14. ウイルスと感染 Flashcards
一番大きいウイルス
ポックス(200nm)
エンベロープタンパクの役割
細胞表面のマーカーを認識する
増殖できる細胞を選んで侵入する
エンベロープがあるウイルスの特徴
エタノール、胆汁に弱い(下痢を起こすウイルスはエンベロープなし)
中和抗体とは
細胞受容体に結合する。ウイルスと表面タンパクに結合し、ウイルスとの細胞の吸着、侵入などの感染過程を阻害する
排除することが可能なウイルスの条件
- 自然界でヒトにしか感染しない
- ワクチンによって確実に予防できる
- 持続感染や潜伏感染を成立させることができないため、短期的な掃討作戦で排除される
αヘルペスウイルスの種類
単純ヘルペスウイルス1型
単純ヘルペスウイルス2型
水痘・帯状疱疹ウイルス
βヘルペスウイルスの種類
ヒトサイトメガロウイルス
ヒトヘルペスウイルス6
ヒトヘルペスウイルス7
γヘルペスウイルスの種類
エプシュタイン・バー・ウイルス
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス
単純ヘルペスウイルス1型の初感染時疾患
口唇ヘルペス
単純ヘルペスウイルス1型の潜伏感染部位
三叉神経節(神経細胞)
単純ヘルペスウイルス1型の再活性化時疾患
口唇ヘルペス
角膜ヘルペス
単純ヘルペスウイルス2型の初感染時疾患
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルス2型の潜伏感染部位
仙骨神経節(神経細胞)
単純ヘルペスウイルス2型の再活性化時疾患
性器ヘルペス
水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染時疾患
水痘
水痘・帯状疱疹ウイルスの潜伏感染部位
三叉神経節・脊髄後根神経節(神経細胞)
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化時疾患
帯状疱疹
ARN、帯状疱疹後神経痛
ラムゼイ・ハント症候群
ヒトサイトメガロウイルスの初感染時疾患
無症候性
先天性サイトメガロウイルス感染症
ヒトサイトメガロウイルスの潜伏感染部位
骨髄myeloid細胞
ヒトサイトメガロウイルスの再活性化時疾患
間質性肺炎、網膜炎
ヒトヘルペスウイルス6の初感染時疾患
突発性発疹、熱性痙攣
ヒトヘルペスウイルス6の潜伏感染部位
マクロファージ・脳内
ヒトヘルペスウイルス6の再活性化時疾患
熱性痙攣、脳炎、DIHS
エプシュタイン・バーウイルスの初感染時疾患
伝染性単核症
エプシュタイン・バーウイルスの潜伏感染部位
メモリーB細胞
エプシュタイン・バーウイルスの再活性化時疾患
バーキットリンパ腫、上咽頭癌など
慢性活動性EBV感染症
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの初感染時疾患
血管炎?
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの潜伏感染部位
B細胞?
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスの再活性化時疾患
カポジ肉腫
潜伏感染・再活性化の意義
潜伏感染しているウイルス遺伝子は、自分の宿主の生存に危機が迫ると再びウイルスを産生し、他の宿主に感染しようとする→再活性化
目のヘルペスウイルス感染
角膜は血流がなく、神経は届く
免疫から逃れる
潜伏感染と潜伏期の違い
潜伏感染:ウイルスは増殖していない
潜伏期:感染による症状は出ていないが、ウイルスは体内で猛烈な勢いで増殖している
帯状疱疹後神経痛(PHN)とは
帯状疱疹によって障害を受けた神経が、長期間の強い痛みを生じる疾患
この時ウイルスは消失している
帯状疱疹後神経痛(PHN)を防ぐ方法
帯状疱疹を早期にアシクロビルで治療する
ラムゼイ・ハント(Ramsay Hunt)症候群の三主徵
- 外耳道、耳介に疱疹
- 顔面神経麻痺: 開眼不能、鼻唇溝消失、口角下垂(予後最も問題になる)
- 内耳神経症状: 耳鳴、難聴、めまい
抗ヘルペスウイルス薬
アシクロビル、ガンシクロビル、フォルカルネット、シドファバー
アシクロビルが作用するウイルス
アシクロビルをリン酸化できるチミジンキナーゼ(TK)をもつウイルス(HSV-1, HSV-2, VZV)
アシクロビルの2重チェックとその意義
- ウイルス性のチミジンキナーゼでリン酸化されないとDNAに取り込まれる形にならない
