経済学・経済政策 Flashcards

1
Q

経済学における効用(Utility)

A

経済学では、消費者の選好(好み)を表すために、「効用」という言葉を使います。
効用(Utility)とは、消費者がその財を消費することで感じる満足度のことをいいます。
選好とは、消費者は、たとえば食べ物に関して様々な好みを持っています。そのため、財を購入する際には、
自分の持っているお金の中から自分の好みに合った財の組み合わせを選んでいます。経済学では、この好みのことを選好といいます。

経済学では、消費者は、限られた予算(所得)のもとで、財の消費から得られる効用を最大にするように
合理的に消費を行うと考え消費者行動を分析します。これを、合理的消費者の仮定といいます。

2つの財を消費することで得られる効用は、2つの財の消費量に依存すると考えられます。
財とは、商品・製品・サービスなどの需要の対象となるもののことをいいます。
ここで、効用をUとし、2つの財の消費量をそれぞれ、x、yとおくと、効用Uは次の関数で表現することができます。

U = U(x , y)

この関数のことを、「効用関数」と呼びます。効用関数は、2つの財の消費量が与えられた時の、消費者が感じる効用を表します。

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2
Q

無差別曲線の特徴

A

無差別曲線とは、その消費者にとって同じ効用を与える財の組み合わせの軌跡のことをいいます。
これは、グラフにおいて、同じ効用の点を結んだ曲線となります。財x、財yの消費量の組み合わせは無限にありますが、
消費量の組み合わせを様々に変えたときに、効用が同じになる組み合わせを結んだのが無差別曲線です。

無差別曲線は、どういう仮定をおくかによって、その形状は異なります。
●不飽和の仮定
→右上方ほど効用水準が高い
 不飽和の仮定とは、財の消費量は多ければ多いほど好まれるという仮定のことをいいます。これは、単調性の仮定とよぶこともあります。
不飽和の仮定をおくと、消費者にとって財の量が多いほど効用は高くなるため、異なる無差別曲線においては、右上方の無差別曲線ほど
効用水準が高くなります。 

●代替性の仮定
→右下がりである
 代替性の仮定とは、効用が無差別であるなら、一方の財の消費量の減少は他方の財の消費量の増加によって代替できるという仮定。
代替性の仮定をおくと、2つの財は交換することができるため、消費者にとって、一方の財を減少させてその財による効用が減少しても、他方
の財を増加させれば他方の財による効用が増加し、同じ効用水準を維持することができます。すると、無差別曲線は右下がりとなります。

●限界代替率逓減の仮定
→原点に対して凸である
 限界代替率は、ある財を1単位増加させるとき、同じ効用を維持するためには、他の財を何単位減少させる必要があるかを示します。
限界代替率逓減の法則とは、同じ無差別曲線上では、ある財の消費量が増加するにつれて、その財の他の財に対する限界代替率が低下する
ことをいいます。限界代替率逓減の法則により、無差別曲線は原点に対して凸となります。

●推移性の仮定
→他の無差別曲線と交わることはない
 推移性の仮定とは、AよりBが好まれて、BよりCが好まれるならば、AよりもCが好まれるという仮定のことをいいます。
推移性の仮定をおくと、無差別曲線同士は交わりません。この無差別曲線同士は交わらないという性質は、どのような無差別曲線においても
いえるものです。

経済学では、一般的な無差別曲線は、原点に対して凸の右下がりのものとして考えることが多いですが、
それは、これらの仮定を置いたときに成り立つことです。これらの仮定のうちいずれかが成り立たない場合は、
原点に対して凸の右下がりとは違う形状の無差別曲線となります。

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3
Q

特殊な形状の無差別曲線

A

無差別曲線は、その消費者の選好(好み)を表すものですので、必ずしも原点に対して凸の右下がりの曲線になるとは限りません。消費者の選好(好み)によって、無差別曲線の形状は様々なものがあります。

