⑦エピジェネティクス Flashcards
脊髄小脳失調症と呼ばれる遺伝性の中枢神経系変性疾患は、
世代を経るごとに発症年齢が若くなり、症状も重症化することがある。
このような現象を何という?
表現促進
anticipation
血友病は凝固因子の欠損症であるが、通常は男児にしか発症しない理由は?
凝固因子の遺伝子はX染色体上にあり、血友病は劣性遺伝だから。
Mendel遺伝
ミトコンドリア脳筋症の中には遺伝性の病型があるが、母親からしか遺伝しない理由は?
母性遺伝(母系遺伝、細胞質遺伝)
maternal inheritance
Prader-Willi症候群は15番染色体長腕に欠失を認めることが多いが、欠失している遺伝子は必ず父親由来である。
この現象に関連するのは?
genomic imprinting (刷り込み)
両親の一方が家族性大腸ポリポーシスに罹患している場合、子は1/2の確率でこの疾患を発症する。
この疾患の遺伝型は?
常染色体優性遺伝
Mendel遺伝
ヒトを含む生物の遺伝情報は、主に核内のDNAにコードされている。
ヒトの場合、個々の細胞核に含まれるDNAを引き延ばすと( )mにも達する。
2
ヒトの場合、体細胞内には( )本の( )と呼ばれる構造がある。
そのうちの( )対は( )、 残りの2本は( )と言われる。
46 染色体 22 常染色体 性染色体
( )はヌクレオソームと呼ばれる構造が集まっており、
個々のヌクレオソームは( )と呼ばれるタンパク質の(8)量体による構造にDNAが糸巻きのように巻き付く形態をとっている。
クロマチン
ヒストン
個々のヌクレオソームの大きさは概ね( )mである。
このヌクレオソームの間期にみら れる形態を( )という。
10
ヘテロクロマチン
規則正しくヒストンに巻き付いていた DNAの一部がほぐれた状態となり、
その部分の配列に特異的に( )が 結合するプロセスを経て、転写やDNA複製 や修復などが行われる。
転写因子(activator)
ヒストンの( )残基のアミノ基が( )化されることにより、
ヒストンの塩基性が低 下 して、ヒストンとDNAの結合が弱くなり、遺伝子発現が促進される。
リシン
アセチル
ウイルスゲノムDNAが酵素Rにより特異的な回文塩基配列の場所で切断される場合、
このような現象の原因となっている酵素を総称して何とよぶ?
制限酵素
DNAが切断される前に、
特定の酵素Mがある回文塩基配列に作用した場合、
酵素Mの反応によりウイルスゲノムDNAの分子量は増える。
酵素Mが行っている反応とは?
シトシンのメチル化
*メチル化酵素は自己DNAを制限酵素から保護する作用がある。
ほとんどの細胞で構成的に発現している 、細胞活動に必須の遺伝子のことを何という?
ハウスキーピング遺伝子
*メチル化されていないから常に転写され、よって構成的に発現している。
ハウスキーピング遺伝子は構成的に発現している遺伝子であるため、その上流の( )のCはメチル化されていない。
CpGアイランド
*Cがメチル化されると転写因子との結合が障害されるなどの理由で遺伝子発現は抑制されるから。
*ハウスキーピング遺伝子の上流にあるCpGはメチル化 を免れているため安定に存続してきものと考えられる。
メチル化Cが脱アミノ 化されると( )に変換され、これは本来DNA中に存在する塩基なので、この変異は修復するのが困難である。
チミン
*ゆえに、進化の途上でメチル化されたCpG配列は脱落してゆき、現存する生物のDNA中にはメチル化された CpG配列は少ない。
( )酵素は、CpGまたはGpCと並んだメチル化Cを認識する。
維持メチル化
*CpGの相補鎖はGpCであり、DNAが複製された場合に、いずれの鎖も一方はメチル化 Cを含んでいるので、維持メチル化酵素の基質となり、新生鎖のCがメチル化される。
DNA2本鎖の一方の5’…CpG…3’のシトシンがメチ ル化されているときに、
相補鎖の 3’-CpG-5’のシトシンをメチル化する酵素を何という?
