1. 病理学総論 Flashcards
Hela細胞
子宮がん細胞を基にした人類初めてのヒトの培養細胞
病気の内因の種類
- 先天的素因(遺伝的素因、生理的素因(年齢・性・民族))
2. 後天的素因(免疫異常、アレルギー、内分泌障害、栄養状態・体力)
病気の外因の種類
- 生物学的環境(食糧、病原微生物)
- 物理学的環境(気圧、酸素分圧、放射線など)
- 化学的・技術的環境(大気汚染、公害病、機械的傷害)
先天異常の分類
- 遺伝傷害(遺伝性疾患、染色体異常)
2. 胎児障害(奇形)
インフレーム変異
挿入変異・欠損変異のうち、塩基数が3
優性・劣性遺伝の変更
顕性・潜性遺伝
常染色体顕性遺伝病の特徴
ホモの方が重症
キャリアの例もある(浸透率<100%)
発症年齢が遅い
常染色体顕性遺伝病の例7
神経線維腫症I型 ハンチントン病 多発性嚢胞腎 家族性大腸腺腫症 マルファン症候群 エーラス・ダンロス症候群 遺伝性乳がん卵巣がん症候群
神経線維腫症I型の責任遺伝子と症状
NF-1 (17q)
カフェオレ斑
側弯症
眼病変
マルファン症候群とは
フィブリリンをコードする遺伝子の変異
高身長、痩せた体格、長い手足
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の責任遺伝子と症状
BRCA1 (17q) or BRCA2 (13q)
卵巣がん、乳がんの発症の可能性が高い(男性では乳がん、前立腺がん)
常染色体潜性遺伝病の例5
代謝障害 嚢胞性線維症 鎌状赤血球症 ライソゾーム病 糖原病
X連鎖顕性遺伝病の例
ビタミンD抵抗性クル病
X連鎖潜性遺伝病の例
Duchenne型筋ジストロフィ、血友病
ミトコンドリア遺伝病の特徴と例
ミトコンドリアDNAに由来する遺伝性疾患
卵子によって伝えられる
遺伝しても発症するとはかぎらない
脳筋症・尿酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)
多遺伝子性
個々の遺伝子は表現型に対して小さな効果しか持たないが、多くの遺伝子の影響の集積により表現型が引き起こされる
多因子性とその例
多様な遺伝子と多様な環境因子との相互作用によって生じる疾患
奇形、生活習慣病など
Down症候群の異常
21トリソミー (95%)
遺伝子転座 (3%)
モザイク (1~2%)
Down症候群の症状7つ
精神発達遅滞 先天性心疾患 消化管の奇形 猿線 臍ヘルニア 白血病 内眼角贅皮
Down症候群の出生前診断
侵襲的検査(絨毛検査、羊水検査)
非侵襲的検査(超音波検査、母体血中マーカー、母体血中胎児由来DNA)
性染色体異常の代表的疾患
Klinefelter症候群
Turner症候群
Klinefelter症候群
47, XXY
高身長、長い手足、萎縮精巣と陰茎、女性化乳房、不妊症
Turner症候群
45, XO
低身長、翼状頸、大動脈狭窄症、外反肘、二次性徴の欠如、無月経、リンパ浮腫
ヒト細胞の数
60~100兆個
細胞内液と細胞外液
細胞内液:2/3(K, Mg, PO4 3-)
細胞外液:1/3(Na, Cl, HCO3-, Ca)
上皮性の腫瘍
癌
支持組織(非上皮性)の腫瘍
肉腫
ミトコンドリアによるATP産生低下の影響
細胞膜ポンプ機能障害 →細胞腫脹・空胞変性・水腫状変性 細胞質内嫌気性解糖の亢進=乳酸↑pH↓ acidosis →核濃縮、RNA抑制・タンパク合成減少 加水分解酵素の細胞質内および細胞が胃への脱出 →細胞質自己融解・核融解
細胞傷害の過程
- ミトコンドリアによるATP産生低下
- 膜傷害
- フリーラジカル(活性酸素種ROS)
- 細胞質内Ca2+濃度上昇
核の変化の種類
核濃縮 核膜過染 核膨化 核崩壊 核融解
Chediak-Higashi症候群
白血球のmicrotubulesの機能異常
lysosome膜と細胞膜との癒合が起こらず、lysosome内の酵素が分泌されない易感染状態
線毛運動失調症候群
微小管の結合タンパクであるダイニン(-へ)の欠損や微小管の構造異常により線毛運動障害になり慢性気道炎、中耳炎、男性不妊、子宮外妊娠を合併することがある
退行性病変
変性・萎縮・壊死
進行性病変
再生・肥大
水分代謝障害
- 混濁腫脹:本体の透明感がない
2. 空胞腫脹:細胞質内に大小の空胞が生じる(低蛋白性溶液)
タンパク質代謝障害による変性
- 硝子変性:透明な無構造物の組織内沈着(硝子滴、硝子膜)
2. 角質変性:過剰な角化(過角化)、脱核が起きなかった状態など(錯角化)
粘液変性
粘液が細胞内または間質結合組織に貯留した状態
類線維素変性と例
血漿中に存在する線維素を含む蛋白が組織内に侵入し、γグロブリンなどの免疫複合体や補体と結合してできたタンパク質の複合体が血管壁などにつく
リウマチ熱、結節世動脈周囲炎、SLEなど
fibroid necrosisに至る場合も
アミロイドの染色
Congo red染色(アルカリ性)で赤染
アミロイドーシス
アミロイド蛋白が臓器の血管壁や間質に沈着し、臓器障害を及ぼした状態
コロイド変性
タンパク質に富む液体成分の濃縮沈着
腎尿細管内の硝子円柱、甲状腺腫
尿酸代謝障害
プリン塩基の最終産物が尿酸
関節や皮膚などの組織へ沈着→痛風
脂肪変性
- 脂肪肝
2. 大動脈粥状硬化
大動脈粥状硬化とは
血中内の脂質濃度が高い →脂肪線条 →泡沫細胞(脂肪を貪食したマクロファージ) →粥腫(アテローム)形成 →動脈の弾性が低下し動脈硬化
脂質蓄積症
ゴーシェ病
ニーマン・ピック病
ゴーシェ病
複合脂質代謝異常の結果類脂質が異常に蓄積される常染色体劣性遺伝
ニーマン・ピック病
網内系、中枢神経系主体にsphingomyelinの系統的沈着をきたす先天性遺伝性脂質代謝異常症
Fabry病で蓄積する主なSphingoglycolipid
