5. 栄養科学 Flashcards
糖尿病の成因分類
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- その他の特定の機序、疾患による糖尿病
- 妊娠糖尿病
1型糖尿病の特徴と種類
β細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏に至る
自己免疫性
特発性
正常空腹時血糖
70~110mg/dL未満
正常ブドウ糖負荷試験2時間後血糖
140mg/dL未満
MODY(maturity-onset diabetes of the young)
若年(通常25歳以下)で発症
常染色体優性遺伝、単一遺伝子異常
2型糖尿病の4-6%
腎臓の形成異常(MODY5)
MODY2
GKの異常
ネクローシスの順序
CypDよりH2O流入→ミトコンドリア破裂→壊死→細胞死
CypDを抑制するもの
Cyclosporin A(免疫抑制剤)
アポトーシスの順序
Bax/BakからCytochrome c放出
→Caspase 3
→アポトーシス
→細胞死
1型糖尿病と2型糖尿病のインスリン低下の差
1型糖尿病は数日から数年単位でインスリンが枯渇。
2型糖尿病は数年以上の年月でインスリン低下が進行する病態である。
血清脂質の4種類
コレステロール
トリグリセライド
リン脂質
脂肪酸
脂質異常症の分類
Ⅰ型:カイロミクロンのみ増加 Ⅱa型:LDLのみ増加 Ⅱb型:LDLとVLDLが多い Ⅲ型:IDLが増加 IV型:VLDLのみ増加 V型:カイロミクロンとVLDLが増加する
Ⅱa型脂質異常症の代表例
常染色体優性遺伝疾患である家族性高コレステロール血症(ホモ型:指定難病)
動脈硬化を進める脂質異常症
高LDL-コレステロール血症
高トリグリセリド血症
低HDL-コレステロール血症
血清コレステロール濃度を低下させるために行う栄養療法
制限するもの:飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール
摂取を推奨するもの:不飽和脂肪酸、食物繊維
n-3系不飽和脂肪酸
EPAやDHA
二重結合の最初の位置がオメガ末端から3番目
n-6系不飽和脂肪酸
アラキドン酸やリノール酸
二重結合の最初の位置がオメガ末端から6番目
n-3系の作用
血液循環の改善やトリグリセライド濃度の低下作用
n-6系の作用
コレステロール濃度を下げる作用
一価不飽和脂肪酸の代表
オレイン酸
一価不飽和脂肪酸の作用
LDLコレステロール濃度を下げる
酸化変性を受けにくい
飽和脂肪酸の作用
LDLコレステロール濃度を上昇させ、動脈硬化を進行させる
トランス脂肪酸とは
不飽和脂肪酸なのに飽和脂肪酸と同じく室温で個体
高トリグリセライド血症に対する栄養療法
果糖の制限
n-3系多価不飽和脂肪酸のEPA(20:5)の生合成
α-リノレン酸(18:3)から鎖長延長酵素などによって生合成され、β酸化等を受けDHA(22:6)へ変換
n-6系のアラキドン酸(20:4)の生合成
リノール酸(18:2)から生合成
高カイロミクロン血症による異常
膵炎や網膜の異常(網膜脂血症)
脂肪摂取過多による血中脂質の変化
カイロミクロンの増加
炭水化物摂取過多による血中脂質の変化
VLDLの増加
高LDL-C 血症の食事療法
・飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身、内臓、皮、乳製品および、トランス脂肪酸を含む菓子類、加工食品の摂取を抑える。コレステロールの摂取量の目安として1日200mg未満を目指す。
・食物繊維と植物ステロールを含む未精製穀類、大豆製品、海藻、きのこ、野菜類の摂取を増やす。
高TG血症の食事療法
・炭水化物エネルギー比率を低めにするために、糖質を多く含む菓子類、糖含有飲料、穀類、糖質含有量の多い果物の摂取を減らす。
・アルコールの摂取を控える。
・n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚類の摂取を増やす
高カイロミクロン血症の食事療法
・脂質の摂取を20g 以下あるいは総エネルギーの15%以下に制限する。
・中鎖脂肪酸を利用する。
