2. 腫瘍学I Flashcards
がんの罹患率
一定期間に新たに診断されたがん/人口
がんの死亡率
一定期間にがんで死亡したひと/人口
5年生存率が最も低いがん
- 膵臓癌
2. 胆嚢・胆管癌
がん対策の一次予防、二次予防、三次予防
一次予防:健康を増進し、発病を予防
二次予防:早期発見、早期治療
三次予防:社会復帰
5年生存率が90%を超えている癌
皮膚癌
前立腺癌
甲状腺癌
健康促進法に基づいて行われているもの
がん検診
健康日本21
受動喫煙防止対策
喫煙者の個別健康教育
TNM分類とは
悪性固形腫瘍に対する病期分類のための国際的基準
TNM分類の因子
T(tumor)因子
N(lymph node)因子
M(metastasis)因子
G(grade)因子
TNM分類のT(tumor)因子
原発巣の拡がり
数値が大きくなると腫瘍が広がっている
TNM分類のN(lymph node)因子
リンパ節における拡がり
リンパ節を手術で切除した場合に用いる
TNM分類のM(metastasis)因子
M0:転移なし
M1:転移あり
TNM分類のG(grade)因子
病理組織学的分化度 G1:高分化 G2:中分化 G3:低分化 G4:未分化
抗原刺激によるリンパ節の腫大と腫瘍によるリンパ節の腫大の違い
抗原刺激:反応性・可逆性増殖=増殖過程は両方向性
腫瘍:腫瘍性増殖=非可逆性増殖
がんの定義
悪性腫瘍
癌の定義
上皮性悪性腫瘍(Carcinoma)
肉腫の定義
非上皮性悪性腫瘍
混合性腫瘍とは
腫瘍の実質が2種類以上の異なる由来の組織から構成されるもの
奇形腫とは
3胚葉由来の組織構造よりなる腫瘍
良性腫瘍 意味
腫瘍のうち、発育速度が緩徐で、膨張性に増殖し、転移をきたさないもの
悪性腫瘍 意味
腫瘍のうち、浸潤や転移をきたし個体を死に至らしめうるもの
異形成 意味
正常では見られない細胞の形態学的変化で、悪性腫瘍ほどではないが異型を伴った細胞からなる前がん病変あるいは良悪性の境界病変の状態
異型性 意味
細胞や組織構築の正常からの隔たりのことで、細胞異型と構造異型に分けられる
細胞異型 意味
細胞や核の大きさ、形、染色性、クロマチン構造など細胞レベルでの形態学的異常
構造異型 意味
細胞の配列や極性の消失などの組織構築の異常
分化 意味
発生母地となった組織構造との類似の程度
退形成 意味
発生母地由来細胞の機能的・形態的特徴を失い胎生期の状態に戻ったような変化を来した状態
異型性の指標
・核・細胞質比(N/C比)が高くなる ・核クロマチンが増量し、粗大顆粒状になる ・核小体が肥大、増数する ・核や細胞質の大小不同、形態の多彩化を生じる(=多形性) ・核分裂増の増加、異型核分裂像の出現
腫瘍が個体に与える影響8つ
- 隣接臓器の物理的圧排
- 腫瘍自体の機能の獲得(ホルモン産生能など)
- 出血と二次的な感染
- 破裂や梗塞の伴う二次的炎症
- 悪液質(カヘキシー)
- 腫瘍随伴症候群
- 疼痛
- 精神的不安
悪液質(カヘキシー)とは
坦癌患者が継続的な体脂肪減少、体重減少をきたす状態
腫瘍随伴症候群とは
腫瘍の局所での増殖や転移そのもの、腫瘍発生臓器固有のホルモン分泌では説明できない(異所性ホルモン分泌による)、腫瘍に随伴する症候群のこと
腫瘍随伴症候群の重要性
・個体において腫瘍随伴症候群による症状が初発症状である場合がある
・腫瘍そのものの症状より致死的になる場合がある
・治療選択を難しくすることがある
腫瘍随伴症候群の代表的症候
クッシング症候群 高カルシウム血症 非細菌性血栓性心内膜炎 不適切抗利尿ホルモン症候群 低血糖
腫瘍とは
生体の細胞増殖の制御機構から逸脱し、自律性増殖能、不死化状態を獲得した細胞群
隣接臓器の物理的圧排の例
下垂体腺腫の隣接下垂体組織の圧排
尿管癌の尿管閉塞による水腎症
管内胆管癌の胆管圧排による管内胆汁うっ滞
腫瘍自体の機能の獲得の例
膵島細胞腫による低血糖
副腎褐色細胞腫による高血圧
悪性腫瘍の拡大様式
浸潤性 血行性 リンパ行性 播種性 経管性(気管支などを通して) 接触性(上口唇から下口唇)
いわゆる癌肉腫とは
癌細胞と癌細胞由来の紡錘形細胞からなる