- リン酸化後もウイルス性のDNA polymeraseがなければ取り込まれない
→ヒトのDNAには取り込まれないため安全
アシクロビルの長所
2重チェック
耐性ウイルスが発生しにくい
サイトメガロウイルスの免疫抑制時の再活性化による感染症(臓器移植、AIDS)
臓器移植:間質性肺炎(全ての免疫抑制)
AIDS:網膜炎(T細胞以外の免疫は働く)
サイトメガロウイルスが問題になるケース
免疫抑制時、妊婦の初感染(小児感染は無症状)
サイトメガロウイルスの治療薬
ガンシクロビル(2重チェック無し、副作用→骨髄抑制)
先天性サイトメガロウイルス感染症とは
CMV感染を受けた胎児が必ず障害を受けるとは限らない
一部:小頭症、肝脾腫、黄疸、脳の石灰化、知能障害、難聴など
先天性サイトメガロウイルス感染症の組織学的所見
フクロウの目(封入体)
先天性サイトメガロウイルス感染症の感染経路
・妊娠中の感染経路:母親の初感染による経胎盤感染、再活性化による経胎盤感染(母親がサイトメガロウイルスに対して免疫を持たない場合、上の子供からの感染に注意が必要)
・出産直後の感染経路:母乳からの感染
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)
ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)
両者とも突発性発疹の原因ウイルス
発熱、解熱後の発疹、熱性ケイレンを伴うことが多い
脳にaffinityがある→急性脳炎・脳症の原因
HHV-6の分類
HHV-6A:疾患との関係は確定していない
HHV-6B:突発性発疹の原因
エプシュタイン・バー・ウイルスによる伝染性単核症
初感染時疾患
発熱、肝腫大、冠動脈瘤
EBVの能力
B細胞、NK細胞、T細胞などに潜伏感染し 感染細胞を不死化する能力
→癌化する
EBV関連疾患
伝染性単核症、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、慢性活動性EBV感染症
バーキットリンパ腫の発症要因
染色体転座
慢性活動性EBV感染症
EBVは本来B細胞に潜伏感染するが、この疾患ではT細胞やNK細胞に潜伏感染する
蚊アレルギーとの関連
EBVに効果的な抗ウイルス薬
なし
骨髄移植
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスに感染する人
AIDS患者
ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となる癌と主なメカニズム
子宮癌
アポトーシス抑制
EBウイルス(HPV)が原因となる癌と主なメカニズム
バーキットリンパ腫、上咽頭癌、胃癌、日和見リンパ腫
遺伝子活性化、転座
カポジ肉腫ウイルスが原因となる癌と主なメカニズム
カポジ肉腫
遺伝子活性化
肝炎ウイルスが肝癌を引き起こすメカニズム
炎症・遺伝子活性化
HTLV-1が原因となる癌と主なメカニズム
成人T細胞白血病
遺伝子活性化
急性肝炎・慢性肝炎
急性肝炎:ウイルス性の肝炎で、多くは4〜6週間の経過で完治する(self-limiting)
慢性肝炎:6ヶ月以上肝臓に炎症が持続する病態
肝炎ウイルスで核酸がDNAのもの
B型肝炎ウイルスのみ
肝炎ウイルスで外殻蛋白がカプシドのみのものと、カプシド+エンベロープのもの
カプシドのみ:A型肝炎、E型肝炎
カプシド+エンベロープ:B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎
肝炎ウイルスで臨床経過が急性のみのもの
A型肝炎
A型肝炎ウイルス(HAV)の科と核酸形態
ピコルナウイルス科
線状1本鎖(プラス鎖)RNA
プラス鎖・マイナス鎖とは
プラス鎖:そのままタンパク質に翻訳できる
マイナス鎖:一回逆転写
ピコルナウイルス科の性質
線状1本鎖(+)RNA
エンベロープなし
IRES:Cap非依存的翻訳開始
HAVの感染経路
経口感染
HAVの疫学
水系感染→集団発生
不衛生な環境・地域
生カキ・貝などの生もの
HAVの失活
酸耐性あり、脂質耐性あり
高圧滅菌、UV照射、ホルマリン処理、塩素剤処理で失活
E型肝炎ウイルスの科と核酸形態
ヘペウイルス科
線状1本鎖(プラス鎖)RNA、遺伝子型1型〜4型
HEVの遺伝子型による違い
感染経路:1.2型人対人、3.4型人畜共通感染
1型は妊婦や慢性肝疾患患者で高死亡率
3.4型は慢性化する
D型肝炎ウイルスの特徴(エンベロープ、核酸、感染)
表面はHBVエンベロープ
環状1本鎖(マイナス鎖)RNA
