7. 行動科学 Flashcards
シャルル・ボネ症候群
- 複雑性、要素性
- 解放性幻視(長時間、変動しやすい内容)
左or右後頭皮質障害で右or左同名半盲が出現
幻視の内容による分類
要素性幻視(simple visual hallucination)
複雑性幻視(complex visual hallucination)
要素性幻視とは
単純な光、色、幾何学的図形などが見えること
複雑性幻視とは
人、動物、家具などのもの、風景が見える
解放性幻視の例
シャルル・ボネ症候群
シャルル・ボネ症候群とは
視力障害のある高齢者
求心性の視覚刺激遮断により視覚野の脱抑制→神経細胞の自発発火
視野欠損部位に幻視
学習とは
人間を含めて生体の行動が訓練、練習、反復、情報の受容や処理等によって、比較的、永続的変化、変容を生ずる過程
オペラント学習
生体の行動で、環境に対しての働きかけあるいは、自発する行動である、operant behaviorを獲得する過程
トークンエコノミー法
一定の課題を遂行できたときに、あらかじめ約束した条件にしたがって、トークン(記念品)を与え、目標とするオペラント行動を強化する方法
シェーピング法(shaping 形成化)
一定の目標行動に至るまでのいくつかの下位行動を段階的にスモールステップで設定し、順次これを遂行させて、最終的に目標駆動の達成を図る
弁別:Discriminationとは
オペラント行動が自発する契機となっている刺激事象
般化:Generalizationとは
CS→CRが形成され、類似の刺激で、程度は弱いが、CRが誘発されること
消去とは
強化を中止すること
消去抵抗とは
強化刺激の中断後も行動は漸減する。
この、行動の消えにくさのこと
観察学習効果とは
新しい行動を習得する
制止効果とは
他人の行動が罰を与えられるのを観察して、自分の行動を制止する
解制止行動とは
自分が恐がっている行動を他人が少しも恐がらずに遂行しているのを観察することで、その後に自分が遂行できるようになる
反応促進効果とは
人がすでに習得している行動を他人が遂行しているのを観察することで、その行動が遂行される
代理強化とは
直接経験する報酬や処罰(直接強化)だけでなく、他人の報酬や処罰(代理強化)を見たり、自己強化によって行動が変容されるという。
自己効力とは
ある具体的な状況において適切な行動を成し遂げられるという予期、および確信
結果予期とは
ある行動がどのような結果を生み出すのかという予期
効力予期とは
ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことが出来るのかという予期
自己効力感の4つの源泉
・達成体験(自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験)
・代理経験(他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること)
・言語的説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)
・生理的情緒的高揚(酒などの薬物やその他の要因について気分が高揚すること)
自己効力感の3タイプ
・自己統制的自己効力感:自己の行動を制御する基本的な自己効力感
・社会的自己効力感:対人関係における自己効力感
・学業的自己効力感:学校での学習などにおける自己効力感
学習性無力
生態に逃避や回避が不可能な場面で嫌悪刺激を与え続ける
→後で逃避・回避可能な場面に遭遇しても、生体はじっと嫌悪刺激をうけるだけでありあまり動かず、逃避・回避学習がなかなか成立しなくなる
パブロフの条件反射理論
メトロノームと犬の唾液の関連
古典的条件付け(レスポンデント条件付け)
スキナーのオペラント条件付け理論
条件刺激に対して新たな反応を習得し、反応の遂行によって報酬を得たり、先行するサイン刺激に反応することにより有害刺激を回避したりする。これら報酬訓練や回避訓練により自発的に行動し、満足が得られるという強化機能が働く
キャノン学説
闘争―逃避反応(緊急反応)
Homeostasisがストレスによって乱される時の生物学的反応=「緊急反応」
自律神経系(アドレナリン、ノルアドレナリン)
セリエ学説
さまざまなストレッサーが非特異的症候をひき起こし、この一連の生体反応は生体防御反応と考え、視床下部ー下垂体ー副腎皮質系の反応であると考えた。
これら一連の反応は一般適応症候群(汎適応症候群)、また局所に関しても局所適応症候群と名づけた。
セリエ学説の期間
①警告反応期 ・ショック相(外的刺激に暴露されて生体がショックを受ける時期) ・反ショック相(副腎皮質ホルモンが分泌されて、ショック相と反対の反応を生じる) ②抵抗期:ストレッサーに対する抵抗力も増大し、適応状態にある ③疲はい期:ストレッサーが持続すると、抵抗力にも限界があり、生体は疲はいしていく。身体的にはショック相と同様の変化を示し、最後には死をもたらす。
ストレスと免疫反応
副腎皮質ホルモン→胸腺、リンパ腺の萎縮→リンパ球の成熟、分化の幼若化能を低下させる
急性ストレス反応でみられる末梢臓器の変化と血漿副腎皮質ホルモン含量の変化
・胃や十二指腸に潰瘍
・胸線やリンパ節の萎縮
・副腎皮質の肥大
・血漿中の副腎皮質ホルモンが増加
ストレッサーの分類
物理的:寒冷、騒音、放射線
化学的:薬物、毒物
生物学的:細菌、花粉
心理学的ストレッサー:不安、怒り、抑うつ
タイプAとは
虚血性心疾患の危険因子:野心的、競争的、攻撃的、性急さ、仕事熱心
心身相関の病態
- 心理学的側面:精神力動論、学習理論・・
2. 情動の身体反応:視床下部―下垂体、免疫反応、ストレスと心身相関
アレキシサイミア
自分の内的な感情への気づきとその感情表現が抑制された状態
アレキソミア
Homeostasis維持に必要な身体的感覚(空腹感疲労感等)が鈍い状態
過剰適応
真面目人間、自己犠牲的、人によく気を遣う、嫌と言えない
代表的な心身症(呼吸器系)
気管支喘息、過換気症候群、神経性咳そう、喉頭痙攣、慢性閉塞性肺疾患
代表的な心身症(循環器系)
本態性高血圧症、狭心症、心筋梗塞、起立性低血圧症、レイノー病
