10. 病態と薬物 Flashcards
自動能(洞房結節)
60-100 bpm
自動能(房室結節)
50-60 bpm
自動能(プルキンエ線維)
30-40 bpm
不整脈の発生機序
リエントリー
後脱分極
異所性律動
リエントリーとは
2つの活動電位話が分かれて、何らかの理由で一方が途絶えてしまうと、もう一方の活動電位が途絶えた部分を逆流し再度同じ場所に活動電位を生じさせる
WPW症候群
リエントリー
房室結節よりも早く心室へ伝導するケント束の異常でそこを活動電位が逆流
→拍動が早くなり気絶
心房粗動
リエントリー
心房がたくさん収縮(心房でループ)、心室は何回かに一回(房室結節の不応期)
心房細動
リエントリー
どこにループがあるかわからない(心拍数は正常)
早期後脱分極
第2相または第3相から
・QT延長の悪化による
・Na+チャンネルの再活性化
・徐脈に伴いやすい
遅延後脱分極
第4相から
・細胞内Ca2+過剰によって増大するNa+/Ca2+ exchanger電流による
・Digitalis作用、カテコラミン過剰、心筋虚血等により誘発されやすい
・頻脈に伴いやすい
QT延長の原因
(QT時間は概ね0.45秒以上が異常)
・遺伝的QT延長症候群(K+チャンネルのloss of function, Na+チャンネルのgain of function)
・薬剤(抗不整脈薬、向精神薬、抗生剤等)
・電解質異常 (低K+, 低Mg2+, 低Ca2+)
Torsades de pointes
トルサード・ド・ポアントは心室性頻拍の一種であり、QRS complexがねじれながら続いているような心電図波形を示す不整脈である
上室性期外収縮
心房の何処かで自発的な活動電位が発生
異所性律動の原因
虚血、電解質異常、交感神経の亢進、等により起こる
不整脈の治療
・ペースメーカー・植え込み型除細動器 (ICD)
・心室細動などの危険な不整脈では除細動
・薬物療法
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類
Class I:Na+チャネル阻害 Class II:βアドレナリン受容体拮抗 Class III:活動電位の延長作用(K+チャネル阻害) Class IV:Ca2+チャネル阻害 分類外
なべ借りようか
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class I
伝導速度の抑制作用と不応期の延長作用により、リエントリーを抑制
- State依存的結合(close stateよりopen or inactivated の方が結合しやすい)
- 薬物の解離速度により細分類
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class I細分類
Class Ia(中間的な解離速度:τ=1~10秒)
(Kチャンネル阻害効果も併せ持つ)
Class Ib(速い解離速度:τ<1秒)
Class Ic(遅い解離速度:τ>10秒)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:延長
第0相幅:やや延長
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:短縮or不変
第0相幅:ほぼ不変
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic
活動電位幅・第0相幅
活動電位幅:不変
第0相幅:延長
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia 代表薬
プロカインアミド(procainamide)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib 代表薬(投与方法)
リドカイン(lidocaine)(静注のみ、局所麻酔)
メキシレチン(mexiletine)(経口あり)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic 代表薬
ピルジカイニド(pilsicainide)
ひとえにプロ買いに、市場のメキシコ人にリードしてもらって、氷でピルを冷やした
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ia 適用・副作用
適用:心室性不整脈、発作性心房細動
副作用:QT延長、抗コリン作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ib 適用・副作用
適用:急性心筋梗塞後の心室性頻拍や心室性細動(心房性には無効)
副作用:めまい、しびれ(血液脳関門通過)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class Ic 適用・副作用
適用:異常伝導路による頻脈、発作性心房細動
副作用:徐脈、伝導ブロック
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 代表薬