単独では感染しない衛生ウイルス(HBVがヘルパー)
HDVのウイルス学的特徴
- リボザイム活性
- RNA編集
- Symmetric rolling circle RNA複製
- RNA鋳型のredirection
- 70% base pairing
- Plant viroid類似
HDV生活環
核内増殖
B型肝炎ウイルス(核酸、遺伝子の特徴)
不完全2本鎖環状DNA
Overlapする4本のmRNAとORF
HBVによる急性肝炎の遺伝子型別割合で最も多いもの
C、84.5%
HBVによる急性肝炎からの慢性率の遺伝子型別割合で最も高いもの
A, 10%
HBVの中で肝硬変進行率と発癌率、抗原陰性化率が高いもの
C
de novo B型肝炎
潜在的なHBV感染が、免疫抑制状態などが誘因となり再活性し発症するB型肝炎
HBV既感染者をドナーとした肝移植者や造血器疾患などで HBV既感染者に、免疫抑制治療・ 化学療法治療を行った場合に再活性し、 時として劇症化し、死に至ることもある
HBVキャリアとは
HBVが持続的に感染している状態
HBs抗原が持続的に陽性 and/or HBc抗体が陽性 or HBs抗体が陽性
C型肝炎の核酸、特徴
線状1本鎖(プラス鎖)RNA
薬物乱用・鍼・刺青・性行為が社会問題
Viral breakthroughとは
薬でウイルスが一時減少したにもかかわらず、耐性ウイルスが出てきたためにまたウイルスが増加すること
オルソミクソウイルス科の種類
A型インフルエンザウイルス属 (Influenzavirus A) :A型インフルエンザウイルス
B型インフルエンザウイルス属 (Influenzavirus B) :B型インフルエンザウイルス
C型インフルエンザウイルス属 (Influenzavirus C) :C型インフルエンザウイルス
インフルエンザの症状
38°Cを超える発熱、頭痛、鼻汁、咽頭痛、咳、関節痛、筋肉痛等
3日くらいの潜伏期間後に発症、約1週間で軽快。
乳幼児、高齢者、基礎疾患を持つ人では、肺炎などを、小児では脳症を併発し、最悪の場合、死に至る。
インフルエンザウイルスの特徴(核酸、エンベロープの有無)
分節化したマイナス鎖一本鎖RNA
エンベロープあり
A型とB型インフルエンザウイルスが表面に持つものと、その重要性
赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白
→感染防御免疫の標的抗原
インフルエンザウイルス感染経路と感染部位
飛沫感染
上気道の上皮細胞
インフルエンザウイルスの検査
患者の咽頭ぬぐい液やうがい液を検体 • イムノクロマト法(モノクローナル抗体を用いる酵素抗体法) →A型、B型の抗原を検出するが、抗原亜型は区別できない • ウイルス分離 • 血清診断 • 遺伝子診断法(RT-PCR)
インフルエンザウイルスの構造(各型の分節数)
A型: 8分節
B型: 8分節
C型: 7分節
インフルエンザはなぜ毎年流行する?と、その理由の現象名
RNAウイルスは遺伝子が変化しやすく、表面(HAとNA)の形が変わりやすい
連続抗原変異
新型インフルエンザはなぜできる?と、その現象名
2つの異なるウイルスが1つの宿主細胞に重複感染すると、 8本のRNA遺伝子の組み合わせ (2^8=256通り)ができる。 その中から、増殖できるいくつかのウイルスが残る。
遺伝子再集合/リアソータント
インフルエンザウイルスのレセプターの種類
人型、鳥型、馬型
インフルエンザウイルスの治療(吸引薬)
ザナミビル:5日間投与
ラニナミビル:1回のみ投与
インフルエンザウイルスの治療(内服薬)
オセルタミビル(商品名タミフル): 5日間投与
バロキサビル、マルボキシル(商品名ゾフルーザ)
アマンタジン(商品名シンメトレル)⇒ A型インフルエンザに有効(B型には無効。B型はM2タンパク質を持たない)
インフルエンザにおける解熱剤の使用
原則禁忌(脳症を誘発)
ライ症候群との関係
解毒剤が必要な場合、アセトアミノフェン
ライ症候群
主に小児が発症
原因は不明だが、インフルエンザまたは水痘の感染に続発
サリチル酸系薬剤(一般的にアスピリン)を使用した場合、発生リスクが35倍に上昇
インフルエンザワクチンの問題点
・予防できるが感染防御するものではない ・株が一致しない場合には効果が低い ・ワクチン株と流行株の抗原性が乖離しており、流行株に対するHI抗体価が上がりにくい ・流行株を予測することは不可能 ・発熱問題で小児に対し使用できない
良く効くインフルエンザワクチンとは?