代表的な心身症(消化器系)
胃十二指腸潰瘍、慢性胃炎、慢性膵炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、慢性肝炎、呑気症
代表的な心身症(内分泌、代謝系)
神経性食思不振症、神経性過食症、糖尿病、甲状腺機能亢進症、単純性肥満症
代表的な心身症(神経、筋肉系)
片頭痛、筋収縮性頭痛、疼痛性障害、書痙
代表的な心身症(泌尿、生殖器系)
夜尿症、神経性頻尿、心因性尿閉
代表的な心身症(その他)
慢性関節リウマチ、更年期障害、慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、円形性脱毛症、メニエール症候群
心身症治療法:薬物療法
・セロトニン系の関与:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心とした抗うつ薬
・GABA系の関与:ベンゾジアゼピン系(抗不安薬)
心身症治療法:自律訓練法
重感、温感練習など
自己暗示→自己コントロール
心身症治療法:精神療法
支持的精神療法、精神分析的精神療法、認知行動療法
心身症治療法:森田療法
不安や恐怖を排除するのではなく、「あるがままに」することで「とらわれ」から抜けだす。
本来持つ健康な力や自然治癒力を最大限に生かしていく
心身症治療法:バイオフィードバック法
心拍数、血圧、体温、筋電図、脳波などの生理現象をモニターを通して光や音に変換する。
⇒好ましい変化が生じたら、光や音として被験者に知らせ、生体の生理現象をセルフコントロールしようとする方法
MCI(mild cognitive impairment 軽度認知障害)とは
毎日の活動は自立しているが、請求書支払や内服薬管理など複雑な手段的ADLは以前より大きな努力,代償的方略,または工夫を要する
加齢による脳の病的変化(神経細胞内外)
神経細胞内:神経原線維変化
神経細胞外:老人斑
アルツハイマー病脳(上側頭回)における神経細胞死の数は
(1) 老人斑密度と相関しない
(2) 神経原線維変化の数と相関する
(3) 神経原線維変化の数をはるかに超過している
対象認知(脳での投射方向)
モノの意味を判別する
脳の後方から下方
空間定位(脳での投射方向)
視覚対象の位置の判別
脳の後方から上方(心理的回転課題)
生後早期からの視覚障害や聴覚障害がもたらすもの
発達的に認知障害や言語障害
共感覚とは
文字や音に色を感じるなど、刺激相応の感覚に加えて、異種の感覚を自動的に生じること。成人に少ない
なぜ共感覚が成人では少ないのか
共感覚は神経発達における軸索の異所性投射や過剰シナプスによる
→成長に伴うプルーニングで見られなくなる可能性がある
幻覚とは
刺激対象がないにも関わらず生じる知覚
幻覚の分類
真性幻覚(意識清明時にも対象がありありと実態的に感じられる)
仮性幻覚(意識朦朧時など、本人に幻覚かもと感じさせる)
注意とは
より詳細に吟味するためにある情報を選択し、他の情報を無視する能力
「選択的注意」ともいう
受動的注意
感覚入力によってその感覚の情報処理が選択的に促進あるいは抑制されること
定位反射
→ボトムアップのプロセス
能動的注意
脳のどこかで発生した注意信号が局所的に促進(加速)するトップダウンのプロセス
選択的注意
定位反射の慣れ
主体にとって意味のない環境変化は無視されるようになる
森田による「神経質(森田神経質)」
几帳面、完全主義、強迫性といった強力面と、内向的、神経質、受け身といった弱力面の両面を持つ性格
Kretschmerによる気質と体型
統合失調症や統合失調症質→やせ型
躁うつ病者や循環病質→太り型
てんかんやてんかん病質→闘士型
下田による執着気質
「几帳面さ」と「熱中性」→双極性感情障害の病前性格
Tellenbachによるメランコリー親和型人格
几帳面、良心的で責任感が強い。対人関係では摩擦を避け、他人に心から尽くそうとする「他者のための存在」という傾向
DSM-5によるパーソナリティ障害類型
A群パーソナリティ障害:他人から見て奇異、風変りな印象を与える。
B群パーソナリティ障害:演技的で、情緒的で、移り気に見えることが多い。
C群パーソナリティ障害:不安や恐怖を感じているように見える。
A群パーソナリティ障害の種類
①猜疑性/妄想性パーソナリティ障害
②シゾイド/スキゾイドパーソナリティ障害
③統合失調型パーソナリティ障害
B群パーソナリティ障害の種類
①反社会性パーソナリティ障害
②境界性パーソナリティ障害
③演技性パーソナリティ障害
④自己愛性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害の性差
女性に多く、男性の2倍
境界性パーソナリティ障害の対処方法
①基本的な構え:患者の苦悩を受容する。しかし一定の限界設定を設ける必要性がある。
②専門的なアプローチ
(a)精神分析的アプローチ
(b)弁証法的行動療法
弁証法的行動療法とは
境界性パーソナリティ障害(BPD)の自己制御、対人関係能力、苦悩忍耐能力が欠けていることに焦点を当て、不得手な社会生活技能の習得を目指し、感情の調節スキル、対人関係スキル、苦悩に耐えるスキル、マインドフルネススキルなどの心理、社会的スキルトレーニングを行なう
C群パーソナリティ障害の種類
①回避性パーソナリティ障害
②依存性パーソナリティ障害
③強迫性パーソナリティ障害
記憶の要素
記銘 encoding
保持 retention
再生 retrieval
○○記憶 保持時間による分類(神経学用語)
- 即時記憶 immediate memory
- 近時記憶 recent memory
- 遠隔記憶 remote memory
即時記憶 immediate memory
刺激入力後すぐの再生・干渉をはさまない
近時記憶 recent memory
刺激入力後、数分から数日間
遠隔記憶 remote memory
それ以上、年単位の記憶
即時記憶の想定されているメカニズム
reverberating circuit
反響回路
近時記憶の想定されているメカニズム
LTP in hippocampus