●右上がりの無差別曲線 例:騒音と好きな音楽
 消費することがマイナスになる財とプラスになる財の場合

●原点に対して凹の無差別曲線 例:ビールとアイスクリーム
 2つの財を一緒に消費すると効用が低くなる場合

●右下がりの直線の無差別曲線 例:100円硬貨は10円硬貨10枚
 ある財を完全に他の財で代替できる財(完全代替財)の場合

●L字型の無差別曲線 例:ボルトとナット
 ある財が他の財と一定の比率で一緒に消費される財(完全補完財)の場合

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4
Q

限界代替率

A

限界代替率とは、消費者にとって、ある財の他の財に関する主観的な交換比率のことをいいます。
限界代替率は別の財で測ったある財の価値といえます。
限界代替率は、ある財を1単位増加させるとき、同じ効用を維持するためには、他の財を何単位変化させる必要があるかを示します。
限界代替率とは、消費者にとって、ある財の他の財に関する主観的な交換比率のことをいいます。
グラフの上では、限界代替率は、ある点における無差別曲線の接線の傾きと等しくなります。
傾きが急な無差別曲線の場合は、ある財を1単位減らしたとき、効用水準を一定に保つために必要な他の財の増加量は大きくなります。
よって、限界代替率は大きくなります。

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5
Q

限界代替率逓減の法則

A

限界代替率逓減の法則とは、同じ無差別曲線上では、ある財の消費量が増加するにつれて、限界代替率が低下することをいいます。
無差別曲線が原点に対して凸の場合、財xの消費量を増やしていくと、接戦の傾きである限界代替率が小さくなっていく。
言い換えれば、限界代替率逓減の法則が成り立つときは、無差別曲線は原点に対して凸となります。

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6
Q

予算制約線

A

予算制約線とは、予算のすべてを用いて購入することができる財の組み合わせを示すものをいいます。
消費可能領域とは、消費者が所得(予算)の範囲内で購入することができる財の組み合わせを示した領域のことをいいます。
●所得の変化と予算制約線
 所得が増加した場合 → 予算制約線は右上方に平行に移動する
 所得が減少した場合 → 予算制約線は左下方に平行に移動する

●価格の変化と予算制約線
 グラフの横軸で表される財の価格が下落した場合
→予算制約線は縦軸切片を中心に反時計回りに回転する
 グラフの横軸で表される財の価格が上昇した場合
→予算制約線は縦軸切片を中心に予算制約線は時計回りに回転する

財x、yの価格をそれぞれPx、Pyとし、財x、yの消費量をそれぞれx、y、予算をmとすると、予算制約線は
y=-Px / Py × + m / Py

・傾き-Px / Pyのうち、Px / Py は価格比を表しています。
・x軸との切片 m / Pxは、予算を全て財xで消費した場合の数量を表し、
・y軸との切片m / Py は、予算を全て財yで消費した場合の数量を表します。

2財の価格が一定で所得のみが変化したとき、2財の価格比は変化しないため、所得が変化した場合、
新たな予算制約線は元の予算制約線と平行に移動します。ここで、所得が増加した場合には、消費可能領域が増大するように
予算制約線は右上方に移動します。逆に、所得が減少した場合には、消費可能領域が減少するように予算制約線は左下方に移動します。

グラフの横軸で表される財の価格が下落した場合には、
消費可能領域が増大するように、予算制約線は縦軸切片を中心に反時計回りに回転します(予算制約線の傾きは緩やかになります)。
逆に、グラフの横軸で表される財の価格が上昇した場合には消費可能領域が減少するように、
予算制約線は縦軸切片を中心に予算制約線は時計回りに回転します(予算制約線の傾きは急になります)。

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7
Q

最適消費

A

最適消費とは、消費者の効用を最大にする財の消費の組み合わせのことをいいます。
最適消費点とは、消費者の効用を最大にする財の消費の組み合わせを表すグラフ上の点のことをいいます。
最適消費点は、無差別曲線と予算制約線の接点となります。
また、最適消費点では、無差別曲線の接線の傾きと予算制約線の傾きが等しくなります。【限界代替率=価格比】が成り立ちます。
なお、このことは、最適消費点では、【主観的交換比率と客観的交換比率が等しい状態】と表現されることもあります。

・主観的交換比率とは、消費者がある財を1単位得るために他の財を何単位犠牲にしてもよいかを示すもので、【限界代替率】で表されます。
 これは、消費者によって異なるものとなります。
・客観的交換比率とは、ある財を1単位得るために他の財を何単位犠牲にしなければならないかについて市場で決定されるもので、
【価格比】で表されます。これは、どの消費者によっても同じものとなります。