低HDL-C血症の食事療法
・炭水化物エネルギー比率を低くする。
・トランス脂肪酸の摂取を控える。
・n-6系多価不飽和脂肪酸の過剰を避けるために、植物油の過剰摂取を控える
メタボリックシンドロームの食事療法
炭水化物エネルギー比率を低めとし、GI が低い食材を選び、GLを上げない工夫をする。
飢餓による低栄養症候群
マラスムス
慢性疾患による低栄養症候群
悪液質、炎症
急性疾患による低栄養症候群
炎症
栄養スクリーニングツール
SGA (Subjective Global Assessment)
MNA-SF (Mini Nutritional Assessment-Short Form)
SGA (Subjective Global Assessment) 主観的包括的アセスメント
病歴
身体状況
主観的包括的栄養変化
MNA-SF (Mini Nutritional Assessment-Short Form)
A) 過去3ヶ月で食事量は減少したのか? B) 過去3ヶ月で体重は減少したのか? C) 自力で歩けるか? D) 過去3ヶ月で精神的ストレスや急性疾患を経験したか? E) 神経・精神的問題の有無 F) BMI, 下腿周囲長(cm)
低栄養の診察に必要なアセスメント【問診で聞くこと】
体重変化 食事摂食状況 食欲 消化器症状 日常生活状況
栄養アセスメント
GLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)
クワシオルコル(Kwashiorkor)の病因
急性な蛋白質欠乏状態
クワシオルコル(Kwashiorkor)の三大兆候
浮腫
低アルブミン血症
脂肪肝
マラスムス(Marasmus)の病因
慢性エネルギータンパク欠乏状態
マラスムス(Marasmus)の症状
成長障害
筋萎縮
感染症の併発
栄養素の欠乏
クワシオルコル(Kwashiorkor)or マラスムス(Marasmus)
体重低下
マラスムス(Marasmus)
クワシオルコル(Kwashiorkor)or マラスムス(Marasmus)
浮腫
クワシオルコル(Kwashiorkor)
クワシオルコル(Kwashiorkor)or マラスムス(Marasmus)
アルブミン、アミノ酸E/N比低下
クワシオルコル(Kwashiorkor)
アミノ酸同化抑制因子
マイオスタチン
コルチゾール
アミノ酸同化促進因子
インスリン
IGF-1
筋タンパク質促進因子
炎症性サイトカイン
コルチゾール
アシドーシス
筋タンパク質抑制因子
インスリン
IGF-1
サルコペニアの評価
身長、体重、握力、歩行速度
筋量評価方法
二重エネルギーX線吸収法(DXA法)
インピーダンス法による骨格筋指数(BIA法)
徒手法
サルコペニアの治療
蛋白摂取療法
運動療法
サルコペニアに対する蛋白摂取療法
1.0 - 1.5g/kg/日摂取を推奨(男性60g, 女性50g)
蛋白の中でも分岐鎖アミノ酸摂取20g/日がよい
サルコペニアに対する運動療法
レジスタンス運動(いわゆる筋トレ)と有酸素運動が有効
サルコペニアの治療薬
マイオスタチン阻害剤
テストステロン
成長ホルモン
サルコペニア肥満
著しい肥満と筋力低下を示す病態で、 身体機能悪化生活習慣病、動脈硬化が進行する
フレイルを構成する3要素
社会的
精神的
身体的
フレイルの重要点
- 健康と要介護の中間である
- 可逆性である
- 多面性がある
オーラルフレイル
老化に伴う様々な口腔の状態(歯数・口腔衛生・口腔機能など)の変化に、口腔健康への関心の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔の脆弱性が増加し、食べる機能障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、心身の機能低下にまで繋がる一連の現象及び過程
悪液質
併存疾患(がん、心疾患、呼吸器疾患など)を背景とする、脂肪量減少の有無に関わらず、骨格筋量減少に伴う複雑な代謝性症候群
Fearonによる悪液質の診断基準
① 6ヶ月間で体重減少率>5%
② BMI<20kg/m2で体重減少率>2%
③ 筋萎縮で体重減少率>2%
悪液質の病態
高度の体重減少、食欲不振により、
