D6 不正リスク Flashcards
10%
DVI
1
不正行為の調査に関する権限を内部監査人に与えるものは、以下のうちどれか。
a.
基準(内部監査の専門職的実施の国際基準)
b.慣習法
C.
取締役会および最高経営者
d.内部監査人協会の倫理綱要
C入好江不
(000D)
【解答と解説】
正解:c
監査人が不正行為を疑う場合、組織内の適切な権限を有する機関に
。 取締役会および最高経営者はそれを受け、内部監査人による調
ことができる。
a.
通常、不正調査の実施者または参加者は、内部監査人、弁護士、不正検査士、
セキュリティ担当者、および、組織内外からの各種専門家である。したがって、
内部監査人以外の専門家による調査についても想定しており、基準が直接内部監
査人に調査の権限を与えるものではない。
【慣習法では、「内部監査人は不正行為の調査の権限は持た
d.倫理綱要は、不正行為の調査には関係しない。
272
CIA Part I
DVI
2
定の従業員による不正の証拠が十分であるときであっても、内
刊事告発を始めることはなく、警察当局にこの行為を預ける。そのように
は、内部監査部門が、次のうちどの項目で告発される可能性を避げ
不法監禁
b.
名誉毀損
C.
中傷
d.
悪意訴追
a.
【解答と解説】
正解:d
悪意訴追は、日本の「誣告(ぶこく)罪」または「虚偽告訴罪」に相当するもので
あり、虚偽告訴とは、他人に刑罰や懲戒を受けさせる目的で、起きてもいない犯罪の
発生を司法機関等に申し出る行為である。
不法監禁は、法的な権限なしに相手を監禁して被害を与えることである。不正
を疑われている従業員の行動の自由を制限するのは不法監禁である。
名誉毀損とは、公然と事実を指摘して相手の社会的評価を傷つけることである。
「公然と」とは「文書で多数もしくは不特定多数に」という意味である。
中傷とは、文書による名誉棄損ではなく、口頭による名誉棄損である。
a
CIA Part I
2
CL
DVI
3
ある内部監査人は、特定の従業員による不正の可能性を論じているレポートを準
備している。内部監査人は、このレポートの配布先を必要性のある者に限定すべき
である。
この限定を行わなかった場合に監査人および雇用主の責任として問題となる可能
性があるものは、次のうちどれか。
名誉毀損
b. 中傷
C.
示談にすること
d.
悪意訴追
a.
【解答と解説】
正解:a
は、文書で公然と事実を指摘して相手の社会的評価を傷つけることで
らそのレポートの配布が不法行為にあたるとして損害賠償の責任
る可能性がある。
b. 中傷とは、ロ頭による悪口である。
©.示談とは、例えば、従業員に、盗んだ金額を返金するなら、従業員を不正の罪
で告訴しないことを合意することである。
d. 悪意訴追は、公共機関による根拠のない犯罪手続である。
274
CIA Part I
DVI
内部監査人が注意を払う、不正の2つの全般的な分類、あるいは、
を記述しているのは、次のうちどれか。
a.
不適正な支払い(賄賂やキックバック)と税金の不正
b.
組織の利益のための不正、および、組織の損失のために犯した不正
C.
賂またはキックバックの受領、および、不適正な関係当事
ックバックまたは横領の受け入れ、および、資産の不
6
され
の罪
【解答と解説】
正解:b
不正とは、意図的な騙す行為によって特徴付けられる一連の規則違反、および、違
法行為を包含した総称である。
不正は、「組織の利益のため」、あるいは「組織に損害を与えるため」に、組織の内
外の者によって実行される。
組織の利益を目的とした不正は、一般的に、外部の関係者を欺くような、不公正ま
たは不誠実な有利性を利用して利益を生み出す。このような不正行為を行った者は、
大抵間接的な個人的利益を得る。
組織に損害を与える不正は、通常、従業員、外部者、または他の組織に対して、直
接または間接的な利益をもたらす。
a.c.d. これらは、2つの全般的な分類の具体的な例である。
