肝胆膵 Flashcards

1
Q

肝は腹腔内右上部に存在する、
人体最大の内臓である。
重量は( )kg であり、8 つの区域からなる。
(Couinaud肝区域分類)

A

1〜1.5

※S1は尾状葉と呼ぶ。

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2
Q

肝動脈、門脈、胆管は肝門部で腹側からどの順で並ぶ?

A
胆管>冠動脈>門脈
※GAPで覚える
Gall bladder:胆嚢
hepatic Artery:肝動脈
Portal vein:門脈
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3
Q

腸管や脾からの静脈血を集めた門脈は
肝内で右枝と左枝とに分かれる。
肝を通過後の血流は 右・中・左・短肝静脈となり、
( )へ流入する。

A

下大静脈

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4
Q

胎生期に臍静脈であった構造を( )と呼ぶ。

肝円索を肝中枢側へたどると( )に達する。

A

肝円索
門脈
※胎生期に静脈管が走行していた構造を静脈索裂と呼び、尾状葉と外側区域を境界する。

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5
Q

肝血流は心拍出量の約( )%(1〜2L/分)。

門脈血:肝動脈血=( ):( )程度である。

A

30%
門脈血:肝動脈血=(7):(3)
※心拍出量:5L/分

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6
Q

肝は約2,500億個の肝細胞から構成される。
約50万個の肝細胞が配列をし、
( )を形成する。

A

肝小葉

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7
Q

肝小葉は( )で仕切られ、

( )を中心部とした六角柱構造をとる。

A

Glisson鞘

中心静脈

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8
Q

肝小葉は、

周囲には(小葉間)( )、( )、( )やリンパ管が存在する。

A

門脈
肝動脈
毛細胆管
→3つ組と呼ぶ。

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9
Q

3 つ組と中心静脈には( )を介した交通がある。

A

類洞

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10
Q

類洞内には、
( )細胞:肝のNK細胞に該当
( )細胞:肝のMΦに該当
類洞上皮細胞がある。

A

Pit細胞

Kupffer細胞

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11
Q

類洞周囲にはDisse腔が存在し、

ここにある星状細胞〈伊東細胞〉が( )の貯蔵や繊維形成を行う。

A

ビタミンA

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12
Q

肝臓が合成・産生するものでアルブミンがあるが、

それの半減期は?

A

2〜3週間

※コレステロール、胆汁酸、尿素も産生する。

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13
Q

肝臓が分解・解毒を担う代表的なもの2つ。

A

エストロゲン

アンモニア

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14
Q

( )から左側が外科的左葉である。

A

Cantlie 線

※外科機能的右葉と外科区域的左葉の間

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15
Q

肝臓の前区域(S5,8)と後区域(S6,7)の間に走行する血管は?

A

右肝静脈

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16
Q

外側区域(S2,3)と内側区域(S4)の間を走行する血管は?

A

左肝静脈

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17
Q

内側区域(S4)と前区域(S5,8)との間を走行する血管は?

A

中肝静脈

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18
Q

外側区域(S2,3)と内側区域(S4)の間を走行する膜は??

A

肝鎌状間膜

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19
Q

胆汁は肝で合成され、
毛細胆管から肝内胆管を経て左右の( )に集まる。
これらが合流し、総肝管となる。

A

肝管

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20
Q

総肝管は( )の合流後、
( )と名を変え、
十二指腸のVater乳頭へ注ぐ。
胆汁は腸内での脂肪吸収を担う。

A

胆嚢管

総胆管

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21
Q

合成された胆汁は内圧の差により、
胆嚢へ入り貯蔵される。
胆嚢は主に食事による( )刺激により収縮する。

A

コレシストキニン〈CCK〉

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22
Q

胆汁は( )、胆汁酸、( )接ビリルビンなどから構成される。

A

コレステロール
直接
※胆嚢壁は円柱上皮で構成され、粘膜筋板と粘膜下層とが存在しない。肝底部は漿膜も欠く!!