感染阻止
流行株がワクチン株一致しない変異株の場合にも交叉防御能 (cross-protection) がある→IgA抗体
コロナウイルスとは
- 風邪のコロナウイルス
- 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
- 中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
- 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)
コロナウイルスの特徴
一本鎖プラス鎖RNAウイルス
エンベロープあり
コロナウイルスの表面の特徴
・脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがある
・Spike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白
SARS-CoVの侵入経路
アンジオテンシン変換酵素2とTMPRSS2(膜融合タンパク活性化)
SARS-CoVの感染経路
飛沫、接触感染
院内感染
MERSコロナウイルス感染経路
飛沫感染(院内、家庭内)
アデノウイルスの特徴
2本鎖DNAウイルス
エンベロープなし
アルコール、酸に抵抗性
呼吸器感染症(飛沫感染)のアデノウイルスの型と年齢対象
3、7(特に7型は重症化)
乳幼児
咽頭結膜熱(プール熱)のアデノウイルスの型と年齢対象
3
乳幼児
流行性角結膜炎のアデノウイルスの型と年齢対象
8、19/64、37、53、54、56
全年齢
出血性膀胱炎のアデノウイルスの型と年齢対象
11
乳幼児
感染性胃腸炎のアデノウイルスの型と年齢対象
31、40、41
乳幼児
アデノウイルスの診断
・イムノクロマト法 迅速診断が可能
・アデノウイルスの分離 培養細胞に臨床検体を接種
・中和試験
・PCRとシークエンス
ヒトへ病原性があるパラミクソウイルス
麻疹ウイルス
ムンプスウイルス
ヒトパラインフルエンザウイルス
日本発のウイルスベクターであるパラミクソウイルス
センダイウイルス
パラミクソウイルスの特徴
一本鎖マイナス鎖RNAのエンベロープウイルス
麻疹の症状経過
10-12日の潜伏期間を経て発症
カタル期:2-4日
発疹期:3-5日
回復期
麻疹ウイルスの機序
リンパ節で増殖し、一過性に強い免疫機能抑制状態を生じる
麻疹ウイルスの二大死亡原因
肺炎、脳炎
麻疹ウイルスの感染経路
経気道感染
(飛沫感染、飛沫核感染(空気感染))
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)とは
数年の潜伏期間(遅発性ウイルス感染)
1歳未満や免疫機能が低下している状態で麻疹に罹患した場合が多い
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の初期臨床症状
鑑別診断としては、初期では心因反応、精神病、てんかん、脳腫瘍等
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の臨床症状(4つのステージ)
第I期:軽度の知的障害、性格変化、脱力発作、歩行異常
第II期:四肢が周期的にびくびくと動く不随意運動(ミオクローヌス)、知的障害、歩行障害など運動障害
第III期:歩行は不可能、食事の摂取も次第にできなくなる。ミオクローヌスも強くなる。体温の不規則な上昇、唾液分泌の亢進、発汗異常などの自律神経の症状、四肢の筋肉の緊張の亢進
第IV期:意識消失、全身の筋肉の緊張は著明に亢進し、ミオクローヌスも消失し、自発運動もなくなる
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の診断
血清の麻疹抗体価の上昇
髄液麻疹抗体価の上昇
髄液IgGの上昇
脳波検査
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発症機序(ウイルス側の要因)
