⑨幹細胞生物学、発生工学 Flashcards
1個体が2種類以上の異なる染色体構成、
あるいは遺伝子構成を持つ細胞からなっている場合、
「2個以上の受精卵由来で2種類以上の核型からなる個体」を何という?
キメラ
1個体の受精卵に基づくが、遺伝子構成の異なる細胞から成る単一個体を何という?
モザイク
卵巣では1次卵簿細胞がつくられ、 精巣では1次精母細胞がつくられる。 これらの2倍体の細胞が減数分裂により卵や静止をつくる。 10個体の卵母細胞から何個の卵がつくられるか。 また、10個の精母細胞から何個の精子がつくられるか。
卵:10個
精子:40個
iPS細胞とES細胞に共通することを2つ。
自己複製機能の持つ
分化多能生を持つ
線虫は体が透明であり、構成細胞数が( )個前後と少ない。
受精卵から分裂したすべての細胞の運命(細胞系譜)が完全に記載されており、発生の研究に便利なモデル動物である。
1000
ショウジョウバエのアンテナペディア遺伝子は何という遺伝子群に属する?
ホメオボックス(ホメオティック)遺伝子
神経堤(冠)由来のものを4つ
①骨髄神経節
②メラノサイト
③副腎髄質
④シュワン細胞
後葉は何胚葉由来?
外胚葉
哺乳類の卵は( )期の状態で排卵され、
受精によって減数分裂を再開する。
減数第2分裂中期
ヒトにおいて1核あたりのDNA量の比は?
一次精母細胞:
二次精母細胞:
精子:
一次精母細胞:4
二次精母細胞:2
精子:1
造血幹細胞について誤っているのはどれか。 ①破骨細胞に分化しない ②末梢血から採取できる ③治療に利用されている ④血小板に分化する ⑤自己複製能を持つ
①
*破骨細胞は単球由来なので造血管細胞由来である。
末梢血から十分量の幹細胞を得るには、前もって( )を投与しておく必要がある。
G-CSF
破骨細胞は何細胞由来?
造血管細胞
マウスの胚性幹細胞(ES細胞)の樹立に用いられるのは?
胚盤胞
体性幹細胞の維持は何によってなされる?
ニッチ
心筋細胞は何胚葉由来?
中胚葉
血球細胞は何胚葉由来?
中胚葉
肝細胞は何胚葉由来?
内胚葉
骨格筋は何胚葉由来?
中胚葉
大脳神経細胞は何胚葉由来?
外胚葉
骨形成細胞は何胚葉由来?
中胚葉
*骨芽細胞というのが普通
表皮細胞は何胚葉由来?
外胚葉
胃粘膜上皮細胞は何胚葉由来?
内胚葉
色素細胞は何胚葉由来?
外胚葉
*メラノサイトとうのが普通
末梢血中の血球成分は、重量比で
96%:
3%:
1%:
96%:赤血球
3%:白血球
1%:血小板
白血球は5つに大別できるがそれらとは?
①好中球 ②好酸球 ③好塩基球 ④単球 ⑤リンパ球
血液細胞の機能を明らかにするため、血液細胞を同じ種類ごとに分別し、
さらに白血球の細胞群を分別収集したい。
どのような方法で血液細胞を分画すればよい?
①赤血球、自血球、血小板は比重が違うので遠心分離によつて分離することができる。
②各自血球の分離は、特異的に発現している表面分子をマーカーとして FACSで分離す る。
※ 実際、各自血球を分離することは不可能に近い。ただし、3種類の顆粒球、単球、リン パ球は比重が微妙に異なるので、遠心分離で分離することは可能である。
血液細胞(血球)は骨髄血中の血液幹細胞から成熟・分化して出来てくる。
血液幹細胞は、未熟の血液細胞と形態学的には区別がつかない。
どのような方法で幹細胞の存在を検証すればよい?
骨髄に致死量の放射線を照射したA系統のマウスに、
B系統のマウスの骨髄血を移 入して、
B系統の血球が再構成されることを検証する。
※ これは造血幹細胞の実在を証明した有名な実験である。ヒトの造血幹細胞は、臨床的にはCD34という分子をマーカーにして選別する。ヒトの造血幹細胞は、形態的には「未熟の血液細胞」よりも単球に酷似しており、比重もほとんど同じである。
幹細胞について、どのような臨床応用が考えられるか説明せよ。
白血病患者の造血系を化学療法と放射線療法で破壊し、他個体の造血幹細胞を移入することで白血病の治療を行う。
幹細胞を再生医療に応用することを考えた場合、
全能性totipotency、 多能性pluripotencyという概
念が重要である。
全能性の定義とは?