プロプラノロール(propranolol)、ビソプロロール(bisoprolol)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 作用
洞房結節における心拍数抑制作用
房室結節における伝導抑制作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class II 適用
心筋梗塞後の死亡率の低減
交感神経活動亢進による頻拍性不整脈を防ぐ
QT延長症候群における発作予防
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 代表薬
アミオダロン(amiodarone)
3つ編みを、4人でベンチでジロジロみて呆れたらベラでパーティしてた
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 適用
頻拍性不整脈(上室性・心室性)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 副作用
伝導ブロック、甲状腺機能障害、肝機能障害、肺線維症、など
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class III 注意
QT延長を引き起こし、重篤な不整脈(torsade de pointes)を誘発する危険性あり。
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 3つの系統
ジヒドロピリジン系(dihydropyridines)
ベンゾチアゼピン系(benzothiazepines)
フェニルアルキルアミン系(phenylalkylamines)
3つ編みを、4人でベンチでジロジロみて呆れたらベラでパーティしてた
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 代表薬
ベラパミル(verapamil)(フェニルアルキルアミン系)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 適用
発作性上室性頻拍、 心房細動
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 副作用
徐脈、房室ブロック、低血圧
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 注意
心室性不整脈にはあまり使われない
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類 Class IV 作用
洞房結節における心拍数抑制作用
房室結節における伝導抑制作用
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 作用
房室結節のA1受容体に作用し伝導系を過分極させる
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 適用
上室性頻拍を取り除くために用いる。静脈投与、 短時間作用(数十秒)
抗不整脈薬のボーン・ウイリアムス分類外アデノシン・ATP 副作用
頭痛、胸痛、気管支狭窄
強心薬とは
心筋収縮力を増強する作用をもつ薬の総称
心筋酸素消費量の増大、不整脈誘発などのデメリットがある。
強心薬の種類
・強心配糖体 cardiac glycoside
・β1受容体刺激薬
・ホスホジエステラーゼ(PDE)3阻害薬
強心配糖体 代表例
ジゴキシン(digoxin)(腎排泄、半減期約36時間)
ジギトキシン(digitoxin)(胆汁排泄、半減期7日)
強心配糖体 適用
心房細動の心室拍数低下作用、心不全の症状軽減
強心配糖体の作用機序
心筋の収縮力を強める(Na+-K+-ATPase)
過剰投与により異所性の拍動、心室性頻拍、心室細動を生じる危険
強心配糖体の注意点
中毒(不整脈、せん妄、嘔吐など)を起こしやすい
低カリウム血症においては作用が強く出るため、中毒も起こしやすい。 (利尿剤との併用に注意)
ジゴキシンは腎臓から排泄されるが、腎機能が低下している場合や、他の薬剤との相互作用で腎排泄が阻害されている場合に中毒を起こしやすい
☆アンジオテンシンⅡの作用
循環血流量を増加させる 1. アルドステロン分泌(副腎皮質) 2. 近位尿細管Na再吸収促進 末梢血管抵抗を増加させる 1. 血管平滑筋への直接作用 2. ノルアドレナリン放出促進
RAS阻害薬
β遮断薬
ACE阻害薬
アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB(サルタン系)
直接的レニン阻害薬
ACE阻害薬 代表薬
カプトプリル(captopril)
ACE阻害薬 副作用
催奇形性
高K血症や腎血流低下に注意
空咳(ブラジキニンの分解抑制をもたらすため)
ARB 代表薬
ロサルタン(losartan)
ACE受容体阻害薬 副作用
空咳なし、それ以外ACE阻害薬と同じ
利尿薬の種類
・サイアザイド(チアジド)系利尿薬