中枢神経に持続感染
Mタンパク質機能の欠失のため、SSPEウイルスは感染性ウイルス粒子を産生できないが、それを代償するように、エンベロープ融合に関与するFタンパク質にも変異がみられ、一般に、SSPEウイルスではFタンパク質の膜融合能が亢進している。
神経親和性亢進
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発症機序(宿主側の要因)
2歳未満で麻疹に罹患した場合にSSPEの発症リスクが高くなる(免疫系や中枢神経系がまだ十分発達していない幼少期に初感染を受けると脳内での持続感染がおこりやすくなる)
白血球にも麻疹ウイルスが存在→ 麻疹ウイルスに対してのみインターフェロンγ産生能が低下
ムンプスウイルスの潜伏期間
2〜3週間
ムンプスウイルスの最も多い合併症
髄膜炎
流行性耳下腺炎の特徴
唾液腺腫脹は両側、あるいは片側の耳下腺にみられることがほとんどであるが、顎下腺、舌下腺にも起こることがあり、通常48時間以内 にピークを認める。
接触、あるいは飛沫感染で伝搬するが、その感染力はかなり強い
流行性耳下腺炎(ムンプス)の診断
ウイルスを分離する ・唾液からは症状出現の7日前から出現後9日頃まで ・髄液中からは症状出現後5~7日くらいまで 血清学的診断 ・IgM, IgG ・RT-LAMP法、RT-PCR法によるムンプス遺伝子検出
ムンプス難聴の原因
ムンプスによる高度感音難聴
血行性にウイルスが内耳に感染
ムンプスワクチンのタイプと副作用
生ワクチン
発熱、耳下腺腫脹、無菌性髄膜炎
ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)
乳幼児の急性呼吸器感染症
多いのはHPIV3型
上気道炎、気管支炎
ニューモウイルス科の特徴
大型のエンベロープをもつ、一本鎖マイナス鎖RNAウイルス
ニューモウイルス科の例
RSウイルス
ヒトメタニューモウイルス
Respiratory syncytial(RS)ウイルスの疫学
生涯にわたり顕性感染(とくに乳幼児期において重要)
最初の一年間で50〜70%以上の新生児が罹患し、3歳までにすべての小児が抗体を獲得
Respiratory syncytial(RS)ウイルスの症状
初感染は常に顕性
下気道疾患、中耳炎など
Respiratory syncytial(RS)ウイルスの潜伏期
2〜8日
Respiratory syncytial(RS)ウイルスの診断
呼吸器分泌物よりウイルスを分離またはウイルス抗原を検出
マトナウイルス科のウィルス
風疹ウイルス
風疹の症状
発熱、発疹、リンパ節腫脹
風疹ウイルスの感染経路
飛沫感染
風疹ウイルスのワクチン
弱毒生ワクチン
風疹ウイルスの特徴
プラス鎖一本鎖RNAエンベロープウイルス
先天性風疹症候群の3大症状
先天性心疾患
難聴
白内障
先天性風疹症候群の診断
- 白内障または先天性緑内障、先天性心疾患、難聴、色素性網膜症
2. 紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、X線透過性の骨病変
ウイルス抗原に対する抗体価の測定
ペア血清(感染直後と回復後)をとって抗体価測定
節足動物が媒介するウイルス
アルボウイルス
節足動物が媒介するウイルス科
トガウイルス科
フラビウイルス科
ナイロウイルス科
フェヌイウイルス科
チクングニア熱の3主徴
発熱、関節炎、発疹
フラビウイルス属のウイルス
デングウイルス 黄熱ウイルス 日本脳炎ウイルス ウエストナイルウイルス ジカウイルス
フラビウイルスの構造と複製機構
一本鎖プラス鎖RNAウイルス
エンベロープあり
細胞質内で増殖し、ウイルス粒子は小胞体で成熟
デングウイルスを媒介する蚊
ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
デングウイルスの特徴
抗体依存性感染増強(2度目以降の感染によりデング出血熱を起こすリスクが高くなる)
黄熱ウイルスを媒介する蚊