全能性は、体を構成するすべての細胞になり得る性質のこと。
多能性とは?
胎盤以外のすべての体細胞および生殖細胞に分化可能な細胞。
*体を構成するほとんどすべての細胞になる能力は持っているが、胎盤の細胞にはならないので単独では個体発生を起こさない。
胎盤を構成する細胞とは?
母体由来の細胞
胎児由来の細胞
両方から構成される。
ES細胞はembryonic stem ceIIの略である。
胚幹細胞とか胚性幹細胞と訳される。
哺乳類の胚盤胞の( )をばらして培養した細胞で、生殖細胞を含むあらゆる細胞に分化する能力を持っている。
内部細胞塊 intenlal cell mass
哺乳類の胚盤胞は両生類の胞胚にあたるが、
胞胚でも、胞胚腔のすぐ動物極側の細胞集団は、
条件によってあらゆる臓器に分化できる多能性を維持している(生殖細胞には分化できないらしいの で全能性はないらしい)。
この細胞集団を何という?
アニマルキャップ
animal cap
アニマルキャップに種々の誘導物質を作用させ、
何に分化するかを観察することで、誘導物質の作用を解明することができる。
この実験手法を何という?
アニマルキャップアッセイ
iPS細胞は体細胞に処理を施して、 実質的に全能性を賦与した細胞である。 具体的には未分化性を維持するための遺伝子あるいは遺伝子産物を導入して作製する。 全能性があるため、任意の組織や器官に分化させ、治療応用することが期待されている。 利点を2つと懸念されていることを1つ述べよ。
利点①:ES細胞と異なり倫理面での問題がない。
利点②:患者自身の体細胞からiPS細胞を作製すれば、HLA不適合による拒絶反応の問題もない。
懸念:癌化する危険性
( )細胞はすべての血球に分化する多能性を持っている。
造血幹細胞
(HSC: Hematopoietic Stem Cell)
*自己複製能を持っている。
ES細胞は全能性を持った細胞であり、換言すれば未分化な細胞である。
体細胞は分化しており、 その分化に応じた( )を受けている。
それをリセットする因子を同定し て、その因子を作用させれば体細胞をiPS化することが可能である。
エビジェネティックス
山中グループが用いた4つの転写因子は?
これらの遺伝子をレトロウイルスベクターを用いてiPS化に成功した。
c-myc(癌原遺伝子)
OCT4
Klf4
Sox2
核移植でクローン動物を作製した場合、
厳密な意味では同一の遺伝的組成を持つ個体にはならない。
その理由を細胞質遺伝の観点から説明せよ。
ミトコンドリアDNAは 元の個体と同一でない。
*細胞質遺伝とはミトコンドリアの遺伝のことである。
胎児期にしか形成されない人体の組織、器官が欠損した場合、当該組織、器官を人工的に得て治療に利用することが考えられるが、
このような医学分野を何という?
再生医学
ES細胞→神経細胞ができる過程
ES細胞→乳腺細胞ができる過程
ES細胞から継承したゲノムは同一であるのにも関わらず、
神経細胞と乳腺細胞とでは細胞としての形質が全く異なる理由は?
遺伝子の発現調節は塩基配列以外の遺伝情報によって行われていて、
神経細胞と乳腺細胞とで遺伝子の発現パターンが異なり、従って発現するタンパク質のプロファイルも異なるからである。
マウスの造血幹細胞は障害に5回程度しか分裂しないが、幹細胞がほとんどをG0期であることから( )という。
Dormant Stem Cell
*眠っているの意味
Dormant Stem Cell対して、
G1期にある幹細胞のことを何という?
Activated Stem Cell
Dormant Stem Cellは何からシグナルを受けてActivated Stem Cellになる?
Niche(ニッチ)
滅多に分裂しない幹細胞に対して、
盛んに分裂している領域にある細胞のことを何という?