・ループ利尿薬
・カリウム保持性利尿薬
α1受容体遮断薬 作用
血管平滑筋収縮作用のあるα1受容体を阻害することで、
・細動脈抵抗を低下させる
・静脈容量を増やす
α1受容体遮断薬 代表薬
プラゾシン(prazosin)
β受容体遮断薬 作用
心臓に作用し、心拍数・収縮力を低下させる
レニン放出抑制により、細動脈抵抗低下と循環血流量低下
気管支喘息の患者に対しての使用は禁忌
β受容体遮断薬 代表薬
プロプラノロール(propranolol)
β1受容体選択性があるβ受容体遮断薬
ビソプロロール(bisoprolol)
気管支喘息の患者に対して使用できる
内因性交感神経刺激作用(ISA)があるβ受容体遮断薬の重要性
アドレナリン・ノルアドレナリン血中量が低い時はアゴニスト、高い時は遮断薬として働く
→血圧を下げすぎない
α2受容体刺激薬 作用
中枢神経系への作用で、交感神経系を抑制する。シナプス前膜のα2受容体に作用し、ノルアドレナリンの放出を抑制する。(シナプス前膜のα2受容体は伝達物質に関わらず抑制性)
心拍数・心筋収縮力低下、細動脈抵抗低下
α2受容体刺激薬 代表薬
クロニジン(clonidine)、メチルドパ(methyldopa)
メチルドパの作用機序
神経終末に取り込まれ、α-methylnoradrenalineとなりfalse transmitterとして作用する。(シナプス後膜α1受容体には作用しない)
妊婦に安全。
カルシウムチャネル阻害薬の2つの系統
ジヒドロピリジン系
ベンゾアゼピン系
ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル阻害薬の代表薬
ニフェジピン(nifedipine)
ベンゾアゼピン系カルシウムチャネル阻害薬の代表薬
ジルチアゼム(diltiazem)
ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル阻害薬の作用
細動脈抵抗低下が主な作用
ベンゾアゼピン系カルシウムチャネル阻害薬の作用
・細動脈抵抗低下作用
・心拍数および心筋収縮力低下作用
カルシウムチャネル阻害薬の副作用
血管拡張による顔面紅潮、頭痛、動悸、頻脈、下肢の浮腫
ヒドララジンとは
降圧薬(血管拡張薬)
細胞内IP3受容体抑制? 妊婦に安全、 頻脈
ニトロプルシドナトリウムとは
降圧薬(血管拡張薬)
NO供給体、静注のみ、即効性
エンドセリン受容体拮抗薬とは
降圧薬(血管拡張薬)
肺動脈性肺高血圧症に適応
最もよく使われる降圧薬
ACE阻害薬
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)
サイアザイド利尿薬
狭心症とは
冠動脈の異常による一過性の心筋の虚血による胸痛・胸部圧迫感などの症状
狭心症の発症の誘因による分類
・労作性狭心症:体を動かした時に症状が出る狭心症
・安静時狭心症:睡眠中など安静時に症状が出る狭心症
狭心症の発症機序による分類
・器質性狭心症:冠動脈の狭窄(アテローム性動脈硬化 atherosclerosisによるものが多い)
・冠攣縮性狭心症:冠動脈の攣縮(れんしゅく spasm)が原因。器質的狭窄と混合している状態もある。安静時に起こる。
狭心症の臨床経過による分類
・安定狭心症(stable angina):最近の症状や発作が安定化している狭心症。普通は、労作時に
・不安定狭心症(unstable angina):症状が最近3週間以内に発症した場合や発作が増悪している狭心症。安静時でも症状が出てくる。
硝酸薬の代表薬と投与方法
ニトログリセリン( nitroglycerin )(舌下・経皮・静注)
二硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate)(経口)
硝酸薬の作用機序
体内で一酸化窒素(NO)を遊離 →NOがグアニル酸シクラーゼの活性化し、cGMPの増加を介して、血管平滑筋を弛緩 → ・太めの細動脈や分配動脈に作用→冠動脈血流の維持 ・静脈拡張→前負荷の軽減。
硝酸薬の注意点
硝酸薬は連用により耐性を生じる(特に、二硝酸イソソルビドは比較的作用時間が長い(数時間)ため耐性を生じやすく、効果がなくなることがある)
硝酸薬の副作用
起立性低血圧、動悸、頻脈、頭痛、顔面紅潮
狭心症の硝酸薬以外の薬物療法
カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系、ベンゾチアゼピン系) (冠動脈の攣縮の抑制) βアドレナリン受容体遮断薬 (心拍数および心筋収縮力を下げ、心筋の酸素消費を下げる) ニコランジル(nicorandil) (硝酸薬様作用とKATPチャネル開口作用)
慢性心不全とは
・心臓のポンプ機能が障害され、末梢組織の血流・酸素要求に応じられなくなった状態が慢性化したもの
・心筋梗塞によるものが多い
心不全の代償(4つ)
- 心拍出量 低下
- RAA系 亢進(腎血流減少による)
- 循環血流量 増加
- 心拍出量 回復
心不全の非代償
心拍出量が十分に回復しない場合、後負荷の増大による心拍出量低下
心肥大・心リモデリングによる心拍出量低下が前面に現れる