海馬の長期増強
遠隔記憶の想定されているメカニズム
protein synthesis
タンパクの合成
○○記憶 保持時間による分類(心理学用語)
短期記憶short-term memory
→刺激入力後、およそ1分以内の記憶
長期記憶long-term memory
→それ以上把持時間の長い記憶
記憶内容による分類
陳述記憶 declarative memory
非陳述記憶 non-declarative memory
陳述記憶 declarative memoryの種類
エピソード記憶 episodic memory
意味記憶 semantic memory
非陳述記憶 non-declarative memoryの種類
手続き記憶 procedural memory
プライミング priming
ほか
作業記憶 working memoryとは
理解、学習、推論など認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持し操作するためのシステム
健忘症候群 amnesic syndrome
エピソード記憶のみが障害され、他の記憶や高次脳機能に障害が見られない状態
健忘症候群(狭義) amnesic syndrome
前向性健忘 anterograde amnesia 逆向性健忘 retrograde amnesia 見当識障害 disorientation 作話 confabulation 記憶錯誤 paramnesia
健忘症候群の特徴
・通常はonsetが明確(血管障害や外傷など)
・他の記憶は保たれる(特に干渉刺激を入れない即時記憶)
・正常な知的機能
・通常は「前向性」+「逆向性」
逆向性健忘 retrograde amnesiaだけの場合疑うもの
解離性障害
作話 confabulation
・事実ではないことをあたかも現実の出来ごとのように思い出すこと
・脳の損傷をうけ、記憶が断片化し、それを補完するためと考えられる
当惑作話
質問された内容に関する記憶がない場合、過去の経験の一部を取り入れた記憶が出現して答えを補う(頭部損傷)
空想作話
過去に経験のない空想的な内容(精神的)
記憶錯誤 paramnesia
・誤記憶:過去の経験や事実を誤って追想すること
・偽記憶:過去に経験していないことを実際にあったこととして追想する
・重複記憶錯誤:一つしかないはずの場所や人物、出来ごとがもう一つ存在するという主張
記憶障害をおこす脳部位
視床(視床梗塞など) 側頭葉内側 海馬周囲 前脳基底部 脳梁膨大部 扁桃体
Wernicke-Korsakoff syndrome
ビタミンB1欠乏により、乳頭体や脳弓、視床に変性が生じ、Papez、Yakovlevの両回路が遮断されることで健忘を生じる
Wernicke-Korsakoff syndromeの症状の順序
- ウェルニッケ脳症(意識障害、眼球運動障害、失調を示す)から回復
2. コルサコフ症候群(記憶障害)
Wernicke-Korsakoff syndromeの特徴
見当識障害、前向性健忘、逆行性健忘、作話
Wernicke-Korsakoff syndromeの代表的原因
アルコール多飲者の栄養不良
一過性全健忘
・発作中、明らかな前向性健忘が存在する。患者は繰り返し同じ質問をする。
・発作は24時間以内に消失する。
・除外症状:意識障害、失語・失行など、その他の神経学的局所徴候はない。
・除外疾患:頭部外傷やてんかんではない
全生活史健忘
・発症以前の出生以来すべての自分に関する記憶が思い出せない(逆向性・全健忘)状態
・多くは心因性。
・発症後、記憶は次第に戻ってくることが多い
心理アセスメントの種類
・面接法:会話を通して情報を得る
・観察法:対象者の行動をみることで情報を得る
・検査法:課題の遂行結果を情報とするもの(いわゆる心理検査が含まれる)
心理アセスメントの目的
対象者の認知特性や行動・思考の様式を推測予測し、対象者の持つ困難に対する援助の指針を得るため
重症度把握や治療・介入効果の測定のため
心理アセスメントの方法① 面接法
対象者と会話を通して情報を得る方法
診療・治療の場面に加え、日常会話場面なども含まれる。
心理アセスメントの方法① 面接法の手法(自由度が高い順)
非構造化面接
半構造化面接
構造化面接
非構造化面接のメリット
内容が決められていないため柔軟・個別性が高い
非構造化面接のデメリット
面接をする人の力量に左右される
半構造化面接のメリット
最低限聞き取るべき項目はカバー
臨機応変に対応できる
半構造化面接のデメリット
面接パッケージの習熟が必要
構造化面接のメリット
面接者の主観が入らないため再現性が高い
構造化面接のデメリット
対象者の本音に迫ることが難しく、機械的
半構造化面接の面接パッケージ
HAM-D、HAM-A
CAARDID(成人のADHD関連症状を評価するための面接ツール)
構造化面接の面接パッケージ
CIDI(WHO統合国際診断面接)
M.I.N.I.(Mini-International Neuropsychiatric Interview)
SADS(感情病および統合失調症用面接基準)
心理アセスメントの方法② 観察法
対象となる人の行動を一定の方法で観察、記述し、個人の行動に関する質的・量的情報を得る方法
診療場面、入院中の記録に記された行動なども情報源となる
心理アセスメントの方法③ 検査法
課題解決の過程を通して個人の特性や行動について情報を得る方法
信頼性や妥当性が示されており、客観性がある事が多い
最も中心的な方法
心理検査の種類
人格検査
発達及び知能検査
神経心理学的検査
精神症状の評価尺度
心理検査の活用に必要な2つの視点
定量的視点:事象を数値化して捉える→ 客観的・科学的な視点
定性的視点:数値では表現できない対象者の反応や態度、誤答の仕方などに注目して、個人の特徴を解釈する
発達検査とは
主に、乳幼児期〜学齢期の発達段階や心身の発達の偏りの有無などを把握するための検査
知能検査とは
知能(知的場面において問題を効果的に解決していくために必要な能力)を把握するための検査
発達及び知能検査はどんな時に用いられるのか?