Transit Amplifying Cell (TA cell)
*Dormant → Activated → TA cell → Precursor
幹細胞の性質を2つ
①分化多能性
②自己複製能
*G0滞在期間が長い(dormant)
正常の幹細胞の場合、
グルコースは代謝されてホスホエノールピルビン酸(PEP)となり、
( )によってピルビン酸へと変換されるため、
TCA回路と電子伝達系に入って活性酸素が発生する。
PKM1
Cancer Stem Cellの場合、
グルコースは代謝されてホスホエノールピルビン酸(PEP)となり、
( )によってピルビン酸へと変換される。
PKM2
*PKM1と比較して、基質(PEP)親和性が低いため、反応速度が遅い。
*PKM1とPKM2はスプライシングで発現する同じ遺伝子由来の産物。
PKM2はPKM1と比較して、基質(PEP)親和性が低く、反応速度が遅い。
そのため、グルコースは( )回路へも入り
( )と( )が合成される。
ペントースリン酸
リボース
NADPH
*ヌクレオチドと脂肪酸の合成に利用されて、がん細胞の増殖を支持している。
さらに、TCA回路と電子伝達系にあまり入らないため活性酸素の発生も低い。
がん細胞が好気的な環境下でも解糖系による代謝ばかりすることを何という?
Warburg効果
皮膚の表面は( )組織である表皮(epidemis)である。表皮の構造は表層側から ①( ) ②( ) ③( ) ④( ) ⑤( )から成る。
上皮 ①角層 ②透明層 ③顆粒層 ④有棘層(ユウキョク) ⑤基底層
表皮 には皮膚の樹 状細胞である( )や、
皮膚を着色する( )も存在する。
ランゲルハンス細胞
メラノサイト
表皮の構造でみられる角層にある細胞は、
核がなく、プログラム細胞死によって消滅していくが、
このプログラム細胞死を何という?
角化
表皮の構造でみられる有棘層にある細胞は、
( )が発達して、表皮に強度を与えている。
それは( )から形成されて、( )によって固定されている。
(デスモゾーム)が発達して、表皮に強度を与えている。
それは(デスモグレイン)から形成されて、(ケラチン)によって固定されている。
*天疱瘡:デスモゾームに対する抗体が形成されて、破壊されるために皮膚や粘膜がボロボロになる。
表皮の下には細胞外マトリックスが蜜に集積した構造物である( )があり、
その下には( )がある。
基底膜
真皮
真皮は( )組織であり、
そこにはコラーゲンを主成分とする( )や
エラスチンを主成分とする( )などの線維が発達する。
結合
膠原線維
弾性線維
ある種の増殖細胞の分裂では、分裂により生じた娘細胞は2種類になる。
( ):再び増殖細胞になる場合
( ):もはや分裂しない細胞 (分裂終了後細胞)になる
mitotic cell
post-mitotic cell
2胚葉性あるいは3胚葉性成分を有する、
すなわち最も高分化な胚細胞性腫瘍のことを何という?
奇形種
teratoma
白血病の骨髄ではどのような変化が生じている?
赤血球や血小板が新たにつくられなくなっている。
臓器移植において最も強力に抗原性を発揮する遺伝子群とは?
主要組織適合性複合体
*MHC: Major Histocompatibility Complex
ヒトのMHC:HLA
白血病(Leukemia)は、
「血液のがん」ともいわれ、遺伝子変異を起こした( )が骨髄で自律的に増殖して正常な造血を阻害し、多くは骨髄のみにとどまらず血液中にも白血病細胞があふれ出てくる血液疾患。
造血細胞(白血病細胞)
白血病では、
白血病細胞(造血細胞)が造血の場である( )を占拠するために
造血が阻害されて正常な血液細胞が減るため感染症や貧血、出血症状などの症状が出やすくなる。
骨髄
*あるいは骨髄から血液中にあふれ出た白血病細胞がさまざまな臓器に浸潤して障害することもある。
急性白血病は( )能を持つ造血幹細胞の遺伝子が変化して、正常な分化能の喪失と不死化(細胞寿命の延長)を得るか、
前駆細胞に同様の遺伝子異常+自己複製能の再獲得があって発生する白血病幹細胞を基にすると考えられている。
自己複製
造血幹細胞は極めて少数で、その多くは( )で支持細胞に守られながら休眠している。
造血幹細胞は造血が必要なときに目覚めさせられて2つに分裂し、
①元の幹細胞と同じ細胞であり(自己複製)再び眠りに付く。
②分化の道をたどり始めて( )となり、盛んに分裂して数を増やしながら分化・成熟して多くの血液細胞を生み出す。
造血幹細胞ニッチ
前駆細胞
正常な造血幹細胞もしくは前駆細胞の遺伝子に変化が起こり、
細胞の分化能に異常が起き、
また細胞に不死化をもたらすものが( )である。
白血病幹細胞
正常な造血幹細胞は( )の構成細胞や造血因子のコントロール下にあり自律的な増殖はしない。
しかし、白血病幹細胞は造血因子の有無に関係なく増殖(自律的増殖)する。
ニッチ
*ニッチにおいて正常な造血幹細胞はほとんどが休眠期(細胞周期のG0期)にあるが、白血病幹細胞においては、正常な造血幹細胞に比べて細胞周期に入っている細胞の割合は高いと考えられる。
骨髄において造血幹細胞と、
それを支持する細胞によって作り出される微小環境のことを何という?