Globotriaosylceraminde (GL-3)
ceramide trihexoside
Fabry病に基づく諸臓器への糖脂質沈着と臓器障害所見
肥大心に併発した拡張性不全心
萎縮腎
血管平滑筋内の糖脂質沈着
神経障害
糖尿病の慢性合併症(3主徴)
網膜症
神経障害
糖尿病性腎症
乾性壊疽
壊死組織が外気にさらされ、水分が蒸発し乾燥した状態
糖原病
glycogenの合成や分解過程に関与する酵素欠損や活性低下に基づく疾患
種々の臓器にglycogenの異常蓄積を見る
カルシウム代謝障害の3分類
異栄養性石灰化
石灰症
転移性石灰化
血中カルシウムを上昇・減少させるもの
上昇:PTH、活性型ビタミンD
減少:カルシトニン
石灰沈着の種類
加齢に伴う:松果体、気管・気管支軟骨、肋軟骨
異栄養性石灰化:陳旧性結核症、線維性瘢痕、死滅した寄生虫・卵、子宮平滑筋腫、アテローム硬化
加齢に伴う石灰沈着の好発部位
松果体、気管・気管支軟骨、肋軟骨
異栄養性石灰化の石灰沈着の好発部位
陳旧性結核症、線維性瘢痕、死滅した寄生虫・卵、子宮平滑筋腫、アテローム硬化
高カルシウム血症に伴うもの好発部位
腎臓、腎結石、胃壁、肺胞壁弾性線維、血管壁、角膜
結石症の石灰沈着の好発部位
尿路、胆道、唾液腺、膵臓、前立腺
腫瘍組織の石灰沈着の好発部位
卵巣腺癌、甲状腺乳頭癌、髄膜腫、乳腺腫瘍、脳腫瘍、松果体腫瘍、頭蓋咽頭腫
異栄養性石灰化とは
組織に変性や壊死の先行があり、これにCaが沈着
異栄養性石灰化の機序
壊死組織→炭酸ガス濃度低い→アルカリ性→Ca沈着
異栄養性石灰化の沈着物
炭酸石灰、リン酸石灰
胆石の部位
胆嚢、肝内胆管、総胆管
胆石の成分
コレステロール系結石(単発、胆嚢)
ビリルビン系結石(多発性、胆管内)
転移性石灰化とは
組織の側に誘因なく石灰化が起こる形式
転移性石灰化の症例
副甲状腺線腫
腎病変
骨破壊
多発性骨髄腫
Wilson病とは
銅は通常95%がセルロプラスミンに結合しているが、セルロプラスミンが低下することで組織に銅が沈着する
ヘモジデローシス
ヘモグロビン→ビリルビン+ヘモジデリン
ヘモジデリンが一時的に肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節などに沈着したもの
ヘモクロマトーシス
ヘモジデローシスのうち臓器障害をきたしたもの
アジソン病
副腎皮質機能不全
MSH(メラノサイト刺激ホルモン)やACTHの分泌過剰によると考えられている
メラニンの色素代謝異常
アジソン病、色素性母斑症、悪性黒腫
色素代謝異常
- メラニン
- リポフスチン
- 黄疸
正常血清ビリルビン値
0.5~1.0 mg/dL
単純萎縮 vs. 数的萎縮
単純萎縮:臓器組織を構成する実質細胞の容積が減少して全体が小さくなる
数的萎縮:実質細胞の数が減少して小さくなる
肥大
細胞の数の増加を伴わず、一つ一つの細胞が大きさを増すことで起こる臓器・組織の体積増加
過形成
細胞の数の増加によって起こる臓器・組織の体積増加
老人性萎縮
加齢とともに身体の予備能力の減退や動脈硬化による血液供給の減少により、臓器の形態的変化として萎縮が現れる生理的萎縮
飢餓萎縮
食事の不十分な摂取、栄養の吸収が妨げられることにより生じる全身性萎縮
悪液質
悪性腫瘍や慢性疾患の存在により、消耗性変化や低栄養状態が遷延し、将来される萎縮状態
圧迫萎縮
持続的に局所への圧迫が加わることで、血液やリンパの流れが妨げられ、低栄養状態になり萎縮に陥った状態
(水腎症、水痘症、褥瘡(床ずれ))
廃用性萎縮
臓器組織の機能が低下・停止するとその活動によって生じていた負荷や刺激がなくなり、萎縮に陥った状態
(長期臥床による筋萎縮、宇宙飛行士、透析腎)
壊死(定義、原因4つ)
生体における組織・細胞の局所的・不可逆的な死
- 血液障害・循環障害
- 肺ガス交換障害
- Hb減少
- 酸素利用低下
凝固壊死とは、例
壊死組織が凝固し硬くなる
・腎臓・脾臓・心筋での貧血性梗塞巣
凝固壊死の機序
周囲から浸透してきたアルカリ性の組織液によりcathepsin(酸性下で作用する細胞質内のタンパク分解酵素)の働きが阻止され、同時に浸透してきた酵素・Caによるタンパク凝固作用の促進、細胞質タンパクの自己凝固により成立
融解壊死
壊死組織が速やかに軟化融解するもの(自己融解)
蛋白が少なく、脂質が多い場所
中枢神経でよく起こる
乾酪壊死
結核や梅毒ゴム腫でみられる凝固壊死の1種
粟粒結核
肺の結核の病巣が破れ,多くの結核菌が血行を介して全身の臓器に運ばれ,多数のアワ粒大の結核結節を作る疾患
結核菌(菌体、染色、菌体数の指標)
菌体:桿状菌体
染色:抗酸菌染色(Ziehl-Neelsen染色)
菌体数の指標:ガフキー号数
乾性壊疽と湿性壊疽
乾性壊疽:絵師組織が外気に晒され、水分が蒸発し乾燥した状態
湿性壊疽:壊死組織に二次的に細菌(嫌気性腐敗菌)が繁殖し、組織が腐敗したもの
アポトーシス
カスパーゼが活性化して、核酸・タンパク質・脂質を分解することにより起こる、制御された自殺的な細胞死
ATP依存
p53とは
DNA修復失敗・困難の時にアポトーシス・老化誘発
p53をコードするがん抑制遺伝子
TP53遺伝子
TP53遺伝子欠損・変異細胞
DNA損傷で細胞周期停止しない→遺伝子損傷細胞増加→悪性腫瘍の発生
死の三徴候
心臓停止
呼吸停止
瞳孔散大、対光反射消失
脳死
大脳の機能の多くが停止しても心機能は維持される(呼吸はできない、脳幹含む全脳の機能停止)
植物人間
大脳皮質機能を消失しても生活現象を営ませることができる
脳幹の機能は残っている
死後変化
・死斑(血液が身体の下の方に集まり、皮膚に紫色の斑が出現) ・自家融解(細胞・組織の分解) ・腐敗(腸管から細菌が侵入) ・死後硬直(ATP減少により筋肉硬直) ・浸軟(子宮内胎児死亡で浮腫状態となり表皮がむけて真皮が露出する)
