10. 病態と薬物 Flashcards
自動能(洞房結節)
60-100 bpm
自動能(房室結節)
50-60 bpm
自動能(プルキンエ線維)
30-40 bpm
不整脈の発生機序
リエントリー
後脱分極
異所性律動
リエントリーとは
2つの活動電位話が分かれて、何らかの理由で一方が途絶えてしまうと、もう一方の活動電位が途絶えた部分を逆流し再度同じ場所に活動電位を生じさせる
WPW症候群
リエントリー
房室結節よりも早く心室へ伝導するケント束の異常でそこを活動電位が逆流
→拍動が早くなり気絶
心房粗動
リエントリー
心房がたくさん収縮(心房でループ)、心室は何回かに一回(房室結節の不応期)
心房細動
リエントリー
どこにループがあるかわからない(心拍数は正常)
早期後脱分極
第2相または第3相から
・QT延長の悪化による
・Na+チャンネルの再活性化
・徐脈に伴いやすい
遅延後脱分極
第4相から
・細胞内Ca2+過剰によって増大するNa+/Ca2+ exchanger電流による
・Digitalis作用、カテコラミン過剰、心筋虚血等により誘発されやすい
・頻脈に伴いやすい
QT延長の原因
(QT時間は概ね0.45秒以上が異常)
・遺伝的QT延長症候群(K+チャンネルのloss of function, Na+チャンネルのgain of function)
・薬剤(抗不整脈薬、向精神薬、抗生剤等)
・電解質異常 (低K+, 低Mg2+, 低Ca2+)
Torsades de pointes
トルサード・ド・ポアントは心室性頻拍の一種であり、QRS complexがねじれながら続いているような心電図波形を示す不整脈である
上室性期外収縮
心房の何処かで自発的な活動電位が発生
異所性律動の原因
虚血、電解質異常、交感神経の亢進、等により起こる
不整脈の治療
・ペースメーカー・植え込み型除細動器 (ICD)
・心室細動などの危険な不整脈では除細動
・薬物療法
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類
Class I:Na+チャネル阻害 Class II:βアドレナリン受容体拮抗 Class III:活動電位の延長作用(K+チャネル阻害) Class IV:Ca2+チャネル阻害 分類外
なべ借りようか
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class I
伝導速度の抑制作用と不応期の延長作用により、リエントリーを抑制
- State依存的結合(close stateよりopen or inactivated の方が結合しやすい)
- 薬物の解離速度により細分類
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class I細分類
Class Ia(中間的な解離速度:τ=1~10秒)
(Kチャンネル阻害効果も併せ持つ)
Class Ib(速い解離速度:τ<1秒)
Class Ic(遅い解離速度:τ>10秒)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:延長
第0相幅:やや延長
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:短縮or不変
第0相幅:ほぼ不変
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:不変
第0相幅:延長
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia 代表薬
プロカインアミド(procainamide)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib 代表薬(投与方法)
リドカイン(lidocaine)(静注のみ、局所麻酔)
メキシレチン(mexiletine)(経口あり)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic 代表薬
ピルジカイニド(pilsicainide)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia 適用・副作用
適用:心室性不整脈、発作性心房細動
副作用:QT延長、抗コリン作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib 適用・副作用
適用:急性心筋梗塞後の心室性頻拍や心室性細動(心房性には無効)
副作用:めまい、しびれ(血液脳関門通過)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic 適用・副作用
適用:異常伝導路による頻脈、発作性心房細動
副作用:徐脈、伝導ブロック
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 代表薬
プロプラノロール(propranolol)、ビソプロロール(bisoprolol)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 作用
洞房結節における心拍数抑制作用
房室結節における伝導抑制作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 適用
心筋梗塞後の死亡率の低減
交感神経活動亢進による頻拍性不整脈を防ぐ
QT延長症候群における発作予防
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 代表薬
アミオダロン(amiodarone)