→ RAA系がさらに亢進して悪循環
循環性ショック(血圧低下)の治療
心拍出量の増大 と 末梢血管抵抗の増大をめざす。 静注(点滴)薬 ・輸液 0.9%生理食塩水 ・アドレナリン、 ノルアドレナリン、ドブタミン(dobutamine 、β1 agonist) ・ドーパミン(尿量維持) ・アトロピン
吸入薬の薬物送達経路
10~20%:吸入
80~90%:嚥下
吸入薬の利点
同等の作用引き起こすためには、通常、経口投与量:吸入投与量は約20:1の割合
→少ない量で同等の作用し、有害作用のリスク軽減
加圧式定量噴霧吸入器の欠点
同時に吸わなければいけない
直接刺激
グリセリン
刺激性下剤
センノシド、ビコスルファート
ポリエチレン・グリコール(PEG)水溶液
腸管洗浄剤
非消化性糖質
ラクツロース
塩類下剤
酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
浸透圧性下剤の種類
塩類下剤
非消化性糖質
ポリエチレン・グリコール(PEG)水溶液
膨張性下剤
ブラン、メチルセルロース、寒天
消化性潰瘍治療薬の種類
- 胃酸分泌を抑制する薬物
- 制酸薬
- 胃粘膜保護作用を持つ薬物
胃酸分泌を抑制する薬物の中の種類の例
プロトンポンプ阻害薬
H2受容体遮断薬(H2ブロッカー)
胃粘膜保護作用を持つ薬物の例
スクラルファート
プロトンポンプ阻害薬とH2受容体遮断薬(H2ブロッカー)の差
プロトンポンプ阻害薬:作用まで時間がかかる
H2受容体遮断薬:耐性ができる(受容体発現増加)
プロトンポンプ阻害薬とH2受容体遮断薬(H2ブロッカー)の特徴
腸溶剤のため噛んだりせずに飲む
プロトンポンプ阻害薬
オメプラゾール、ラベプラゾール
H2受容体遮断薬(H2ブロッカー)
ファモチジン、ラニチジン、シメチジン
便秘の治療薬として主に使われるもの
浸透圧性下剤
刺激性下剤
浸透圧性下剤でよく使われるもの
酸化マグネシウム
止痢薬でよく使われるもの
カゼイ菌(乳酸菌)
静脈麻酔薬の例
propofol, thiopental, etomidate, ketamine
生体において吸入麻酔薬が平衡に達する速度に影響する要素
・脂質が少ない組織では血流が多く、血中濃度は迅速に平衡に達する
・脂質に富む組織では血流が少なく、血中濃度が平衡に達するのが遅いため、回復期では麻酔薬の貯蔵庫として働く
Anxiety を主徴とする主な疾患の主たる治療薬
Benzodiazepines: midazolam, zolpidem, lorazepam, diazepam
抗精神病薬の対象と別名
統合失調症、双極性障害、せん妄
Major tranquilizer
統合失調症の症状
陽性症状:幻覚、妄想、自我障害(特徴的)
陰性症状:意欲・自発性欠如、会話の貧困、感情の平板化
認知機能障害:記憶力、注意力、計画、思考、判断
統合失調症の経過(4期)
前駆期:睡眠障害、イライラ学業成績低下
急性期:陽性症状
消耗期(急速期):陰性症状
回復期:認知機能障害
ドパミン仮説
統合失調症がドパミン神経の過剰興奮であるとする仮説(ドパミンD2受容体遮断薬では陽性症状は改善するが、陰性症状・認知機能障害は改善しない)
主要なドパミン経路
隆起下垂体路(プロラクチン分泌抑制)
黒質線条体路(運動抑制)
中脳皮質路(覚醒、認知機能)
中脳辺縁系路(情動、報酬系)
黒質線条体路の障害
パーキンソン病
定型・非定型の抗精神病薬
定型・非定型ともにドパミンD2受容体を遮断
非定型は5-HT2A受容体も遮断
抗精神病薬の副作用
「錐体外路系症状」(定型抗精神病薬) ・急性症状:パーキンソン症候群、ジストニア、アカシジア ・「遅発性ジスキネジア」(定型抗精神病薬) 「高プロラクチン血症」(定型抗精神病薬) 高血糖(非定型抗精神病薬)
定型抗精神病薬のブチロフェノン系の例と特徴
ハロペリドール
陽性症状に効果あり、錐体外路系副作用強い
定型抗精神病薬のフェノチアジン系の例と特徴
クロルプロマジン
鎮静、催眠作用、起立性低血圧
定型抗精神病薬の系統
ブチロフェノン系
フェノチアジン系
非定型抗精神病薬の薬
・セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)
・多元受容体作用抗精神病薬
・ドパミン受容体部分作動薬
セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)の例(非定型抗精神病薬)
リスペリドン
多元受容体作用抗精神病薬の例(非定型抗精神病薬)
オランザピン
統合失調症の第一選択薬
リスペリドン
ドパミン受容体部分作動薬(非定型抗精神病薬)
アリピプラゾール
双極性障害とは
躁状態とうつ状態を循環する精神疾患
双極性障害の経過
躁病エピソード(1週間以上)
抑うつエピソード(2週間以上)→希死念慮(自殺率高い)
双極性障害の薬
リチウム塩
リチウム塩の副作用
手指振戦
モノアミン
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、ヒスタミン
うつ病のモノアミン仮説
臨床的な抗うつ効果が発現するまでには数週間かかる
