パーソナリティ Flashcards
知能の二因子説
(スピアマン/Spearman.C)
イギリスのスピアマンが提唱した知能因子の構成に関する仮説である。スピアマンは小学生の各種成績間の相関関係を基礎に因子分析を行った。一般的に頭の良さに相当する知的能力は共通因子(g因子)と名づけ、個別の科目に得手・不得手に相当して、あるいは共通因子だけでは説明できない能力は特殊因子(s因子)と名づける。全てのテストは共通因子と特殊因子によって決定されると考えた。
知能の多因子説
(サーストン/Thurstone.L)
アメリカのサーストンが提唱した知能因子の構成に関する仮説である。サーストンは大学生と中学生を対象に集団知能検査を行い、結果を因子分析した。数の演算に関するn因子、空間的状況を把握するs因子、同一の図柄を知覚的に同定するp因子(pattern)、文章の理解に代表されるv因子(verbal)、語の発想の流暢さのw因子、暗記的な記憶のm因子、帰納操作に関する推理のl因子の7つの因子とほかの命名しにくい3つの因子は知能を構成すると考えた。しかし、図柄を知覚するp因子を除く6つの因子は2因子説の共通因子に含まれる可能性があることを確かめられた。mvp is wn
知能構成モデル
(ギルフォード / Joy.Guiford)
ギルフォードが提唱した情報処理機能に基づいた知能構造に関する仮説である。まず与えられる情報を「内容」の側面から捉える働き。
図形、記号、意味、行動の4つの種類に分ける。
つぎは記憶、認知、収束的な思考、発散的な思考、評価の5つの操作によってその情報を心の操作として分析したり、総合したりする。
最後心の操作による概念化の働きによって得られる結果は単位、クラス、関係、変換、体系、含意に分ける。その過程は三次元の軸からなる立方体で示している。
知能Aと知能B
(ヘッブ/Hebb.D)
ヘッブに提唱した知能で遺伝の素質と環境の関係に関する理論である。知の機能発達に関わる生得的な潜在力は知能Aと呼ぶ。知の機能発達の内容、知能テストで算出した知能指数を知能Bと呼ぶ。測定不可能の知能Aを横軸とし、測定不可能の養育・教養の程度を縦軸とすれば、両軸の値を乗じる面積が知能Bである。
結晶的・流動性知能因子
(キャッテル / Raymond.Cattell)
キャッテルによる知能で遺伝の素質と環境の関係に関する理論である。教育・文化の影響を強く受けて発達し、経験の結晶として結晶的知能因子と呼ぶ。その中でサーストンの言語の理解v因子,数の計算n因子,帰納操作に関するI因子を含み、言語性テストに反映する。年齢を重ねるにつれて上昇することは特徴である。一方、新しい場面に臨機応変に対応する能力を流動性知能因子と呼ぶ。発想の流暢さw因子,空間の状況を把握するs因子を含み、非言語性テストによく反映され、20歳以降下降する。
循環気質・統合失調気質
クレッチマー/Kretschmer
ドイツの精神医学者クレッチマーによる体格に基づいた性格の特徴に関する理論である。クレッチマーは臨床の経験から、双極性障害(躁うつ)と診断される者には肥満型の体格をした人が多く、統合失調症と診断される者には細長型の人が多いこと、そして発病前の性格及び親の体格と性格とそれぞれ一定の関係があることを見出した。この傾向性も健常者にも適用できると考え、三つの気質を想定した。躁うつ傾向がある循環気質、分裂傾向がある統合失調気質、てんかん傾向がある粘着気質に分ける。
体型に関する性格特徴
(シェルドン/Sheldon)
アメリカの心理学者シェルドンが提唱した体型に基づいた性格特徴に関する理論である。シェルドンが内臓の機能が相対に優位に発達した内胚葉型、骨格、筋などの機能が優位な中胚葉型、皮膚や感覚器官などの機能が優位な外胚葉型に想定する。それぞれ循環気質と似ている内臓緊張型、粘着気質に似ている身体緊張型、統合失調気質に似ている頭脳緊張型に対応する。
特性論
(キャッテル/Cattell.R)