【注意】
 無差別曲線と予算制約線の接点が最適消費点となるのは、あくまで無差別曲線が原点に対して凸の右下がりの曲線で表される場合です。
 無差別曲線が他の形状をしている場合は、最適消費点が、無差別曲線と予算制約線の接点とならない場合もあります。

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8
Q

A

財とは、商品・製品・サービスなどの需要の対象となるもののことをいいます。

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9
Q

合理的消費者の仮定

A

経済学では、消費者は、限られた予算(所得)のもとで、財の消費から得られる効用を最大にするように合理的に消費を行うと考え消費者行動を分析します。
これを、合理的消費者の仮定といいます。

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10
Q

効用関数

A

2つの財を消費することで得られる効用は、2つの財の消費量に依存すると考えられます。
ここで、2つの財の消費量をそれぞれ、x、yとおくと、効用Uは、「U = U(x , y)」と表されます。
この関数のことを、効用関数と呼びます。効用関数は、2つの財の消費量が与えられた時の、消費者が感じる効用を表します。

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11
Q

需要曲線

A

需要曲線とは、他の財の価格と所得水準(予算)を一定としたときの、ある財の価格と最適な消費量の関係を表す曲線のことをいいます。
需要曲線とは、ある財の価格が変化したとき、その財の需要量がどう変化するかを表す曲線です。
需要曲線は、グラフの縦軸にある財の価格を、横軸にその財の需要量をとって描きます。
ここでいう需要曲線は、ある消費者の好みから導かれるものですので、その消費者個別の需要曲線のことをいっています。
これをすべての消費者について集計した市場全体の需要曲線と区別するために、個別需要曲線と呼ぶこともあります。
需要曲線の形状は、次のようになります。
●上級財
財が上級財である場合、需要法則を満たすので、この財の需要曲線は右下がりとなります。
ここで、需要法則とは、ある財の価格の上昇はその財の需要量を減少させ、ある財の価格の下落はその財の需要量を増加させることをいいます。

●下級財(狭義)
 財が下級財であってギッフェン財でない場合、需要法則を満たすので、需要曲線は右下がりとなります。

●ギッフェン財
 財がギッフェン財である場合、需要法則を満たさないので、この財の需要曲線は右上がりとなります。

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12
Q

需要の価格弾力性

A

需要の価格弾力性は、価格を変化させたときの「需要への反応の大きさ」を表すもので、
需要の価格弾力性は、価格を1%変化させたときに、「需要量」が何%変化するかを示します。

需要の価格弾力性 = 需要量の変化率(%) / 価格の変化率(%)

需要曲線の傾きが緩やかな場合は、価格を引き上げたときに、需要量が大きく減少します。このような状態を、「価格弾力性が高い」と言います。
需要曲線の傾きが急な場合は、価格を引き上げても、需要量はあまり減少しません。このような状態を、「価格弾力性が低い」と言います。

需要曲線が右下がりの直線である場合、需要曲線上の点の位置によって、需要の価格弾力性の値は異なります。
需要量が増加すればするほど需要の価格弾力性の値は小さくなり、需要量が減少すればするほど需要の価格弾力性の値は大きくなります。
需要曲線が右下がりの直線である場合、中点における需要の価格弾力性は1。

●需要量
 お客さんが、どれだけの「数量」を買ってくれるか?

●需要額
 お客さんが、どれだけの「金額」を支払ってくれるか?

需要額(支払金額)=価格×数量となり、企業にとっては「売上高」となります。

価格をPx、需要量をxとすると、需要の価格弾力性edは、次のように表されます。

ed=- dx / dPx × Px / X

dx / dPxは、xをPxで微分したものです。
需要曲線の傾きは、Pxをxで微分したdPx / dxとなります。
dx / dPx は、需要曲線の傾きの逆数となります。
需要量が増加すればするほど需要の価格弾力性の値は小さくなり、需要量が減少すればするほど需要の価格弾力性の値は大きくなります。

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13
Q

需要の所得弾力性

A

需要の所得弾力性は、所得を1%上昇させたときに、需要量が何%変化するかを示します。
所得が変化したときの需要量の変化によって、財の種類は、次のように、分類されます。

