Season 2 Episode 2 Flashcards

1
Q

Aが土地をBに売却した場合について。

Bは、所有権の移転登記を備えなければ、当該土地の所有権をAに対して主張することができない。

A

誤り。 売主に所有権を主張するのに、登記は不要。

当事者の関係においては、登記は問題となりません(民法 176 条、177 条)。本肢では、BがAに所有権を主張するのに、登記は不要です。

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2
Q

Aが土地をBに売却した場合について。

Bは、所有権の移転登記を備えなければ、当該土地の所有権をAの相続人Cに対して主張することができない。

A

誤り。 「売主の相続人」に所有権を主張するのに、登記は不要。

相続人は、売主が生前に有していた法律上の地位を包括承継します(896 条)。包括承継人との関係では、登記は問題となりません。(177 条、判例)。本肢では、BがCに所有権を主張するのに、登記は不要です。

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3
Q

Aが土地をBに売却した場合について。

Bは、所有権の移転登記を備えなければ、当該土地の所有権をAの相続人から当該土地を購入したDに対して主張することができない。

A

正しい。 売主の相続人からの譲受人とは、対抗関係。

売主の相続人からの譲受人との関係は、対抗関係となりますので、両者の優劣は登記の先後により決することになります。したがって、BがDに土地の所有権を主張するには、登記が必要です(177 条、判例)。

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4
Q

Aが土地をBに売却した場合について。

Bは、所有権の移転登記を備えなくても、当該土地の所有権をAから当該土地を購入したEに対して主張することができる。

A

誤り。 二重譲渡の両譲受人は、対抗関係。

不動産が二重譲渡された場合、両譲受人との関係は対抗関係となりますので、両者の優劣は登記の先後により決することになります。したがって、BがEに土地の所有権を主張するには、登記が必要です(177 条、判例)。

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5
Q

Aは、自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。

Cが、AB間の売買の事実を知らずにAから甲地を買い受け、所有権移転登記を得た場合、CはBに対して甲地の所有権を主張することができる。

A

正しい。 二重譲渡における買主同士は、対抗関係。

不動産が二重に譲渡された場合、買主同士は対抗関係となり、原則として先に登記を備えた者が権利を取得します。したがって、Cが先に所有権移転登記を備えているので、CはBに対し、甲地の所有権を主張できます(民法 177 条)。

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6
Q

Aは、自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。

Dが、Bを欺き著しく高く売りつける目的で、Bが所有権移転登記を行っていないことに乗じて、Aから甲地を買い受け所有権移転登記を得た場合、DはBに対して甲地の所有権を主張することができない。

A

正しい。 背信的悪意者に所有権を主張するのに、登記は不要。
背信的悪意者に対しては、登記がなくても自己の権利を主張できます。本肢のDは、Bを欺き著しく高く売りつける目的で土地を買い受けている背信的悪意者です。したがって、Bは、登記 がなくても、Dに対して甲地の所有権を主張できます(177 条)。その結果、Dは、Bに対して甲地の所有権を主張することができません。

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7
Q

Aは、自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。

Eが、甲地に抵当権の設定を受け登記を得た場合であっても、その後Bが所有権移転登記を得てしまえば、以後、EはBに対して甲地の抵当権を主張することができない。

A

誤り。 登記された抵当権は、所有権に対抗できる。

同一の不動産に対して設定された抵当権と所有権の優劣は、登記によって決せられます。本肢では、先に抵当権の登記が備えられていますから、抵当権者Eは新所有者Bに対して抵当権を主張することができます(177 条)。

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8
Q

Aは、自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。

AとFが、通謀して甲地をAからFに仮装譲渡し、所有権移転登記を得た場合、Bは登記がなくとも、Fに対して甲地の所有権を主張することができる。

A

正しい。 無権利者に所有権を主張するのに、登記は不要。

通謀虚偽表示は無効ですから、Aと通謀虚偽表示をしたFは甲地について無権利者であって、 その登記も無効です。したがって、Bは登記がなくとも、Fに対して甲地の所有権を主張することができます(94 条、判例)。

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9
Q

物権変動について。

Aが、Bに土地を譲渡して登記を移転した後、詐欺を理由に売買契約を取り消した場合で、Aの取消し後に、BがCにその土地を譲渡して登記を移転したとき、Aは、登記なしにCに対して土地の所有権を主張できる。

A

誤り。 取消し後の第三者に対抗するには、登記が必要。
売主が、土地の売買契約を買主の詐欺を理由に取り消した場合、土地所有権は売主に復帰しますが、このとき売主と取消し後の第三者との関係は、対抗関係となります(民法177条、判例)。 したがって、両者の優劣は登記の先後により決します。本肢では、登記を備えたCが優先し、A はCに対して土地の所有権を主張することはできません。

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10
Q

物権変動について。

DとEが土地を共同相続した場合で、遺産分割前にDがその土地を自己の単独所有であるとしてD単独名義で登記し、Fに譲渡して登記を移転したとき、Eは、登記なしにFに対して自己の相続分を主張できる。

A

正しい。 無権利者に所有権を主張するのに、登記は不要。
遺産分割前に、共同相続人の一人が単独相続の登記をしても、その登記は他の共同相続人の相続分については無権利の登記であるにすぎません。本肢では、DはEの持分については無権利ですので、無権利のDからFはEの持分(相続により取得した持分)を取得できないので、Fもまた無権利です。したがって、Eは、登記なしにFに対して自己の相続分を主張できます(判例)。