維持メチル化酵素
*この酵素の働きに よつて、DNA複製の際にメチル化パターンは正確 に維持されることになる。
メチル化されていないCpGのシトシンをメチル化する酵素を何という?
新規メチル化酵素
ヘテロ接合隊に現れる形質のことを一般に何という?
優性形質
父親由来あるいは母親由来の対立遺伝子のうち、
一方しか発現しない現象を何という?
インプリンティング(刷り込み)
genomic imprinting
*発現しない方の遺伝子はメチル化によって不活性化を受けていることが多い。インプリンティングを受けるかどうかは配偶子形成の過程で決まる。刷り込みを受ける遺伝子は、ヒトでは約30知られている。
毛色を決めるのは( )である。
メラニン
メラニンはアミノ酸の( )を原料として合成される。
メラニンは複数あり、
( ):ドーパ経由で合成される
( ):ドーパキノン経由で合成される
チロシン
ユーメラニン(黒)
フェオメラニン(黄)
毛は表皮が陥入して形成された毛嚢の基部で細胞分裂が起こることによって伸長する。
毛の伸長は周期的に行われる(毛周期)。
毛嚢基部の細胞は、周囲の( )からメラニンを受け取ることで着色する。
メラノサイト
プロセッシングでは何が起こるか。
主要な過程を3つ
①5’にキャップが付加される。
②イントロンが切り出され る(スプライシングが起 きる)
③3’にポリAが付加される。
獲得形質とは?
個体が獲得した後天的な形質を獲得形質という。
獲得形質が遺伝しないというのはなぜ?
後天的な形質であるからDNAには変化がなく、
次世代には遺伝しない 。
ヒストンの形成について。
( )が2分子、( )が2分子会合して4量体となってDNAが巻きつく。
この際、( )溝がヒストンに接するように巻きつく。
巻きついた芯にはH3・ H4の 4量体があるわけであるが、この芯に( )の会合した2量体が2個組み込まれてヌクレオソー ムの基本構造が完成する。
H3
H4
副
H2A•H2B
*ヒストンは結局 8量体 odanlerを 形成することになる。
リシンのメチル化は( )クロマチンになる方向に作用する。
ヘテロ
リシンのアセチル化は遺伝子の( )の方向に働く。
発現
シトシンのメチル化が起きる2つの機序は?
①転写因子の接近阻害
②メチル化シトシンに結合するリプレッサー
遺伝子のメチル化はシトシン塩基の( )位に生じ、
このメチル化シトシンは( )反応により別の塩基チミンに転換される。
5
脱アミノ化
生体内では赤血球の形成過程に必須な方酵素である葉酸を欠乏すると( )を生じる。
巨赤芽球性貧血
*血液内科の重要疾患である。
ノルアドレナリン→アドレナリンに変換する際に( )反応が起こっているが、
それは何という酵素によるもの?
メチル化
SAM(S-アデノシンメチオニン)
葉酸は生体内でジヒドロ葉酸還元酵素により2段階の還元を受け、( )を生成する。
テトラヒドラ葉酸
テトラヒドラ葉酸は、
SAM(S-アデノシルメチオニン)とともに( )の担体として、
プリン、ピリミジンなどのアミノ酸代謝に関与している。
C1単位(メチル基)
DNAおよびヒストンのメチル基供与体として働くのは何?
SAM(S-アデノシンメチオニン)
*メチオニン→SAM bySAM合成酵素
脊椎動物細胞では、DNAのメチル化は( )によってメチル基供与体からメチル基が( )に転移されて起こる。
DNAトランスフェラーゼ
システイン
メチル化を供給したSAMは、S-アデノシルホモシステインを経て( )に加水分解される。
ホモシステイン
ホモシステインは( )からメチル基を受け、
メチオニン合成酵素により再びメチオニンとなる。
5-メチルテトラヒドロ葉酸
*この反応はビタミンB12を補酵素として要する。
プリン環もピリミジン環も複雑な構造をしている。
環を構成するNの多くは( )に由来する。
一方、Cは( )が運んでくることが多い。
アミノ酸
葉酸
プリン塩基は( )回路において、はじめからリボースに結合した形で合成される。
ペントースリン酸回路
リボース骨格の供給源は( )であり、
合成の原料となるのはグリシン、アスパラギン酸、二酸化炭素である。
ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)
*ピリミジン塩基はカルバモイルリン酸、アスパラギン酸などから合成される。
原料から塩基を合成する経路を何という?