●上級財(正常財): 0<eI
 所得が増加したとき需要量が増加し、所得が減少したとき需要量が減少する財
 需要の所得弾力性=需要量の変化率÷所得の変化率
 
 所得が増加したときは「所得の変化率」がプラスの値となり、需要量が増加したときは「需要量の変化率」がプラスの値となりますので、
 プラスの値をプラスの値で割った需要の所得弾力性はプラスの値となり、需要の所得弾力性は0より大きくなります。

 所得消費曲線は右上がりとなる

・必需財(必需品): 0<eI<1
 上級財のうち、所得の増加率よりも需要量の増加率の方が低い財
 コメなど生活必需品となる食品は、Aの部分の一定の所得に至るまでは、所得の増加に伴い、財の消費量が増加する「上級財」としての特徴を示します。
 しかし、一定の所得を超えると、消費量の減少がみられることもあり、Bの部分では「下級財」としての特徴を示すことがあります。

・奢侈財(奢侈品):1≦eI
 上級財のうち、所得の増加率よりも需要量の増加率の方が高い財
 需要の所得弾力性は1より大きいのは、上級財のうち奢侈財です。

●中級財(中立財):eI=0
 所得が増加しても減少しても、需要量が変化しない財

●下級財(劣等財):eI<0
 所得が増加したとき需要量が減少し、所得が減少したとき需要量が増加する財
 需要の所得弾力性=需要量の変化率÷所得の変化率

 所得が増加したときは「所得の変化率」がプラスの値となり、需要量が減少したときは「需要量の変化率」がマイナスの値となりますので、
 マイナスの値をプラスの値で割った需要の所得弾力性はマイナスの値となり、需要の所得弾力性は0より小さくなります。

 所得消費曲線は右下がりとなる

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14
Q

所得消費曲線

A

所得消費曲線とは、2財の価格が一定である条件のもと、所得のみの変化による最適消費点の軌跡を示した曲線のことをいいます。
2つの財がともに上級財であるとき、所得消費曲線は右上がりとなります。しかし、1つの財が上級財でもう1つの財が下級財であるときは、所得消費曲線は右下がりとなります。
上級財は、所得が増加したとき需要量が増加し、所得が減少したとき需要量が減少する財であり、
下級財は、所得が増加したとき需要量が減少し、所得が減少したとき需要量が増加する財だからです。

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15
Q

エンゲル曲線

A

エンゲル曲線とは、所得と財の消費量の関係を表したグラフです。上級財は右上がり、下級財は右下がりとなり、財によって曲線の形状が異なります。

コメなど生活必需品となる食品は、一定の所得に至るまでは、所得の増加に伴い、財の消費量が増加する「上級財」としての特徴を示します。
しかし、一定の所得を超えると、消費量の減少がみられることもあり、「下級財」としての特徴を示すことがあります。

奢侈品の特徴として、一定の所得水準で急激に需要が増加することが挙げられます。
財の性質により、財の所得弾力性は正、負のいずれにもなり得、また、奢侈品に見られるように1以上の値をとることもあります。

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16
Q

所得効果と代替効果

A

価格の変化がそれぞれの財の消費量に与える影響(価格効果)は、次のように、代替効果と所得効果の2つの効果に分解することができます。

価格効果=代替効果+所得効果

●代替効果

 2つの財の相対的な価格比が変わることで需要が変化する効果

〈特徴〉同じ効用を維持しながら → 同一の無差別曲線上

 相対的に安くなった財の消費を増加させる

 相対的に高くなった財の消費を減少させる

●所得効果

 実質的な所得が変化することで需要が変化する効果

〈特徴〉実質所得が増加した場合 上級財 → その財の消費を増加させる

 下級財 → その財の消費を減少させる

 代替効果は、上級財でも下級財でもその効果は同じですが、所得効果は上級財か下級財かによってその効果は異なります。

16
Q

所得効果と代替効果

A

価格の変化がそれぞれの財の消費量に与える影響(価格効果)は、次のように、代替効果と所得効果の2つの効果に分解することができます。

価格効果=代替効果+所得効果

●代替効果
 2つの財の相対的な価格比が変わることで需要が変化する効果
〈特徴〉同じ効用を維持しながら → 同一の無差別曲線上
 相対的に安くなった財の消費を増加させる
 相対的に高くなった財の消費を減少させる

●所得効果
 実質的な所得が変化することで需要が変化する効果
〈特徴〉実質所得が増加した場合 上級財 → その財の消費を増加させる
                下級財 → その財の消費を減少させる