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11
Q

物権変動について。GがHに土地を譲渡した場合で、Hに登記を移転する前に、Gが死亡し、Iがその土地の特定遺贈を受け、登記の移転も受けたとき、Hは、登記なしにIに対して土地の所有権を主張できる。

A

誤り。 特定遺贈の受贈者と遺贈者からの譲受人とは、対抗関係。

土地について、特定遺贈を受けた者と、特定遺贈をした者からその土地を譲り受けた者は、対抗関係となります(177 条、判例)。したがって、両者の優劣は登記の先後により決します。本肢では、登記を備えたIが優先します。

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12
Q

物権変動について。Jが、K所有の土地を占有し取得時効期間を経過した場合で、時効の完成後に、Kがその土地をLに譲渡して登記を移転したとき、Jは、登記なしにLに対して当該時効による土地の取得を主張できる。

A

誤り。 時効取得者と時効完成後の第三者とは、対抗関係。

時効取得者と時効完成後の第三者との関係は、対抗関係となります(177 条、判例)。したがって、両者の優劣は登記の先後により決します。本肢では、登記を備えたLが優先します。

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13
Q

A所有の土地について、AがBに、BがCに売り渡し、AからBへ、Bから Cへそれぞれ所有権移転登記がなされた場合について。

Cが移転登記を受ける際に、AB間の売買契約がBの詐欺に基づくものであることを知っていた場合で、当該登記の後にAによりAB間の売買契約が取り消されたとき、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗することができない。

A

正しい。 詐欺取消しは、善意無過失の取消し前の第三者に対抗できない。
本肢は取消し前の第三者の事例です。詐欺の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができません(民法 96 条)。本肢のCは悪意の第三者ですから、Aは、Cに対して詐欺の取消しを 対抗することができます。その結果、Cは、Aに対して土地の所有権を対抗することができない ことになります。

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14
Q

A所有の土地について、AがBに、BがCに売り渡し、AからBへ、Bから Cへそれぞれ所有権移転登記がなされた場合について。

Cが移転登記を受ける際に、AB間の売買契約が公序良俗に反し無効であることを知らなかった場合、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できる。

A

誤り。 公序良俗違反による無効は、善意の第三者にも対抗できる。

公序良俗違反による無効については、善意の第三者を保護する規定はありません(90 条参照)。したがって、Cは、AB間の公序良俗違反について善意であっても、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できません。

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15
Q

A所有の土地について、AがBに、BがCに売り渡し、AからBへ、Bから Cへそれぞれ所有権移転登記がなされた場合について。

Cが移転登記を受ける際に、AB間の売買契約に解除原因が生じていることを知っていた場合で、当該登記の後にAによりAB間の売買契約が解除されたとき、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できない。

A

誤り。 解除前の第三者は、登記を備えれば保護される。
契約を解除することにより、解除前の第三者を害することはできません。ただし、解除前の第三者が保護されるためには、その第三者は登記を備える必要があります(545 条、判例)。本肢の 第三者Cは登記を備えていますので、保護されます。したがって、Cは、Aに対して土地の所有 権の取得を対抗できます。

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16
Q

A所有の土地について、AがBに、BがCに売り渡し、AからBへ、Bから Cへそれぞれ所有権移転登記がなされた場合について。

Cが移転登記を受ける際に、既にAによりAB間の売買契約が解除されていることを知っていた場合、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できない。

A

誤り。 解除した者と解除後の第三者とは、対抗関係。

契約を解除した者と解除後の第三者とは、対抗関係になります(177 条、判例)。したがって、 両者の優劣は登記の先後により決します。本肢では、登記を備えたCが優先し、Cは、Aに対して土地の所有権の取得を対抗できます。

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17
Q

AからB、BからCに、甲地が順次売却され、AからBに対する所有権移転 登記がなされた。

Aが甲地につき全く無権利の登記名義人であった場合、真の所有者Dが所有権登記をBから遅滞なく回復する前に、Aが無権利であることにつき善意のCがBから所有権移転登記を受けたとき、Cは甲地の所有権をDに対抗できる。

A

誤り。 無権利者から権利を取得することはできない。
無権利者から権利を取得することはできないため、A→B→Cと土地が譲渡された本問において、Aが無権利者であるときは、B・Cも無権利者となります。また、登記に公信力はないため、 無効の登記を信じて取引をしても、権利を取得することはできません。したがって、Cは登記を 備えても、真実の所有者Dに所有権を対抗できません。

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18
Q

AからB、BからCに、甲地が順次売却され、AからBに対する所有権移転 登記がなされた。

BからCへの売却後、AがAB間の契約を適法に解除して所有権を取り戻した場合、Aが解除を理由にして所有権登記をBから回復する前に、その解除につき善意のCがBから所有権移転登記を受けたときは、Cは甲地の所有権をAに対抗できる。

A

正しい。 契約を解除しても、登記を備えた第三者の権利は害せない。

解除によって、契約は最初にさかのぼって消滅しますが、第三者の権利を害することはできません。ただし、不動産の取引については、第三者は登記を備えていなければ保護されません。本肢のCは登記を備えているので、保護されます(民法 545 条、判例)。