モノアミントランスポーター
セロトニントランスポーター (SERT)
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)トランスポーター (NET)
ドパミントランスポーター (DAT)
小胞モノアミントランスポーター (VMAT2)
三環系抗うつ薬の作用
セロトニン(5-HT) とノルアドレナリン(NA)の再取り込み阻害作用
三環系抗うつ薬
第三級アミン(イミプラミン)
・副作用:抗コリン作用、心毒性
第二級アミン
選択的セロトニン再取り込み阻害薬 Selective serotonin reuptake inhibitors (SSRI)
フルボキサミン、パロキセチン
セロトニン症候群
セロトニン作用薬(特にSSRI)の投与後数時間以内に、脳内のセロトニン過剰によって起こる重篤な副作用
ドパミン前駆物質
レボドパ(L-DOPA)
DOPAデカルボキシラーゼ阻害薬
カルビドパ
レボドパ長期投与の問題点
Wearing-off現象(Up and down現象)
No-on/Delayed on現象
On-off現象
不随意運動
レボドパ補助薬
モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)阻害薬
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬
モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)阻害薬の副作用
カテコラミン増強作用(チラミン中毒)
抗Parkinson病薬
レボドパ(Levodopa, L-DOPA)
レボドパ補助薬
ドパミン受容体作用薬
中枢性抗コリン薬
中枢興奮薬
メタンフェタミン
メチルフェニデート
妊娠による薬物動態の変化(吸収)
・妊娠中には血中プロゲストロン濃度の上昇の結果、胃および腸管の通過時間が増加し、薬物の吸収は遅延
・胃酸分泌も低下し胃液のpHが上昇する→酸性薬物の吸収低下
・妊娠初期のつわりによる嘔吐で、血中薬物濃度が低下する可能性も
妊娠による薬物動態の変化(分布)
・循環血漿量が非妊娠時に比して最大約50%増加すため分布容量が増加し血中濃度が低下
・母体血中アルブミン濃度が低下し、遊離型が増加
妊娠による薬物動態の変化(代謝)
チトクロームP450(CYP)の様々な変動がある
妊娠による薬物動態の変化(排泄)
循環血漿量の増加により腎血流量が増加し、薬物の腎クリアランスが高まることで、腎排泄型の薬物の血中濃度は低下
☆浸透圧利尿薬は血管に浸透圧で水を引き寄せるので、〇〇の治療に用いられる
脳浮腫
☆浸透圧利尿薬は利尿作用により、投与後早期から〇〇に陥ることが多い
低Na血症
☆炭酸脱水酵素は近位尿細管でNa+〇〇に関与している
再吸収
☆炭酸脱水酵素阻害薬は尿中へのHCO3-排出を〇〇する。
促進
☆炭酸脱水酵素阻害薬は〇〇の治療に用いられる。
呼吸性アシドーシス
☆ヘンレーの係蹄上行脚は水の透過性が〇〇。
ない
☆〇〇のNa+/K+/2Cl-symporterは腎臓のヘンレーの係蹄太い上行脚に発現している。
吸収型
☆Na+/K+/2Cl-symport阻害薬で低K血症が起こるのは〇〇でK+の分泌が再吸収を上回るためである。
集合管
☆Na+/K+/2Cl-symport阻害薬はCa2+, Mg2+の腎臓での〇〇を阻害する。
再吸収
☆Na+/K+/2Cl-symport阻害薬の有害作用に〇〇がある。
難聴、めまい
☆Na+/K+/2Cl-symport阻害薬は高齢の閉経後の女性には〇〇。
避けた方が良い
☆Na+/Cl-symportは主に〇〇に多く存在する。
遠位尿細管
☆Na+/Cl-symport阻害薬はCa2+の再吸収を〇〇する。
促進
☆Na+/Cl-symport阻害薬の有害作用に〇〇がある。
光線過敏症
☆集合管の上皮Na+チャンネル(ENaC)は〇〇に存在する。
主細胞(principle cells)
☆集合管の主細胞ではK+の〇〇が行われる
分泌
☆K+保持性利尿薬の利尿作用は他の利尿薬より〇〇。
弱い
☆集合管主細胞でENaCによりNa+が尿細管細胞に取り込まれると、K+〇〇が起こる。
分泌
☆ENaC阻害薬最も注意しなければいけない電解質異常は〇〇である。
高K血症
☆アルドステロンはENaCの集合管尿細管腔膜からの除去を〇〇する。
抑制
☆アルドステロンは集合管尿細管基底膜のNa+,K+-ATPaseの活性を〇〇させる。
上昇
☆アルドステロン受容体は〇〇の一つとしてその主な効果を発揮している。
核内受容体
☆ANPは〇〇から分泌されるホルモンである。
心房
☆BNPは〇〇から分泌されるホルモンである。
心室
☆ANP受容体は〇〇活性を上昇させる
guanylyl cyclase
☆集合管でADHの作用を現すのは〇〇受容体に結合するためである。
V2
☆ADHは腎髄質の浸透圧を〇〇作用がある。
上げる
☆前立腺肥大に最も影響する男性ホルモンは〇〇である。
ジヒドロテストステロン
☆前立腺肥大による排尿障害では〇〇が用いられる。
α1遮断薬