 代替効果は、上級財でも下級財でもその効果は同じですが、所得効果は上級財か下級財かによってその効果は異なります。
ある財の価格が低下したとき、その財が上級財の場合には、代替効果と所得効果がともにプラスになります。よって、上級財では価格が低下すると、必ず消費が増加します。
それに対して、下級財の場合には、代替効果はプラスになりますが、所得効果は下級財の定義によりマイナスになります。下級財では、価格が低下したときに、消費が増加
するか減少するかは、代替効果と所得効果の大きさに依存します。価格が低下すると、必ずしも消費が増加するとは限りません。代替効果の大きさよりも、所得効果の大きさ
の方が小さければ合計の消費量は増加します。しかし、代替効果の大きさよりも、所得効果の大きさの方が大きければ合計の消費量は減少します。

ある財の価格が低下したとき、その財がギッフェン財であれば、代替効果の大きさよりも、所得効果の大きさの方が大きくなり、合計の消費量は減少します。
ギッフェン財は、価格が下がったときに、消費量も下がるような財です。ある財の価格の上昇はその財の需要量を増加させ、ある財の価格の下落がその財の需要量を減少
させる状況をギッフェンのパラドックスといい、このとき需要法則は満たされません。ギッフェン財の場合、需要曲線は右上がりとなります。

17
Q

代替財と補完財

A

代替効果は、2つの財の関係によって決まります。2つの財の関係には、次のものがあります。

●代替財
 ある財の価格が上昇する → 他の財の消費量が増加する
 ある財の価格が低下する → 他の財の消費量が減少する
例えば、コーヒーと紅茶はいずれも好きであるというような嗜好(好み)を持った人の場合、コーヒーの価格が低下したとき、コーヒーの消費量が増加し、
それにともなって紅茶の消費量が減少するので、この人における紅茶はコーヒーの代替財であるといえます。

●補完財
 ある財の価格が上昇する → 他の財の消費量が減少する
 ある財の価格が低下する → 他の財の消費量が増加する
例えば、コーヒーを飲むときには必ずミルクを入れて飲むというような嗜好(好み)を持った人の場合、コーヒーの価格が低下したとき、コーヒーの消費量が増加し、
それにともなってミルクの消費量が増加するので、この人におけるミルクはコーヒーの補完財であるといえます。

18
Q

代替財、粗代替財、完全代替財の区別

A

●代替財
 ある財の価格が上昇すると他の財の消費量が増加し、ある財の価格が低下すると他の財の消費量が減少する場合、2つの財は代替財といいます。

●粗代替財
 とくに、代替効果と所得効果を合わせた全部効果で上記のような代替関係が成立する場合は、粗代替財といいます。
代替効果のみで上記のような代替関係が成立する場合を単に代替財といいます。

●完全代替財
 完全代替財とは、ある財と他の財とを一定の比率で代替できるものをいいます。ある財を完全に他の財で代替できる財です。
完全代替財の無差別曲線の形状は、限界代替率が一定になりますので、右下がりの直線になります。
例えば、ボルトとナットは、常に一緒に消費されるため、完全補完財の関係です。消費者が常に一定の固定比率で一緒に消費される財の無差別曲線は、L字型の形状なります。

19
Q

期待効用仮説

A

期待効用仮説によれば、人間には3種類のリスクに対する態度があると考えます。
「リスク回避的」「リスク中立的」「リスク愛好的」の3つです。これを「リスク選好度」と言います。
リスク回避的とは「同じリターンならリスクの小さい方を選ぶ」ことです。リスク回避的な人の効用関数は、限界効用が逓減します。
リスク愛好的とは「同じリターンならリスクの大きい方を選ぶ」ことです。リスク愛好的な人の効用関数は、限界効用が逓増します。
リスク中立的とは「同一のリターンに対してどのリスクでも関係がない」ことです。リスク中立的な人の効用関数は、限界効用は一定です。

リスク回避的な人の効用関数は、財が増えるほど追加で得られる1単位あたりの効用は小さくなります。つまり、限界効用が逓減します。
リスク愛好的な人の効用関数は、財が増えるほどより一層財を求めるため、限界効用は逓増します。
リスク中立的な人の効用関数は、財が増えると効用水準は増加します。ただし、財が増えるほど追加で得られる1単位あたりの効用は変わらないため、限界効用は変わりません。

