Season 4 Episode 4 Flashcards
AがA所有の甲土地をBに売却した場合について。
Aが甲土地をBに売却する前にCにも売却していた場合、Cは所有権移転登記を備えていなくても、Bに対して甲土地の所有権を主張することができる。
誤り。 不動産物権変動は、登記をしなければ、第三者に対抗できない。
不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ、第三者に対抗することができません。したがって、Cは、所有権の移転の登記を備えていなければ、Bに対して甲土地の所有権を主張することができません。
AがA所有の甲土地をBに売却した場合について。
AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたかあるいは知らなかったことにつき過失があったか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。
誤り。 詐欺取消しの第三者は、善意・無過失であれば登記がなくても保護される。
詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができません。この場合、善意・無過失の第三者は、登記を備えていなくても保護されます。したがって、Aは、第三者DがBの詐欺を知らず(善意)かつ、過失のない(無過失)場合に限り、 甲土地の所有権を主張することができません。この場合、Dが所有権の移転の登記を備えたかどうかは問いません。
AがA所有の甲土地をBに売却した場合について。
Aから甲土地を購入したBは、所有権移転登記を備えていなかった。Eがこれに乗じてBに高値で売りつけて利益を得る目的でAから甲土地を購入し所有権移転登記を備えた場合、EはBに対して甲土地の所有権を主張することができない。
正しい。 背信的悪意者に対しては、登記がなくても対抗できる。
背信的悪意者は、(相手方が)登記を備えていないことを主張するについて正当な利益を有していませんから、「第三者」に該当しません。そして、本肢のEは、Bに高値で売りつけて利益を得る目的で購入したのですから、「背信的悪意者」に該当します。したがって、 Eは、Bに対して甲土地の所有権を主張することができません。
AがA所有の甲土地をBに売却した場合について。
AB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約の無効を主張することができる。
誤り。 表意者の相手方は、錯誤による意思表示の「取消し」はできない。 意思表示は、
1,意思表示に対応する意思を欠く錯誤、又は、
2,表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤(いわゆる動機の錯誤)に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、 取り消すことができます。ただし、2の錯誤に基づく意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができます。したがって、錯誤に基づく意思表示は「取り消すことができる」のであって、「無効」を主張することができるのではありません。また、錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者(表意者)又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができます。したがって、錯誤に基づく意思表示をしたBの相手方であるAは、錯誤に基づく意思表示の取消しをすることはできません。なお、以上の点は、表意者が登記を備 えたかどうかとは無関係です。
代理について。代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、その契約の効力は、別段の意思表示がない限り、追認をした時から将来に向かって生ずる。
誤り。 追認は、契約時にさかのぼって効力を生じる。
無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼって、その効力を生じます。
代理について。不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。
正しい。 代理人が本人の名で行った権限外の行為→表見代理の類推適用可。
不動産の担保権設定の代理権を与えられたにすぎない代理人が、代理人としてではなく、 直接本人の名において、当該不動産を売却した場合にも、権限外の行為の表見代理の規定を類推適用することができます。
代理について。代理人は、行為能力者であることを要しないが、代理人が後見開始の審判を受けたときは、代理権が消滅する。
正しい。 代理人は行為能力は不要だが、後見開始の審判で代理権消滅。 制限行為能力者が代理人としてした行為は、原則として、行為能力の制限によっては取り消すことができません。つまり、代理人は、行為能力者であることを要しません。しかし、代理権は、代理人が後見開始の審判を受けたことによって消滅します。
代理について。代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって 影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する。
誤り。 代理行為の瑕疵は、代理人を基準として決める。
代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫、又はある事情を知っていたこともしくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を 受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人を基準として決めます。本人が選択できるわけではありません。
権利の取得や消滅について。
売買契約に基づいて土地の引渡しを受け、平穏に、かつ、公然と当該土地の占有を始めた買主は、当該土地が売主の所有物でなくても、売主が無権利者であることにつき善意で無過失であれば、即時に当該不動産の所有権を取得する。
誤り。 不動産を即時に取得する制度は存在しない。
「所有の意思」をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に善意無過失のときは「10 年間」で、その所有権を取得します。つまり、所有権を時効によって取得するには、「所有の意思」が必要です。また、不動産については「即時に」 所有権を取得する旨の規定はありません。
権利の取得や消滅について。
所有権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは消滅し、その目的物は国庫に帰属する。
誤り。 所有権は、消滅時効にかからない。
債権又は「所有権以外の財産権」は、権利を行使することができる時から 20 年間行使しないときは、時効によって消滅します。所有権は、消滅時効にかかりません。したがって、20年間行使しなくても、消滅してその目的物が国庫に帰属するようなことはありません。
権利の取得や消滅について。
買主の売主に対する目的物の種類又は品質に関する担保責任による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり、この消滅時効は、買主が権利を行使することができることを知った時又は権利を行使することができる時から進行する。
正しい。 契約不適合責任に基づく損害賠償請求権は、消滅時効の適用あり。
目的物の種類又は品質に関する担保責任による損害賠償請求権については、債権として消滅時効の規定の適用があると解されます。そして、債権は、
1,債権者が権利を行使すること ができることを知った時から5年間行使しないとき、又は、
2,権利を行使することができる 時から 10 年間行使しないときには、時効によって消滅します。この「権利を行使することができる時」というのは、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時です。なお、買主が目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、損害賠償の請求等をすることができなくなります。
権利の取得や消滅について。
20年間、平穏に、かつ、公然と他人が所有する土地を占有した者は、占有取得の原因たる事実のいかんにかかわらず、当該土地の所有権を取得する。
誤り。 所有権を時効取得するには、所有の意思が必要。
20 年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得します。したがって、たとえば、当該土地の賃貸借契約を占有取得の原因とした場合は、所有の意思がないので、所有権を取得することはできません。よって、「占有取得の 原因たる事実のいかんにかかわらず」という点が誤りです。