☆排尿関係では抗コリン剤で〇〇の緊張がゆるむ。
膀胱平滑筋
☆炭酸脱水阻害薬、ループ利尿薬、チアジド系利尿薬で低K血症が起こる理由を説明しなさい。
Na+再吸収抑制により、集合管へのNa+負荷が上昇し、K+の排泄が増加する
☆血糖値が上昇すると、ヒト膵臓β細胞では主に〇〇を介してブドウ糖が細胞内に流入する。
GLUT1
☆膵臓β細胞からの血糖上昇によるインスリン分泌には〇〇-sensitive K+ channelが関係する。
ATP
☆AChによるインスリン分泌には〇〇が関与する。
PLC
☆インスリンは筋肉への糖、アミノ酸、〇〇の取り込みを促進する。
K+
☆インスリンは〇〇の骨格筋や脂肪細胞で形質膜への移動を促進する。
GLUT4
☆HbA1Cは過去〇〇の平均血糖値を反映する。
1~2ヶ月
☆溶血性貧血があるとHbA1c値は〇〇する。
低下
☆糖尿病で薬物療法を開始した患者は食事療法や運動療法は〇〇。
持続する
☆インスリンアナログ製剤には超速効型と〇〇がある。
持続型
☆ビグアナイド系糖尿病治療薬はインスリン分泌を〇〇。
促す
☆ビグアナイド系糖尿病治療薬は〇〇キナーゼ活性を上げる。
AMP
☆チアゾリジン系糖尿病治療薬は〇〇に結合する。
PPARγ (peroxisome proliferation activating receptor gamma)
☆〇〇は小腸と腎臓で発現している。
SGLT1
☆糖尿病ではSGLT2の発現が〇〇している。
増加
☆SGLT2阻害薬は低血糖を〇〇。
起こしにくい
☆GLP-1は〇〇のL細胞から分泌される。
小腸下部
☆GLP-1はproglucagonの〇〇により産生される。
翻訳後processing
☆DPP IVは主に〇〇で発現している。
内皮細胞
☆chylomicronsは〇〇で産生される。
小腸上皮
☆肝臓LDL受容体が増加すると血中IDLs量は〇〇する。
低下
☆リポタンパク質の中で粒子径が一番大きいのは〇〇である。
カイロミクロン
☆〇〇LDLがアテローム性動脈硬化に関与する。
酸化
☆LPLは主に〇〇を分解する酵素である。
トリグリセド
☆スタチン系薬剤により、肝で〇〇を核内に移行する。
SREBP-2
☆MTPは〇〇でchylomicrons形成に働いている。
小腸
☆MTPは肝臓で〇〇産生に働いている。
VLDL
☆PCSK9は〇〇の再利用に関与している。
LDL受容体
☆エゼチミブは〇〇を抑制する。
NPC1L1
☆痛風発作時には尿酸下降薬は〇〇。
投与すべきでない
☆アロプリノールは〇〇のキサンチン酸化酵素阻害薬である。
プリン型
☆尿酸酸化酵素はヒト以外の多くの動物で〇〇。
発現している
☆プロトンポンプインヒビターの長所3つ
・24時間通じた酸分泌調節
・強力な酸分泌抑制効果
・耐性なし
☆プロトンポンプインヒビターの短所3つ
・安定した効果まで数日かかる
・日中と比べて夜間の酸分泌抑制効果が弱い
・CYP2C19遺伝子多型の影響を受ける
☆H2ブロッカーの長所3つ
・夜間を中心とした酸分泌抑制効果(十二指腸潰瘍に効果的)
・投与直後からの酸分泌抑制
・薬物代謝酵素の遺伝子多型の影響を受けない
☆H2ブロッカーの短所4つ
・耐性あり
・日中の酸分泌抑制効果が乏しい
・投与中止直後に一時的な酸分泌が増強する
・腎障害時には使用しにくい
☆妊婦の服用時期による危険度評価:無影響期
0~27日(妊娠0週~3週)、0点
All or noneの法則(問題なく妊娠継続or流産、安心ではない)
☆妊婦の服用時期による危険度評価:絶対過敏期
28~50日(妊娠4週~7週)、5点
催奇形性が問題
☆妊婦の服用時期による危険度評価:相対過敏期
51~84日(妊娠8週~12週)、3点
催奇形性が問題
☆妊婦の服用時期による危険度評価:比較過敏期
85~112日(妊娠13週~16週)、2点
催奇形性が問題
☆妊婦の服用時期による危険度評価:潜在過敏期
113日(妊娠13週~16週)~出産日、1点
胎児毒性が問題
☆妊婦の服用時期による危険度評価:一番気をつけなければいけない週数
4~12週
☆不妊治療薬
Clomiphene
Cyclofenil
(Tamoxifen)
☆不人気な不妊治療薬と現在の使われ方
Tamoxifen
乳がんの抗がん薬
☆無排卵女性の不妊
卵巣に成熟卵と適当なステロイド産生能があれば克服可能
☆Tamoxifenの機序
estrogenの負のフィードバック阻害
☆不妊治療薬の機序
抗estrogen
FSH, LHの放出を増加させ、排卵誘発
☆下垂体機能に欠けるか不妊治療薬が無効の場合の不妊治療、投与方法
Menotropin
Urofollitropin
毎日いずれか注射+Chorionic gonadotropin(主にLH)の1~2回の大量追加
☆Menotropinの含有物、何として使われるか
等量のFSH, LH
ヒト閉経期性腺刺激ホルモン製剤
☆Urofollitropinの含有物
FSH
☆Chorionic gonadotropinの注意点
多胎出産が妊婦の20~30%
☆血小板減少の治療と機序
Eltrombopag, Lusutrombopag:トロンボポエチン受容体刺激→巨核球成熟・増殖