炎症の三徴、四徴候
発赤
腫脹
疼痛
+熱感
炎症の過程
- ヒスタミンなどのchemical mediatorが炎症の三徴候を引き起こす
- 白血球が活性化されさらにchemical mediatorが放出される
- 免疫反応に伴い血管新生や肉芽形成(肉芽や線維化により、機能障害が起こる場合も)
ヒスタミンを顆粒に持つもの(高濃度のものはどれか)
肥満細胞(高濃度)、好塩基球、血小板
セロトニンを分泌・貯蔵する血液成分
血小板
lysosomal enzymesを貯蔵・分泌する血液成分
好中球、マクロファージ
刺激により、血管内皮で新しく合成され、細胞外に分泌される炎症物質
プロスタグランジン、トロンボキサン、血小板活性化因子(PAF)
刺激により、白血球で新しく合成され、細胞外に分泌される炎症物質
ロイコトリエン、活性酸素
刺激により、血管内皮・マクロファージで新しく合成され、細胞外に分泌される炎症物質
NO
発赤に関与する化学物質
histamine, NO, prostaglandins
腫脹に関与する化学物質
histamine, C3a & C5a, bradykinin, ROS, leukotrienes, PAF
疼痛に関与する化学物質
Kinins (Bradykinin), Substance P, Prostaglandins
発熱に関与する化学物質
IL-1, TNF-α, IL-6, Prostaglandins
白血球走化性に関与する化学物質
C5a, LTB4 & LTC4 chemokines (TNF-α,IL-1, IL-8), bacterial products (LPS)
ヒスタミンの産生過程、構造
アミノ酸のヒスチジンの脱炭酸反応により産生されるアミン
イミダゾール核とエタノラミン構造を持つ
ヒスタミン受容体の種類と場所
GPCR
H1:平滑筋や内皮細胞、中枢神経系に存在する受容体、アレルギーや炎症
H2:胃酸分泌・炎症と関与
ヒスタミンの作用
血管拡張
毛細血管透過性亢進
気管支平滑筋収縮
痛み・痒み
ヒスタミンの炎症の際の作用過程
血管内皮細胞のH1に作用しNOを産生させ血管平滑筋拡張
→H2に作用し持続的拡張
H2遮断薬
胃潰瘍治療薬
セロトニンの産生
必須アミノ酸のトリプトファンから5-hydroxy tryptophanを経由して生合成される脳内の神経伝達物質
セロトニンの受容体
ほとんどがGPCRだが、5-HT3のみligand gated ion channel
5-HT2A:弱い血小板凝固作用、損傷の際は強い血管収縮、内皮と相互作用するとNO産生
NOの産生、酵素
アミノ酸のArgの脱アミノ化
NOS(nitric oxide synthase)
NOS(nitric oxide synthase)の種類と場所
eNOS:内皮細胞
nNOS:神経や筋(calmodulinを介する)
iNOS:マクロファージ
NOの作用
guanylyl cyclaseという酵素の活性部位にある鉄と結合し、細胞内シグナル分子であるcGMPを産生させる
→cGMPはPKGを活性化し細胞内Ca2+の上昇を抑制し平滑筋を弛緩させる
エイコサノイドとは
脂質由来炎症性メディエーターで、アラキドン酸由来のもの
生体膜リン脂質の種類
グリセロリン脂質(ヒトは半分以上)、スフィンゴリン脂質
PLA2とは
グリセロリン脂質のsn2位の脂肪酸を一個取り出す
ホスファチジルコリンのPLA2による分解
sn-2位の脂肪酸(アラキドン酸:20炭素鎖に4個の二重結合がある
eicosatetraenoic acid)とリソPAF(platelet activating factorの原料)
炎症性脂質メディエーター産生に関与する酵素
Phospholipase A2 (PLA2):Cytosolic PLA2 (cPLA2) (group IV)
Cyclooxygenase (COX):COX-1, COX-2
Lipoxygenase (LOX): 5(S)-LOX
COX-1の場所と産生に関与するもの
全身に分布するが特に胃の上皮でPGEやPGIの合成酵素とともPGE2やPGI2の産生に関与
TXA2産生にも関与
COX-2の場所と産生に関与するもの
サイトカインやストレス、成長因子などによって誘導される
PGI合成酵素が発現する血管内皮におけるPGI2の産生
Lipoxigenase (LOX)が産生に関与するもの
ロイコトリエン生合成
PLA1の具体的な作用
グリセリンのsn-1位にある脂肪酸を外す
PLA2の具体的な作用
グリセリンのsn-2位の位置にある脂肪酸を外す
ホスホリパーゼCが関与する反応
PIP2→DAGとIP3
アラキドン酸から産生される生物活性物質
シクロオキシゲナーゼ(COX)から産生されるプロスタノイド
リポオキシゲナーゼ(LOX)から産生されるロイコトリエン
チトクロームP450で代謝されるEET (epoxyeicosatrienoic acids)
プロスタノイド
プロスタグランジンとトロンボキサンの総称
プロスタノイドの受容体
GPCR
プロスタグランジンの受容体
Gs共役型GPCR(cAMP↑)
トロンボキサンの受容体
Gq共役型GPCR(PLCβ、Ca↑)
LTA4産生過程
アラキドン酸からFLAP依存的に5 (S)-LOX が働き、HPETEを経由して産生される
5 (S)-LOXは、好酸球、肥満細胞、多核白血球、単球が活性されると核膜に移動し、FLAP存在下でアラキドン酸と相互作用する
LTC4合成過程
LTA4からLTC4合成酵素によりグルタチオンが導入されLTC4になる
LTB4合成過程
LTA4からLTA4 hydrolase によりLTB4になる