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合について。
DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCについても、その効力が生じる。
誤り。 履行の請求は、原則として、他の連帯債務者には効力を生じない。
連帯債務者の1人について生じた事由は、弁済等、更改、相殺、混同を除き、他の連帯債務者に対してその効力を生じません(相対的効力の原則)。ただし、債権者及び他の連帯債 務者の1人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従います。
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合について。
Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も 200 万円が消滅する。
正しい。 反対債権による相殺は、他の連帯債務者に効力を生じる。
連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅します。
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合について。
Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。
誤り。 時効の完成→原則として、他の連帯債務者には効力を生じない。
連帯債務者の1人について生じた事由は、弁済等、更改、相殺、混同を除き、他の連帯債務者に対してその効力を生じません(相対的効力の原則)。ただし、債権者及び他の連帯債 務者の1人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従います。したがって、連帯債務者の1人であるBのために時効が完成した場合でも、別段の意思表示のない限り、他の連帯債務者A及びCのDに対する連帯債務は時効によって消滅しません。
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合について。
CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。
誤り。 負担部分の範囲内での一部弁済→負担部分の割合で求償可。
連帯債務者の1人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有します。つまり、連帯債務者の1人が一部を弁済した場合、その弁済額が自己 の負担部分を超えないときであっても、負担部分の割合で(=弁済額に負担部分の割合を乗じた額について)、他の連帯債務者に対して求償することができます。よって、本肢の場合、 Dに対して 100 万円を弁済したCは、A及びBに対して、負担部分(3分の1)の割合で、求償することができます。
債権譲渡について。譲渡制限の意思表示のある債権の譲渡を受けた第三者が、その譲渡制限の意思表示の
存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、債務者は、その第三者に対しては、債務の履行を拒むことができる。
正しい。 譲渡制限の意思表示につき悪意・重過失の第三者には、履行拒否可。
当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときであっても、債権の譲渡は、原則として、その効力を妨げられません。この場合、譲渡 制限の意思表示がされたことを知り(悪意)、又は重大な過失によって知らなかった(善意重過失)譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます。
債権譲渡について。
債権の譲受人が譲渡制限の意思表示の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその意思表示の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、債務の履行を拒むことができる。
誤り。 譲渡制限の意思表示につき善意無重過失の転得者には履行拒否不可。
1で述べたように、譲渡制限の意思表示がされたことを知り(悪意)、又は重大な過失によって知らなかった(善意重過失)譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます。しかし、債権の譲渡制限の意思表示のある債権を悪意で譲り受けた者からさらに善意無重過失で譲り受けた転得者に対して、債務者は、その債務の履行を拒むことができないと解されます。
債権譲渡について。誤り。 譲渡制限の意思表示につき善意無重過失の転得者には履行拒否不可。
1で述べたように、譲渡制限の意思表示がされたことを知り(悪意)、又は重大な過失によって知らなかった(善意重過失)譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます。しかし、債権の譲渡制限の意思表示のある債権を悪意で譲り受けた者からさらに善意無重過失で譲り受けた転得者に対して、債務者は、その債務の履行を拒むことができないと解されます。
正しい。 譲渡制限の意思表示に反する債権譲渡も有効。 譲渡制限の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられません。
したがって、譲渡制限の意思表示に反して債権を譲渡した債権者は、その意思表示の存在を理由に譲渡の無効を主張することはできません。
債権譲渡について。譲渡制限の意思表示のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がそ
の意思表示の存在について悪意であっても、当該質権設定はその効力を妨げられない。
正しい。 譲渡制限の意思表示のある債権に設定した質権も有効。
譲渡制限の意思表示のある債権を目的として質権を設定した場合であっても、当該質権設定契約は有効です。この点は、質権者が譲渡制限の意思表示について悪意の場合であっても、 同様です。なお、譲渡制限の意思表示がされたことを知り(悪意)、又は重大な過失によって知らなかった(善意重過失)第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます。
Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000 万円、支払期日を同年 12 月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺について。
BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年 12 月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
誤り。 相殺するには、少なくとも自働債権が弁済期にある必要がある。
2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができます。 ただ、受働債権については期限の利益を放棄することが可能ですから、少なくとも、自働債権については弁済期にある必要があります。したがって、本肢の場合、Bが相殺するには、 自働債権である貸金債権の支払期日である 12 月 31 日にならなければ、相殺をすることができません。
Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000 万円、支払期日を同年 12 月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺について。
同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年 11 月2日から 12 月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12 月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。
誤り。 差押え後に取得した債権で相殺を対抗することは不可。
差押えを受けた債権の債務者は、差押え後に取得した債権による相殺を差押債権者に対抗することができませんが、差押え前に取得した債権による相殺を対抗することができます。 よって、AのBに対する代金債権がCによって差止めを受けた後に、別の債権を取得したBは、相殺をCに対抗することはできません。
Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000 万円、支払期日を同年 12 月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺について。