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23
Q

胆嚢の粘膜上皮内には( )と呼ばれる憩室が存在する。

A

Rokitansky-Aschoff洞

※胆嚢壁は粘膜下層と粘膜筋板は欠如している。

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24
Q

赤血球などに由来する( )接ビリルビン(脂溶性)は門脈を経由して肝細胞へたどり着く。
肝細胞で( )抱合を受け、
( )接ビリルビン(水溶性)となり、
胆道内へ排出される。

A

間接→グルクロン酸→直接

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25
腸管へ流れ着いた直接ビリルビンは( )の働きにより( )へと変性され、便中へ排泄される。
腸内細菌 ウロビリノゲン(無色)→ステルコビリン(便色) ※ウロビリノゲンの一部は再度腸管から吸収され、 血中に入り、一 部尿中へ排泄される(腸肝循環)。
26
結石や癌により胆道が閉鎖されると、 | 血液中にビリルビンが漏出し、( ) が出現する。
黄疸〈jaundice〉 | →これを閉塞性黄疸と呼ぶ。
27
``` 閉塞性黄疸の所見として、 胆汁不足により 尿中( )低下 ビタミン( )低下 ( )色便がある。 ```
尿中ウロビリノゲン低下 ビタミンDAKE(脂溶性Vit) 灰白色便
28
膵は特徴的な発生形態をもつ。 | ( )胚葉に由来する十二指腸の( )側膵芽が裏面へ回転し、( )側膵芽と癒合し( )を形成する。
内胚葉由来 腹側 背側 主膵管〈Wirsung管〉
29
主膵管〈Wirsung管〉は、 | ( )へと膵液を導出する。
十二指腸のVater乳頭〈大十二指腸乳頭〉
30
背側膵芽と十二指腸の接合部を( )と呼び、 | 後に閉鎖または( )の出口となる。
小十二指腸乳頭 副膵管〈Santorini管〉 ※副:SubのSantoriniで覚える。
31
BT-PABA 試験〈PFD 試験〉は 膵由来の( )活性を主に調べる検査で、 試薬代謝に関与する臓器(腸管、肝、腎など)の障害でも尿中( )が低下する。
キモトリプシン PABA排泄量 ※経口摂取したBT-PABAがキモトリプシンによって、 BT(→代謝)とPABA(→尿中)になる。
32
東南アジア旅行などでみられ、 | 生牡蠣や飲料水より経口感染するウイルス性肝炎は何型?
A型肝炎 | →特異的治療は存在しないため、対症療法とする。
33
A型肝炎は、 診断にはIg( )型HA抗体を使用する。 Ig( )型HA抗体陽性は過去の感染を示す。
診断:IgM型HA抗体 | 既感染:IgG型HA抗体陽性
34
母子感染の場合、大半は無症候性キャリアとなり、 | 性交感染の場合、一過性の急性肝炎症状が みられることもあるが、多くは治癒するウイルス性肝炎は何型?
B型肝炎 →唯一DNAの肝炎ウイルス ※一部症例において、急性肝炎(さらには劇症肝炎)、 慢性肝炎を呈する。 →肝萎縮により肝濁音界はしばしば縮小する。
35
B型肝炎では、 免疫を持たない者に針刺しなどでウイルスが体内に侵入した場合、発症を予防するには抗( )が有効。 その際、( )も併用する。
HBsヒト免疫グロブリン(受動免疫) | HBワクチン(能動免疫)
36
B型肝炎が慢性化した場合には、 インターフェロン〈IFN〉と核酸アナログを使用する。 核酸アナログを3つ。
1. エンテカビル 2. テノホビル 3. ラミブジン
37
``` B型肝炎は、 抗癌化学療法や免疫抑制療法にて再活性化をきたしうるため、治療前に以下の検査が必要である。 1.( ):存在を示す 2.( ):感染力の強さを示す←既感染 3.( ):残存を示す←既感染 ```
1.HBs抗原:存在を示す 2.HBe抗体:感染力の強さを示す←既感染 3.HBc抗体:残存を示す←既感染 ※cはcore
38
C型肝炎は、慢性ウイルス性肝炎の原因として最多。 genotype1〜6に分けられ、 日本人ではgenotype( )が多い。
1b ※なのに、IFNはgenotype2に有用。 抑うつや間質性肺炎、出血経口などの副作用あり。
39