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19
Q

AからB、BからCに、甲地が順次売却され、AからBに対する所有権移転 登記がなされた。
BからCへの売却前に、AがAB間の契約を適法に解除して所有権を取り戻した場合、Aが解除を理由にして所有権登記をBから回復する前に、その解除につき善意のCがB から甲地を購入し、かつ、所有権移転登記を受けたときは、Cは甲地の所有権をAに対抗できる。

A

正しい。 解除者と解除後の第三者は、対抗関係。

契約を解除して権利を取り戻した者と、契約解除後に目的物の権利を取得した第三者とは対抗関係に立ち、先に登記を備えた者が他方に優先します。したがって、登記を備えているCは、所有権をAに対抗できます(判例)。

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20
Q

AからB、BからCに、甲地が順次売却され、AからBに対する所有権移転 登記がなされた。
BからCへの売却前に、取得時効の完成により甲地の所有権を取得したEがいる場合、 Eがそれを理由にして所有権登記をBから取得する前に、Eの取得時効につき善意のC がBから甲地を購入し、かつ、所有権移転登記を受けたときは、Cは甲地の所有権をEに対抗できる。

A

正しい。 時効取得者と時効完成後の第三者は、対抗関係。

取得時効により所有権を取得した者と、時効完成後に旧所有者から所有権を取得した第三者とは対抗関係に立ち、先に登記を備えた者が他方に優先します。したがって、登記を備えているC は、甲地の所有権をEに対抗できます(177 条、判例)。

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21
Q

Aの所有する土地について、AB間で、代金全額が支払われたときに所有権がAからBに移転する旨約定して締結された売買契約について。
AからBへの所有権移転登記が完了していない場合は、BがAに代金全額を支払った後であっても、契約の定めにかかわらず、Bは、Aに対して所有権の移転を主張することができない。

A

誤り。 所有権の移転時期は、特約で定めることができる。
所有権は契約成立時に売主から買主に移転するのが原則です。しかし、契約成立時と異なる時期に所有権が移転する旨の特約も有効ですので、本問では、特約で定めた時期(代金全額が支払われたとき)に所有権が移転します(民法 176 条、判例)。本肢では、BはAに代金全額を支払っていますので、所有権はAからBに移転しており、BはAに対して所有権の移転を主張できます。

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22
Q

Aの所有する土地について、AB間で、代金全額が支払われたときに所有権がAからBに移転する旨約定して締結された売買契約について。
BがAに代金全額を支払った後、AがBへの所有権移転登記を完了する前に死亡し、CがAを相続した場合、Bは、Cに対して所有権の移転を主張することができる。

A

正しい。 「売主の相続人」に所有権を主張するのに、登記は不要。
BはAに代金全額を支払っていますので、土地の所有権を取得しています。また、 相続人は、売主が生前に有していた法律上の地位を包括承継し(896 条)、包括承継人との関係で は、登記は問題となりません(177 条、判例)。したがって、Bは、Cに対して所有権の移転を主張できます。

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23
Q

Aの所有する土地について、AB間で、代金全額が支払われたときに所有権がAからBに移転する旨約定して締結された売買契約について。
Aが、Bとの売買契約締結前に、Dとの間で本件土地を売却する契約を締結してDから代金全額を受領していた場合、AからDへの所有権移転登記が完了していなくても、Bは、Aから所有権を取得することはできない。

A

誤り。 二重譲渡の両譲受人は、対抗関係。

不動産が二重譲渡された場合、両譲受人との関係は対抗関係となりますので、両者の優劣は登記の先後により決します(177 条、判例)。本肢では、まだDが登記を備えていないため、Dより先に登記を備えれば、BはAから所有権を取得することができます。

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24
Q

Aの所有する土地について、AB間で、代金全額が支払われたときに所有権がAからBに移転する旨約定して締結された売買契約について。
EがAからこの土地を賃借して、建物を建てその登記をしている場合、BがAに代金全額を支払った後であれば、AからBへの所有権移転登記が完了していなくても、Bは、 Eに対して所有権の移転を主張することができる。

A

誤り。 借地人に対して所有権の移転を主張するには、登記が必要。

土地の賃借人に対して所有権の移転を主張するには、登記が必要です(177 条、判例)。したが って、Bは登記を備えなければ、Eに対して所有権の移転を主張することはできません。

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25
Q

Aが、債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、A所有地をBに仮装譲渡する契約をした場合について。

BがAから所有権移転登記を受けていた場合でも、Aは、Bに対して、AB間の契約の無効を主張することができる。

A

正しい。 通謀虚偽表示は、当事者間では常に無効。

相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は当事者間では常に無効です。したがって、BがAから所有権移転登記を受けたとしても、AはBに対し無効を主張することができます(民法 94 条)。

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26
Q

Aが、債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、A所有地をBに仮装譲渡する契約をした場合について。

Cが、AB間の契約の事情につき善意無過失で、Bからこの土地の譲渡を受けた場合は、所有権移転登記を受けていないときでも、Cは、Aに対して、その所有権を主張することができる。

A

正しい。 通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。

通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができません。この場合、第三者が保護されるために登記は不要です。したがって、善意の第三者であるCは、登記がなくてもAに所有権を主張することができます(94 条、判例)。