真の癌肉腫とは
癌細胞と横紋筋肉腫あるいは骨肉腫からなる
良性の杯細胞性腫瘍の名前
成熟奇形腫
悪性の杯細胞性腫瘍の名前
未熟奇形腫
腫瘍の細胞接着
固定結合(接着帯・接着結合、接着班、ヘミデスモゾーム)
異所性ホルモン産生腫瘍(ACTH・MSH)
肺小細胞癌、胸腺癌、膵島癌
異所性ホルモン産生腫瘍(ADH)
肺小細胞癌
異所性ホルモン産生腫瘍(カルシトニン)
肺癌、胸腺癌、乳癌
異所性ホルモン産生腫瘍(GH)
肺癌、胃癌
異所性ホルモン産生腫瘍(VIP)
肺癌、膵島癌、褐色細胞腫
異所性ホルモン産生腫瘍(インスリン)
肺癌、中皮腫、線維肉腫、肝癌
異所性ホルモン産生腫瘍(グルカゴン)
肺癌、胃癌
異所性ホルモン産生腫瘍(ガストリン)
膵島癌
異所性ホルモン産生腫瘍(PTH)
腎癌、肝癌、扁平上皮癌
異所性ホルモン産生腫瘍(HCG)
肺癌、肝癌、胃癌、腎癌、松果体腫
異所性ホルモン産生腫瘍(エリスロポエチン)
肝癌、腎癌、小脳血管腫
異所性ホルモン産生腫瘍(エストロゲン)
胃癌、肺癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(クッシング症候群)
肺小細胞癌、膵癌、神経性腫瘍
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(抗利尿ホルモン不適切分泌)
肺小細胞癌、頭蓋内腫瘍
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(高カルシウム血症)
肺扁平上皮癌、乳癌、腎癌、ATL/L、卵巣癌など
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(低血糖)
線維肉腫、肝細胞癌、腎癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(カルチノイド症候群)
気管支カルチノイド、膵癌、胃癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(多血症)
腎癌、小脳血管芽腫、肝癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(筋無力症)
肺癌、乳癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(Acanthosis nigricans)
胃癌、肺癌、子宮癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(皮膚筋炎)
肺癌、乳癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(肥厚性骨関節症)
肺癌、中皮腫
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(静脈血栓症)
膵癌、肺癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(非細菌性血栓性心内膜炎)
いかなる末期癌
腫瘍随伴症候群の症状別腫瘍(ネフローゼ症候群)
種々の癌腫
ペプタイドホルモン依存性腫瘍
副腎皮質腫瘍
甲状腺腫瘍
乳癌
ステロイドホルモン依存性腫瘍
乳癌
子宮内膜癌
前立腺癌
白血病
過形成 定義
組織・臓器の構成細胞の数的増加により、組織や臓器の大きさが増す現象
肥大 定義
組織・臓器の構成細胞の数的増加を伴わず、細胞の容積が増大して組織や臓器の大きさが増す現象
過形成の分類と原因
1. 生理的過形成 ・ホルモン性(分娩など) ・代謝性(肝臓の部分切除) 2. 病的過形成 ・過剰なホルモン刺激 ・過剰な増殖因子の刺激
過剰なホルモン刺激による病的過形成の例
前立腺過形成
子宮内膜増殖症
ウイルスによる病的過形成の例
パピローマウイルスによる疣贅
肥大の分類と原因
1. 生理的肥大 ・ホルモン性(妊娠) ・労働負荷性(body building) 2. 病的肥大 ・労働性 ・代謝性 ・ホルモン性 ・慢性刺激 ・仮性肥大 ・特発性
化生 定義