ネッタイシマカ
黄熱ウイルスのワクチン
弱毒生ワクチン
日本脳炎ウイルスを媒介する蚊
コガタアカイエカ
日本脳炎ウイルスの感染環
ブターカーヒト
ウエストナイルウイルスの特徴
ほとんどで不顕性感染
トリーカーヒトの感染環
ワクチンなし
ジカウイルスの問題点
胎内感染
小頭症、先天性内反足、先天性関節拘縮
ウエストナイルウイルスと日本脳炎ウイルス
極めて近い抗原性
ウイルス性出血熱
ラッサ熱
クリミア・コンゴ出血熱
エボラ出血熱
マールブルク出血熱
ラクダのエマ
アレナウイルス科、ハンタウイルス科の感染経路
尿・体液中に含まれるウイルスから接触感染
ナイロウイルス科、フェヌイウイルス科の特徴
カ、マダニなどが媒介
ラッサウイルスの影響
ウイルス粒子内に宿主細胞のリボソームが取り込まれる
アレナウイルスの構造
一本鎖ambisense RNA
ラッサウイルスの感染経路
尿・体液・血液との接触
ラッサウイルスの自然宿主
マストミス(胎盤感染する)
リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスの自然宿主
ハツカネズミ(マウス)
ハンタウイルスが引き起こす主な疾患
腎症候性出血熱 (HFRS)
ハンタウイルス肺症候群 (HPS)
ハンタウイルスの感染経路
ウイルスを吸入、咬傷
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスを媒介するもの
マダニ
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスの感染経路
血液に感染性あり
ダビエバンダウイルスによる疾患
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
エボラウイルスの構造
マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス
エボラウイルスの感染経路
体液から感染
ピコルナウイルス、ラブドウイルスの核酸の種類
RNA
ピコルナウイルスの形
正20面体
エンテロウイルスのなかでヒトに感染するもの
エンテロウイルスA,B,C,D
ライノウイルスA,B,C
エンテロウイルスの構造
一本鎖RNAウイルス(+)
ピコルナウイルスのゲノム構成
L (リーダー) 配列、カプシドタンパク(4つ)、複製に必要なゲノムP2(3つ), P3(4つ)
ポリタンパクが複数のタンパクに分解される
IRES配列
直接タンパクの翻訳が開始される
ピコルナウイルスへの宿主側のレセプター
ポリオウイルス:CD155
コクサッキーA群:細胞間の接着因子であるICAM1
コクサッキーB群:コクサッキーウイルスとアデノウイルスの共通レセプターであるCAR
エンテロウイルス感染の特徴
ほとんど不顕性感染
エンテロウイルスが原因となる疾患
無菌性髄膜炎
脳炎
髄膜脳炎
ポリオウイルスによる疾患
急性灰白髄炎
ポリオウイルスの感染経路と感染場所
経口感染
咽頭・小腸から感染しリンパ組織で増殖
ポリオウィルスレセプター(CD155)が発現している場所
造血前駆細胞を含む骨髄系細胞
T細胞系の細胞
神経細胞
ポリオの症状の種類
不顕性感染(99%)
不全型ポリオ(かぜ)
非麻痺型ポリオ(風邪、髄膜刺激症状)
麻痺型ポリオ
麻痺型ポリオの経過(潜伏期、前麻痺期)
潜伏期:3-40日(平均10日)
前麻痺期:3-16日
麻痺期:2-3日
回復期:2-6週間
麻痺型ポリオの麻痺期の特徴
非対称、部分的
知覚障害、錐体路障害には認められない
麻痺型ポリオの後遺症
運動障害、著明な筋萎縮、腱、骨萎縮
ポリオウイルスの分離
咽頭ぬくい液:発症後3-5日以内
糞便:発症後5週間
ポリオウイルスのワクチンの種類
弱毒生ワクチン
不活化ウイルスワクチン
二次的接種効果
弱毒生ワクチンを飲んだ接種者の糞便から排泄されて他の人に感染する形で効果も広がっていく
コクサッキーウイルスA群の症状
ヘルパンギーナ(咽頭痛)
手足口病
無菌性髄膜炎