HCVの合併症として、 | ( )血症や膜性増殖性腎炎〈MPGN〉などがある。
クリオグロブリン ※治療薬IFNとリバビリンに加え、 近年新薬ソホスブビルやレジパスビルがある。
40
D型肝炎は( )型肝炎の存在下で性交・血液・母子感染する。
B
41
E型肝炎は( )肉・( )肉・( )肉の生食が原因となる。
ブタ イノシシ シカ →特異的治療は存在しないため、対症療法とする。
42
急性肝炎では、 インフルエンザ様の症状(発熱、全身倦怠感、筋痛など)に加え、黄疸や肝腫大をみる。 重症度の指標として( )の測定が有用。
PT ※外因系を見る →VII凝固因子は半減期が短い(急性)
43
慢性ウイルス性肝炎の約70%がHCV、 約20%がH( )V による。 血中ASTとALTが上昇し、 慢性肝炎では( )がより上昇傾向にあることが多い。
B ALT(小葉辺 縁 性) ※特にALT値は肝炎活動性の指標として有用。 ※ASTが中心まで壊された時に上昇。
44
慢性肝炎の腹腔鏡では | 肝表面の赤色紋理が、病理では( )がみられる。
interface
45
``` 劇症肝炎は、 肝炎のうち症状発現後( )週以内に ▷肝性昏睡( )度以上  かつ ▷PT≦( )%またはPT-INR≧1.5 を呈したものをいう。 ```
``` 症状発現後8週以内 肝性昏睡II度以上 PT≦40% ※昏睡型急性肝不全とも呼ぶ。 ※PTは活性%低下=延長(秒数) ```
46
肝炎発症から10日以内のものを急性型、 11日〜8週のものを亜急性型とする。 ( )性型の方が予後が悪い。
亜急性
47
肝性脳症の昏睡度分類において II度では( )、 III度では( )傾向 がみられる。
II度:羽ばたき振戦(アスレテキシス) | III度:傾眠傾向(外的刺激に対しては覚醒する)
48
劇症肝炎の原因のおよそ半数はウイルス性肝炎である。 | 最多は( )型肝炎、次は( )型肝炎。
最多:B型 2位:A型 ※ほか、自己免疫性肝炎や薬剤も原因となる。
49
劇症肝炎の治療は、 | ( )療法や血液透析、( )が有効。
血漿交換 | 肝移植
50
脂肪肝は肝の生検標本において30%以上の肝細胞に主として( )からなる脂肪滴が蓄積した状態。
中性脂肪 ↑コレステロールではない!! ※インスリン感受性の低下をみる。
51
脂肪肝の血液検査では 肝酵素上昇(非アルコール性では A( )T優位をみる。
ALT ※エコーで白! CTで黒(低吸収域)
52
アルコール摂取を誘因としない脂肪肝で | 肝細胞への脂肪沈着を伴う慢性進行性壊死性肝障害とは?
非アルコール性脂肪性肝炎〈NASH〉 | ※メタボリックシンドロームとの関連が深い。
53
アルコール性肝障害は、長期にわたるアルコール摂取過剰により肝障害を呈した状態。 | 同一摂酒量では( )性の方が罹患しやすい。
女 | ※脂肪肝、肝線維症、肝炎を呈する。末期には肝硬変へと至り、癌の発生母地となる。
54
アルコール性肝障害の血液検査では 肝酵素の上昇をみる。→A( )T優位 γ-GTP や白血球、Ig( )の上昇もみられる。
AST IgA ※アルコール性の肝炎は急性のもの。 ※γ-GTPはアルコール関係
55
``` アルコール性肝障害の肝生検による病理画像では 好( )球浸潤、 ( )体、 肝細胞( )化、 肝細胞周囲線維化〈pericellular fibrosis〉をみる。 ```
好中球浸潤 アルコール硝子体〈Mallory小体〉 肝細胞風船化〈ballooning〉 →禁酒を指導する。
56
自己免疫性肝炎〈AIH〉は、 | 自己免疫機序(HLA-( )陽性例が多い)により発生する肝炎。
DR4 ※中年女性に好発。 →多くは無症状。
57
自己免疫性肝炎の血液検査では、 AST、ALT、Ig( )の上昇がみられる。 抗核抗体と抗( )抗体も陽性となる。
IgG 抗平滑筋抗体 ※ALPは正常値←胆道safe!
58
自己免疫性肝炎の生検による病理像では ( )肝炎、形質細胞浸潤をみる。 治療には( )が有効。
interface肝炎 | 副腎皮質ステロイド
59
AIHの合併症には、 原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉、 ( )症候群、 慢性甲状腺炎〈橋本病〉、 関節リウマチなどがある。