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27
Q

Aが、債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、A所有地をBに仮装譲渡する契約をした場合について。

DがAからこの土地の譲渡を受けた場合には、所有権移転登記を受けていないときでも、Dは、Bに対して、その所有権を主張することができる。

A

正しい。 無権利者には、登記がなくても権利を主張できる。

通謀虚偽表示は無効なので、Bがその所有権を取得することはありません。したがって、Aから譲渡を受けたDは、無権利者Bに対し、登記がなくても所有権を主張することができます(94条、判例)。

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28
Q

Aが、債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、A所有地をBに仮装譲渡する契約をした場合について。

Eが、AB間の契約の事情につき善意無過失で、Bからこの土地の譲渡を受け、所有権移転登記を受けていない場合で、Aがこの土地をFに譲渡したとき、Eは、Fに対して、その所有権を主張することができる。

A

誤り。 善意の第三者と所有者からの譲受人とは、対抗関係。

通謀虚偽表示の第三者として保護されるEと、真の権利者から譲渡を受けたFとは、対抗関係となり、先に登記を得た方が所有権を取得します。したがって、Eは、登記を得なければ、Fに所有権を主張することができません(判例)。

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29
Q

抵当権について。

抵当権は、不動産だけでなく、地上権にも設定することができる。

A

正しい。 抵当権の目的物は、不動産(土地・建物)、地上権など。

抵当権は、不動産(土地・建物)、地上権などを目的に設定することができます(民法 369 条)。

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30
Q

抵当権について。

抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

A

正しい。 債務不履行後の果実には、抵当権の効力が及ぶ。

被担保債権につき不履行があった後に生じた果実については、天然果実・法定果実を問わず、 抵当権の効力が及びます(371 条)。

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31
Q

抵当権について。抵当権の効力は、抵当権設定行為に別段の定めがあるとき等を除き、不動産に付合した物だけでなく、抵当権設定当時の抵当不動産の従物にも及ぶ。

A

正しい。 抵当権の効力は、付合物や従物に及ぶ。

抵当権の効力は、設定した不動産に付合物や、設定時に存在した従物にも及びます(370 条)。

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32
Q

抵当権について。土地に抵当権を設定した後、抵当権設定者がその抵当地に建物を築造した場合、抵当権者は、建物を土地とともに競売して、建物の競売代金からも優先弁済を受けることができる。

A

誤り。 一括競売で、優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみ。
土地に抵当権を設定した後、その抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地と共にその建物を競売することができます。この場合に抵当権者が優先弁済を受けることができるのは 「土地の代価」についてのみです(一括競売、389 条)。「建物の代価」から優先弁済を受けることはできませんので、本肢は誤りです。

33
Q

Aは、Bに対する債務の担保のために、A所有の土地にBのために抵当権を 設定し、登記をした場合について。

Aが当該土地に抵当権を設定した当時、既に土地上に建物が存在していた場合、Bは、抵当権を実行するときには、土地及び建物を一括して競売することができる。

A

誤り。 一括競売は、更地に抵当権設定後建物が築造された場合。
土地に抵当権を設定した後、その抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地と共にその建物を競売することができます(一括競売)。しかし、抵当権を設定した当時すでに土地上に建物が存在していた場合には、一括競売することはできません(民法 389 条)。

34
Q

Aは、Bに対する債務の担保のために、A所有の土地にBのために抵当権を 設定し、登記をした場合について。

Aが抵当不動産について通常の利用方法を逸脱するような行為を行った場合には、A の債務の弁済期が到来していないときでも、Bは、抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる。

A

正しい。 通常の利用方法を逸脱した場合、抵当権に基づく妨害排除請求権を行使できる。

抵当権設定者が、抵当不動産について担保価値を下げるような行為を行った場合、被担保債権の弁済期が到来しているか否かにかかわらず、抵当権者は、抵当権に基づく妨害排除請求をすることができます(判例)。

35
Q

Aは、Bに対する債務の担保のために、A所有の土地にBのために抵当権を 設定し、登記をした場合について。

A所有の土地につき、更にCのために抵当権が設定され登記もされた場合、B及びCは、当該抵当権の順位を変更するときは、Aの承諾を得る必要はない。

A

正しい。 抵当権の順位の変更は、設定者の承諾は不要。
難)抵当権の順位を変更する場合、各抵当権者の合意と利害関係人の承諾が必要ですが、抵当権設定者の承諾は不要です。なぜなら、抵当権の順位を入れ替えたとしても、債務額が増えるわけではなく、抵当権設定者の負担に変化はないからです。なお、順位の変更は、その変更の登記までしなければ順位変更の効力は生じません(374 条)。

36
Q

Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。

抵当権の登記に債務の利息に関する定めがあり、他に後順位抵当権者その他の利害関係者がいない場合、Bは、Aに対し、満期となった最後の2年分を超える利息についても抵当権を行使することができる。

A

正しい。 利息・遅延損害金について優先弁済の範囲が制限されない例外。

抵当権者が、利息・遅延損害金について優先弁済を受けることができる範囲には一定の限度があり、原則として満期となった最後の2年分に制限されます(民法 375 条)。しかし、後順位抵当権者が存在しない場合等は、この制限はありません(判例)。