3つ編みを、4人でベンチでジロジロみて呆れたらベラでパーティしてた
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 適用
頻拍性不整脈(上室性・心室性)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 副作用
伝導ブロック、甲状腺機能障害、肝機能障害、肺線維症、など
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 注意
QT延長を引き起こし、重篤な不整脈(torsade de pointes)を誘発する危険性あり。
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 3つの系統
ジヒドロピリジン系(dihydropyridines)
ベンゾチアゼピン系(benzothiazepines)
フェニルアルキルアミン系(phenylalkylamines)
3つ編みを、4人でベンチでジロジロみて呆れたらベラでパーティしてた
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 代表薬
ベラパミル(verapamil)(フェニルアルキルアミン系)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 適用
発作性上室性頻拍、 心房細動
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 副作用
徐脈、房室ブロック、低血圧
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 注意
心室性不整脈にはあまり使われない
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 作用
洞房結節における心拍数抑制作用
房室結節における伝導抑制作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 作用
房室結節のA1受容体に作用し伝導系を過分極させる
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 適用
上室性頻拍を取り除くために用いる。静脈投与、 短時間作用(数十秒)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 副作用
頭痛、胸痛、気管支狭窄
強心薬とは
心筋収縮力を増強する作用をもつ薬の総称
心筋酸素消費量の増大、不整脈誘発などのデメリットがある。
強心薬の種類
・強心配糖体 cardiac glycoside
・β1受容体刺激薬
・ホスホジエステラーゼ(PDE)3阻害薬
強心配糖体 代表例
ジゴキシン(digoxin)(腎排泄、半減期約36時間)
ジギトキシン(digitoxin)(胆汁排泄、半減期7日)
強心配糖体 適用
心房細動の心室拍数低下作用、心不全の症状軽減
強心配糖体の作用機序
心筋の収縮力を強める(Na+-K+-ATPase)
過剰投与により異所性の拍動、心室性頻拍、心室細動を生じる危険
強心配糖体の注意点
中毒(不整脈、せん妄、嘔吐など)を起こしやすい
低カリウム血症においては作用が強く出るため、中毒も起こしやすい。 (利尿剤との併用に注意)
ジゴキシンは腎臓から排泄されるが、腎機能が低下している場合や、他の薬剤との相互作用で腎排泄が阻害されている場合に中毒を起こしやすい
☆アンジオテンシンⅡの作用
循環血流量を増加させる 1. アルドステロン分泌(副腎皮質) 2. 近位尿細管Na再吸収促進 末梢血管抵抗を増加させる 1. 血管平滑筋への直接作用 2. ノルアドレナリン放出促進
RAS阻害薬
β遮断薬
ACE阻害薬
アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB(サルタン系)
直接的レニン阻害薬
ACE阻害薬 代表薬
カプトプリル(captopril)
ACE阻害薬 副作用
催奇形性
高K血症や腎血流低下に注意
空咳(ブラジキニンの分解抑制をもたらすため)
ARB 代表薬
ロサルタン(losartan)
ACE受容体阻害薬 副作用
空咳なし、それ以外ACE阻害薬と同じ
利尿薬の種類
・サイアザイド(チアジド)系利尿薬
・ループ利尿薬
・カリウム保持性利尿薬
α1受容体遮断薬 作用
血管平滑筋収縮作用のあるα1受容体を阻害することで、
・細動脈抵抗を低下させる
・静脈容量を増やす
α1受容体遮断薬 代表薬
プラゾシン(prazosin)
β受容体遮断薬 作用
心臓に作用し、心拍数・収縮力を低下させる
レニン放出抑制により、細動脈抵抗低下と循環血流量低下
気管支喘息の患者に対しての使用は禁忌
β受容体遮断薬 代表薬
プロプラノロール(propranolol)
β1受容体選択性があるβ受容体遮断薬
ビソプロロール(bisoprolol)
気管支喘息の患者に対して使用できる
内因性交感神経刺激作用(ISA)があるβ受容体遮断薬の重要性
アドレナリン・ノルアドレナリン血中量が低い時はアゴニスト、高い時は遮断薬として働く
→血圧を下げすぎない
α2受容体刺激薬 作用
中枢神経系への作用で、交感神経系を抑制する。シナプス前膜のα2受容体に作用し、ノルアドレナリンの放出を抑制する。(シナプス前膜のα2受容体は伝達物質に関わらず抑制性)
心拍数・心筋収縮力低下、細動脈抵抗低下
α2受容体刺激薬 代表薬
クロニジン(clonidine)、メチルドパ(methyldopa)
メチルドパの作用機序