造血幹細胞ニッチ
Hematopoietic stem cell niche
造血幹細胞は細胞分裂は不等分裂で
①完全な自己複製された細胞
②血液細胞への分化の道をたどる( )細胞
になる。
②は盛んに細胞分裂をして数を増やしながら成熟した血液細胞へと分化・成熟していくが、
一旦分化・成熟の道をたどり始める造血幹細胞には戻ることは出来ないし、その増殖も盛んではあるが有限である。
造血前駆細胞
*造血幹細胞による新たな前駆細胞の供給が無いと一生に渡って血液細胞を供給し続けることは出来ない。
少数の造血幹細胞が枯渇しないように、
あるいは変質しないように保護する仕組みがある。
造血幹細胞は、骨髄内の特定の場所で支持細胞と接着し支持細胞によって増殖が必要な時以外は眠らされている。
このような、骨髄において造血幹細胞と支持細胞などが織り成す微小環境を( )と呼ぶ。
造血幹細胞ニッチ
2種類の造血幹細胞ニッチについて。
①( ):骨髄の奥深く内骨膜上で特定の性質を持つ骨芽細胞を中心に細網細胞(CAR細胞)など多種類の細胞によって構成されるニッチ
②( ):骨髄内血管である類洞血管の血管内皮細胞を中心とし他にはCAR細胞などからなるニッチ
骨芽細胞性ニッチ(Osteoblastic niche)
血管性ニッチ(Vascular niche)
骨芽細胞性ニッチについて。
骨髄の奥深く、内骨膜上に存在するSNO細胞は内骨膜の表面に接着し、
その表面に( )を持つ。
N-cadherinタンパク
*造血幹細胞もN-cadherinタンパクを持ち、SNO細胞と造血幹細胞はN-cadherinタンパクを介して接着している。
*SNO細胞はN-cadherin陽性であり、紡錘型の骨芽細胞。
SNO細胞と造血幹細胞がN-cadherinタンパクを介して接着している状態で、
SNO細胞が放出したリガンドAng-1(アンジオポエチン)が造血幹細胞のTie2レセプターに取り込まれると、
造血幹細胞では細胞周期の( )を維持する。
G0期
*細胞のアポトーシスが起こらないようになる。
SNO細胞と造血幹細胞がN-cadherinタンパクを介して接着している状態で、
Ang-1/Tie2シグナルはどのような働きをしている?
N-cadherinタンパクを介して接着をより強固にする働く。
( )ニッチについて。
骨髄内では、類洞血管内皮細胞に造血幹細胞とCAR細胞が接着して存在する。
血管性ニッチでは造血幹細胞の維持に加え、
造血幹細胞自身の増殖や血液細胞への分化にも多く関わっている。
血管性
( )ニッチは低酸素環境で静的であり、
そこに存在する造血幹細胞はほとんどがG0期の静止状態であり、造血幹細胞の維持に特化している。
骨芽細胞性
( )ニッチは酸素に富む環境で、
比較的多くの造血幹細胞が細胞周期に入っており、動的で造血に積極的に関わっている。
血管性
移植臓器や血液のリンパ球によって宿主が攻撃されることを何という?
