6.局所麻酔 Flashcards
選択的神経遮断とは
①神経線維が細いほど、無髄線維であるほど、局所麻酔で遮断されやすい。
②自律神経>知覚神経>運動神経の順に遮断されやすい。
③知覚神経の中では痛覚>冷温覚>触覚>深部覚の順に遮断されやすい。
という性質を利用してどの神経までを遮断するかを選択すること。
局所麻酔の作用に影響する因子(5)
脂溶性:高い方が強くて長い 蛋白結合力:高い方が長い。pHが低いと低い pH:pKaに近づくほど非イオン化率が上がって脂溶性も上がる 神経繊維:細くて無髄だと効きやすい 濃度
急性局麻中毒に予防と処置
前投薬:ジアゼパム、バルビタール→辺縁系を抑制する
予防:極量に注意する、血管内誤注入に気を付ける、患者の精神状態を観察する
処置:ジアゼパム静注、救急蘇生のABC
中毒の際は、①気道確保、酸素化②ベンゾジアゼピン等による痙攣抑制③脂肪乳化剤静注
局所麻酔薬の光学異性体
ふつうRとSが半々(ラセミ体)
Sの方が循環系への副作用が少ない→ロピバカイン(全部S)
局所麻酔薬の作用機序
局所麻酔薬は神経細胞の軸索における Na チャネルの内膜側に存在する特異的受容体に作用し、Na 流入を阻害することによって、活動電位の伝導を阻害して、局所麻酔作用を発現している
局麻薬は神経の髄鞘を通過するときは脂溶性の非イオン化型の状態で通過し、受容体には親水性のイオン化型の状態で働く
局所麻酔薬の薬理作用(末梢神経系)
神経線維の静止膜電位は変えないけど、活動電位をさげて神経の伝導の阻害をする
局所麻酔薬の薬理作用(心臓)
心臓の刺激伝導系にも同様にはたらく→抗不整脈作用
プロカイン(上室性不整脈)、リドカイン(心室性不整脈)
局所麻酔薬の作用(中枢神経)
•低濃度-GABA 作動性抑制ニューロンの抑制によ (結果として興奮) -血圧上昇 過呼吸 不安 興奮 頭痛 振戦 間代性痙攣
•高濃度-血管運動中枢抑制による(脳に向かう動脈に注射してしまった場合など) -血圧低下 呼吸抑制 意識消失 心停止
局麻エステル型特徴
血中コリンエステラーゼによる分解
短い作用時間
アレルギーが起こりやすい
局麻アミド型特徴
肝臓のミクロゾームにの酵素(シトクロムP450)による代謝
長い作用時間
アレルギーを起こしにくい
局麻アミド型の例(5)
リドカイン:強くてはやい。心室性不整脈の薬 メピバカイン ブピバカイン:いちばんながい。心毒性 ロピバカイン:毒性低い。選択的神経ブロックが一番かけやすい ジブカイン:不可逆的な神経毒性
局麻エステル型の例
テトラカイン
プロカイン