LTC4とLTB4の合成後
MRP1により能動的に細胞外に放出
LTC4はγ-GTPによりGluが外され、LTD4になる
→dipeptidaseが働くとGlyが外されLTE4になる
LTB4の作用
白血球の走化に関与し、炎症時に内皮細胞上で白血球の接着、活性化に関与
LTC4, LTD4, LTE4の受容体
CysLT
CysLT1の作用
ノックアウトすると自然免疫と獲得免疫が低下し、血管透過性が減少するため、気管支喘息や肺炎への関与が考えられる
CysLT2の作用
ノックアウトすると、ブレオマイシン誘導性の肺線維症が軽減したため、肺などの線維化に関与すると考えられる
CysLT1発現場所(親和性が高いもの)
肺、腸管平滑筋、肺胞マクロファージ、白血球など
LTD4
CysLT2の発現場所(親和性が高いもの)
肺胞マクロファージ、心臓、脾臓、白血球、副腎髄質、脳
LTC4とLTD4
PAF (platelet activating factor)を合成する細胞、分泌する細胞、保持する細胞
血小板、好中球、肥満細胞、単球、マクロファージ、好酸球、腎臓メサンギウム細胞、腎髄質細胞、血管内皮細胞
分泌する細胞:マクロファージ
保持する細胞:白血球、血管内皮細胞
キニン2種類とアミノ酸の数
ブラジキニン:9アミノ酸
カリジン:10アミノ酸
キニノーゲン2種類
高分子キニノーゲン
低分子キニノーゲン
カリクレインとは
キニノーゲンからキニンに変える特異性が高い酵素
血漿カリクレインの重要な作用
内皮細胞上で多タンパク質―受容体複合体にprekallikrein-HMW-キニノーゲンの
heterodimerが結合することがHSP90やprolylcarboxypeptidaseにより複合体の活性化を起こし、kallikreinが産生される
→Factor XIIが活性化され、正のフィードバックが始まる
組織カリクレインが産生される場所
上皮細胞、唾液腺、すい臓、前立腺、腎臓の遠位尿細管のような分泌細胞
ブラジキニンの受容体
B1、B2キニン受容体(GPCR)
B2キニン受容体の発現部位
ほとんどの細胞
B1キニン受容体の発現部位といつ発現するか
組織損傷や炎症によりまたサイトカイン、エンドトキシン、成長因子などにより誘導され、発現
ブラジキニンの作用機序
一次感覚神経を刺激し、substance P, neurokinin A, CGRP (calcitonin gene-related peptide)のような神経ペプチドの放出を引き起こす
ブラジキニンの炎症に対する作用
微小循環の透過性を亢進
ブラジキニンの呼吸器疾患への関与
喘息や鼻炎のようなアレルギー性気道疾患
キニン類を吸入すると喘息患者では喘息発作のような気道収縮が起こる
ブラジキニンの心血管系に対する作用
血管拡張、血圧低下
ブラジキニンの腎臓に対する作用
腎血流量を増加
ブラジキニンの新生児での作用
胎児肺動脈の拡張と動脈管の閉鎖、臍帯血管の収縮を促進
→胎児循環から新生児循環への移行
組織の修復とは
ある組織構造が損傷、循環障害、炎症など様々な要因により傷害された時に、その構造と機能を回復させる過程
組織の修復の2種類の機構
再生(回復能がある場合)
線維化(完全回復能がない場合)
器質化
炎症性の滲出物で埋められた組織において線維化が発達した場合に起こる
組織の修復の際に増殖する細胞
血管内皮細胞と線維芽細胞
組織の修復の際の細胞増殖に関与するもの
成長因子
細胞数を変動させる要因
幹細胞からの供給速度
アポトーシスによる細胞死の速度
組織の増殖・分化速度
細胞分裂能力から見た細胞の種類
- 不安定組織/細胞
- 安定組織/細胞
- 永久組織/細胞
不安定細胞とは
M期からすぐにG1期に移行し、一生増生し続ける細胞(再生系細胞)
安定細胞とは
G0期にあるが、増殖に対する何らかの刺激により直ちにG1期に移行する細胞(生理的再生系細胞)
永久細胞とは
細胞周期から離脱し生後は分裂しない細胞(非再生系細胞)
不安定細胞の具体例
リンパ濾胞胚中心リンパ球、造血幹細胞
表皮細胞、毛嚢上皮細胞、消化管粘膜上皮細胞
精母細胞、子宮内膜細胞
安定細胞の具体例
幹細胞、胆管上皮細胞、腎尿細管細胞 肺胞上皮細胞、乳腺上皮細胞、グリア細胞 血管内皮、中皮、線維芽細胞 脂肪細胞、平滑筋細胞、メサンギウム細胞 骨芽細胞、Schwann細胞、マクロファージ
永久細胞の具体例
神経細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、卵細胞、糸球体足細胞
間質マトリックスの主要構成要素
線維性または非線維性コラーゲン
エラスチン
プロテオグリカン・ヒアルロン酸
フィブロネクチン
基底膜を合成するもの
上方の上皮細胞と下方の線維芽細胞
基底膜を構成するもの
非線維性IV型コラーゲン
ラミニン
細胞外マトリックスの役割
力学的な支え
細胞増殖の制御
細胞分化の維持
組織再生のための足場
組織が再生のみで修復することができない場合
・上皮細胞のみならず、骨組みである間質にまで損傷が及んだ
・非分裂性の細胞が損傷した
修復の過程
・新しい血管の形成
・線維芽細胞の遊走と増殖
・ECMの沈着→瘢痕の形成
・線維性組織の成熟とリモデリング
肉芽組織
組織傷害による修復過程に出現する組織
線維芽細胞、毛細血管と好中球を主とする炎症細胞
血管新生と脈管形成
脈管形成:胚発生時の血管形成
血管新生:既存の血管から毛細血管の新芽がのびて新たな血管が作り出される
瘢痕組織
新生血管と疎なECMによる肉芽組織の骨組みの上に築かれる
1. 線維芽細胞のさらなる遊走と増殖
2. 線維芽細胞へのECMの沈着
により完成する
線維芽細胞の動員と活性化に重要なもの
PDGF
TGF-β
皮膚の創傷治癒に関与する過程(重要!)