分化した細胞・組織が、他の系統の分化した細胞・組織に置き換わること
扁平上皮化生とその例
円柱上皮→重層扁平上皮→扁平上皮癌の発生母地
・喫煙者の気道
・慢性子宮頸管炎
胃の腸上皮化生とは
胃の腺上皮→腸型腺上皮→腺癌の発生母地
間葉系の化生
骨化生:結合組織→骨
軟骨化生:結合組織→軟骨
脂肪化生:結合組織→脂肪
不安定細胞とは
生物の一生の間、常に細胞周期にあり(M期からすぐにG1期へ移行)、細胞分裂を繰り返す細胞(再生系細胞)
恒常的な再生を示す組織に見られる
安定細胞とは
増殖能は有するが、器官形成後の生理的状態では細胞周期を停止している細胞
何らかの刺激により直ちにG1期に移行し増殖を始める
永久細胞とは
器官形成後は細胞周期から離脱し、分裂増殖しない細胞
G1/Sチェックポイントでチェックすること
DNAの損傷をチェック
G2/Mチェックポイントでチェックすること
DNAが正しく複製されたかをチェック
酵素抗体法の種類と何か
・直接法:目的とする抗原に対する特異抗体に、HRPのような酵素を直接標識する方法
・間接法:目的とする抗原に対する特異抗体(一次抗体)に対して酵素の標識は行わず、一次抗体に対する二次抗体に酵素標識を行う方法
・増感法:間接法での二次抗体に、さまざまな増感試薬を使用することにより感度を上げる方法(ABC法、PAP法、高分子ポリマー法)
ABC法とは
アビジンとビオチンが極めて高い親和性を持っていること、結合が不可逆的な反応であることなどの性質を利用した方法
抗原性の賦活化とは
ホルマリン固定パラフィン包理された組織では、アルデヒド固定による架橋反応によって、しばしば抗原性が隠された状態になる為、抗体が抗原に接触できない。この架橋反応による立体障害を除く目的で行う処理のことを抗原の賦活化という。
抗原性の賦活化の代表例
蛋白分解酵素処理
加熱処理
蛋白分解酵素処理(抗原性の賦活化)とは
ホルマリンで架橋された立体障害の分子の網目をほぐし、抗体分子が入り込むスペースを提供する
(トリプシン、プロナーゼ、ペプシン、プロテイナーゼなど)
加熱処理(抗原性の賦活化)とは
タンパクの立体障害を加熱処理によって変性・分解させることによって抗体分子を抗原に到達させる方法
サイトケラチンとは
中間系フィラメントの一つ
上皮細胞内の細胞骨格
上皮性腫瘍か非上皮性腫瘍かの鑑別に用いられる
原発巣の推定に役に立つ分子
CK7とCK20
軟部腫瘍の診断マーカー
S-100:カルシウム結合性産生タンパク
Desmin:筋細胞の細胞骨格タンパク
a-smooth muscle actin:平滑筋の細胞骨格
CD34:細胞膜貫通型シアル化糖タンパク
S-100の発現場所
シュワン細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、色素性細胞
Desminの発現場所
骨格筋細胞、平滑筋細胞
a-smooth muscle actinの発現場所
平滑筋細胞、筋線維芽細胞
CD34の発現場所
間葉系腫瘍
Ki-67とは
細胞増殖マーカー
G0期を除く細胞周期において発現(正常細胞にも発現)
p53とは
・最も主要な癌抑制遺伝子で、ヒトの癌の約半数に変異が認められる
・DNA障害、酸化ストレスなどの応答としてアポトーシスやDNA修復を行う
・過剰発現・完全消失
In situ hybridizationとは
細胞標本上あるいは組織切片において、細胞単位で特異的塩基配列を持つ核酸を視覚的に検出する組織細胞化学的方法論
FISH(Fluorescence in situ hybridization)の病理診断の応用
・腫瘍のさまざまな染色体や遺伝子の数的異常の検出(セントロメアとの比で評価することが多い)
・転座の検出
・ウイルスや細菌の同定
コンパニオン診断マーカー
バイオマーカー:ALK
検索対象?
相互転座
コンパニオン診断マーカー
バイオマーカー:ALK
対象病態?
肺癌
コンパニオン診断マーカー
バイオマーカー:ALK
薬剤?
crizotinib
コンパニオン診断マーカー
バイオマーカー:EGFR(検索対象:遺伝子変異)
対象病態?
肺癌