Rifuximab:抗血小板抗体産生B細胞を傷害→自己抗体による血小板破壊(ITPによる)を抑制
☆血小板減少の原因
骨髄不全性汎血球減少 血小板破壊 血小板消費亢進 薬剤性 体内臓器での血小板分布異常など
☆血小板が関連する疾病と治療の基本
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
基本は血小板数を正常に戻すのではなく危険な出血を防ぐこと
☆血小板減少の治療の副作用
関節痛、筋肉痛、発疹・発赤、痒み、肝機能障害 稀に呼吸器症状やショック(含アナフィラキシー)
全身麻酔薬の目標
Unconsciousness
Muscle relaxation
Analgesia(鎮痛)
全身麻酔薬の作用部位
midbrain reticular formation(中脳網様体)
relay nucleus in the thalamus(視床中継核)
cortex(大脳皮質)
全身麻酔薬の作用機序4点
・ほとんどすべての麻酔薬は、GABAA受容体におけるGABAの作用を増強
・各々の麻酔薬が結合するGABAA受容体のサブユニットによって、異なる作用が起こる
・バックグラウンドカリウムチャネルの活性化によって、神経活動が持続的に阻害される
・NMDA 受容体による作用を阻害する
Propofol
・静脈麻酔薬
・導入が迅速で、回復も非常に速く、もち越し効果が少ない
・吸入麻酔薬よりも悪心、嘔吐を起こしにくいため、日帰り手術に非常に有用
・主な副作用は低血圧や徐脈などの心血管抑制作用と呼吸抑制
Thiopental
・静脈麻酔薬
・導入が迅速であるが、蓄積し、回復が緩徐であるために、長時間続くもち越し効果を生じる
・大量投与や静注を繰り返すと、徐々に麻酔時間の延長が起こる
・外科麻酔の維持ではなく、導入薬としてのみ用いられる。
Etomidate
・静脈麻酔薬
・導入・回復が迅速、もち越し効果は少ない
・低血圧を起こしにくい
・副作用として、副腎ステロイドの産生を抑制する作用を持ち、その作用は重症患者の死亡率増加に関連
Ketamine
・静脈麻酔薬
・緩徐に(1~2分で)作用し、解離性麻酔として知られる異なる効果
・完全な意識消失を伴わずに顕著な感覚の消失、強力な鎮痛作用および記憶喪失
・導入時に、しばしば不随意運動や特別な感覚経験が生じ、悪心が高頻度
Partition coefficient
・吸入麻酔薬は、物理化学的には理想気体とみなせる
・これの異なる溶媒に対する溶解性は、「平衡状態における2つの相の間の、薬物の濃度比」と定義でき、これを分配係数(partition coefficient)として表す
Malignant hyperthermia
・悪性高熱症は、筋小胞体からの過剰なカルシウムイオンの放出によって、骨格筋の異常な熱産生が引き起こされる、特異体質に起因する反応
・この結果、筋拘縮・アシドーシス・代謝亢進・体温の劇的な上昇をきたし、迅速な処置なしでは死に至る可能性がある
・ハロゲン化麻酔薬や脱分極性神経筋接合部遮断薬が原因となりうる
・リアノジン受容体をコードする遺伝子の変異が関与し、これらのカルシウム放出チャネルを遮断するダントロレンによって治療される。
Nitrous oxide
・亜酸化窒素は、血液/ガス分配係数が小さいため、作用発現が速く、意識消失はきたさない濃度でも有効な鎮痛薬
・この麻酔からの回復時に、血中から肺胞へのガス移行によって肺胞内酸素分圧が低下し、一過性の拡散性低酸素症を生じるため、呼吸器疾患患者には注意が必要
・亜酸化窒素は体内の気嚢に入ってこれを拡張する傾向があるため、気胸や血管内空気塞栓、腸閉塞がある場合には危険
Isoflurane
・最も頻用される揮発性麻酔薬
・明らかな代謝は受けず、痙攣誘発性はない
・強力な冠動脈拡張作用
・冠動脈疾患患者の心虚血が増悪する可能性あり
Halothane
・揮発性吸入麻酔薬
・肝毒性のある代謝物が蓄積する可能性があるため、イソフルランにとってかわられた
・著明な子宮弛緩作用をもち、出産後出血を生じることがある
Ether
・血液/ガス分配係数が大きいため、作用の発現と回復が緩徐
・呼吸器系を刺激、悪心や嘔吐
・また爆発の危険性があるため、近代設備がない場所を除いて使用は廃止
Sevoflurane
・血液や脂肪に対する溶解度が低いため、麻酔の強度を調節しやすいうえ、回復も早い
・肥満手術を受ける肥満患者や、日帰り手術を受ける患者に対して使用
・部分的に代謝されてフッ化物を生じるが、毒性は生じない
Anxiety(不安)を主徴とする疾患
・全般性不安障害(generalized anxiety disorder):はっきりとした理由や原因がない過度な不安。
・社会的不安障害(social anxiety disorder):対人関係に対する不安
・恐怖症(phobia):特殊な対象や状況に対する強い恐怖。
・パニック障害(panic disorder):発汗・頻脈などの明らかな身体的症状を伴う、恐怖の突然の発作
・心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder):過去のストレス経験の想起による不安障害