・乳幼児の定期検診、就学前検査
・知的障害の鑑別
・発達障害、高次脳機能障害、認知症などの疑いのある対象者に対する知的水準、認知機能の偏りの精査
・発達障害を鑑別するための検査ではない。
よく用いられる発達検査
新版K式発達検査
K-ABCⅡ
よく用いられる知能検査
田中・ビネー知能検査Ⅴ
ウェクスラー知能検査
知的機能の簡易評価日本語版(JART)
知能検査(ウェクスラーシリーズ)の種類と対象
WPPSI:3歳10ヶ月〜7歳1ヶ月
WISC-Ⅳ:5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月
WAIS-Ⅳ:16歳0ヶ月〜90歳11ヶ月
知能検査(ウェクスラーシリーズ)で算出されるもの
全検査IQ(FSIQ)と
4つの指標(VCI、PRI、WMI、PSI)が算出され、年齢群によって標準化されている
知能検査(ウェクスラーシリーズ)の知的障害基準
軽度(50~75)、中度(35~49)、重度(20~34)、最重度(19以下) → 他の知能検査で評価する必要
VCI
言語理解指標
PRI
知覚推理指標
WMI
ワーキングメモリ指標
PSI
処理速度指標
ウェクスラー知能検査の解釈
・個人間差:同年齢群内でどのレベルにいるか(定量的視点)
・個人内差:4つの指標・下位検査にばらつきはあるか(定量的・定性的視点)
ウェクスラー知能検査の適用と誤解
発達障害の診断・鑑別のための検査ではない
社会適応能力とは明確な関連はない
学力と知能検査の結果は必ずしも一致しない
神経心理学とは
人の認知、行動、感情、思考、さらには自我意識や社会性などといった人の心理学的機能と脳の働きの関連を調べる学問
臨床神経心理学とは
脳障害や脳疾患による心理学的機能(記憶・言語・注意など)の障害を理解することを目的とする。
認知神経心理学とは
心理学的機能障害から情報処理の個々の段階について仮説的なモデルと導くことを目的とする
神経心理学的検査とは
言語・思考・認知・記憶・行為・注意などの高次脳機能を、定量的・客観的に評価する
神経心理学的検査の対象
対象は、脳血管障害や頭部外傷などの患者にとどまらず、認知機能の未発達や低下の評価が必要な多様な疾患に適用
神経心理学的検査がもたらす情報と活用
情報:課題解決のパフォーマンス(定量的・定性的)
→障害の特徴・パターンや程度を把握
→認知処理過程のどこにつまずきが生じているのかを予測、どこに介入可能なのかを考える
認知症スクリーニング検査
HDS-R(日本で普及)
MMSE
MoCA-J
COGNISTAT(項目、利点)
見当識、注意、理解、復唱、呼称、構成、記憶、計算、類似、判断の下位項目
多領域にわたって評価できるわりに、施行時間が短い
ウェクスラー式記憶検査(WMS-R)(対象、項目、時間、基準)
・成人の記憶の評価を目的として開発。対象年齢は16〜74歳
・視覚性記憶、言語性記憶の両方を評価する。
・所要時間はおおよそ40〜60分程度
・70(平均から2SD以上の低下)未満を記憶障害
リバーミード行動記憶検査(評価できるもの、時間)
日常生活における記憶障害を評価するための検査
検査時間は約30分
時計描画テスト(CDT)(評価できるもの)
視空間認知能力やプランニング機能を測定するための検査
前頭葉機能アセスメントバッテリー(FAB)
ベッドサイドでも実施可能な前頭葉機能障害のスクリーニング検査
確立したカットオフ値はない
神経心理学的検査の解釈
・基準値やカットオフ値による状態の把握(定量的視点)
・失点・間違い方の解釈(定性的視点)
・結果と臨床像との乖離は?(定量的視点・定性的視点)
・本人の困り感と一致しているか?(定性的視点)
思考の障害の分類
・思考過程(思路)の障害
・思考内容の障害(妄想)
・思考体験の障害
思考過程(思路)の障害
- 保続 perseveration
- 常同思考 stereotypy of thinking
- 迂遠 circumstantiality
- 思考制止 inhibition of thinking
- 思考途絶 blocking of thinking
- 観念奔逸 flight of idea
- 滅裂思考(支離滅裂)incoherence
保続 perseverationとは
一度起こった考えが繰り返し現れ、新しい観念に転換しない。(認知症など脳器質性疾患)
常同思考とは
課題に関係なく、無意味に同じ言葉を反復する。(統合失調症、精神遅滞、認知症など)
迂遠とは
細部に拘泥して、重要なことを要領よく話すことができない。(てんかん、精神遅滞など)
思考制止 inhibition of thinking
考えが進みにくく、あまり浮かばない。思考の速度が遅く滞りがち。 (うつ病)
思考途絶 blocking of thinking
思考の進行が突然停止する。頭の中が急に空っぽになる体験。 (統合失調症)
観念奔逸 flight of idea
次々に考えが湧き起こり、思考の進行は速いが、目的から脱線しやすい。観念の間には一応の意味のつながり、あるいは音連合(ダジャレ)がある。(躁病、酩酊時など)
滅裂思考(支離滅裂)incoherence
考えの論理的関連が失われ、全体としてまとまりがなくなる。(統合失調症)
軽度:連合弛緩
高度:言葉のサラダ
意識混濁を伴う場合:散乱
妄想の発生の仕方による分類