- 脂肪量や骨格筋量の低下
- 蛋白異化作用
- インスリン抵抗性
- 炎症反応の亢進(筋蛋白分解亢進、エネルギー消費量増加)
ロコモティブシンドローム
運動器の脆弱性を表す概念
運動習慣の獲得、適切な栄養摂取、活動性の⾼い⽣活、運動器疾患に対する治療は、予防する
カルシウムの1日摂取目標
700-800mg
ビタミンDの1日摂取目標
400-800IU, 10-20μg
ビタミンK の一日の摂取目標
250-300μg
ビタミンB1(チアミン)欠乏症
末梢神経障害(脚気)
代謝性アシドーシス(乳酸アシドーシス)
ウェルニッケ脳症
脚気心
ビタミンB1の投与の注意点
ブドウ糖とビタミンB1を同時に投与すること
脚気心とは
末梢血管抵抗の低下による高心拍出量性心不全、顔面、四肢の浮腫、心不全、頻脈、心拍出量増加による心不全、右心不全が主体
衝心脚気
両心不全から急速に肺水腫、ショック状態に至る劇症型、低心拍出量性心不全が主体
リフィーディングシンドローム
積極的な栄養補給を行うことにより発症する一連の代謝合併症
摂取不足の回避を目的とする3種類の指標
推定平均必要量、推奨量、目安量
総エネルギー必要量(kcal/day)の式
BEEx活動係数x障害係数
マラスムス型の流れ
慢性栄養障害
→骨格筋から血清アルブミンが供給
→骨格筋量の低下が特徴
クワシオコル型の流れ
急性疾患
→肝臓における蛋白合成能が低下
→血清アルブミン濃度低下
→全身浮腫が特徴
栄養不良患者に対する栄養アセスメントの重要項目
血清アルブミン
RTP (Rapid turnover protein)
RTP (Rapid turnover protein)
肝臓で合成され、半減期が短く、現在の蛋白合成能を反映する指標
RTP (Rapid turnover protein)の例
プレアルブミン(トランスサイレチン)
レチノール結合蛋白
トランスフェリン
外科侵襲とは
身体を傷害する原因となり得る行為
・手術などの医療行為
・熱傷や骨折などの外傷
術後回復過程の4相
①障害期(異化期)
②転換期(異化期)
③同化期(同化期)
④脂肪蓄積期(同化期)
外科侵襲後の体重減少のピーク
術後1~3か月後
外科侵襲期におけるエネルギー源の供給
①肝臓に蓄積されたグリコーゲン(12時間で枯渇)
②筋蛋白質を分解
②皮下脂肪
重症急性期の栄養療法(エネルギー投与量)
1週間程度は充足させない
重症急性期の栄養療法(目標血糖値)
144~180 mg/dl
J-CHSによるフレイルの診断基準
体重減少 筋力低下(握力) 疲労感 歩行速度 身体活動
ブレスローの7大健康習慣(カリフォルニア大学、1973年)
- 適正な睡眠時間(7~8時間)
- 喫煙をしない
- 適正体重を維持する
- 過度の飲酒をしない
- 定期的に(やや激しい)運動をする
- 朝食を毎日取る
- 間食をしない
ビタミンB1の作用
糖質エネルギー代謝経路において重要な補酵素
ビタミンB1の欠乏の原因
偏食、アレルギー
水溶性ビタミン
ビタミンB1、ビタミンC
脂溶性ビタミン
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、
2型糖尿病の特徴
インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体でそれにインスリンの相対的不足を伴うもの
コレステロールの小腸での吸収率
50~60%が多い
80%や20~30%の人もいる
血清コレステロールを高めるコレステロール摂取量
閾値と頂値がある
ビタミンB1の特徴
体内蓄積量(骨格筋、心筋、肝臓、腎臓、脳)はすくない
トリグリセド濃度を低下させるために行う栄養療法
n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取
糖質制限
適度な飲酒
GLIM(現症の評価項⽬、病因の評価項⽬、低栄養の評価基準、重症度の判定)
現症の評価項⽬:「意図しない体重減少」「低BMI」「⾻格筋量減少」
病因の評価項⽬:「⾷事摂取量減少・消化吸収低下」「疾患ストレス・炎症」
現症と病因のそれぞれ1つ以上の項⽬に当てはまれば低栄養
重症度の判定:「体重減少」「低BMI」「⾻格筋量減少」