キャッテルによる個人のもつ多くの特性によって性格を記述する理論である。キャッテルは人の行動を予測できる単位は特性と呼ぶ。特性を個人に特有する独自特性と、すべての人が共有し、でもある程度の差異がある共通特性に分ける。さらに、状況によって不安定な表面特性と行動の背後にある根源特性がある。根源特性については、16軸の特性尺度が想定られる。各特性尺度における程度を示すプロファイルで描かれている。その中で第1因子はクレッチマーの循環気質と統合失調気質。第2因子は知能である。
因子論的類型論
(アイゼンク/Eysenck.H)
アイゼンクが因子分析法を用いて生物学的基礎を考え、諸特性を統合した以上提唱した性格特徴に関する特性論である。アイゼンクは向性(外向ー内向)と神経症性(情緒安定ー不安定)の2因子類型に統合し、その下位に各特性を配置する階層説を唱える。階層説は個別的反応水準、習慣水準、特性水準、類型水準に分ける。さらに、精神病性、すなわち双極性障害ー統合失調症の因子を加えている。
5大因子/ビッグ・ファイブ因子論
(ゴールドバーグ/Goldberg)
ゴールドバーグが提唱した各性格特性が5つの大因子に分ける特性論の一つである。ゴールドバーグはパーソナリティ記述語彙と質問紙を因子分析に通じて、諸特性は5つの大因子に集約にする。それらの因子の下位には各特性がある。その5つの大因子は外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、経験への開放性に分ける。日本で翻訳されて、活動に関する外向性ー内向性、関係に関する分離性ー愛着性、意志に関する自然性ー統制性、情動に関する非情動性ー情動性、遊びに関する現実性ー遊戯性と示されている。
特性論と類型論の長短
直感的理解から見ると類型の方が直感的理解しやすいだが、細かい特徴や程度の差が見失われがちがある。特性論の方が個人の全体象ないし独立性を思い浮かべることが難しい。一方、深層的に理解から見れば類型論は臨床的場合が多いので、比較的に極端で、深層にまで及ぶ同時に一般者に普及することが難しい。特性論が一般に自分評定が多いので、あまり根源的パーソンナリティがとらえない。
知能の階層差・地域差
住宅様式、収入、学歴、職業の4指標による社会階層尺度を用いた日本での調査の結果が、上層にされるほどわずかずつ知能偏差値が高くなることが示されている。しかも、言語能力と推理能力の方が階層差が示された。原因は知的発達に関する機会に恵まれたことと検査の内容が階層文化による偏りがあることがある。さらに、都市部と村部といった地域差がある。伝統的な知的能力は文化、教育の影響で発達するキャッテルの結晶的知能因子を主に測定するものと言ってよい。
多重知能理論 / Multiple Intelligence Theory
(ガードナー / Gardner.H)
ガードナーは知能が相互的に独立な多くの知能で構成されると考えた。従来の知能検査によって測定される言語、数、空間に関する知能の他、自分の人格に関する理解、芸術に関する知能も含まれている。
7因子理論
(クロニンジャー / Cloninger.C.R)
人間のパーソナリティを経験に対する自動的な情緒的反応であり、神経伝達物質の代謝に規定される「気質」と生まれたのち形成された個人の目標と価値を反映する「性格」から説明するモデルである。「気質」では、ドーパミンと関連する新奇性追求、セロトニンと関連する損害回避、ノルエピネフリンと関連する報酬依存、固執に分け、「性格」では、自己志向性、協調性、自己超越性に分ける。
BIS/BAS
(グレー / Gary.J.A)
グレーは自分の気質理論、強化感受性理論(RST : Reinforcement Sensitivity Theory)の中で、人間の行動は行動抑制系(BIS : Behavior Inhibition System)と行動賦活系(BAS : Behavior Activation System)の動機づけの競合に制御されると考えた。BISは、罰の信号や欲求不満を引き起こすような無報酬の信号、潜在的な脅威刺激やその予期に際して注意を喚起し、自らの行動を抑制するように作用する。BASは、報酬や罰の不在を知らせる条件刺激を受けて活性化される動機づけシステムで、目標の達成に向けて 、行動を賦活する機能を担う。