上皮の再生
結合組織性瘢痕形成
皮膚の創傷治癒の主要な段階(重要!)
- 炎症
- 肉芽組織の形成
- ECMの沈着とリモデリング
一次治癒による創傷治癒になる場合(重要!)
上皮、結合組織の細胞死はわずか
線維化に対して上皮の再生が優勢
一次治癒による創傷治癒の過程(重要!)
24時間以内:好中球の出現、凝固塊の形成、基底細胞分裂開始
1-2日:両断端からの上皮細胞の遊走と基底膜成分の沈着
3日目まで:好中球はマクロファージに置き換わり肉芽組織が創部へ侵入
5日目まで:肉芽により創部が埋まり、血管新生のピーク、コラーゲン線維が創部を架橋、角化を伴う表皮構造の形成が進む
第2週まで:好中球はさり浮腫は消退し血管新生は終了、線維芽細胞増殖、コラーゲン沈着
1ヶ月まで:瘢痕の完成。表皮の完全な被覆
二次治癒による創傷治癒になる場合(重要!)
創傷が大きい、膿腫形成、潰瘍形成
実質臓器における梗塞後の修復
より激しい炎症反応、大規模な肉芽組織の形成と大きな瘢痕形成
筋線維芽細胞の作用による創傷の収縮
二次治癒による創傷治癒の過程(重要!)
・フィブリンやフィブロネクチンに富む大きな凝固塊と痂皮の形成が創傷部表面に形成
・大きな組織欠損による壊死性残屑、滲出、フィブリンを生じ、より強い炎症を惹起
・大量の肉芽組織の形成により大きな瘢痕を形成
・創収縮:分化転換した線維芽細胞である筋線維芽細胞による作用
修復に影響する因子
感染、栄養、力学的影響、灌流不全、異物、組織の種類、細胞増殖・ECM産生異常
Starlingの法則
毛細血管壁と組織液との間が、水の出入に関して平衡状態にあるとき、毛細血管内圧と組織圧との差は、血漿膠質浸透圧と組織液浸透圧の差に等しくなる
充血とうっ血の違い
充血:動脈血流入量の増加
うっ血:心不全、静脈塞栓など
慢性肝うっ血の肉眼
ニクヅク肝
虚血の分類
圧迫性虚血(動脈の圧迫)
閉塞性虚血(血管内または血管自体の変化による。動脈硬化、血栓)
痙攣性虚血(血管痙攣、狭心症)
梗塞の原因
- 動脈血栓・塞栓症(ほとんど)
- 静脈血栓症(まれ)
- 粥腫内出血による動脈内腔閉塞
- 外部からの血管圧迫
- 血管の捻転
- 血管炎
梗塞の組織の感受性
神経細胞(3〜4分)
>心筋細胞(20〜30分)
>線維芽細胞(数時間)
梗塞の分類の種類とそれぞれによる分類
1. 色調による分類 ・白色梗塞 ・赤色梗塞 2. 細菌感染の有無による分類 ・化膿性梗塞 ・無菌性梗塞
白色梗塞とは
終動脈支配を受ける充実性臓器・組織の動脈閉塞
→心臓、腎臓、脾臓
(凝固壊死→肉芽組織→線維化・瘢痕)
赤色梗塞とは
・非充実性臓器・組織(肺) ・二重血管支配(肺、小腸) ・静脈閉塞(精巣、卵巣) ・動脈血再灌流(脳など) (高度出血、凝固壊死→線維化・瘢痕)
虚血再灌流傷害
虚血状態にある臓器、組織に血液の再灌流が起きた時に、フリーラジカル産生や細胞内Ca2+濃度の上昇などにより、再灌流がなかった場合よりもかえって大きな障害がもたらされる
側副循環とは
血管の狭窄・閉塞に伴う、吻合血管を解した血流の代償
生理的な側副血管
ウィリス動脈輪、上腸間膜動脈、四肢の静脈
動脈により二重支配されている臓器(2つ)
肺:肺動脈、気管支動脈
肝:門脈、肝動脈
異常な側副血管の発達(門脈圧亢進症)
- 食道静脈瘤:(腎周囲の静脈→食道下部静脈叢→上大静脈)
- 臍静脈(メデューサの頭):(臍静脈→腹壁静脈→下大静脈・上大静脈)
- 肛門周囲静脈叢:(下腸間膜静脈・上直腸静脈→肛門周囲静脈叢→下大静脈)
肝硬変における門脈亢進症の臨床症状
肝性脳症
食道静脈瘤
脾腫
腹水
出血の種類
漏出性出血:血管壁の明らかな破綻がない
破綻性出血:血管壁の破綻による出血
止血機構
- 血管収縮:自律神経反射→内皮細胞からのエンドセリンの放出
- 一次止血:再妨害器質の露出→vWFへの血小板の接着→一次止血栓の形成
- 二次止血:組織因子発現→トロンビン形成→フィブリン形成→二次止血栓の形成
線溶系
プラスミノーゲン→(t-PA、内皮より産生しフィブリンにより活性化)→プラスミン→フィブリン分解、重合阻害
Virchow’s triad
血栓が生じる要因
- 内皮細胞傷害(血液凝固因子産生亢進)
- 物理的損傷
- 内皮機能障害
二次性凝固能亢進状態をきたす病態
長期臥床(静脈環流量低下)
熱傷(血管傷害、凝固因子放出、t-PA産生低下など)
妊娠(高エストロゲン状態)
悪性腫瘍(腫瘍細胞からの凝固促進因子放出)
血栓の分類の種類とそれぞれによる分類
外観による分類 ・白色血栓 ・赤色血栓 ・混合血栓 場所による分類 ・動脈血栓 ・静脈血栓 ・壁在血栓 ・贅疣
血栓塞栓症の種類
静脈性塞栓症(肺動脈血栓塞栓症)
動脈性塞栓症(脳、心、腎、脾梗塞)
肺血栓塞栓症
エコノミークラス症候群
膝窩より近位の下肢深部静脈血栓症
→下大静脈、右心系
→肺動脈塞栓症
羊水塞栓症
分娩時、胎盤膜の裂け目や破綻した子宮静脈から羊水、胎児組織が母体循環に移行
→肺循環に塞栓