また、リスクに対して支払われる対価を「リスクプレミアム」と言います。
リスク回避的な人は、リスクを回避するためにコストを支払ってもいいと考えるため、リスクプレミアムは正の値をとります。

19
Q

期待効用仮説

A

期待効用仮説によれば、人間には3種類のリスクに対する態度があると考えます。
「リスク回避的」「リスク中立的」「リスク愛好的」の3つです。これを「リスク選好度」と言います。
リスク回避的とは「同じリターンならリスクの小さい方を選ぶ」ことです。リスク回避的な人の効用関数は、限界効用が逓減します。
リスク愛好的とは「同じリターンならリスクの大きい方を選ぶ」ことです。リスク愛好的な人の効用関数は、限界効用が逓増します。
リスク中立的とは「同一のリターンに対してどのリスクでも関係がない」ことです。リスク中立的な人の効用関数は、限界効用は一定です。

リスク回避的な人の効用関数は、財が増えるほど追加で得られる1単位あたりの効用は小さくなります。つまり、限界効用が逓減します。
リスク愛好的な人の効用関数は、財が増えるほどより一層財を求めるため、限界効用は逓増します。
リスク中立的な人の効用関数は、財が増えると効用水準は増加します。ただし、財が増えるほど追加で得られる1単位あたりの効用は変わらないため、限界効用は変わりません。

また、リスクに対して支払われる対価を「リスクプレミアム」と言います。
リスク回避的な人は、リスクを回避するためにコストを支払ってもいいと考えるため、リスクプレミアムは正の値をとります。

20
Q

労働曲線の後屈(バックワードベンディング)

A

労働曲線の後屈(バックワードベンディング)は、与えられた時間を労働時間と余暇時間に分けたときに、賃金(時間当たり)が上昇するにつれて、労働時間と余暇時間が
どのように変化するかを示したものです。労働曲線は所得=労働時間×賃金が上昇するまでは右上がりの曲線を描きますが、所得が一定の水準に達すると、労働時間を追加する
ことによる追加の効用は得られず、更に賃金が上昇すると、労働時間を減らし、余暇の時間を増やすことによって追加の効用が得られるため右下がりの曲線となります。

 労働曲線を理解するうえで必要な知識は以下のとおりです。

●上級財
所得を増やした時、消費量も増える財
余暇時間は、所得を増やした時、消費量が増えるので上級財です。つまり、上級財は、所得=労働時間×賃金(時間当たり)の増加とともに増加します。

●下級財
所得を増やした時、消費量が減る財
労働時間は下級財です。なぜなら、所得増加により労働時間の需要は減少するからです。

●代替効果
代替効果は、2つの財の相対的な価格(価格比)が変わることで需要量が変化する効果

●所得効果
所得効果は、実質的な所得が変化することで需要量が変化する効果

●労働曲線の後屈モデル
労働時間は「24時間-余暇時間」。余暇時間の増加(減少)は労働時間の減少(増加)
賃金率の上昇は余暇の機会費用(ある物を得ることの代わりに生じる逸失利益)を高め、余暇は割高となる。
従って代替効果では割高の余暇の時間を減少し、労働時間は増加する。
賃金率上昇は実質所得の増加をもたらすので、所得効果が生じ、上級財とされる余暇時間は増加し、労働時間は減少する。
労働供給曲線の右上がりの部分は、代替効果が所得効果を上回っているため労働時間が増加することを示している。
労働曲線の右下がりの部分は、所得効果が代替効果を上回っているため労働時間が減少することを示している。

低い賃金水準では、労働時間を増加させ余暇時間を減らすことで所得を高めたいと考えるため、労働時間の価格>余暇時間の価格となり、代替効果が大きくなります。
高い賃金水準では、更に労働時間を増加させるより余暇時間を増加させる効用が高く、労働時間の価格<余暇時間の価格となります。
ここで余暇時間は上級財であるため、所得増加により余暇時間が増加します。所得増加により更に上級財の需要が高まる効果を所得効果といいます。

21
Q

限界費用(MC)と平均可変費用(AVC)

A

限界費用MCは、総費用TCを生産量xで微分したものです。

平均可変費用AVCは可変費用VCを生産量xで割ったものです。