移植片対宿主反応
(GVHR: Graft Versus Host Reaction)
*骨髄移植で問題になる。
治療過程で、
免疫抑制剤の投与によって、
ある種の感染症に対する免疫能が低下してしまうことがあるが理由は?
免疫系の働きが正常だと病原性をほとんど記さない真菌や原虫などが増殖するから。
血液型が一致したドナーから輸血を受けた場合に、
輸血した血液中の細胞によって攻撃を受ける理由は?
輸血用の血液中に含まれているリンパ球にろて、
輸血された人の組織は非自己の抗原を持っているため。
心臓を移植すると、
移植された心臓は健常人のように運動時直ちには心拍数は上昇しない。
運動開始後1-2分してから徐々に心拍数が上昇する理由は?
移植心臓は自律神経が接続しておらず、
副腎髄質から放出されるアドレナリンに反応して心拍数が上昇するまでやや時間がかかるから。
ES細胞をそのまま生体に導入するとどのような危険性があるか。
奇形腫を形成する可能性がある。
キメラマウスの子がキメラマウスでない理由は?
キメラマウス由来の配偶子は、
ES細胞由来または胚盤胞細胞由来の始原生殖細胞 から形成され、
どちらかのゲノムの 1セットしか含まない。
この配偶子が通常の経過で受精して発生すれば、子はキメラには成り得ない。
致死量のX-rayを浴びることで、
全血球が破壊されて死ぬことをなんという?
骨髄死
*汎血球減少(ハン)
それぞれの結果に起こることは?
①T細胞(ー)
②血小板(ー)
③赤血球(ー)
①T細胞(ー)→免疫系の低下
②血小板(ー)→出血傾向
③赤血球(ー)→酸素運搬困難
マウスAをX線処理し、Bマウスの骨髄を移植すると死んだ。
理由は?
移植後のマウスの全血球はマウスB由来になるため、そのT細胞はAマウスのMHCを異物だと認識して攻撃する。
幹細胞の分裂は( )分裂で、
これの維持は( )によるものである。
不等
ニッチ
*ニッチの例)骨芽細胞
造血幹細胞 は骨髄にいるが、
G-CSFというサイトカインを投与することで末梢血に流出させることができる。
造血幹細胞の表面には( )という分子が存在し、 この分子をマーカーとして造血幹細胞を選別することができる。
CD34
*臨床的にはCD34をマーカーとしており、CD34陽性の細胞から全血球を構築できる。ただし、最も未分化な本当の幹細胞はCD34陰性であることがわかっている。
造血幹細胞(HSC)には、
その( )を維持する遺伝子が発現している。
幹細胞性
stemness
ほとんどの細胞がドルマントであると答案に書きたい時は何という表現が最適?
G0期滞在時間が長い。
幹細胞によって供給される3種類の小腸上皮細胞とは?
①吸収上皮細胞
②杯細胞(粘液分泌)
③内分泌細胞(生理活性物質(消化管ホルモン)放出)
*幹細胞自身は滅多に分裂しない。
基底層のある部分は真皮側に深く食い込んで毛包を構成する。
毛包の一部は( )を形成し、皮脂を分泌する。
また、一部は真皮内に隆起して( )と呼ばれる。
脂腺
隆起領域 (bulge region)
胎生期のマウスから表皮の標本を作製し、基底層での前駆細胞の分裂の様子を観察すると、
細胞分裂面が基底膜に垂直な細胞と、
基底膜に平行な細胞とが存在することがわかった。
これらの違いは?
垂直な細胞:均等分裂で前駆細胞が増加する分裂様式
平行な細胞:不等分裂で表皮細胞を与える 分裂様式
貧血の場合、
赤血球を増幅するために( )が盛んに分泌されるが、
幹細胞はドルマントなので、
それの標的となるのは( )である。
エリスロポエチン
CFU-E
*CFU-Eは、TAcellとして増殖するため、赤血球を増やすことができる。
HSC→BFU-E→CFU-E→各種赤芽球→(脱核を経て)→赤血球
各種赤芽球から赤血球に分化する過程では脱核があるが、
脱核とは?
DNA複製を伴わない極度の不等分裂
体性幹細胞は、
ES細胞やiPS細胞とどう異なる?
体性幹細胞:分化多能性を持つが全能ではなく、寿命は体細胞に比較すれば長いが有限である。
ES細胞やiPS細胞:分化全能性を持ち、寿命は無限と考えられている。
幹細胞の研究において、
in vitroでは限界があるとされている理由は?