シェーグレン症候群 | ※自己免疫性肝炎〈AIH〉
60
自己免疫機序により発生する胆管の炎症性破壊とそれにより惹起される肝硬変とは?
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉 | ※Primary Biliary Cholangitis
61
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉は( )陽性例が多い。
HLA-DR8 →中年女性に好発。 ※AIHはHLA-DR4陽性
62
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉の初期症状として | ( )を訴えることが多い。
皮膚掻痒感 | →黄疸も出現する。
63
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉の血液検査では、 AST、ALT、Ig( )の上昇がみられる。 抗( )抗体も陽性となる。
IgM 抗ミトコンドリア抗体 ※ALPは高値となる。←胆管の炎症だから!!
64
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉の生検による病理像では小葉間胆管の( )炎がみられる。
非化膿性破壊性胆管炎(主にリンパ球と形質細胞が浸潤)
65
原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉の治療に有効なのは? | 肝移植も行われる。
ウルソデオキシコール酸 | ↑肝庇護薬
66
PBCの合併症で特徴滴な疾患は?
骨粗鬆症 | ↑脂溶性のVitD低下2よる!
67
閉塞性肝静脈圧〈WHVP〉は、 肝静脈と下大静脈との合流部でバルーンを膨らませた際、肝静脈を完全に閉塞させるのに必要な圧のこと。 ( )圧と近似できる。
類洞
68
門脈圧亢進症は門脈圧が高値となった状態。 | 脾腫とそれに伴う血球減少、側副血行形成による( )形成などがみられる。
静脈瘤
69
肝外門脈閉塞症の門脈造影にて( )がみられる。 | WHVPは( )値。
海綿状血管増生 | 正常値
70
門脈圧亢進症のうち、 | 前類洞性に門脈圧が亢進するのは?
特発性門脈圧亢進症 | ※中高年女性に好発。
71
門脈圧亢進症のうち、 | 類洞〜後類洞性での障害により門脈圧が上昇するのは?
肝硬変
72
肝硬変では( )などと呼ばれる、へそを中心に周囲へ向かう腹壁静脈の怒張をみる。 | WHVPは( )値。
メデューサの頭 | 高値
73
門脈圧亢進症のうち、 | Budd-Chiari 症候群では肝静脈〜( )下大静脈における閉塞をみる病態。
肝部 | ※原発性のもののほか、発作性夜間ヘモグロビン尿症〈PNH〉などを背景に生じる場合がある。
74
Budd-Chiari 症候群は、 ( )行性の腹壁静脈怒張をみる。 WHVPは( )値。
上行性 高値 ※検査には下大静脈造影、右房造影が有効である。
75
上大静脈閉塞症における代表的な原因は、 肺癌の転移による上大静脈症候群などである。 ( )行性の側副血行が出現する。
下行性
76
門脈は, 膵臓の背側で何が合流して始まるか? 3つ
1. 脾静脈 2. 上腸間膜静脈 3. 下腸間膜静脈
77
肝予備能をみるものとしてChild-Pugh分類があり, 肝硬変の重症度の評価に有用であるが、 項目5つは?
1. 腹水 2. 血清Alb値 3. 血清Bil値 4. PT 5. 脳症
78
慢性肝障害に伴うクモ状血管腫は( )が肝で代謝・分解されずに体内に蓄積されることにより生じる。
女性ホルモン(エストロゲン) ※エストロゲンは毛細血管を拡張させる →クモ状血管腫あるいは手掌紅斑がみられる。
79
ICG〈インドシアニングリーン〉は緑色の色素。 本剤は静注された後、血中にて ビリルビ ン と同様の動態をとる。これが 15 分後にどれだけ停滞しているか、により肝予備能を評価することが可能。 基準値は?
基準< 10 %
80
貯留した腹水により、麻痺性イレウスをきたす。 この状況下で腹膜炎を呈した場合、 発熱と腹痛が出現する。 これを( )と呼ぶ。