37
Q

Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。

Aから抵当権付きの土地及び建物を買い取ったCは、買い受けた土地及び建物について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売買代金の支払を拒むことができる。

A

正しい。 抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶。

契約の内容に適合しない登記済みの抵当不動産を購入した第三者は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売買代金の支払いを拒むことができます(577 条)。

38
Q

Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。

Aから抵当権付きの土地及び建物を買い取ったDは、Bの抵当権の実行に対しては、抵当権消滅請求をする以外にそれらの所有権を保持する方法はない。

A

誤り。 抵当不動産の買主等の保護。

民法上、抵当不動産の買主等を保護するため、いくつかの規定が置かれています。本肢の「抵当権消滅請求」のほか、第三者弁済、代価弁済、自ら競落することによっても不動産の所有権を保持できるため、本肢は誤りです(474 条、378 条、390 条)。

39
Q

Aは、Bから借金をし、Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。

Eの放火により建物が焼失し、Aがその火災保険金を受領した後は、Bは、Aの受領した火災保険金に対して物上代位をすることができない。

A

正しい。 物上代位は、「支払われる前に」差押えが必要。
物上代位権の行使には、抵当権の目的物の損傷、売却等により債務者が受けるべき金銭が債務者に引き渡される前に差し押さえる必要があります。本肢のように、火災保険金をAが既に受領してしまった場合には、物上代位権は行使できません(372 条、304 条)。

40
Q

根抵当権について。根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保す

るという内容で、設定することができる。

A

誤り。 すべてを担保する包括根抵当は認められない。 根抵当権によって担保される債権は、一定の範囲に属する不特定の債権でなければなりません。
一定の範囲に限定しない根抵当(包括根抵当)を認めると、特定の債権者のみが過大な担保をとるようになって、その他の債権者が害されるおそれがあるからです(民法 398 条の2)。

41
Q

根抵当権について。根抵当権の極度額は、いったん登記がされた後は、後順位担保権者その他の利害関係

者の承諾を得た場合でも、増額することはできない。

A

誤り。 利害関係人の承諾を得れば、極度額は増額できる。

根抵当権の極度額の変更(増額・減額)は、後順位抵当権者・差押債権者・転抵当権者など利害関係人の承諾を得れば、元本確定の前後を問わず、することができます(398 条の5)。

42
Q

根抵当権について。

登記された極度額が1億円の場合、根抵当権者は、元本1億円とそれに対する最後の2年分の利息及び損害金の合計額につき、優先弁済を主張できる。

A

誤り。 極度額を超えて優先弁済を受けることはできない。

根抵当権は、極度額を限度として被担保債権を担保します。したがって、登記された極度額が1億円の場合、根抵当権者は、1億円を超えて優先弁済を受けることはできません(398 条の3)。

43
Q

根抵当権について。根抵当権の被担保債権に属する個別の債権が、元本の確定前に、根抵当権者から第三者に譲渡された場合、その第三者は、当該根抵当権に基づく優先弁済を主張できない。

A

正しい。 元本確定前に譲渡された債権は、根抵当で担保されない。

根抵当権の元本確定前に、被担保債権の範囲に属する個別の債権が譲渡されても、その債権は当該根抵当権によっては担保されません。したがって、債権の譲受人である第三者は当該根抵当権に基づいて優先弁済を主張することはできません(398 条の7)。

44
Q

A及びBは、Cに対して連帯債務を負担している。

AがCに対して債権を有しており、Cの債権と相殺が可能であるときは、Bは、Aの相殺権の行使によってAがその債務を免れるべき限度において、Cに対して債務の履行を拒むことができる。

A

正しい。 連帯債務者の一人が相殺できるときは、他の連帯債務者は、債務の履行を拒める。
連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有しており、相殺が可能であるときは、他の連帯債務者は、債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができます(民法 439 条)。

45
Q

A及びBは、Cに対して連帯債務を負担している。

CがAに対して履行の請求をした場合、Bについては、その効力は生じない。

A

正しい。 連帯債務者の一人に「履行の請求」→相対効。
連帯債務では「履行の請求」は、相対効です。すなわち、連帯債務者の一人に対して履行の請求をしても、他の連帯債務者には影響しません。なお、履行の請求(裁判上の請求)は時効の完成猶予・更新事由ですので、CがAに対して請求をすると、CのAに対する債権の消滅時効は完成猶予・更新されます(441 条、147 条)。

46
Q

A及びBは、Cに対して連帯債務を負担している。

AがCに対して権利の承認をすると、Bについてもその効力が生じる。

A

誤り。 連帯債務者の一人が「承認」→相対効。 連帯債務では権利の「承認」は相対効です。
すなわち、連帯債務者の一人が権利の承認をしても、他の連帯債務者には影響ありません。権利の承認は時効の更新事由ですが、AがCに対して権利の承認をしても、その効力はBには及ばないので、CのBに対する債権の消滅時効は更新されません(441 条、152 条)。

47
Q

A及びBは、Cに対して連帯債務を負担している。

Aについて時効が完成しても、Bは債務の全部を履行しなければならない。

A

正しい。 連帯債務者の一人に「時効完成」→相対効。

「時効の完成」は相対効です。連帯債務者の一人に時効が完成したときでも、他の連帯債務者に影響しません(441 条)。したがって、Bは、債務の全部を履行しなければなりません。