神経終末に取り込まれ、α-methylnoradrenalineとなりfalse transmitterとして作用する。(シナプス後膜α1受容体には作用しない)
妊婦に安全。
カルシウムチャネル阻害薬の2つの系統
ジヒドロピリジン系
ベンゾアゼピン系
ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル阻害薬の代表薬
ニフェジピン(nifedipine)
ベンゾアゼピン系カルシウムチャネル阻害薬の代表薬
ジルチアゼム(diltiazem)
ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル阻害薬の作用
細動脈抵抗低下が主な作用
ベンゾアゼピン系カルシウムチャネル阻害薬の作用
・細動脈抵抗低下作用
・心拍数および心筋収縮力低下作用
カルシウムチャネル阻害薬の副作用
血管拡張による顔面紅潮、頭痛、動悸、頻脈、下肢の浮腫
ヒドララジンとは
降圧薬(血管拡張薬)
細胞内IP3受容体抑制? 妊婦に安全、 頻脈
ニトロプルシドナトリウムとは
降圧薬(血管拡張薬)
NO供給体、静注のみ、即効性
エンドセリン受容体拮抗薬とは
降圧薬(血管拡張薬)
肺動脈性肺高血圧症に適応
最もよく使われる降圧薬
ACE阻害薬
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)
サイアザイド利尿薬
狭心症とは
冠動脈の異常による一過性の心筋の虚血による胸痛・胸部圧迫感などの症状
狭心症の発症の誘因による分類
・労作性狭心症:体を動かした時に症状が出る狭心症
・安静時狭心症:睡眠中など安静時に症状が出る狭心症
狭心症の発症機序による分類
・器質性狭心症:冠動脈の狭窄(アテローム性動脈硬化 atherosclerosisによるものが多い)
・冠攣縮性狭心症:冠動脈の攣縮(れんしゅく spasm)が原因。器質的狭窄と混合している状態もある。安静時に起こる。
狭心症の臨床経過による分類
・安定狭心症(stable angina):最近の症状や発作が安定化している狭心症。普通は、労作時に
・不安定狭心症(unstable angina):症状が最近3週間以内に発症した場合や発作が増悪している狭心症。安静時でも症状が出てくる。
硝酸薬の代表薬と投与方法
ニトログリセリン( nitroglycerin )(舌下・経皮・静注)
二硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate)(経口)
硝酸薬の作用機序
体内で一酸化窒素(NO)を遊離 →NOがグアニル酸シクラーゼの活性化し、cGMPの増加を介して、血管平滑筋を弛緩 → ・太めの細動脈や分配動脈に作用→冠動脈血流の維持 ・静脈拡張→前負荷の軽減。
硝酸薬の注意点
硝酸薬は連用により耐性を生じる(特に、二硝酸イソソルビドは比較的作用時間が長い(数時間)ため耐性を生じやすく、効果がなくなることがある)
硝酸薬の副作用
起立性低血圧、動悸、頻脈、頭痛、顔面紅潮
狭心症の硝酸薬以外の薬物療法
カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系、ベンゾチアゼピン系) (冠動脈の攣縮の抑制) βアドレナリン受容体遮断薬 (心拍数および心筋収縮力を下げ、心筋の酸素消費を下げる) ニコランジル(nicorandil) (硝酸薬様作用とKATPチャネル開口作用)
慢性心不全とは
・心臓のポンプ機能が障害され、末梢組織の血流・酸素要求に応じられなくなった状態が慢性化したもの
・心筋梗塞によるものが多い
心不全の代償(4つ)
- 心拍出量 低下
- RAA系 亢進(腎血流減少による)
- 循環血流量 増加
- 心拍出量 回復
心不全の非代償
心拍出量が十分に回復しない場合、後負荷の増大による心拍出量低下
心肥大・心リモデリングによる心拍出量低下が前面に現れる
→ RAA系がさらに亢進して悪循環
循環性ショック(血圧低下)の治療
心拍出量の増大 と 末梢血管抵抗の増大をめざす。 静注(点滴)薬 ・輸液 0.9%生理食塩水 ・アドレナリン、 ノルアドレナリン、ドブタミン(dobutamine 、β1 agonist) ・ドーパミン(尿量維持) ・アトロピン
吸入薬の薬物送達経路
10~20%:吸入
80~90%:嚥下
吸入薬の利点
同等の作用引き起こすためには、通常、経口投与量:吸入投与量は約20:1の割合
→少ない量で同等の作用し、有害作用のリスク軽減
加圧式定量噴霧吸入器の欠点
同時に吸わなければいけない
直接刺激
グリセリン
刺激性下剤
センノシド、ビコスルファート
ポリエチレン・グリコール(PEG)水溶液
腸管洗浄剤
非消化性糖質
ラクツロース
塩類下剤
酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
浸透圧性下剤の種類
塩類下剤
非消化性糖質
ポリエチレン・グリコール(PEG)水溶液
膨張性下剤
ブラン、メチルセルロース、寒天
消化性潰瘍治療薬の種類
- 胃酸分泌を抑制する薬物
- 制酸薬
- 胃粘膜保護作用を持つ薬物
胃酸分泌を抑制する薬物の中の種類の例
プロトンポンプ阻害薬
H2受容体遮断薬(H2ブロッカー)
胃粘膜保護作用を持つ薬物の例
スクラルファート
プロトンポンプ阻害薬とH2受容体遮断薬(H2ブロッカー)の差
プロトンポンプ阻害薬:作用まで時間がかかる
H2受容体遮断薬:耐性ができる(受容体発現増加)
プロトンポンプ阻害薬とH2受容体遮断薬(H2ブロッカー)の特徴
腸溶剤のため噛んだりせずに飲む
プロトンポンプ阻害薬
オメプラゾール、ラベプラゾール
H2受容体遮断薬(H2ブロッカー)
ファモチジン、ラニチジン、シメチジン
便秘の治療薬として主に使われるもの
浸透圧性下剤
刺激性下剤