ClA Part I
13
CI
DVI
組織におけるある状況は、マネージャーの不正の可能性の兆候を示している。不
正の可能性を示しているとはみなせないのは、次のうちどの状況か。
マネージャーは、
定期的に部下の職務を引き受けている。
マネージャーは、
彼らのプロフィットセンター外の事項を取り扱っている。
マネージャーは、
会社の指示や手続に従っていない。
マネージャーは、定期的に正式な業績レビューを受けている。
Puae
SI
【解答と解説】
正解:d
マネージャーが定期的に正式な業績レビューを受けていることは、不正を防止する
通常の統制手続である。
マネージャーが、定期的に部下の職務を引き受けることは、不正の可能性を示
している。
マネージャーが、彼らのプロフィットセンター外の事項を取り扱うことは、不
正の可能性を示している。
マネージャーが、会社の指示や手続に従っていないことは、不正の可能性を示
している。
乙
包
ClA Part I
火
DVI
ある会社は、製品を本社倉庫から車両により配送する配送部を有している。各車
両には販売用製品の在庫品が積まれており、定期的に補充される。内部監査人は、
原因不明の在庫不足が繰り返し発生していることに気づいた。
以下のうち、不正の格好の条件となっている、コントロールの弱点を示すものを
選べ。
すべての配送員が夜間、配送用車両で帰宅する。
への積載時ではなく、販売時に各車両の在庫リストの調整を行
配送員と在庫担当が、番号が付された倉庫の鍵を持っている。
禁止事項についての会社方針が文書により示されている。
pnqe
【解答と解説】
正解:b
コントロールが適切であれば、受取担当によって、シリアルナンバー(製品番号)
の確認が行われるべきである。
内部監査人は、関連する製品が、実際に販売されたと報告されているものであるこ
証するために、この問題を追跡調査し、保証請求権と共に送付され
ナンバーと突き合わせ、顧客が実在する証拠を確認すべき
このような状況は稀であり、組織内の権限のある者に報告する前に、配送用車
両の収容に関する適切なコントロールの欠如について、追加的な情報を得る必要
がある。
c. d.
これらのみでは情報が不足しており、業務の妥当性を判断できない。
ClA Part I
DVI
従業員が犯した悪い行為が不正となるのは、次のうちどれか。
a.
名誉毀損
b.
横領
脅迫
d.
ハラスメント
【解答と解説】
正解:b
不正とは、意図的な騙す行為により特徴付けられる一連の規則違反、および、違法
行為を包含した総称である。
横領した者は、財産を自らの利益のために使い、窃盗を隠蔽する。
不正にはつながらない。
脅迫による不法行為は、他人を有害な立場に陥れること伴う。
ハラスメントは、他人をしつこく困らせる行為である。
ClA Part I
22
00
PO
巴
DVI
8
会社の資金を横領した犯人と、財務諸表の不正(財務諸表の虚偽記載)
、を比較すると、財務諸表の虚偽記載をした犯人が行う可能性の低いものは、
のうちどれか。
a.
横暴なマネジメントスタイルを採るようになる。
b.
明らかに適正な収入金額のレベルを超えた生活を行うようになる。
C.
不正行為を正当化するようになる。
d 不正行為が正当である理由として会社の期待を使うようになる。
【解答と解説】
正解:b
正な収入金額のレベルを超えた生活は、会社の資金を横領した従業員
型的に表す。
a.
横暴なマネジメントスタイルは、最高経営者の不正(財務諸表の虚偽記載)に
繋がる。
C.
不正行為を正当化することは、すべての不正に共通事項である。
d財務諸表を虚偽記載した者は、不正行為が正当である理由として会社の期待を
使用する可能性が高い。
279
CIA Part I
DVI
-ケティング部門における不正の可能性を示しているのは、「次のに
a.
新規取引先に対する大口の支払いについての書類がない。
b.