48
Q

A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。

CがAに対して代金支払いの履行の請求をすると、Bについてもその効力が生じる。

A

誤り。 連帯債務者の一人に「履行の請求」→相対効。
連帯債務において「履行の請求」は、相対効です。すなわち、連帯債務者の一人に対して履行の請求をしても、他の連帯債務者に影響しません。なお、履行の請求(裁判上の請求)は時効の完成猶予・更新事由ですので、CがAに対して請求をすると、CのAに対する債権の消滅時効は 完成猶予・更新されます(441 条、147 条)。

49
Q

A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。

AC間の売買契約が無効であったとしても、BC間の売買契約は、無効とはならない。

A

正しい。 連帯債務者の一人に「無効」→相対効。

連帯債務において、絶対効を有する事由は限定されており、民法に規定された事由以外は、原則として相対効です。一人の連帯債務者の債務が無効となる場合でも、他の連帯債務者の債務には影響ありません(441 条)。

50
Q

A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。

CがAの連帯債務を全額免除すると、Bも、Aの負担部分について債務を免れる。

A

誤り。 債権者が連帯債務者の一人を「免除」→相対効。

肢2でみたように、連帯債務において、絶対効を有する事由は限定されており、民法に規定された事由以外は、原則として相対効です。債権者が一人の連帯債務者の債務を全額免除しても、 他の連帯債務者には影響ありません(441 条)。

51
Q

A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。

Cが死亡し、Aがその相続人としてその代金債権を承継しても、Bの代金支払債務は、消滅しない。

A

誤り。 連帯債務者の一人に「混同」→絶対効。

債権者Cが死亡し、連帯債務者Aがその相続人になると、混同が生じ、Aは弁済をしたものとみなされ、連帯債務は消滅します。連帯債務において、「混同」は絶対効を有しますので、Bの代金支払債務も消滅します(440 条)。

52
Q

A及びBは、Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し、連帯して代金を支払う債務を負担している。

Aのために時効が完成したときでも、Bは、Aの負担部分について支払いを免れない。

A

正しい。 連帯債務者の一人が「時効完成」→相対効。

「時効の完成」は相対効です。連帯債務者の一人に時効が完成したときでも、他の連帯債務者には影響しません(民法 441 条)。

53
Q

A及びBは、Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し、連帯して代金を支払う債務を負担している。

CがAに対して期限の猶予をしたときは、Bの債務についても、期限が猶予される。

A

誤り。 連帯債務者の一人に「期限の猶予」→相対効。

連帯債務において、絶対効を有する事由は限定されており、民法に規定された事由以外は、原則として相対効です。連帯債務者の一人が期限の猶予を受け、その者の支払期限が猶予された場合でも、他の連帯債務者には影響ありません(441 条)。

54
Q

A及びBは、Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し、連帯して代金を支払う債務を負担している。

CがAに対して支払いを請求して、CのAに対する代金債権の消滅時効が更新されたときでも、CのBに対する代金債権については、更新されない。

A

正しい。 連帯債務者の一人に「請求」→相対効。
連帯債務において「履行の請求」は、相対効です。すなわち、連帯債務者の一人に対して履行の請求をしても、他の連帯債務者に影響しません。なお、請求(裁判上の請求)は時効の更新事由ですので、CがAに対して請求すると、Aの債権の消滅時効は更新されます(441 条、147 条)。

55
Q

A及びBは、Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し、連帯して代金を支払う債務を負担している。

CとAとの間に更改があったときは、Bは、支払いを免れる。

A

正しい。 連帯債務者の一人と「更改」→絶対効。

連帯債務において「更改」は、絶対効です。すなわち、債権者と連帯債務者の一人との間に更改があったときは、債権は、全ての債務者のために消滅します(438 条)。

56
Q

Aは、BのCに対する1,000万円の債務について、保証人となる契約を、C と締結した(ただし、根保証契約については考慮しないものとする)。
Bが保証人を立てる義務があり、CがAを保証人として指名したため、Aが保証人となった場合、Aが破産手続き開始の決定を受けても、Cは、Bに対して保証人の変更を求めることはできない。

A
正しい。 債権者が指名した場合、その保証人の差替えはできない。
債務者が保証人を立てる義務がある場合、その保証人は
1,行為能力者であり、かつ、
2,弁済の資力を有する者である必要があります。
この場合に、保証人が破産などにより弁済の資力を失ったときは、債権者は、保証人の差替えを請求することができますが、その保証人を債権者が指名していた場合は、この差替えの請求はできません(民法 450 条)。
57
Q

Aは、BのCに対する1,000万円の債務について、保証人となる契約を、C と締結した(ただし、根保証契約については考慮しないものとする)。
BのCに対する債務が条件不成就のため成立しなかった場合、Aは、Cに対して保証債務を負わない。

A

正しい。 主たる債務なくして、保証債務なし。

主たる債務が成立しなければ、保証債務は成立しません(付従性、446、448 条)。

58
Q

Aは、BのCに対する1,000万円の債務について、保証人となる契約を、C と締結した(ただし、根保証契約については考慮しないものとする)。
AC間の保証契約締結後、BC間の合意で債務が増額された場合、Aは、その増額部分についても、保証債務を負う。