・1次妄想(原発妄想、真正妄想)primary delusion 1. 妄想気分 delusional mood 2. 妄想知覚 delusional perception 3. 妄想着想 delusional intuition ・2次妄想(続発妄想、妄想様観念)secondary delusion
妄想気分 delusional mood
何かただならないことが起こっているという不気味な気分。不安、困惑、戦慄を伴う。
統合失調症の初期にしばしばみられる。
妄想知覚 delusional perception
知覚された事実に誤った意味が付け加えられたもの。
妄想着想 delusional intuition
突然誤った考えが頭の中に浮かび、確信される。
妄想内容による分類(自己に不利な被害的内容のもの)
- 関係妄想
- 被害妄想
- 注察妄想
- 追跡妄想
- 嫉妬妄想
- 好訴妄想
妄想内容による分類(自己の過小評価につながるもの)
心気妄想、罪業妄想、貧困妄想
妄想内容による分類(自己の過大評価につながるもの)
誇大妄想、恋愛妄想(被愛妄想)、血統妄想、発明妄想、宗教妄想
思考体験の障害
- 作為(させられ)思考
- 強迫思考(観念)
- 自生思考
- 支配観念
作為(させられ)思考
自分の考えが他から影響される、あやつられる、考えさせられると体験されるもの。
思考吹入(考えを吹き込まれる)、思考奪取(考えを抜き取られる)、思考伝播(考えが漏れ広がる)、思考察知(考えが他人に知られる)など.自我の障害ともみなされる。
強迫思考(観念)
ある考えに内側からせき立てられ、考えないようにしようと努めてもやめられない。
自生思考
考えがひとりでに浮かんでくる体験。統合失調症の初期にみられる。
支配観念
ある考えが強い感情を持って長期間にわたり頭を占める。宗教的信念など。
ボウルビィ
乳児期の乳児と養育者との関係がその人の人格形成に影響を与えることを報告
母性剥奪とは
乳児と養育者との関係が足りない状態
第一反抗期とは
1~3歳ころに、親に激しい反抗をする
心の理論とは
他の人の心の状態について想像したり、推測したりする能力
自閉症に関わる
ギャングエイジとは
遊びを中心とする集団
閉鎖性が高い
9歳の壁とは
学校での学習内容を理解できない子どもが急増すること
ピアジェによる発達理論
認知発達のメカニズム:
・同化(自分の認知行動パターンの当てはめ)
・調節(状況における認知行動パターンの変更)
ピアジェによる発達理論:同化と調節のバランスがとれること
均衡化
ピアジェの認知機能の発達段階と特徴
感覚運動期:対象の永続性が完成する
前操作期:自己中心性
具体的操作期:保存概念、思考可能
形式的操作期
スターンの発達理論の軸
自己感の概念
スターンの乳幼児発達理論
- 新生自己感
- 中核自己感
- 主観的自己
- 言語自己感
愛情遮断症候群
養育者による愛情あふれるケアを受ける機会を奪われた乳幼児に見られる発達の遅れなどを指す
母親だけに意味があるのか
母親が育てることが必須なのではなく、愛着対象となる保育者が固定されていることが重要
反応性愛着障害の分類
抑制型
脱抑制型
反応性愛着障害が属する障害カテゴリー
心的外傷などに関連するTrauma-and-Stressor-Related Disorders
自閉症と反応性愛着障害の区別
・反応性愛着障害の小児は社会的な相互関係と反応性の正常な能力を持つが、自閉症の小児は持っていない
・反応性愛着障害の小児は継続的に責任を持った養育が行われる正常な環境で育てられれば、大幅に改善する
自閉スペクトラム症(ASD)の主な症状
社会性の障害
コミュニケーションの障害
こだわり
自閉症の原因論
近傍の神経線維の連絡は密だが、遠方の神経線維の連絡は疎になる
ADHD(注意欠如・多動症)の主症状
不注意(忘れ物、ケアレスミス)
多動(落ち着きのなさ、離席)
衝動(待てない、喋りすぎる)
ADHDの障害
抑制系(実行機能)
報酬系
時間処理系
ADHDの脳の成熟遅延部分
前頭前皮質
睡眠の役割
①心身の疲労回復
②生体リズムの調整
③ホルモンの分泌
④記憶や感情の整理
REM睡眠の特徴(眼球、体、脳、睡眠の深さ)
眼球:活発に動く
体:全身の筋肉が弛緩
脳:活発に運動
睡眠の深さ:浅い
N-REM睡眠の特徴(眼球、体、脳、睡眠の深さ)
眼球:動いていない
体:成長ホルモンの分泌
脳:運動低下
睡眠の深さ:深い
正常な睡眠のノンレム睡眠とレム睡眠の周期と優位な時間
90分周期
徐波睡眠(深いノンレム睡眠)は睡眠前半(15~20%)
REM睡眠は睡眠後半に優位(20~25%)
正常な睡眠の時間
7〜8時間
睡眠構造の生理的な加齢変化
深(徐波)睡眠は減少
睡眠持続性は低下
朝方指向性
睡眠のメカニズム ~2つの機構~
恒常性維持機構:疲れたから眠るしくみ(徐波睡眠)
体内時計機構:夜だから眠るしくみ(レム睡眠)
生物時計の場所
視交叉上核
最も強い同調因子
高照度光(短波長(青色)ほど影響が強い)
flip-flop機構
睡眠中枢と覚醒中枢が交互に活動することにより睡眠覚醒の調節を行う生体機構
睡眠障害と心血管障害の関係
夜間の高血圧を介して、心血管障害の危険を高める ・交感神経活動の亢進 ・血圧の上昇 ・コルチゾールの増加 ・糖代謝の異常 ・炎症性物質の増加
睡眠障害国際分類 (ICSD-3)
不眠症 睡眠関連呼吸障害群 中枢性過眠症群 睡眠時随伴症群 睡眠関連運動障害群 概日リズム睡眠覚醒障害群
慢性不眠の定義
週3回3ヶ月以上持続
不眠症の定義