・強迫神経症(obsessive-compulsive disorder):不合理な不安(例:不潔恐怖)による強迫的儀式的な行動
Midazolam
・ベンゾジアゼピンの1つ
・効果は6時間以内と超短時間
・呼吸や心血管系の抑制をそれほど起こさない
・術前の鎮静薬として、もしくは完全な麻酔が必要でない内視鏡などの処置でもちいられる
Zolpidem
・ベンゾジアゼピンの1つ
・効果は4時間以内と超短時間
・主に睡眠薬として用いられる。
Lorazepam
・ベンゾジアゼピンの1つ
・効果は12~18時間と短時間である
・主に抗不安薬や睡眠薬として用いられる。
Diazepam
・ベンゾジアゼピンの1つ
・活性代謝物はnorazepam
・効果は24~48時間と長時間
・主に抗不安薬、てんかん薬として用いられる。
Benzodiazepineの作用部位および作用について
・benzodiazepine類はallosteric effect によって、GABA受容体のGABA親和性を増強
・塩素イオンチャネルの開口頻度が増加し、平均開口時間は変化しないことから、チャネル開口の機構ではなく GABA の結合に影響を及ぼす
Buspirone
・全般性不安障害の治療
・5-HT1A 受容体の部分アゴニスト
・5-HT1A受容体の活性化によりGiタンパク質がアデニル酸シクラーゼを抑制し、cAMPを減少
・または、Giタンパク質が直接カリウムチャネルの開口を促進し、外向き電流によって過分極を惹起する。
Partial seizure
・部分てんかん発作は、発火が局所的に始まり、しばしば、局所に留まるものである。
・症状は関与する脳部位に依存し、筋肉の不随意収縮や異常な感覚の経験、自律神経の異常、気分や行動への影響など
・脳波での発火所見は、一般的には1つの半球に限局
・部分的な大脳の障害に起因し、それらの発症は年齢とともに増加する。
Generalized seizure
・全般性てんかん発作は、網様体システムを含む脳全体に影響
・両半球にわたって異常な電気的活動が形成
・即座の意識消失
・重要なカテゴリー:強直間代性発作(tonic–clonic seizure)と欠神発作(absence seizure)である。
Tonic-clonic seizure
・強直間代性発作は、初期からすべての筋肉系が強く収縮し、強固な伸筋の痙攣と不随意のわめき声
・呼吸は止まり、排便、排尿、流涎がしばしば起こる
・約1分間続き、顔面は真っ青になる。(鑑別)
・その後、連続した激烈な同期した痙攣が続き、2~4分間のうちに次第に動かなくなる。
・2~3分後次第に回復
・脳波は強直相では、持続性の高頻度活動を示し、間代相では、間欠性の発火を示す。
Absence seizure
・欠神発作は、小児で起こる(多くは毎日)
・話している途中にもかかわらず話すのをやめたり、2~3秒の間、ぼんやり眺めたりするが、運動系の異常はほとんどない
・患者は、周囲に気がつかず、後遺症なく突然回復
・脳波のパターンは、てんかん発作の期間中、特徴的な律動性の発火(皮質と視床の振動性のフィードバックによるものと思われ、視床に発現するT型カルシウムチャネルに依存する視床神経細胞の特殊な性質による)
・部分発作とは異なり、高頻度の非同期性の発火が局所的な焦点から広がる。
Benzodiazepineの副作用
アルコール存在下での呼吸抑制
耐性機構不明
Lennox-Gastaut syndrome
・重篤なてんかん
・小児で起こり、興奮毒性の神経変性と、それによって起こると予想される進行性の精神遅滞
・およそ1/3のてんかんは家族性で、多くは多遺伝子変異の結果起こる。
てんかん患者の脳波について、正常脳波と比較(正常、強直性―間代性大発作、欠神様発作、部分発作)
・正常な状態では、後頭葉に10 ヘルツ のα波が見られる
・強直性―間代性大発作では、tonic phase, clonic phaseおよび痙攣後の昏睡期において、各々特徴的な波形が見られる
・欠神様発作absence seizureは、3ヘルツのspike & waveを特徴とする
・部分発作では、左側前頭葉および側頭葉に、同期した異常発火が観察される。
てんかんで異常が存在すると考えられている分子
Voltage-dependent Na channel, K channel, GABA receptors, nicotinic acetylcholine receptors
Phenobarbital、Benzodiazepineの機序
・抗てんかん薬 ・シナプス後 GABA 作用の増強 ・GABA トランスアミナーゼの阻害 ・GABA 再取り込みの阻害 ・Clチャネルの開口部を強化する
Carbamazepine, phenytoinの機序
・抗てんかん薬
・Naチャネルを阻害
・通常の発射には影響しない
・電圧および周波数依存効果
Valproate, Gabapentinの機序(一般的な機序とそれぞれの具体的なもの)
・抗てんかん薬
・Caチャネルを阻害
・バルプロ酸:T型、GABAトランスアミナーゼ
・ガバペンチン:P/Q型