することができます。

70
Q

Aが、A所有の甲建物について、Bと使用貸借契約を締結した場合について。

Bは、甲建物についての通常の必要費を負担しなければならないが、甲建物についての特別の必要費や、有益費は、Aが負担しなければならない。

A

正しい。 使用貸借契約においては、借主は、借用物の通常の必要費(現状維持に必要な修繕費用等)を負担しなければなりません。

しかし、特別の必要費(非常災害による 修繕費等)や、有益費は、貸主が負担しなければなりません(民法 595 条)。

71
Q

Aが、A所有の甲建物について、Bと使用貸借契約を締結した場合について。

Bが死亡した場合には、AB間の使用貸借契約は終了するが、Aが死亡した場合には、AB間の使用貸借契約は当然には終了しない。

A

正しい。 使用貸借契約は、借主の死亡によって、終了します。しかし、貸主が死亡しても、当然には終了しません(597 条3項)。

72
Q

Aが、A所有の甲建物について、Bと使用貸借契約を締結した場合について。

A及びBが使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、AB間の使用貸借契約は、Bがその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。

A

正しい。 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用および収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用および収益を終えることによって終了します。
なお、当事者が使用貸借の期間を定めないで、使用および収益の目的を定めた場合、その目的に従い借主が使用および収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、使用貸借契約を解除することができます(597 条2項、598 条1項)。

73
Q

注文者Aと、請負人Bが、建物の建築を目的とする請負契約を締結した場合について。
建物が完成し、BがそれをAに引き渡したが、当該建物が品質に関して契約の内容に適合しないものであるため、AがBに対して損害賠償請求をした場合、Aは、Bがその損害賠償債務について履行の提供をしないときでも、特別の事情がない限り、同時履行の抗弁権を主張して報酬の支払いを拒むことはできない。

A

誤り。 双務契約の当事者の一方は、相手方の債務が弁済期にないときを除き、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含みます)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができます(同時履行の抗弁権)。
そして、請負契約において注文者に引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないもの であるため、注文者が請負人に対して損害賠償請求をした場合、請負人がその損害賠償債務について履行の提供をしないときは、注文者は、信義則に反すると認められるときを除き、報酬全額の支払いを拒むことができます(民法 533 条、判例)。

74
Q

注文者Aと、請負人Bが、建物の建築を目的とする請負契約を締結した場合について。

AB間の請負契約が仕事の完成前に解除された場合において、Bが既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

A

正しい。 請負が仕事の完成前に解除された場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完 成とみなします。
この場合、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができます(634 条2号)。

75
Q

注文者Aと、請負人Bが、建物の建築を目的とする請負契約を締結した場合について。
建物が完成し、BがそれをAに引き渡したが、当該建物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合、Aがその不適合を知った時から1年以内にその旨をBに通知しないときでも、当該建物をAに引き渡した時において、Bがその不適合を知っていたときは、Aは、履行の追完の請求をすることができる。

A

正しい。 請負人が品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡した場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求をすることができません。
ただし、仕事の目的物を注文者に引き渡した時において、請負人がその不適合を知り、または重大な過失により知らなかったときは、注文者は、履行の追完の請求をすることができます(637 条)。

76
Q

注文者Aと、請負人Bが、建物の建築を目的とする請負契約を締結した場合について。

Aは、Bが仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

A

正しい。 注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができます(641 条)。

77
Q

委任契約について。受任者は、報酬を支払う旨の特約がない場合には、自己の財産におけるのと同一の注

意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

A

誤り。 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができません。

しかし、受任者は、報酬を請求することができないときも、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負います(民法 644 条、648 条1項)。

78
Q

委任契約について。受任者は、報酬を支払う旨の特約がある場合において、受任者の責めに帰すべき事由

によって委任事務の履行をすることができなくなったときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができない。

A

誤り。 受任者は、委任者の責めに帰することができない事由によって(受任者の責めに帰すべき事由による場合も含みます)委任事務の履行をすることができなくなった場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます。
したがって、受任者は、受任者の責めに帰すべき事由によって委任事務の履行をすることができなくなったときも、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます(648 条3項 1号)。

79
Q

委任契約について。委任契約は、各当事者がいつでも解除することができるが、委任者が受任者の利益(専

ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任契約を解除したときは、委任者は、やむを得ない事由があったときを除き、受任者の損害を賠償しなければならない。

A

正しい。 委任契約は、各当事者がいつでも解除することができます。
そして、委任者 が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除きます)をも目的とする委任契約を解除したときは、受任者の損害を賠償しなければなりません。ただし、やむを得ない事由があったときは、受任者の損害を賠償する必要はありません(651 条2項2号)。

80
Q

委任契約について。委任契約は、委任者が後見開始の審判を受けたときは、終了するが、これを受任者に 通知したとき、又は受任者がこれを知っていたときでなければ、これをもって受任者に対抗することができない。

A
誤り。 委任の終了事由は、
1,委任者または受任者の死亡、
2,委任者または受任者が破産手続開始の決定を受けたこと、
3,受任者が後見開始の審判を受けたことです。
したがって、委任者が後見開始の審判を受けても、委任契約は終了しません。なお、委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、または相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができません(653 条、655 条)。