古文 敬語 Flashcards
(王) 「いざ、かぐや姫、穢き所に、いかでか久 しくおはせむ。」といふ。
(王は)「さあ、かぐや姫、けがれた所に、どうして長くいらっしゃるのだろうか。」と言う。
(従者)「くらもちのおはしたり。」
(従者)「くらもちの息子がさになっていらっしゃった。」
〔翁)「(皇子ハ)人ざまもよき人におはす。」
〔翁〕「(皇子は〕人柄もよい人でいらっしゃる。」
(帝ハ)これを聞こしめしておほせ給ふ。
(帝は)これをお聞きになっておっしゃる。
(帝ハ)聞こしめす御心まどひ、何ごとも思しめし分かれず、籠りおはします。
(帝は)(更衣死去の)知らせをお聞きになるお心も乱れ、 もう何のご分別もおつきにならず、(お部屋に)とじこ もっていらっしゃる。
(王八姫二)「きたなき所のものきこしめしたれ ば、御心地からむものぞ。」
〔王は姫に)「(あなたは)けがれた所(人間界)のものを し上がっていたので、ご気分も悪いでしょうよ。」
(聖八源氏二)「あなかしこや。一日、召し侍り しにやおはしますらむ。」
(聖は源氏に)「ああもったいないことよ。先日、 になりました方でいらっしゃいましょうか。」
(衛門督ハ)国々に、絹糸・白銀・黄金などめす。
〔衛門督は)国々に命じて、絹糸・白銀・黄金などをお取り寄せになる。
(僧都ハ) 芋頭をともしからずめしけるほどに、
(僧都は) 芋頭(里芋の親芋)を不足なく十分にめし上がった そのうちに、
帝ばかりは御衣を召す。残りは皆裸なり。
帝だけはお着物をお召しになる。残り(の臣下)は皆裸である。
帝ばかりは御衣を召す。残りは皆裸なり。
帝だけはお着物をお召しになる。残り(の臣下)は皆裸である。
(法皇ハ)御車に召されけり。
〔法皇は)お車にお乗りになった。
若君ははるかに父を見たてまつり給ひて、世に (平家一〕 うれしげにおぼしたり。
若君ははるかに父君を見申し上げなさって、実に嬉しく お思いになった。
(重忠八義経二)「しろしめさぬ海河のにはか にできても候はばこそ。」
〔重忠は義経に〕「ご存じでない海や河が、急にできたの でしたら(、仕方がありませんが)。」
今天皇の天の下しろしめすこと、四つのとき、 ここ 九のかへりになむなりぬる。
今上天皇が天下を治めになることは、 えることになった(九年になった)。
宮は大敗薫りにけり。
若宮は、おやすみになってしまった。
みかど、箏の御をぞいみじうあそばしける。
帝は、箏の御琴をたいそう上手に演奏なさった。
「さすがに、(花山院ガ)あそばしたる和歌は、 いづれも人の口にのらぬなく、優にこそうけた まれな。」
「そうは言うものの、花山院がお詠みになった和歌は、 どれも人々に愛唱されないものはなく、すばらしいと承っておりますなあ。」
(以仁王ハ)御手 しうあそばし、御才学 れてましましければ、位にもつかせるべきに、
(以仁王は)ご筆跡も、美しくあられ、ご学問にもすぐれ ていらっしゃったので、しかるべき位にもお聞きにな るはずであるが、
いとをかしき小廂に式部のおもとともろとも に、夜も昼もあれば、上も常にも御覧に入らせ給ふ。
たいそうしゃれた小廂の間に式部のおもとと(私は)一緒 に、夜も昼もいるので、主上も度々(外の)ものをご覧になるために入って来られる。
(頭中将が作者二) 「ただいままかづるを 聞こゆべきことなむある。」
(頭中将が作者に)「ただ今、(内裏から) 退出申し上げるが、(あなたに)申し上げねばならないことがある。」
松君のをかしう物のたまふを、誰も誰も、うつくしがきこえ給ふ。
松君が愛らしく口をきかれるのを、だれもが、かわいく思い申し上げなさる。
母君泣く泣く(帝二)奏して、 まかでさせたてまつり給ふ。
母君は泣く泣く(天皇に)奏上して、御息所を選出さ申し上げなさる。
憶良らは今は(貴人の所カラ)まからむ子泣くらむそれその母も我を待つらむそ
(私)憶良めは今はもう(貴人の所から)退出申し上げよ う。子どもが泣いているだろう。その母(妻)も私を待っ ているだろう。