ニッチと切り離されているから。
血管内皮細胞を収縮させるペプチドとは?
エンドセリン
*ノックアウトマウスを作製するとあらゆるところに奇形が見られたことから、エンドセリンの機能は血管内皮細胞を収縮させることだけではないことがわかる。
真核細胞にも毒性があるが、
腸管からは吸収されないので経口投与だけ臨床で使用可能である抗生物質の代表は?
ネオマイシン
組織(体性)幹細胞とは?
ある組織の構成細胞すべてを与える細胞のこと。
組織幹細胞の代表例は造血幹細胞(HSC)である。 造血幹細胞は、赤芽球–赤血球系、顆粒球系、巨核球–血小板系、リンパ系のすべての血球に分化することのできる(多能性)細胞で、主に( )に存在する。 分化したら幹細胞ではなくなってしまうので、 ( )を行い、 常に幹細胞のプールが維持されている。 自己複製能と多分化能を支えるメカニズムは( )であ る。
骨髄
自己複製
不等分裂
幹細胞の分裂は( )分裂で、
幹細胞が分裂すると、1個の娘細胞は幹細胞のままであるが、
もう1個の娘細胞は何らかの系統に分化する( )になっている。
このような自己複製能と多分可能が幹細胞を特徴づける性質である。
不等
前駆細胞 (precursor)
幹細胞の細胞生物学的性質はどのようなものか ?
2つ
①分化した細胞に比較して寿命が長い。
②分裂回数が少ない。
幹細胞の細胞生物学的性質として、
分化した細胞に比較して寿命が長いことがある。
幹細胞は個体の生涯においては、
事実上無限の寿命を持つと考えられてい る。
これに対して前駆細胞は常に有限の寿命しか持たない。
そして、( )が進めば進むほど寿命は短くなる。
分化度
*例えば、造血幹細胞は個体 2~3世代分の寿命を持つといわれ、有限ではあるが、個体の寿命を考えれば無限に近い。
幹細胞の細胞生物学的性質として、
分裂回数が少ないことがある。
G0期にとどまる時間が長く、
幹細胞の分裂速度は非常に遅い。
これの理由は?
これは当然のことで、DNAに変異が起こる最も危険なイベントは ( )である。
不死化している幹細胞では DNA複製の回数は最 低限に抑制されなければならない(発 がん促進的な変異が蓄積しやすくなる)。
これは当然のことで、DNAに変異が起こる最も危険なイベントはDNA複製である。
不死化している幹細胞では DNA複製の回数は最 低限に抑制されなければならない(発がん促進的な変異が蓄積しやすくなる)。
ES細胞を治療に応用するメリットは?
臓器に分化させることができれば、
臓器移植と異なり、ドナーを確保する必要なく健全な臓器が得られる。
ES細胞を治療に応用するデメリットは?
ES細胞の採取には倫理的問題がある。
拒絶反応は起こる。
受精卵などに導入した外来遺伝子を発現している動物を何という?
トランスジェニック動物
細胞Xに多能性があるか確認するために必要な実験は?
偽妊娠マウス、キメラ、子宮
マウスの胚盤胞を得て、その胚盤胞にXを移植する。
これを偽妊娠マウスの子宮腔内に入れて発生させる。
得られたマウスの全組織がX細胞由来の細胞も含むキメラであれば、
Xの多能性が確認されたことになる。
細胞Xに多能性があるか確認する際に、
細胞XがT細胞由来である場合の利点は?
XはT細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成を起こしており、
T細胞受容体遺伝子の配列を調べることでキメラ性を確認できるから。
*iPS化しても再構成されたままで、特定のTCRのみ発現しているはずだから。
キメラとモザイクの違いは?
キメラとは、遺伝情報の異なる細胞が融合したもの。一つの個体が、複数の遺伝情報を持つ。
モザイクとは、遺伝情報の発現の違いから生じる。
白血球が減少して感染症にかかりやすくなる状態を何という?
易感染性
血球を標的とする化学療法による問題を3つ。
①白血球↓:易感染性
②赤血球↓:O2↓(細胞に十分供給されない)
③血小板↓:出血傾向
小腸上皮の組織幹細胞が存在する部位の名称は?
陰窩
Crypt