腹膜炎〈SBP〉 | ※抗菌薬投与が有効。
81
肝硬変の検査では、 ( )指がみられることがある(原因不明)。 ( )葉は萎縮し、 ( )葉は腫大する傾向にある。
``` ばち指 右葉:萎縮 左葉:腫大 ※腹部画像検査(エコー、CT、MRI)では肝表面の凹凸、 脾腫、腹水がみられる。 ```
82
``` 肝硬変の食事指導では 食塩制限と低蛋白色とを指導する。 治療にはアルブミン補充、 抗アルドステロン薬:( )、 下剤:( )、肝移植を行う。  ```
抗アルドステロン薬:スピロノラクトン | 下剤:ラクツロース
83
肝細胞癌〈HCC〉は、肝細胞に生じた原発性悪性腫瘍。 ( )型肝炎由来の肝硬変を背景が最多。 腫瘍マーカーを2つ
C 型肝炎由来 AFP PIVKA-II(Protein Induced by Vitamin K Absence)
84
転移性肝癌は( )癌由来が大半を占める。
大腸
85
転移性肝癌の超音波検査では | 中心部高エコー・辺縁低エコーが見られるがそれを何という?
bull's eye | ※腹部CT・MRI・血管造影ではリング状濃染
86
肝膿瘍は肝内に生じた膿瘍で、 細菌性とアメーバ性がある。 それぞれの原因で最多なのは?
細菌性:大腸菌←経胆道 | アメーバ性:アメーバ原虫←経門脈
87
肝膿瘍の治療薬は? 細菌性:( ) アメーバ性:( ) 上記プラス ドレナージを行う。
細菌性:抗菌薬 アメーバ性:メトロニダゾール ※症状で発熱、右季肋部痛、叩打痛、肝腫大など。
88
Glisson鞘にある4つの脈管は?
``` 動脈 門脈 胆管 リンパ管 ※静脈はない。 ```
89
急性肝障害の重症度判定の尺度としては, 異常値として検査値に現れてくるまでの時間ができるだけ短いものがよい。 その代表が( )であり, これは重症型急性肝障害がみられると24時間後には低下してくる.
PT(プロトロンビン)時間 | ※PTが40%以下では肝機能は重症型障害を受けていると考えられる
90
肝予備能をみるものとしてChild-Pugh分類があり, 肝硬変の重症度の評価に有用である. 肝合成能,排泄能などが指標となり, 具体的な5項目とは?
1. 肝性脳症 2. 腹水 3. ビリルビン 4. アルブミン 5. プロトロンビン時間
91
血中アンモニアを低下させるのに有効なもの3つ
1. ラクツロース:腸管のpH↓→下痢 2. 非吸収性抗菌薬:腸内細菌増殖↓→有害窒素化合物生成阻止 3. 蛋白摂取制限
92
肝炎ウイルスの中で,再活性化をきたす注意すべきウイルスは?
B型肝炎ウイルス(HBV)
93
``` 肝炎をきたすウイルス感染症とその診断に必要な抗体検査の組合せについて。 A型急性肝炎 - ( ) B型急性肝炎 -( ) C型慢性肝炎 - ( ) 伝染性単核症 -( ) サイトメガロウイルス感染症 - ( ) ```
``` A型急性肝炎 - IgM型HA抗体 B型急性肝炎 - IgM型HBc抗体陽性 C型慢性肝炎 - HCV抗体 伝染性単核症 - VCA IgM抗体 サイトメガロウイルス感染症 - CMV IgM抗体 ```
94
体質性黄疸は肝における先天性Bil代謝障害によって生じる黄疸であり、多くは家族性に発生する。 | ( )以外は極めてまれ。
Gilbert症候群 | 発症年齢:20〜30歳
95
体質性黄疸をきたすもので間接Bil↑の症候群2つ。
Gilbert症候群 | Crigler-Najjar症候群@新生児期
96
体質性黄疸をきたすもので直接Bil↑の症候群2つ。
Dublin-Johnson症候群(黒色肝) | Rotor症候群
97
血中( )が高値の場合に、静注や経口による胆道造影は無効である。
ビリルビン | ※内視鏡的な造影は有効
98
胆嚢炎・胆管炎の原因病原体で最多は?
大腸菌 ※クレブシエラ属、嫌気性菌も多い。 →治療:輸液+ドレナージ・採石
99
胆嚢炎・胆管炎の症候3つとは? | またそれを何という?
``` Charcot3徴 1.発熱 「は」 2.黄疸 「お」 3.右季肋部痛 「き」 →+意識障害+ショック(Reynords5徴) ※「シャル子は早起きだ」 ```
100
肝細胞障害のみで( )は上昇しにくい。 | 飲酒と強い相関を示すのは( )である。