→ARDS、DIC
ARDS(急性呼吸促迫症候群)
びまん性の肺胞毛細血管傷害、上皮傷害
重篤な呼吸不全、チアノーゼ、低酸素血症
組織学的にはDAD
脂肪塞栓症
長管骨・骨盤骨骨折による骨髄洞様毛細血管の破綻、軟部組織挫傷、膵炎
→微小な脂肪滴が血中に移行
→塞栓(肺、脳、腎など)
空気塞栓症
手術、外傷、分娩など
100mL以上の空気が一気に入ると致死的
減圧症→血中の窒素が気泡となり塞栓を形成
コレステロール塞栓症
多くは医原性(血管内操作、大血管手術、抗凝固療法など)
大動脈、その近傍の動脈の粥状硬化巣が剥離、コレステロール結晶が塞栓形成
DIC(播種性血管内凝固症候群)の病態
組織因子・トロンボプラスチン様物質の放出、内皮細胞傷害 →微小血管における血栓形成(組織の低酸素、微小梗塞、溶血性貧血→虚血性組織傷害) →血小板と凝固因子の消費 線溶系の亢進 →出血傾向
DICを起こすもので重要なもの
・産科合併症の胎盤、急性前骨髄球性白血病、腺癌
・敗血症
・エンドトキシン血症、抗原抗体複合体、高熱、感染症
ショックとは
広範に起こる組織潅流の著しい減少により、種々の臓器・組織の細胞機能が全般的に障害される状態
ショックの種類
心原性ショック 低容量性ショック 敗血症性ショック 神経原性ショック アナフィラキシーショック
心原性ショックとは
心筋ポンプ機能不全による心拍出量の急激な低下(心筋梗塞、心室性不整脈、心タンポナーデ、肺塞栓症)
低容量性ショックとは
血液量あるいは血漿量の低下による心拍出量の低下。出血、熱傷による体液の喪失
敗血症性ショックとは
微生物感染に対する全身の免疫反応による、血管拡張、血管透過性亢進、血栓傾向(DIC)
神経原性ショックとは
麻酔、脊髄損傷による血管緊張低下
アナフィラキシーショックとは
抗原暴露に対するI型アレルギー反応
肥満細胞からヒスタミンなどのメディエーターが分泌され、血管拡張、血管透過性亢進をきたす
ショックの病期
非進行期
進行期
不可逆期
ショック非進行期
血流維持 ・圧受容器反射 ・カテコラミン分泌 ・交感神経系亢進(冠動脈や脳動脈は交感神経刺激への感受性低いため血流維持) ・抗利尿ホルモン分泌 ・RAA系賦活化
ショック進行期
組織の低酸素、嫌気性解糖系
→代謝性乳酸アシドーシス(血管運動低下、末梢血管拡張→末梢での血液貯留→心拍出量の低下)
→ATP産生低下(ポンプ機能低下→細胞内Na,水貯留→循環血量低下)
→内皮細胞障害(DIC、血管透過性亢進)
ショック不可逆期
細胞・組織に重大な傷害 ・リソソーム膜の脆弱化 ・NOの産生増加→心筋収縮量の低下 ・腎不全 ・腸内細菌の血中への流入 ・DIC ・多臓器不全
敗血症の定義
感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態
ショック病態における臓器傷害(腎臓)
急性尿細管壊死
ショック病態における臓器傷害(心臓)
点状・斑状出血(微小な壊死)
ショック病態における臓器傷害(肺)
ショック肺(うっ血水腫)
ショック病態における臓器傷害(副腎)
束状層、網状層のリポイド消失
ショック病態における臓器傷害(消化管)
びらん、潰瘍、急性膵炎
ショック病態における臓器傷害(脳)
主要な動脈の境界帯に虚血性変化
神経細胞の好酸性変化、核濃縮
ショック病態における臓器傷害(肝)
脂肪変性
小葉中心性壊死
高タンパク血症の例
多発性骨髄腫(MM) ALアミロイドーシス Mタンパク BJP 骨の打ち抜き 高Ca血症
低タンパク血症の例
ネフローゼ症候群
構造タンパク質遺伝子の突然変異に起因する疾患
Alport Syndrome
Marfan’s syndrome
Ehlers-Danlos syndrome
受容体タンパク/チャンネル遺伝子の突然変異に起因する疾患
家族性高コレステロール血症
嚢胞性線維症
異常タンパクの産生蓄積
アミロイドーシス
プリオン病
肺胞蛋白症
アミロイドの分類
AL(アミロイド軽鎖)
AA(アミロイド関連)
βアミロイド
アミロイドーシスの病理学的定義
線維性タンパク質が細胞外に沈着することによる
臨床病態でのアミロイド分類
原発性アミロイドーシス
反応性全身性アミロイドーシス
血液透析関連アミロイドーシス
原発性アミロイドーシス
形質細胞増殖に伴う
多発性骨髄腫の<15%に発症
反応性全身性アミロイドーシス
特定の炎症状態に続発
関節リウマチなど
血液透析関連アミロイドーシス
腎不全で血液透析の患者
アミロイドーシスの臨床の定義
種々の原因により生じたアミロイドの諸臓器細胞外基質への沈着により、機能障害をきたす疾患群
原発性アミロイドーシス
関連疾患
単クローン性
B細胞増殖
原発性アミロイドーシス
細線維タンパク
AL
原発性アミロイドーシス
化学的関連前駆蛋白質
免疫グロブリン軽鎖(主にλ型)
反応性全身性アミロイドーシス
関連疾患
慢性炎症状態
反応性全身性アミロイドーシス
細線維タンパク
AA
反応性全身性アミロイドーシス
化学的関連前駆蛋白質