同年10月10日、BがAの自動車事故によって身体の被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。
正しい。 不法行為の被害者から相殺をすることは可能。
1,悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務、
2,人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができません。つまり、人の生命又は身体の侵害による不法行為等の「加害者」の側から相殺をすることはできません。しかし、被害者から相殺することは可能です。したがって、Bは、売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができます。
Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000 万円、支払期日を同年 12 月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺について。
BがAに対し同年9月 30 日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
誤り。 時効消滅以前に相殺適状にないと、相殺不可。
時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。しかし、本肢の場合、BのAに対する貸金債権は 9月 30 日に時効で消滅していますが、AがBに対して代金債権を取得したのは10 月1日ですから、時効消滅以前に両債権は相殺に適するようになっていません。したがって、Bは、 相殺することはできません。
事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
Bが当該不適合の存在を建物引渡しから1年が経過した時に知ったとき、当該不適合の存在を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなくても、BはAに対して担保責任を追及することができる。
本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の 内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法572条)。したがって、売主Aは、 引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。
正しい。 原則、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができません。ただし、売主がその引渡しの時にその不適合を知り、 又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りではありません。本肢では、売主A は不適合であることを知っていたため、Bは、Aに通知をしなくても、担保責任を追及することができます。
事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであるときは、契約の目的を達成することができない場合に限り、Bは当該不適合を理由に売買契約を解除することができる。
本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の 内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法572条)。したがって、売主Aは、 引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。
誤り。 契約の解除→契約をした目的を達することができるか否かを問わない。 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、債務不履行の規定に基づき解除権の行使をすることができます。 この解除権の行使は、不適合により契約をした目的を達することができるか否かを問いませ
ん。
事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
Bが当該不適合を理由にAに対して損害賠償請求をすることができるのは、当該不適合を理由に売買契約を解除することができない場合に限られる。
本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の 内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法572条)。したがって、売主Aは、 引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。
誤り。 契約の解除と併せて損害賠償の請求をすることもできる。 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであると
きは、買主は、売主に対し、債務不履行の規定に基づき損害賠償の請求並びに解除権の行使をすることができます。損害賠償の請求は、契約の解除をすることができるときであっても、することができます。
事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
AB間の売買をBと媒介契約を締結した宅地建物取引業者Cが媒介していた場合には、BはCに対して担保責任を追及することができる。
本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の 内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法572条)。したがって、売主Aは、 引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。
り。 売主の担保責任は、売主に対してのみ行うことができる。 売主の担保責任は、売主に対してのみ行うことができます。したがって、その売買契約を宅建業者が媒介していた場合であっても、その媒介を行った宅建業者に対して、担保責任を追及することはできません。
Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合について。
Cは、売買契約の締結の当時、本件建物の品質に契約の内容に適合しない瑕疵があることを知っていた場合、当該不適合の存在を知ってから1年以内にその旨をAに通知をしても、Aに対して売買契約に基づく担保責任を追及することができない。
誤り。 買主は、悪意であっても、1年以内に通知すれば、担保責任の追及可能。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合にお いて、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、原則として、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができません。したがって、Cは、不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知すれば、担保責任を追及することができます。
Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合について。
Bが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったかしかしために本件建物に基本的な安全性を損なう 瑕疵がある場合には、当該瑕疵によって損害を被ったCは、特段の事情がない限り、Bに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。
正しい。 故意・過失によって他人の権利等を侵害→不法行為責任。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(一般的不法行為)。本肢では、Bは、基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠っていますので、過失が認められます。
Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合について。
CがBに対して本件建物の瑕疵に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵の存在に気付いてから1年以内である。
誤り。 不法行為の損害賠償は、知ってから3年(5年)・行為の時から 20 年。
不法行為による損害賠償の請求権は、1被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為については5年間)行使しないとき、 又は2不法行為の時から 20 年間行使しないときは、時効によって消滅します。瑕疵の存在に気付いてから1年以内ではありません。