ALP | γ-GTP
101
胆嚢炎にみられる徴候で | 右季肋部を圧迫したまま患者に深呼吸させた際、痛くて呼吸が止まるのは?
Murphy徴候 | →胆嚢炎
102
胆嚢管合流部以降の閉塞により、 | 腫大した胆嚢を無痛性に触知する徴候とは?
Courvoisier徴候 | →総胆管結石・癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌
103
胆嚢頸部の結石嵌頓により、総胆管や | 総肝管が狭窄し、黄疸をみる症候群とは?
Mirizzi症候群 | →胆嚢管結石
104
十二指腸傍乳頭部憩室が胆管・膵管を圧迫 し、腹痛や黄疸、総胆管結石、膵炎をみる症候群は?
Lemmel症候群 | →十二指腸傍乳頭部憩室 (下行脚内側に好発)
105
原発性硬化性胆管炎〈PSC〉は、 肝内と肝外の胆管に線維性狭窄をきたす原因不明の疾患。 3つの特徴的な症候は?
1.腹痛 2.皮膚掻痒感 3. 黄疸 ※成人男性に多い。
106
原発性硬化性胆管炎〈PSC〉の合併症として | ( )炎と( )癌がある。
潰瘍性大腸炎 | 胆管癌
107
``` 原発性胆汁性肝硬変〈PBC〉について。 好発:( ) 抗体:( ) 黄疸:皮膚掻痒が先行しやすい 病理:非化膿性破壊性胆管炎 発生:肝内のみ 合併症:Sjo ̈gren 症候群、慢性甲状腺炎、関節リウマチなど ```
好発:中年女性 | 抗体:抗ミトコンドリア抗体
108
``` 原発性硬化性胆管炎〈PSC〉について。 好発:( ) 抗体:( ) 黄疸:消長を繰り返す 病理:( ) 発生:肝内にも肝外にも 合併症:潰瘍性大腸炎〈UC〉、胆管癌 ```
好発:成人男性 抗体:なし 病理:輪状線維化
109
IgG4 関連硬化性胆管炎は、 IgG4 関連疾患の一環としてみられる胆管炎で、 PSCとは病態が異なり、治療は何が有効?
副腎皮質ステロイド
110
胆嚢腺筋腫症では、 胆囊粘膜上皮と筋層の過形成、 ( )の増生がみられる病態。
Rokitansky-Aschoff洞 | ※限局型 (床部型)、分節型(輪状型)、全般型(びまん型)の分類がある。
111
胆嚢腺筋腫症の腹部超音波検査検査では、 | ( )様エコーがみられる。
コメット様(彗星) | ※MRCP〈MR 胆管膵管撮影〉にて胆嚢壁の肥厚や液体貯留像がみられる。
112
胆道癌は胆道系に生じた悪性腫瘍で、 | 腫瘍マーカーとしては( )や( )が高値となる。
CEA | CA19-9
113
胆嚢癌は背景として胆嚢結石や( )症の関与が知られる。
膵胆管合流異常 | →手術可能例では胆嚢摘出術。
114
胆嚢の黒色石の原因となる疾患を2つ
肝硬変 | 溶血性貧血
115
肝内結石で最も多いのは?
ビリルビンカルシウム石
116
急性膵炎は、膵酵素活性化により、 | 膵細胞が急激に崩壊する病態で最多の原因は?
アルコール | ※突発性、胆管結石、医原性、慢性膵炎、高トリグリセリド血症、副甲状腺機能亢進症など。
117
急性膵炎の症候としては 心窩部から( )にかけての ( )位で改善する痛みが見られる。
``` 背部 前屈 ※炎症により発熱が、腹膜炎を呈した場合に腹膜刺激症状がみられる。 →血管透過性↑(胸腹水・浮腫) →血圧↓ ```
118
急性膵炎では出血傾向となった場合、 皮膚の出血班が出現する。 Cullen徴候:( )に見られる出血班 Grey-Turner徴候:( )に見られる出血班
Cullen徴候:臍周囲 Grey-Turner徴候:左側腹部 ※「可憐なおへそ」
119
急性膵炎の血液所見で低下するもの。 DIC傾向があるため( )↓ 沈着があるため血中( )↓ 代謝性アシドーシスにてpH↓
血小板 | Ca
120
急性膵炎の画像検査では腹部エックス線にて( )性イレウス像がみられる。
麻痺(colon cut off sign と sentinel loop sign など) | ※腹部 CT では膵の境界不明瞭な腫大と周囲の液体貯留を認める。
121
急性膵炎の治療としてはまず絶飲絶食、( )を行う。
大量輸液 ※ERCPは禁忌!! →続いて蛋白分解酵素阻害薬や広域スペクトル抗菌薬の投与。
122
慢性膵炎は慢性的な膵の炎症と、それに伴う膵機能の低下をみる病態で、最多の原因は?