マネージャーが、マーケティング部門のマネージャーとしての給与レベルを
超えたライフスタイルをしているように見受けられる。
統制環境は「非常にルーズ」を絵にしたような状況である。しかし、最高経
者は、創造性を伸ばすために必要であるという理由で、これを正
いる。
上記のすべて
【解答と解説】
正解:d
「書類のない取引」は、潜在的な不正の兆候と考えられる。しかし、他の「贅沢なラ
イフスタイル」、「弱い統制環境」も、すべて潜在的な不正として、内部監査人が注意
を払うべき不正の兆候と考えられる。
88
CIA Part I
DVI
内部監査人は、
メンテナンスのための補給品が昨年度から20万ドル増加したこと
査した。購買担当者は、増加した主な理由は保守塗装材料と補
であると内部監査人に説明した。この追跡調査の中で、内部監査人は通常の入札あ
るいは見積のない包括購入の注文書を見つけた。この包括購入に対しては部長が注
文書のサインをしており、その注文書では当該企業には所属していない部長の父親
を保守塗装材料と補給品の唯一の受領者として指名していた。内部監査人は、仕入
先から保守塗装材料と補給品を受け取った際のサインを、部長の父親が行っている
受領書を多数見つけた。その受領に対する請求書は部長により支払いの承認がなさ
れていた。上記の状況において不正の兆候ではないのは、次のどれか。
購入材料が権限を与えられた会社の従業員によって受け取られていない。
日常の統制が、ある取引において行われない。
購入材料が、会社の敷地に配達されない。
包括購入の注文書の使用。
Pつ
Oe
【解答と解説】
正解:d
包括購入の注文書は、許容できるビジネス上の慣例である。
権限のない者による購入品の受け取りは、不正の兆候である。
日常の統制の逸脱は、不正の兆候である。
会社の敷地外で購入品を受け取ることは、通常、不正の兆候となる。
つ
a
巴
ClA Part I
DVI
11
内部監査人は、メンテナンスのための補給品が昨年度から20万ドル増加したこと
を追跡調査した。購買担当者は、増加した主な理由は請負業者に使用させる保守塗
装材料と補給品の調達のためであると内部監査人に説明した。この追跡調査の中で、
内部監査人は通常の入札あるいは見積のない包括購入の注文書を見つけた。この包
括購入に対しては部長が包括購入の注文書のサインをしており、その注文書では当
該企業には所属していない部長の父親を保守塗装材料と補給品の唯一の受領者とし
て指名していた。内部監査人は、仕入先から材料を受け取った際のサインを、部長
の父親が行っている受領書を多数見つけた。その受領に対する請求書は部長により
の承認がなされていた。上記の状況において、内部監査人が認識しゃ
に不正を示唆するものは、次のうちどれか。
a. 分析的手続によって明らかになった勘定残高の異常かつ不自然な増加。
b. 保守塗装材料と補給品を請負業者のために購入していること。
c. 購買担当者が包括購入の注文書に基づき発注先を選択していること。
請求書が部長により承認されていること。
【解答と解説】
正解:a
析的監査手続きによって明らかとなったある勘定科目の残高の異常な
然な増加は、不正を示唆するものと考えられる。
請負業者のために保守塗装材料と補給品を購入することは、請負業者との契約
で合意されている可能性があり、必ずしも不正を示唆するものとは言えない。
C.
包括購入の注文書に基づき発注先を選択することは職責に応じた正しい業務遂
行であり、不正を示唆するものとは言えない。
d. 支払いの承認は部長の職責である可能性があり、必ずしも不正を示唆するもの
とは言えない。
a
282
ClA Part I
DVI
不正の可能性を最も強く示唆していると考えられるものは、次のうちどれか。
敵対的買収後の最高経営者チームの入替
組織体の財務担当役員の頻繁な交代
新規市場への速やかな展開
組織体の納税申告についての当局の監査
PO
oe
21
【解答と解説】
正解:b
組織体の財務担当役員が頻繁に交代していることは、不正の可能性を示す危険信号
(不正の兆候)と考えられる。
これらは特別なことではなく、それ自体が不正の可能性を示すものとはい
えない。
a. c. d.
CIA Part I
2
88
DVI
13
。3名の仕入担当者で構成される仕入部門を通じて、大部分の仕力
NPOの経営者は、ある仕入先への支払いが異常に多いため、支払いをモニタリン
仕入担当者は注文書を発行し、商品の受け取りを確かめるため受領書
ナ取る。仕入担当者は、支払承認をする買掛金部門へ送付する前
書をレビューし、受領書と注文書を比較する。受領書は仕入担当者を経由するが、
仕入先は請求書を直接買掛金部門へ郵送する。この組織では、1万ドルを超える仕
入には3つの見積を必要とする方針がある。
他の不正の兆候として、調査する必要を示していないのは、次のうちどれか。
仕入担当者の1人の生活水準が高くなった。
内部統制が非常に弱い。
C.
仕入部門の要求を元に、
経営者は罰金を避けるために、より適時に仕入先へ
支払う方針を採用した。
仕入れた商品の費用は、前年と比較して高くなっている。
2
o
e
【解答と解説】
正解:c
この方針の採用自体は、不正の危険信号とは考えられない。
より適時に支払うことは、ビジネス上の正当な理由である。
生活水準の異常な上昇は、不正の可能性を最も強く示唆する不正の危険信号と
考えられる。
重大な不備は不正に関連付けられる主要な項目の1つである。
異常なコスト増は、不正の危険信号の可能性がある。
ClA Part I
p
q
巴
284
DVI
監査人は、経営者が不正に関与しているか否かを判断するために
(不正の兆候)」を考慮すべきであると助言を受けた。不正の示唆として「危険信号」
を使用する難しさを記述していないのは、次のうちどれか。
a.