コクサッキーウイルスB群の症状
流行性筋痛症
新生児心筋症
エコーウイルスの症状が類似しているウイルス
コクサッキーウイルス
エンテロウイルス70型が起こす疾患と特徴
急性出血性結膜炎
潜伏期が短い
手足口病の原因ウイルス
エンテロウイルス71型
コクサッキーウイルスA群
ライノウイルスの感染経路
鼻汁(咳・くしゃみではあまり感染しない)
ラブドウイルスの感染経路
狂犬病(咬傷)
ラブドウイルスの性状
一本鎖のRNAウイルス、マイナス鎖
ラブドウイルスの潜伏期
2-12週間
ラブドウイルスのワクチン
不活化ワクチン
プリオンとは
ウイルスをは異なる病原体
タンパク質のみからなる
核酸を含まない
ウイルス増殖の暗黒期
ウイルスが細胞に侵入すると脱殻し、宿主のタンパク合成、核酸合成システムを利用してウイルスタンパクと核酸が合成される
→脱殻から細胞内でウイルスが再構成されるまでの期間、宿主の中でウイルス粒子の存在が一見隠れてしまう時期
プリオンの性質
・暗黒期がない ・ゆっくり複製される ・核酸を含まない ・抗原性がない ・通常のオートクレーブ処置などで不活化されない
プリオンによる疾患
スクレピー
プリオンタンパクの正常型と異常型の違い
正常型:界面活性剤に溶け、proteinase で分解される
スクレピー型:proteinaseに抵抗し半減期が長くなる
ヒトのプリオン病
クールー
クロイツフェルト・ヤコブ病
クールーの特徴
潜伏期:4-50年
女性と子供に発症
1年以内に死亡
孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の症状
認知症、ミオクローヌス、運動障害から死亡
家族性のプリオン病
家族性クロイツフェルト・ヤコブ病
GSS
FFI(致死性家族性不眠症)
スクレピー型のプリオンタンパクの型
proteinase Kによる切断のパターンで1型と2型に分けられる
パポバウイルスの構造
2本鎖環状DNAウイルス
エンベロープなし
パポバウイルスの種類
パピローマウイルス科
ポリオーマウイルス科
HPVは子宮頚がん発生のリスクとなる型
16型、18型
ポリオーマウイルスでヒトに感染するもの
JCウイルス
BKウイルス
JCウイルスの日和見感染症
PML(進行性多巣性白質脳症)
デルタレトロウイルス属(オンコウイルス)の主なウイルス
Human T-lymphotropic virus-1
レンチウイルス属の主なウイルス
ヒト免疫不全(エイズ)ウイルス-1
レトロウイルスの複製とがん遺伝子の成立
- レトロウイルスはRNAを遺伝子とするウイルスであるが、逆転写酵素を使って自分の遺伝子をDNAに変換
- 逆転写されたDNAは、宿主の遺伝子にとりこまれ、転写によって、mRNAとゲノムRNAを産生
- レトロウイルスゲノムは、一旦宿主のゲノムに取り込まれる→宿主遺伝子を自分のゲノムの中に持ってきてしまう可能性あり
- 逆転写酵素の遺伝子複製は非常に不正確→ウイルスの遺伝子(蛋白)に変異が生じ易い。
c-onc(正常状態)とv-onc(がん状態)
c-onc:増殖に関係するタンパク質のリン酸化がおきると細胞増殖
v-onc:増殖因子がなくても増殖に関係するタンパク質のリン酸化がおきる
HIVの受容体
細胞膜蛋白質CD4
→CD4 陽性ヘルパーT細胞やマクロファージに感染
HIVの免疫機構からの逃避機構
レトロウイルスは、遺伝子を複製する酵素(逆転写酵素)の読み間違いの頻度が高いため、抗体が中和する部分が次々と変化してしまう
Human T-lymphotropic virus-1 (HTLV-1)による疾患
成人T細胞白血病
HTLV-1関連脊髄症
Human T-lymphotropic virus-1 (HTLV-1)の特徴
血液像は、花弁様分葉核(花びら細胞)
B型肝炎ウイルスによるがんと主なメカニズム
肝がん
炎症、遺伝子活性化
C型肝炎ウイルスによるがんと主なメカニズム
肝がん
炎症、遺伝子活性化
子宮頚部異形成とは
子宮頸がんの前段階である前がん病変