A

誤り。 主債務が増額されても、保証債務は増額されない。

保証契約締結後に主たる債務が増額されても、保証債務には影響ありません(448 条、判例)。

59
Q

Aは、BのCに対する1,000万円の債務について、保証人となる契約を、C と締結した(ただし、根保証契約については考慮しないものとする)。
CがAに対して直接1,000万円の支払いを求めて来ても、BがCに対して相殺権を有するときは、その相殺権の行使によってBがその債務を免れるべき限度において、Aは、 Cに対して支払いを拒むことができる。

A

正しい。 保証人は、主たる債務者の権利により履行を拒むことができる。

主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権または解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができます(457 条)。

60
Q

AがBに1,000万円を貸し付け、Cが連帯保証人となった場合について。

Aは、自己の選択により、B及びCに対して、各別に又は同時に、1,000万円の請求をすることができる。

A

正しい。 連帯保証には補充性がない。

債権者は自己の選択により、主たる債務者と連帯保証人に対し、各別にまたは同時に、債権全額を請求することができます(民法 454 条、452 条、453 条)。

61
Q

AがBに1,000万円を貸し付け、Cが連帯保証人となった場合について。

Cは、Aからの請求に対して、自分は保証人だから、まず主たる債務者であるBに対して請求するよう主張することができる。

A

誤り。 連帯保証人には、催告の抗弁権なし。

連帯保証人には、「催告の抗弁権」はありません (454 条、452 条)。

62
Q

AがBに1,000万円を貸し付け、Cが連帯保証人となった場合について。

AがCに対して請求の訴えを提起することにより、Bに対する関係で消滅時効の完成猶予及び更新の効力が生ずる。

A

誤り。 連帯保証人に対する請求の効力は、主たる債務者に及ばない。

債権者が連帯保証人に請求しても、その請求の効力は、主たる債務者に及びません。したがって、主たる債務者の消滅時効は完成猶予・更新されません(457 条、458 条)。

63
Q

AがBに1,000万円を貸し付け、Cが連帯保証人となった場合について。

CがAに対して全額弁済した場合に、Bに対してAが有する抵当権を代位行使するためには、Cは、Aの承諾を得る必要がある。

A

誤り。 保証人は、当然に代位する。

連帯保証人は、弁済するにつき正当な利益を有する者にあたるため、弁済によって債権者に代位することについて債権者の承諾を得る必要はありません(500 条)。

64
Q

AがBに対して負う1,000万円の債務について、C及びDが連帯保証人とな った場合(CD間に特約はないものとする。)について。
Bは、1,000万円の請求を、A・C・Dの3人のうちのいずれに対しても、その全額について行うことができる。

A

正しい。 連帯保証には補充性がない。

債権者は自己の選択により、債務者と連帯保証人に対し、各別にまたは同時に、債権全額を請求することができます(民法 454 条、452 条、453 条)。したがって、債権者Bは、A・C・Dに対して、全額を請求できます。

65
Q

AがBに対して負う1,000万円の債務について、C及びDが連帯保証人とな った場合(CD間に特約はないものとする。)について。
CがBから1,000万円の請求を受けた場合、Cは、Bに対し、Dに500万円を請求するよう求めることができる。

A

誤り。 連帯保証人には、分別の利益なし。

連帯保証人には分別の利益がありません(判例)。したがって、CはBから 1,000 万円全額の請求を受けた場合は,その全額を支払う必要があります。Dに500万円を請求するよう求めることはできません。

66
Q

AがBに対して負う1,000万円の債務について、C及びDが連帯保証人とな った場合(CD間に特約はないものとする。)について。
CがBから請求を受けた場合、CがAに執行の容易な財産があることを証明すれば、Bは、まずAに請求しなければならない。

A

誤り。 連帯保証人には、検索の抗弁権なし。

連帯保証人には、「検索の抗弁権」はありません(454 条、453 条)。

67
Q

AがBに対して負う1,000万円の債務について、C及びDが連帯保証人とな った場合(CD間に特約はないものとする。)について。
Cが1,000万円をBに弁済した場合、Cは、Aに対して求償することができるが、Dに対して求償することはできない。

A

誤り。 弁済した連帯保証人は、他の連帯保証人に求償できる。

全額弁済した連帯保証人Cは、他の連帯保証人Dに対して求償できます(465 条)。

68
Q

Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金の支払債務についてC がAとの間で保証契約を締結した。

Cが、口頭で保証する旨の意思表示をAに対してすれば、当該保証契約は有効に成立する。

A

誤り。 保証契約は、口頭では成立しない。

保証契約は、書面または電磁的記録でしなければ、その効力を生じません(民法 446 条)。

69
Q

Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金の支払債務についてC がAとの間で保証契約を締結した。

Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、AがCに対して保証債務の履行を請求してきても、Cは、Bに弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを証明することによって、Aの請求を拒むことができる。

A

正しい。 普通の保証人は、催告・検索の抗弁権を有する。

普通の保証人には検索の抗弁権があります。したがって、普通の保証人Cは、主たる債務者Bに弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを証明することによって、債権者Aの請求を拒むことができます(453 条)。

70
Q

Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金の支払債務についてC がAとの間で保証契約を締結した。

Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、AのCに対する履行の請求は、Bに対してはその効力が生じない。