多くの一般的な不正の危険信号は、不正が存在しない状況とも関連付けられ
いくつかの不正の危険信号は、定量化または評価し難い。
不正の危険信号の情報は、通常の監査業務では収集できないかもしれない。
文字どおり不正の危険信号は、監査において良い影響をもたらす訳ではない。
Pっa
SN
【解答と解説】
正解:d
これは難しさではない。
これは、不正の危険信号を使用する難しさである。
最高経営者の態度などの多くの不正の危険信号は、定量化することが難しい。
監査を実施する際に、内部監査人は、国際的な悪事、エラー、不作為、非効率、
および、利害の衝突に注意しなければならない。
S
o
包
CIA Part I
2
99
DVI
内部監査人に、ある部門の不正の可能性を警告するのは、次のうちどれか。
その部門は今年度、外部監査を予定されていない。
売上が10%増加した。
最高経営者の報酬の大部分は、その部門の純利益に直接的に結び付いている。
上記のすべて。
Puae
【解答と解説】
正解:c
Cが最も典型的な不正の危険信号である。
a.
この要因は、重大な不正の危険信号と識別されない。
b.不正の危険信号ではない。
287
ClA Part I
DVI
-17
不正の可能性を強く示す危険信号とは考えられないものは、次のうちどれか。
最高経営者が、一定金額以下の取引を行う権限を部下に委任している。
1人の人物が、役割分担のローテーションもなく、長期にわたって現金を扱
う仕事に就いている。
市場性のある証券を扱っている個人が、その証券の取得、取得の記録、食い
違いの報告、最高経営者への利益と損失の報告についての責任を負っている。
売掛金部門の責任と報告義務の所在が不明確である。
o
2
C.
1
【解答と解説】
正解:a
これは、リスクを制限した上で業務の効率性の推進を目指した許容できるコントロ
ールであり、このこと自体は、不正の危険信号ではない。
b. 重要な仕事の職務ローテーションの欠如、および、相互訓練の欠如は、明らか
な不正の危険信号である。
これは、不適切な職務の分掌の例であり、明らかな不正の危険信号である。
責任と義務の所在が不明確であることは、明らかな不正の危険信号である。
乙
00
00
C.
d.
CIA Part I
DVI
不正のリスクが増していることを示しているのは、次のどれか。
部長は休暇をとっている。財務部長は財務部門の取締役への昇
入れる。
部長は休暇をとっていない。財務部長は財務部門の取締役への男
け入れる。
C.
財務部長は休暇をとっている。財務部長は財務部門の取締役への昇進を断っ
財務部長は休暇をとっていない。財務部長は財務部門の取締役への昇進を断
った。
【解答と解説】
正解:d
この組み合わせは、不正の行為を行った者として、不正を見破られることへの恐れ
を示している。
a.b.c. これらの組み合わせは一般的であり、問題はない。
289
CIA Part I
DVI
子会社について、以下の事実がある。
I
子会社は何年も営業をしている。経済は後退気味で、他の競合会社もその
影響を受けているが、良い利益率を享受している。
運転資本比率は3:1から0.9:1へ減少している。
過去数年間、3人の会計担当者、売掛金の2人の責任者、買掛金の4人の
責任者、および他の財務部門の多くのスタッフが退職している。
会社の仕入方針では、3つの見積を必要としている。しかしながら、子会
社の仕入部門の責任者は仕入先を減らし、単独供給の仕入方針を制定した。
子会社の会計監査を実施するにあたり、正しいの
は、次のうちどれか。
I、および皿を発見できない。
当期、経済が下降していることから、を無視する。
皿を通常の退職、およびIVを不正の危険信号として関心を持った。
1、、血およびIルのすべてを不正の危険信号と考えた。
1n0e
IA
【解答と解説】
正解:d
I、I、皿およびWのすべてが、不正の危険信号である。
会計監査において、通常の監査手続によって、1、Iおよび皿は発見できる。
経済が下降しているが、会社の利益率からすると運転資本比率の変化は普通で
はない。
c.
退職者の異常数は、不正の危険信号である。
82
o
巴
CIA Part I
DVI
内部監査人は、経営者による不正に関連すると思われる不正の危険信号について
の知識を持たなければならない。経営者による不正に、一般的に関連しないものは、
次のどれか。
実績をベースとした気前の良い報酬システム
傲慢な経営者
一定間隔での実績と予算の比較
財務パフォーマンスに関する経営者の関心事
【解答と解説】
正解:c
これにより、状況が拡大する前に問題が発見される。
a.b.d. これらにより、経営者は記録の改竄へと導かれる。
CIA Part I
68