新規de novo合成経路
DNAやRNA(特にmRNA)が分解されて生じたヌクレオチド(特にプリン塩基)を
そのまま再生利用して塩基を合成する経路を何という?
salvage回路
*salvage回路の以上は種々の疾患に関わっている。
Ayaマウスは、毛が黄色になるだけではなく、
肥満や( )抵抗性による高血糖を示し、さらには悪性腫瘍が好発する。
このことは、Ay遺伝子産物が( )以外の細胞にも過剰なシ グナルを送ることを示している。
インスリン
メラノサイト
インスリン抵抗性とは?
インスリンが分泌されているのに、
インスリンのシグナル伝達が起きない。
インスリンが受容体に結合して、チロキシンキナーゼが活性化されるときに妨害するタンパク質があるなど。
rRNA遺伝子のように、絶えず大量の RNAを転写しなければいけない領域では、
コンセンサス配列よりも強いプロモーターが必要である。
このようなプロモーターの持つ塩基配列として( )がある。
アップエレメ ント
up element
コンセンサス配列やアップエレメントのような塩基配列があるだけでは
RNAポリメラーゼは DNAに結合しない。
RNAポリメラーゼ がDNAに結合するためには
( )というタンパク質が必要である。
σ因子(シグマ)
*σ因子は-35、 -10付近の塩基 配列を認識してDNAに結合する。
*転写が始まるとσ因子はRNAポ リメラーゼから離れる。
RNAポリメラーゼはDNAの上を滑っていき転写を進行させるが、 この酵素には、 転写の終わった鋳型鎖の出口:( ) 転写の終わった非鋳型鎖の出口:( ) ヌクレオチドのはいてくる入口がある。
転写の終わった鋳型鎖の出口:(Tチャネル)
転写の終わった非鋳型鎖の出口:(Mチャネル)
原核生物では、転写反応が転写終結領域 (タ ーミネーター)に至ると①または②の機構で転写が終了する。
①( )という転写を終結させるタンパク質が転写を終結させる。
②転写された mRNAが( )構造を形成して、転写終結のシグナルになる。
①ρ因子(ロー)
②ステムループ
*②mRNAの3’側にはUが並ぶことが多い。
真核生物の転写において。 ポリメラーゼIIがDNAに結合するために最低限必要な塩基配列は4箇所にある。 ①-35付近:BRE ②-30付近:TATAボックス ③0付近:イニシエーターエレメント(Inr)、転写開始部位を含む。 ④+30付近:DPE これらの塩基配列を( )という。
コアプロモーター
真核生物の転写において。
pol IIがDNAに結合するために必要なタンパク質は原核生物のσ因子と異なって、
沢山の種類があるため総称は( )である。
基本転写因子
遺伝暗号表を決定する実験では開始コドンがないのになぜペプチドの合成が起きた?
Mgイオン濃度が非常に高い条件で行ったため、開始コドンや開始因子がなくても翻訳が開始した。
詳細不明
エピジェネティクスとは?
DNAの塩基配列以外の遺伝情報で、
体細胞分裂を経ても再現される情報。
エピジェネティックな遺伝情報としては、
アセチル化をはじめとするヒストン修飾のパターン、
DNAのシトシンのメチル化パターン、
およびそれらによって規定される( )の発現パターンが挙げられる。
非コードRNA
非コードRNAによる転写後制御のうち、
動物では特に( )による転写後制御が重要である。
microRNA
*長鎖非コードRNAもヒストン修飾やシトシンメチル化を制御し、転写制御に関与している。
X染色体の不活性化は( )によって起こる。
Xist
ヒストンがアセチル化される際、
アセチル基の供与体となるのは何?
アセチルCoA
ヒストンやシトシンがメチル化される際、
メチル基の供与体となるのは何?
SAM
*SAM(S-アデノシルメチオニン)はメチオニンから生成される。