SAA(血清アミロイド関連)
血液透析関連アミロイドーシス
関連疾患
慢性腎不全
血液透析関連アミロイドーシス
細線維タンパク
Aβ2m
血液透析関連アミロイドーシス
化学的関連前駆蛋白質
β2ミクログロブリン(β2-MG)
アミロイドの染色(顕微鏡別の色)
Congo red染色(光学顕微鏡で赤、偏光顕微鏡で黄緑)
DFS(direct dast scarlet/Dylon)染色
免疫染色
肝臓のどこにアミロイドは沈着するか
disse腔
炎症とは
外界から侵入した、あるいは体内で生じた組織障害性の因子(異物=非自己)を排除するための、一連の生体の反応過程
炎症の原因
- 物理的因子
- 化学的因子
- 病原微生物および寄生虫
急性炎症の種類
- 漿液性炎
- 線維素性炎
- 化膿性炎(特殊型:膿瘍、蜂窩織炎、壊疽性炎)
- 出血性炎
漿液性炎とは
血液の蛋白を含む液性成分の滲出が主体
線維素性炎とは
フィブリノーゲンを含む血液液性成分の滲出が主体
化膿性炎とは
多数の好中球が血管外に遊走する炎症
細菌性炎症が代表的で、脂肪変性した好中球、壊死物、滲出液からなるものを膿という
膿瘍とは
好中球から出される各種酵素によって組織融解をおこし、その部分に膿汁が貯留した状態
蜂窩織炎とは
好中球の組織内びまん性の浸潤
壊疽性炎とは
組織の壊死を伴う
炎症性肉芽組織
毛細血管増生、炎症細胞浸潤、線維芽細胞からなる組織
組織修復の際にはかならず形成される
慢性炎症の種類
慢性増殖性炎
肉芽腫性炎
慢性増殖性炎とは
マクロファージ、リンパ球を主とする炎症浸潤、細胞線維芽細胞、血管の増生、炎症性肉芽組織の形成
肉芽腫性炎とは
肉芽腫形成という特徴的な組織反応をしめす特殊な病変
類上皮細胞が結節性に集まる
結核、サルコイド、真菌感染、リウマチ結節、クローン病など
菌交代現象
感染症に対して、抗菌薬を大量・長期に使用することにより、常在菌叢の感受性のある微生物は明らかに減少・消失するが、使用した抗菌薬に感受性のない常在菌や他の微生物が異常増殖する現象
感染症予防の三原則
- 感染源をなくす
- 感染経路をたつ
- 宿主の免疫力を向上する
ウイルスの増殖部位
偏性細胞内寄生
細菌の増殖部位の種類と例
細胞外寄生:肺炎球菌
通性細胞内寄生:結核菌
偏性細胞内寄生:クラミジア、リケッチア
寄生しない:マイコプラズマ
感染経路の種類7つ
- 飛沫感染
- 空気(飛沫核)感染
- 接触感染
- 経口感染
- 媒介動物感染
- 血液や体液を介する感染
- 垂直感染、経胎盤感染、産道感染、母乳感染
空気(飛沫核)感染が成立する条件2つ
- 病原体が乾燥に強い
2. 強い感染力をもつ
空気(飛沫核)感染する病気と防護用具、患者隔離
結核、麻疹、水痘
N95マスク
陰圧個室
ビリオンvirionとは
脂質膜がなくても、感染可能となった完全なウイルス粒子
発癌性があるウイルスとその癌の種類
HHV-4(EBV)→バーキットリンパ腫、上咽頭癌 HHV-8(KSHV)→カポジ肉腫 HPV→子宮頸癌 HBV→肝細胞癌 HIV→さまざまな癌
垂直感染による先天性サイトメガロウイルス感染症の典型例
巨細胞封入体症(owl’s eye)
クラミジア感染症と特徴
- 非淋菌性尿道炎(βラクタム系で治癒しない)
2. 子宮頸管炎(子宮外妊娠、不妊症をきたす)
リケッチア感染症
血管内皮細胞内で増殖し血管の破綻・壊死を起こす
出血性血管炎、中枢神経系障害
DIC
寄生せずに生存できる最も小さな生物体と症状
マイコプラズマ(細胞壁なし)
乾性咳
深在性真菌症の二大起因真菌
アスペルギルス
カンジダ
アレルギーのCoombs分類と例
I型:花粉症、アナフィラキシー
II型:抗糸球体基底膜腎炎
III型:抗核抗体、ループス腎炎をはじめとした免疫複合体性疾患
IV型:移植に伴う臓器障害
II型アレルギー代表疾患
グッドパスチャー症候群
膠原病の組織学的特徴
膠原線維のフィブリノイド変性
全身性自己免疫疾患
膠原病
全身性エリテマトーテスの病理形態像と合併症
病理形態像:ループス腎炎、フィブリノイド壊死、ループス皮膚炎など
合併症:ステロイド長期投与、真菌感染症
多発性筋炎の診断
横紋筋逸脱酵素CPK上昇、筋電図、横紋筋生検
結節性多発動脈炎
古典的PN、顕微鏡的多発血管炎
Medium sized vessel vascultis
古典的多発結節性動脈炎、川崎病
大動脈炎症候群
高安病
巨細胞性側頭動脈炎
腎移植拒絶反応の種類4つ
- 液性拒絶:超急性拒絶(1時間)
- 液性拒絶:急性(1日~3日以内)
- 細胞性拒絶:急性(1週間〜3ヶ月)
- 慢性拒絶:3ヶ月以上
骨髄移植の適応4疾患
- 白血病、重症再生不良性貧血
- 先天性免疫不全
- 先天性代謝疾患
- 自己免疫現象
抗炎症薬で炎症性化学伝達物質のプロスタグランジンの産生を抑制するものの代表
NSAIDs
抗ヒスタミン薬(第一世代)の機序
ヒスタミン受容体に結合し、ヒスタミンの受容体への結合を阻害することにより、その作用を抑制