・軽度異形成(CIN1)
・中等度異形成(CIN2)
・高度異形成・上皮内がん(CIN3)
ヒトパピローマウイルス (HPV)による発がん機構
E6、E7がp53とpRbタンパクの機能を阻害
→細胞のDNA合成系を活性化不死化
→p53 を介したアポトーシスの抑制感染細胞の異常な増殖
ポックスウイルス科オルトポックスウイルス属のウイルス
・天然痘ウイルス ・ワクシニアウイルス ・牛痘ウイルス ・サル痘ウイルス ・ラクダ痘ウイルス ・エクトロメリアウイルス
天然痘ウイルスの構造
エンベロープを有するDNA ウイルス
天然痘ウイルスの宿主
ヒトのみ
天然痘ウイルスの感染経路
飛沫感染、飛沫核感染
レオウイルス科のウイルス
ロタウイルス
乳幼児の重症急性胃腸炎の主要な原因病原体
ロタウイルス
ロタウイルスの感染経路
ヒトとヒトとの間の糞口感染
ロタウイルスの症状特徴
米のとぎ汁のような白色の下痢便が特徴
ロタウイルスの構造
2本鎖RNA ゲノムを含む直径約100nmの粒子
ノロウイルスの感染経路
感染者の糞便・吐物およびこれらに直接または間接的に汚染されたものからの経口感染
ノロウイルスの構造
プラス1本鎖RNAウイルスで、エンベロープをもたない
サポウイルスの構造
一本鎖(+)RNAで、エンベロープ
キラーT細胞による感染細胞破壊
パーフォリン/グランザイム経路
Fas・Fasリガンドによるアポトーシス誘導
パーフォリン/グランザイム経路
キラーT細胞が抗原と結合したMHCクラスⅠをT細胞レセプター(TCR)で認識すると、パーフォリンとグランザイムを放出
→パーフォリンは筒状の重合体を作り、細胞膜を貫通し、この孔を通ってグランザイムが細胞内へ
→DNAが切断されてアポトーシス(細胞死)
Fas・Fasリガンドによるアポトーシス誘導
キラーT細胞が抗原と結合したMHCクラスⅠをT細胞レセプターで認識した後、感染細胞表面のFas分子とキラーT細胞にあるFasリガンドが結合するとアポトーシス
グランザイムの働き
DNA切断酵素の阻害酵素を破壊する酵素を活性化する
ウイルスに対する抗体の作用
中和抗体
抗体依存性細胞傷害
抗体依存性細胞傷害
Fc受容体を介したNK細胞やマクロファージの攻撃
自己細胞を保護している補体制御因子
DAF (decayaccelerating factor, CD55),
MCP (membrane cofator protein, CD46),
CD59
ワクチンの効果の違い
生ワクチン: 細胞性免疫と抗体の両者を獲得可能⇒ ウイルスの侵入時にも増殖後にも作用
不活化ワクチン: 抗体しか獲得できない⇒ 侵入を防止する効果のみ
エンベロープをもつウイルス
ロタウイルス サポウイルス コロナウイルス ピコルナウイルス科 アデノウイルス ノロウイルス パピローマウイルス E型肝炎 フラビウイルス マトナウイルス パラミクソウイルス ニューモウイルス ポックスウイルス
ロサンゼルスコーストのピアノパイはポパイのフライよりうまい、ニュース
線状二本鎖DNAのウイルス
アデノウイルス ヒトパピローマウイルス B型肝炎 ヘルペスウイルス 痘瘡(ポックスウイルス)
デ→【DNAウイルス】 ビ→B型肝炎ウイルス(HBV) ッ ト→痘瘡ウイルス ヘ→ヘルペスウイルス科 ア→アデノウイルス ー パピー→ヒトパピローマウイルス
線状一本鎖(+)鎖RNAのウイルス
A型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス フラビウイルス コロナウイルス 風疹ウイルス ノロウイルス サポウイルス エンテロウイルス ピコルナウイルス
この風の中でさえフラダンスでピンace
線状一本鎖(ー)鎖RNAのウイルス
パラミクソウイルス
ニューモウイルス
ラブドウイルス
エボラウイルス
今→一本マイナス パ→パラミクソウイルス エ→エボラウイルス リア と ニ→ニューモウイルス ラ→ラブドウイルス たべた
二本鎖環状DNAウイルス
パポバウイルス
環状一本鎖マイナス鎖RNAウイルス
HDV