適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる
不眠症に対する認知行動療法とは
不眠を慢性化させている生活習慣を明らかにし、修正することによって、安定した睡眠が得られるような生活習慣を身につける方法
不眠症に対する認知行動療法の長所
薬と同等の効果が認められ、副作用が少なく、効果が持続する
不眠症に対する認知行動療法の短所
短期的には効果が現れにくく、一定期間以上を継続する必要がある
不眠の病態生理に応じた薬物治療(恒常性調節系)
GABA受容体作動薬
ベンゾジアゼピン系
非ベンゾジアゼピン系
不眠の病態生理に応じた薬物治療(覚醒調節系)
オレキシン受容体拮抗薬
不眠の病態生理に応じた薬物治療(概日調節系)
メラトニン受容体作動薬
自我の機能
- 現実検討機能
- 感情・欲動のcontrol
- 対人関係の機能
- 外界と自己についての現実感覚を保つ機能⇒自己同一性感覚 (identity)
- 防衛機能
防衛機能とは
本能や欲動、ストレスや困難な状況下で生じる不安や苦痛、不快な記憶に対して、心の安定を保とうとする自我の働き
自我の防衛規制(A.Freud)
抑圧 合理化 否認 反動形成 同一視 分離 隔離 置き換え 昇華 退行 投影 投影性同一視
質問紙法の人格検査
- Y-G性格検査
- MMPI
- CMI健康調査表
- TEG;東大式エゴグラム
Y-G性格検査
A型: Average type B型: Blacklist type C型: Calm type D型: Direct type E型: Eccentric type
MMPIの臨床尺度
Hs(心気症) D(抑鬱性) Hy(ヒステリー) Mt(男性性/女性性) Pa(パラノイア) Pd(精神病質的偏倚性) Pt(精神衰弱) Sc(統合失調症) Ma(軽躁病) Si(社会的内向性)
CMIとは
Testeeの心身両面の自覚症状の測 定を目的とした質問紙法
患者の訴えを心身両面から考える
TEGとは
自己の性格特徴や行動パターンを把握し、自己理解を深める。
他者とのコミュニケーションのスタイルを見直すきっかけになる。
投映法の人格検査
- ロールシャッハテスト Rorschach technique(ink-blot)
- 描画テスト Drawing Test
- TAT 絵画統覚検査
- P-Fstudy;絵画欲求不満テスト
- SCT文章完成法テスト
Rorschach test 分析法
- 反応領域
- 認知の発達水準
- 決定因子
- 形態水準
- 反応内容
TAT 絵画統覚検査:分析のポイント
- 欲求と行動
- ストレス
- 行動水準
- 生活領域
P-F studyの分析
- 言語表現をスコアリングしてデータ化し、攻撃性の方向性を「他責的方向/自責的方向/無責的方向」で評価する。
2. 問題解決行動について、「障害優位型/自我防御型/要求固執型」として検討する。
SCTの分析
刺激語は、
1) 家族関係
2) 対人関係
3) 自己概念・自己像
4) 実存的価値(生、死、老化、人生など)
- パーソナリティについて「知的側面・情意的側面・指向的側面」で検討する。
- 決定要因について「身体的要因・家庭的要因・社会的要因」で検討する。
重要な精神症状の評価尺度
VinelandⅡ適応行動尺度
VinelandⅡ適応行動尺度(面接対象と適用)
対象者の保護者・介護者に対して、半構造面接を行う。0-92歳に適用
VinelandⅡ適応行動尺度の領域
4つの適応行動領域(コミュニケーション/日常生活スキル/社会性/運動スキル)
不適応行動領域
心理テストの問題点(質問紙法)
評価がtesteeの理解力・解答の仕方・内省力によって決定づけられる
testeeの受験態度や心理的な防衛に左右される
心理テストの問題点(投映法)
自我の脆弱なPtにとっては侵襲性が高い
検査者の習熟度や経験値が反映される検査もある
心理テストの効用
- 精神状態,病態水準を推測する
- 治療過程での変化,治療効果を確かめるのに役立つ
- Personalityや心の問題、自分の強み・弱みなどを把握する
- 治療過程で起こり得る5. 社会生活・日常生活への適応のために役立てて行く
キューブラー・ロスによる5段階モデル
生命予後(死)に関する告知後の心理状態の変化
- 否認と孤立(denial & isolation)
- 怒り(anger)
- 取り引き(bargaining)(神や仏にすがる)
- 抑うつ(depression)
- 受容(acceptance)
精神疾患の分類
- 外因性精神疾患
- 内因性精神疾患
- 心因性精神疾患
(4. 人格障害)
自我意識とは
自我が自分自身をいかに意識するかの様態
自我意識の分類
- 能動性の意識:知覚、思考、作為などについて自分がしているという意識
- 単一性の意識:自己は同一瞬間に同一人であるという意識
- 同一性の意識:時間の経過の中で自己は以前から同一人であるという意識
- 境界性(限界性)の意識:自己と他人あるいは自己と外界の区別の意識
行動増加の種類
躁病性興奮(manic excitement)→躁うつ病の躁状態にみられる
緊張病性興奮(catatonic excitement)→統合失調症(緊張型)に多く見られる
行動減退の種類
精神運動制止(psychomotor inhibition)→躁うつ病のうつ状態にみられる
精神運動途絶(psychomotor blocking )→統合失調症に多くみられる