A

正しい。 連帯保証人に対する請求の効力は、主たる債務者には及ばない。

債権者が連帯保証人に請求しても、その請求の効力は、主たる債務者に及びません(457 条、 458 条)。

71
Q

Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金の支払債務についてC がAとの間で保証契約を締結した。

Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しても、その効力を生ずる。

A

正しい。 主たる債務者に対する履行の請求等の効力は、保証人にも及ぶ。

普通保証か連帯保証かにかかわらず、保証債務は付従性を有します。したがって、主たる債務者Bに対する履行の請求は、保証人Cに対してもその効力が及びます(457 条)。

72
Q

Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した。

貸付金債権に譲渡制限の意思表示がある場合で、Cがこの譲渡制限の意思表示の存在を過失なく知らないときは、BはCに対してその債務の履行を拒むことができない。

A

正しい。 譲渡制限の意思表示について善意無重過失の第三者には、履行の拒否不可。
債権に譲渡制限の意思表示がある場合、悪意または善意重過失の譲受人に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由を もってその第三者に対抗することができます。本肢では、第三者Cは譲渡制限の意思表示の存在について「善意無過失」ですから、債務者Bは、Cに対してその債務の履行を拒むことはできません(民法 466 条)。

73
Q

Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した。

Bが債権譲渡を承諾しない場合、CがBに対して債権譲渡を通知するだけでは、CはBに対して自分が債権者であることを主張することができない。

A

正しい。 対抗要件となる通知は、譲渡人がする必要がある。
債権譲渡の債務者への対抗要件は、1,譲渡人Aから債務者Bへの通知、または
2,債務者Bの承諾のいずれかです。
譲受人CからBへの通知がされたとしても、債務者への対抗要件とはなりま せん(467 条)。

74
Q

Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した。

Aが貸付金債権をDに対しても譲渡し、Cへは確定日付のない証書、Dへは確定日付のある証書によってBに通知した場合で、いずれの通知もBによる弁済前に到達したとき、Bへの通知の到達の先後にかかわらず、DがCに優先して権利を行使することができる。

A

正しい。 確定日付のある通知は、確定日付のない通知に優先する。

債権が二重に譲渡された場合、譲受人間の優劣は、確定日付のある証書による通知または承諾の有無で決まります。したがって、確定日付のある証書による通知を得たDは、確定日付のある証書による通知を得ていないCに優先します(467 条)。

75
Q

Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、Aはこの貸付金債権をCに対して譲渡した。
Aが貸付金債権をEに対しても譲渡し、Cへは令和3年4月4日付、Eへは同月5日付のそれぞれ確定日付のある証書によってBに通知した場合で、いずれの通知もBによ る弁済前に到達したとき、Bへの通知の到達の先後にかかわらず、CがEに優先して権利を行使することができる。

A

誤り。 共に確定日付ある通知の場合、到達の先後で決する。

債権が二重に譲渡され、その双方の通知が確定日付のある証書によってされた場合、譲受人間の優劣は、当該通知が債務者に到達した日時の先後により決まります。証書に記載された確定日付の先後ではありません(判例)。

76
Q

Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合について。

Aは、Cへの譲渡について、Bに対しては、Aの口頭による通知で対抗することができるが、第三者Dに対しては、Bの口頭による承諾では対抗することができない。

A

正しい。 第三者に対する対抗要件は、確定日付ある通知または承諾。
債権譲渡の対抗要件は、通知または承諾です。ここで、「債務者に対する対抗要件」としての通知または承諾は、口頭によるもので足りますが、「債務者以外の第三者に対する対抗要件」と しては、確定日付ある証書によるものである必要があります。(民法 467 条)。

77
Q

Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合について。
Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、債権譲渡の承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Bは、 Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺をもって、Cに対抗することができる。

A

正しい。 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した債権による相殺を対抗可。 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に 対抗することができます。
したがって、債務者Bは、AのBに対する債権をCに譲渡した旨の通知を受ける前に、Aに対する貸金債権を有していますので、Aに対する貸金債権との相殺をCに対抗することができます(469 条)。

78
Q

Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合について。

Aが、Cに対する債務の担保として債権を譲渡し、Aの債務不履行があったとき、C からBに対して譲渡の通知をすることとしておけば、Cは、Aに代位して自己の名義で有効な譲渡の通知をすることができる。

A

誤り。 譲受人が「代位」して通知することはできない。

債権譲渡の対抗要件である通知は、「譲渡人」から債務者に対して行う必要があります(467 条、 判例)。譲受人が譲渡人に「代位して」通知しても、その通知は対抗要件とはなりません。

79
Q

Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合について。

Cへの譲渡についてのAの確定日付証書による通知と、第三者Eの同一債権に対する差押命令とが、同時にBに到達したとき、Bは、Eへの支払等によりこの債権が消滅していない以上、Cからの請求を拒むことはできない。

A

正しい。 同時到達のときは、両譲受人はどちらも全額請求できる。
債権の二重譲渡の事例で、それぞれの譲渡について確定日付のある証書による通知がなされた場合、譲受人相互間の優劣は、到達した日時の先後によって決します。通知が同時に到達したときは、もはや到達の先後で優劣を決することはできないため、両譲受人はそれぞれ全額を債務者に対して請求できることになっています(467 条、判例)。なお、差押命令は、確定日付ある証書による通知として扱われます。