メディエータ遊離阻害薬
ヒスタミンの遊離を阻害
抗ヒスタミン薬(第二世代)の機序
・ヒスタミンが受容体に結合する部分だけでなく、ヒスタミン遊離を阻害し、ヒスタミン以外の化学伝達物質の働きを色々な機序で阻害
・第一世代より中枢神経抑制作用や抗コリン作用が少ない
NSAIDsの作用
- 解熱
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 抗リウマチ作用
- 血小板凝集抑制作用
- 胎児循環(動脈管閉鎖)
視床下部の温度感受性領域の体温セットポイントを上昇させる物質
PGE2
NSAIDsのイオン補足
酸性NSAIDsがイオン型で胃細胞内に蓄積されやすくなる
(胃腔ではpHが低いため非解離型だが、細胞内ではpH7であるため解離型に変換され膜を通過しにくくなる)
NSAIDsの有害作用
胃腸障害(胃のPGE2産生抑制→粘膜分泌抑制)
アスピリン喘息
動脈管閉塞促進
Reye症候群
NSAIDsの胃腸障害を少なくするために開発された薬
COX-2選択的阻害薬
DDS
塩基性抗炎症薬の特徴
COX阻害作用がないために消化器障害も少ない
血漿タンパク質との結合率も低く、薬物相互作用も少ない
喘息治療薬
トロンボキサン合成阻害薬(オザグレル)
トロンボキサンA2受容体(TP)拮抗薬(セラトロダスト、ラマトロバン)
メディエーター遊離抑制薬は何に使われるか
点眼薬や点鼻薬
アポトーシスの機構2種類
ミトコンドリア経路:Bcl-2ファミリータンパク質のバランスが崩れ、Mtからあらゆる物質が漏出
デスレセプター経路:細胞膜受容体からのシグナルが死を引き起こす複合体を形成
PGE2の生理作用と受容体
血管拡張作用、胃液分泌抑制作用
EP1~4
PGI2の生理作用と受容体
血小板凝集抑制、血管拡張
IP
TXA2の生理作用と受容体
血小板凝集促進、血管収縮
TP
LTC4, LTD4の生理作用と受容体
気管支の緩徐で持続的収縮
CysLT1, CysLT2
アスピリンのCOXへの親和性
COX-1の方が選択性が高い
アスピリンのCOXの阻害機序
アセチル化することで不可逆的に阻害
アスピリンは酸性の方が遊離型か非解離型か
pHが低いほど非解離型(非解離型の方が吸収されやすい)
抗ヒスタミン薬の作用
中枢神経作用(刺激作用、抑制作用)→第2世代はBBBを通りにくいためimpaired performanceは少ない
抗コリン作用
Glucocorticoid Receptor GRの機序
遊離型のステロイドが細胞内へ入ると、細胞質のGRが結合して核へ移行し、転写を調節する
homodimerで、DNAは回文配列型
ステロイド性抗炎症薬
・マクロファージや単球:PLA2やCOX-2の発現阻害し、PG, TX, LT産生を抑制
・IL-1,IL-6,TNFαのような炎症性サイトカインの産生及び放出を抑制
・内皮細胞:接着分子発現を抑制し、白血球の走化を阻害
・好塩基球ではIg-E依存性のヒスタミン放出抑制
デキサメサゾンのNa+貯留作用
なし
IL-2の転写活性上昇の機序
IP3は細胞内Ca2+濃度を上昇
→Ca2+がcalcineurinと結合するとリン酸化
→NFATc (nuclear factor of activated T cells in cytosol)を脱リン酸化し
→NFATcが核内へ移行し、IL-2の転写活性上昇
cyclosporineとtacrolimusのIL-2抑制機序
cyclosporineはcyclophilinと結合し、またはtacrolimusはFKBPと結合し、それぞれ複合体を作る
→その複合体がcalcineurinを抑制
sirolimusの作用
・IL-2が受容体に結合した後、T cellはcdk2 (cyclin dependent kinase)を介して増殖
・sirolimusはFKBPと結合し、さらにmTORと結合することにより、cdk2の細胞増殖作用を抑制
IL-2受容体親和性の変化
IL-2R(IL-2受容体)はnaïve T cellではβ、γ chainsで形成されているが、IL-2刺激によりα chainが発現し、活性化T cell(α、β、γがそろっている)ではIL-2に対する親和性が100倍近く上昇
メトトレキサート
関節リウマチのアンカードラッグ
飛沫感染
咳やくしゃみなどで口から撒き散らされた粒子による経気道的感染、飛沫は数秒以内に落下
空気感染
飛沫が空気中水分を失い、さらに小さい粒子となった飛沫核による感染で、長時間漂う
接触感染
感染者の皮膚や粘膜との直接的・関節的感染(性感染症、伝染性単核球症、MRSAなど)
経口感染
病原体で汚染された飲食物による経口感染(カンピロバクター、サルモネラ、ノロウイルス)
媒介動物感染
犬、猫、ノミ、ハエ、蚊などから感染
血液や体液を介する感染
輸血、針刺事故など
垂直感染
経胎盤感染(梅毒、風疹、トキソプラズマ)、産道感染(クラミジア、淋菌)、母乳感染(HIV、CMV)