緊張(病性)症候群
・カタレプシー(catalepsy) ・反響動作(echopraxia) ・反響言語(echolalia) ・拒絶症(negativism) ・常同症(stereotype)
カタレプシー(catalepsy)
他からさせられたままの姿勢を長時間保持する状態
反響動作(echopraxia)
面前で行われる他人の動作を機械的に真似る
反響言語(echolalia)
他人の言語をおうむ返しに真似る
拒絶症(negativism)
外部、内部からのあらゆる刺激に対して反抗する状態
常同症(stereotype)
同じ行為・運動・姿勢言葉・挨拶などを長時間反復する
目的のための手段を想定できる年齢
9~12か月
感覚運動期とは
感覚から外界の物事をとらえ、その物ごとへの働きかけから外界を認識する時期
0~2歳
前操作期とは
ことがらが眼前に存在せずとも何らかの像を保持してそのものを思い浮かべること(心象)ができるようになる
2~7,8歳
4~5歳の特徴
「○○ごっこ」遊びに夢中になる(象徴的思考)
直観的思考とは
「みかけのすがた」により判断は左右されやすい
小学校入学前後では空想的、自己中心的思考の形態が主で、論理的な考えはできない
具体的操作期とは
主体と客体の区別ができるようになる。具体的ものから抽象的思考・観念で問題解決がはかれる段階となる。
7,8~11,12歳
形式的操作期とは
かなり複雑な概念の習得が可能である。
具体的なものを離れて記号や関係式のみによる思考や論理的理解が徐々に可能
11,12歳~
知的能力の分類
集中的思考と拡散的思考
集中的思考とは
言語・数・記憶(知能テストで測定される因子)
拡散的思考
流暢性、柔軟性、独創性(創造性の因子)
解答のない課題に対する解決能力であり、創造能力は感性的(感覚的)思考でもある
対人関係の構築に必要な能力
知能テスト
集中的思考と関連
あらかじめ定められた正答の選択肢を早く、正確にさがしだすものが主流
創造性テスト
拡散的思考と関連
いろいろな解答が考えられるような課題
知能テストの種類
ビネー(Binet)式知能検査(適応年齢:1歳~成人)
ウェクスラー(Wechsler)式知能検査
知能の異常
精神遅滞、認知症
精神遅滞(知的障害)とは
出産後の早期から全般的な知的機能が同年齢の子どもの水準より低く、IQが70未満にとどまるもの
精神遅滞(知的障害)の原因
先天的に、また出生後早期のなんらかの原因によって、知能の発達に障害を生じ、停止、あるいは不全に至った状態
精神遅滞(知的障害)の検査の注意
一分野において、高度な能力を示すこともあり、知的水準の評価は臨床評価・行動評価・心理テスト等を含め、総合的な情報に基づいて行うべきである
認知症とは
「正常に発達した精神機能が、慢性的に減退・消失することで日常生活・社会生活に支障をきたした状態」であり、後天的原因による知能障害をいう。
改訂長谷川式簡易知的機能評価スケール(HDS-R)の満点とカットオフ
30点満点、20以下で認知症の疑い
MMSE (Mini-Mental State Examination)
30点満点、24以下で認知症の疑い
認知症に出現する妄想
・カプグラ症候群 ・フレゴリ症候群 ・重複記憶錯誤 ・幻の同居人 ・鏡現象 ・物盗られ妄想 ・嫉妬妄想
カプグラ症候群の妄想の内容
身近な人物を他人であると否定
フレゴリ症候群の妄想の内容
赤の他人が、身近な人物であると主張
幻の同居人の妄想の内容
自分の家に見知らぬ人が入り込んでいる
物盗られ妄想の妄想の内容
自分の大切なお金、財布などが盗まれたと確信
せん妄の種類
- 活動性せん妄
- 非活動性せん妄
- 混合型せん妄
活動性せん妄
幻視を中心とした幻覚、妄想、見当識障害に特徴づけられ、急性、突然の発症様式を示し、意識レベルの変動を認める
非活動性せん妄
活発な精神症状は認められずボーっとしている、ウトウトしているといった静かなせん妄
医師ー患者関係の3つの側面
人間関係(人間同士)
役割関係(医師・患者)
報酬を介した関係(サービス)
病歴に含まれるもの
現病歴、既往歴、家族歴、生活歴
患者さんへの説明3種類
インフォームドコンセント
コンプライアンス
アドヒアランス
健康行動変容のプロセス
KAP(KAB)モデル
→Knowledgeの習得がAttitudeの変容をもたらし、PracticeまたはBehaviorが変容する
コミュニケーションにおけるメッセージの形式
・言語メッセージ
・準言語メッセージ(言葉遣い、声の調子)
・非言語メッセージ(身振り手振り、服装、アイコンタクト)
共感の方法
肯定、支持、正当化、尊重、反映、直面化
医療面接における態度の類型
共感的態度/理解的態度 支持的態度 評価的態度 解釈的態度 調査的態度 逃避的態度
システムレビューとは
全身の各臓器に関して、系統的に症状を問診することにより、原病歴や既往歴聴取などで話題に上がらなかった症状を発見する方法
SPIKESモデル
S:Setting up the interview(環境を整える) P:assessing the patient's Perception I:obtaining the patient's Invitation K:giving Knowledge to the patient E:adressing the patient's Emtions and Empathic responses S:Strategy and Summary