アルコール | ※突発性、胆管結石、脂質異常症など。
123
慢性膵炎の症候としては、( )痛が典型的。
繰り返す上腹部〜背部 | →下痢や脂肪便、耐糖能異常、局所性門脈圧亢進
124
慢性膵炎の画像検査では腹部エックス線やCTにて | ( )が、ERCP や MRCP にて主膵管の( )がみられる。
膵石(主成分は炭酸 Ca) 数珠状拡張 →治療:禁酒と禁煙
125
自己免疫性膵炎は、 IgG4 関連疾患の膵症状としてみられる膵炎で 中高年( )性に好発する。
男 ※腹部症状には乏しく、閉塞性黄疸と耐糖能異常とが発見の契機となることが多い。 →膵管の狭小化 →治療は副腎皮質ステロイド
126
膵内分泌腫瘍は、膵細胞の一部が腫瘍化し、 | ホルモンを過剰産生する病態で( )部に好発する。
膵体尾 | →いずれの腫瘍も造影効果は高い。
127
グリカゴノーマの由来は( )細胞で、 | 特徴として耐糖能異常、口内炎・舌炎、壊死性( )がある。
膵α細胞 | 壊死性遊走性紅斑
128
インスリノーマの由来は( )細胞で、 | 特徴としてWhipple 3 徴、肥満、( )試験での誘発がある。
絶食
129
``` ガストリノーマは 再発性難治性( ) 水様性脂肪性下痢 ( )Ca血症 ( )K 血症 ( )Cl 血症をきたす。 ```
再発性難治性消化性潰瘍 高Ca血症 低K 血症 低Cl 血症
130
Whipple3徴とは、 1. ( )発作 2. 血糖値≦ ( )mg/dL 3. 糖摂取で回復
1. 低血糖発作( 意識障害や手指振戦など) 2. 血糖値≦ 50mg/dL 3. 糖摂取で回復
131
膵嚢胞は膵内に液体成分の貯留した嚢胞が生じた病態で、 | 約8割を( )が、残りを( )が占める。
仮性嚢胞 真性嚢胞 ※ 膵仮性嚢胞は、外傷や膵炎が原因となって生じた、壁が上皮におおわれていない嚢胞。漿液の貯留がある。
132
膵真性嚢胞は、壁が上皮におおわれている嚢胞。 | 3分類とは?
1. 漿液性嚢胞腫瘍 〈SCN〉 2. 粘液性嚢胞腫瘍 〈MCN〉 3. 膵管内乳頭粘液性腫瘍 〈IPMN〉
133
膵真性嚢胞のうち高齢男性に好発するのは?
膵管内乳頭粘液性腫瘍 〈IPMN〉 ※外観は多房性囊胞(ぶどう房)、悪性化あり! 治療は膵頭十二指腸切除術
134
膵管内乳頭粘液性腫瘍 〈IPMN〉では主膵管( )、 | Vater 乳頭開大、膵管内乳頭状増生、膵管鏡での( )状上皮などがみられる。
拡張 | イクラ
135
膵癌は膵に生じた悪性腫瘍で、 やや男性に多く、罹患率は上昇中である。 そのうちの約90%は( )が占める。
膵管癌 | ※その他は腺房細胞癌、膵島細胞癌。
136
膵癌の症候としては腹部不快感や( )痛、体重減少がみられる。
背部(前屈位で改善) | ※膵β細胞が障害され、耐糖能↓。
137
膵癌の腫瘍マーカーは?
CA19-9 | (Span-1、DUPAN-2、CEA)
138
膵癌の好発部位は( )部で、 症候として閉塞性黄疸(Courvoisier徴候)がある。 治療は?
膵頭部癌(60%) 膵頭十二指腸切除術 ※ その他の膵体部癌と膵尾部癌は予後不良
139
人形の眼現象とは, 頭を急速に動かしたときに眼球は反対方向に動くこと。 意識障害において( )障害がある場合は消失する. また,覚醒時には認めない.
脳幹
140
脾腫をきたす感染症を2つ。
伝染性単核症 | マラリア
141
アルブミンが低下すると膠質浸透圧が低下し, 腹水(腹部膨満感)や浮腫を生じる. 基本の3つの対応とは?
1. 塩分制限 2. 水分除去(利尿薬,腹腔穿刺) 3. アルブミン補充
142
リンゲル液:Na ( )mEq/L | 生理食塩水:Na ( )mEq/L
リンゲル液:Na 130mEq/L | 生理食塩水:Na 154mEq/L
143
腹腔内臓器の炎症や腸管穿孔,腫瘍などがないにもかかわらず,感染性の腹水を有する病態で、 | 大部分は非代償性肝硬変を背景とする疾患は?
特発性細菌性腹膜炎(SBP) | →症状は発熱,腹痛,腹膜刺激症状,腹部膨満感など。
144
肝の組織学的所見で肝硬変像がなく, | 肝外門脈および肝静脈の閉塞や狭窄を認めないにもかかわらず,門脈圧亢進をきたす原因不明の疾患とは?
特発性門脈圧亢進症 | ※女性に多い。
145
脂肪肝では、 | 脂肪細胞より分泌される( )はインスリン感受性低下をきたす.
レジスチン
146
肝細胞の脂肪変性,肝臓の炎症・線維化などがみられる肝疾患は?
非アルコール性脂肪肝炎(NASH) →肝細胞の風船様変性 →Mallory-Denk body(マロリー・デンク体)
147
自己免疫による肝細胞障害がみられる肝疾患は? | (→慢性活動性肝炎)
自己免疫性肝炎(AIH) →ロゼット様配列・水腫状変化 →門脈辺縁の切り崩し現象(piecemeal necrosis)
148
肝内外の胆管(肝外胆管と比較的太めの肝内胆管)の障害がみられる肝障害は? | (→胆汁うっ滞)
原発性硬化性胆管炎(PSC) | →小葉間胆管周囲の線維化(onion skin lesion)
149
自己免疫による肝内の細小胆管(特に小葉間胆管)の障害にみられる肝障害は? | (→肝内胆汁うっ滞)
原発性胆汁性胆管炎(PBC) | →胆管上皮や周囲へのリンパ球浸潤
150
肝小葉中心が障害され、 | AST優位になる肝疾患2つ。
アルコール肝障害 | うっ血肝
151
アルコール多飲によりWernicke脳症を呈している可能性を考える時は、( )測定は重要である.
ビタミンB1 ※Wernicke脳症におけるMRI所見は, 急性期にはT2強調画像で第三脳室・中脳水道周辺の高信号域,慢性期には第三脳室の拡大,乳頭体の萎縮などがみられる.
152
肝細胞障害をきたす代表的薬剤2つ。
クロロホルム(CHCl3) | ハロセン
153
胆汁うっ滞をきたす代表的薬剤2つ。
クロルプロマジン | メチルテストステロン
154
AIHで高率に陽性となる抗体2つ。
抗核抗体 抗平滑筋抗体 ※抗平滑筋抗体はAIHで高頻度にみられるが,慢性活動性肝炎,原発性胆汁性胆管炎(PBC)などでもしばしば陽性を呈する.
155
トランスアミナーゼの上昇よりも 肝胆道系酵素(γ-GTP,ALP)の上昇が 優位となる肝疾患の代表疾患を2つ。
1. 原発性硬化性胆管炎 | 2. 原発性胆汁性胆管炎(→皮膚瘙痒感)
156
原発性胆汁性胆管炎(PBC)に対する第一選択薬は?
ウルソデオキシコール酸 | →胆汁排泄促進薬
157
肝細胞癌の転移で最も多い部位は?
肝内 →次いで肺,骨,副腎,胆囊・胆管への転移が多い. ※肝細胞癌の原因としてはC型肝炎が約65%を占める.
158
Gram陽性球菌で口腔内常在菌の一つで, | 高齢者や免疫不全者などでは肝膿瘍を発症することもありうる菌は?
緑色連鎖球菌 | ※肝膿瘍の腹部診察所見では叩打痛と肝腫大が特徴。
159
直接ビリルビンが優位に上昇する疾患2つ。
1.Rotor症候群 2.Dubin-Johnson症候群 「DiRect」⇒「直接Bil上昇はDubin-JohnsonとRotor」
160
それぞれの胆石の組成は? 胆嚢結石: 総胆管結石: 肝内(胆管)結石:
胆嚢結石:コレステロール結石 総胆管結石:ビリルビンカルシウム結石 肝内(胆管)結石:ビリルビンカルシウム結石
161
胆石症の疝痛発作で関連痛がみられる部位は?
右肩甲部
162
総胆管結石では原則として( )術を行い, | 一期的に結石を除去する.
内視鏡的乳頭括約筋切開 | ※完全除去が行えない場合や急性胆管炎がある場合には内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)チューブまたは胆管ステントを留置。
163
胆囊粘膜が壁内に入り込んだ構造(Rokitansky-Aschoff洞)が増殖して胆囊壁の肥厚,上皮の過形成を呈した病態とは?
胆囊腺筋腫症 | →超音波検査で胆囊壁の肥厚,コメット(すい星)様エコーの高エコーが認められる.
164
急性膵炎では血液検査で上昇する値が多いが,低下するもの4つ。
``` C:Ca,cholesterol T:TP(総蛋白) O:oxygen(酸素) P:platelet(血小板) ※C-TOP(シートップ)と語呂合わせで覚えておきたい. ```
165
急性膵炎において、 | 血清アミラーゼ値が炎症所見改善後も遷延した場合には( )の合併を考える。
膵仮性囊胞 | ※血清アミラーゼ値,尿中アミラーゼ値は膵炎の重症度と相関しない。