気分の異常
抑うつ気分
爽快気分
多幸症
抑うつ気分が見られるもの
うつ病
爽快気分が見られるもの
躁病、軽躁病
多幸症が見られるもの
器質性精神障害
感情の異常
感情鈍麻 情動麻痺 快楽消失(アンヘドニア) 易刺激性、焦燥 情動失禁 恍惚 両価性 離人症
感情鈍麻とは(認められる疾患)
喜怒哀楽の適切な表現が乏しくなり、関心を示さなくなる
統合失調症に多い
情動麻痺とは
驚愕、恐怖などの一切の情動反応が停止した状態(大災害後など)
快楽消失(アンヘドニア)とは
家族や友人との交流、趣味などに対する喜びの感情や興味が失われた状態
易刺激性、焦燥とは
イライラして起こりやすく、不快感情が亢進した状態
情動失禁とは
些細なことで泣いたり笑ったり激怒したりする
恍惚とは
あまりの幸福感のために自分自身が宇宙や神など絶対的なものと融合したように感じる
両価性とは(認められる疾患)
相反する感情、気持ちがほぼ同時に存在すること
統合失調症、境界性パーソナリティー障害
離人症とは
能動性、境界性の意識が障害され、自分で考え、感じ、知覚しているという実感が喪失あるいは減弱する
自我意識の障害でもある
セロトニンの上行性投射が調節するもの
気分、不安、睡眠などの機能
ノルアドレナリンの上行性投射が調節するもの
気分、覚醒、認知などの機能
ドパミンの上行性投射が調節するもの
運動、快楽、報酬などの機能
陰性情動の更新に関わるモノアミン神経系
セロトニン、一部のノルアドレナリン機能不全
陽性情動の更新に関わるモノアミン神経系
ドパミン、一部のノルアドレナリン機能不全
抑うつ障害を引き起こす身体疾患と物質・医薬品
中枢神経疾患(パーキンソン病、脳血管障害) 内分泌疾患(甲状腺機能低下症、クッシング症候群) 自己免疫疾患 アルコール インターフェロン 副腎皮質ステロイド
DSM-5による部分寛解と完全寛解の定義
部分寛解:抑うつエピソードの重大な症状がどれも存在しない期間が2ヶ月未満
完全寛解:抑うつエピソードの重大な症状がどれも存在しない期間が2ヶ月以上
DSM-5による気分障害の分類
1) 抑うつ障害群
1. うつ病
2. 持続性抑うつ障害
2) 双極性障害群
1. 双極I型障害
2. 双極II型障害
3. 気分循環性障害
Kielholzによるうつ病の分類
身体因性うつ病
内因性うつ病
心因性うつ病
猜疑性/妄想性パーソナリティ障害
他者への根強い不信の念があり、しかるべき根拠がないのに、自分に対する敵意を感じたり、バカにする、他人が利用する、危害を加えるなどという疑念を抱く。
受診の契機:他者とのトラブル
シゾイド/スキゾイドパーソナリティ障害
きわめて内向的で、人との接触に乏しく、自分の中に引きこもり、周囲から変わり者とみなされていることも少なくない。
受診の契機:引きこもりの相談
統合失調型パーソナリティ障害
他人に対する被害的内容を中心とした関係念慮、テレパシーや超能力への関心、また話しが要領を得ず論理的なまとまりを欠く、不適切な思考が出没するといった明らかな病的障害がある。
受診契機:様々な不安症状
反社会性パーソナリティ障害
行動面において他者への攻撃性が目立ち、喧嘩、他者への暴力、器物破損が繰り返される。
受診の契機:措置入院や精神鑑定
境界性パーソナリティ障害
人格のさまざまな領域における不安定性と自己の空虚感が目立つ。
感情面では慢性的な空感、怒りの感情が目立つ。行動面では突然の手首きりwrist cutting、過量服薬、過食などの衝動行為。
対人関係では関係が深まった治療者に対してしがみつく
演技性パーソナリティ障害
他人の注意を引こうとする度を過ぎた自己顕示的な行動が多い。
受診経路:身体症状
自己愛性パーソナリティ障害
自分には実際以上に優れた才能、力があるという度を越した自負心を持つ。自己顕示欲がある一方で他者の自己評価に敏感で些細な批判的な言葉で容易に傷つき、屈辱感を味わう。
受診経路:プライドが傷つき抑うつ状態で精神科を受診
回避性パーソナリティ障害
対人希求性はあるが、自信がなく、劣等感があり、低い自己評価のため他者の批判を気にして恥をかくことや非難を恐れて対人関係は浅くなる。
受診経路:引きこもりの相談や社交不安障害
依存性パーソナリティ障害
自分の信頼できるある特定の人に著しい依存を見せる。
受診経路:不安症
強迫性パーソナリティ障害
過度の秩序意識や几帳面、完全主義が認められ柔軟性を欠く。
受診経路:不安症、強迫症や遷延性うつ病
DSM-5 注意欠如・多動症の不注意面
a) 勉強や仕事などで不注意による失敗をする
b) 課題や遊びで注意の持続が難しく終わりまでできない。
c) 気もそぞろで話しかけられてもうわのそらのことがある。
d) 指示に従えなかったり、勉強などをやり遂げられない。
e) 物事の意図的遂行が難しい
f) 勉強や宿題などの努力を嫌がり、避けたりいやいや行う。
g) 学校の宿題や文房具類など、忘れ物が多い
h) 関係ない刺激に注意をそらされやすい。
i) 毎日のことでも忘れてしまう。
エリクソンによる発達理論(乳児期、幼児期前期・後期、学童期、青年期、成人前期、成人後期、老人期)
乳児期:希望 幼児期前期:意志 幼児期後期:目的意識 学童期:有能感 青年期:忠誠心 成人前期:愛 成人後期:世話 老人期:英知
味覚嫌悪学習
刺激等価性が成立していない
一度でも学習が成立する
長期遅延条件付け
記憶障害を起こす脳部位
前頭葉基底部
扁桃体・海馬
乳頭体・視床