D5 ガバナンス、リスク・マネジメントおよびコントロール Flashcards
35%
DV
以下の目的のうち、リスク・マネジメント戦略の最終的な目的を選べ。
a.
コストを最低限に抑える。
b.市場シェアを最大限に伸ばす。
C.
損失を最低限に抑える。
d.株主価値を最大限に伸ばす。
【解答と解説】
正解:d
これは包括的アプローチであり、会社全体におけるリスク・マネジメント戦略に関
係する。
リスク・マネジメント戦略や技術の究極的な目的は、株主価値を最大化することで
ある。
この広義の目的の下で、利益、市場シェア、組織の全体的な業績を最大化させ、付
随的に、費用と損失を最小化することをも達成する。
ab.c. コストを最低限に抑えること、市場シェアを最大限に伸ばすこと、損失を
最低限に抑えることは、リスク・マネジメント戦略の目的の中では、付随的
なものである。
DV
2
部監査人は、一部の出荷品の請求が行われていないことに気
こおける、このような請求漏れを防ぐために、「有効な手月
a.
売上が仕訳記入される際、出荷を管理するすべての文書(梱包明細、船積指
図書など)に、連番を記入し、独立した確認手続を取る。
b.
注文が行われた際、顧客の妥当性検査を行う。
C.
与信担当マネージャーまたはその他の承認者による与信承認がある場合のみ、
製品の出荷を行う。
d.
製品ラインごとに、粗利益率のテストを定期的に行い、計画との重大な差異
がある場合、説明を求める。
【解答と解説】
正解:a
連番を付すことは、取引に対する標準的なコントロールであり、連番に対する確認
手続は、独立した者が行うべきである。
その主な目的は、取引の記録漏れと、未承認取引を発見することである。
妥当性検査は、データの妥当性を検査することはできるが、「取引の
未承認取引を防止することはできない。
与信承認では、請求は確認できない。
粗利益率のテスト(検証)は、分析的手続であり、予防的統制ではない。
CIA Part I
P
C.
101
3
全社的リスク・マネジメント (ERM)について、正しい記述を選べ。
a.
組織の目的の達成を保証する。
b.
内部監査人による、リスクの把握およびコントロール活動の確立を要求する。
組織の目的にマイナスの影響を及ぼす事象の識別が含まれる。
d. 組織に対するリスクへの最善の対応の選定を含む。
DV
【解答と解説】
正解:c
ERM (Enterprise Risk Management)とは、組織目的の達成に影響を与え得る脅
威の特定・評価・報告について、組織全体にわたって構築されている、一貫して連続
したブロセスである。
、組織の目的の達成を保証することはできない。ERMは、組織目的
成を保証するものではないが、目的達成を妨げる要素を特定し、取り除く目的で
実施するものである。
コントロール活動の確立に内部監査人が関わると、内部監査人の独立性が毀損
される。
ERMは、組織のリスクに対する最善の対応の選定とは関係なく、リスクのレベ
ルを、自らのリスク選好(許容可能なリスク水準)の範囲内に納めるよう、最高
経営者が取る対応策である。
P
o
R
102
ClA Part I
DV
小さな会社の2名の事務員のうち1名が、4,300ドルの売上送り状を作成したが、
係が総勘定元帳に誤って記載し、さらに、売掛金補助元帳に3,400ドル
た。その後、顧客から、月次計算書の金額である3,400ドルが送金
門の従業員は3名であると仮定して、この種のエラーを防ぐために、「最も考
的なコントロールを選べ。
売上送状の価格、割引、延長、合計金額の計算、勘定、請求書連番をチェッ
クする、独立した第2の事務員を配置する。
b.
月次計算書を帳簿係に作成させるようにし、郵送前に、事務員に交互に検証
させるようにする。
転記作業をコントロールするために、合計金額を利用する。
帳簿係に、売掛金補助元帳と総勘定元帳の定期的な照合を行わせる。
つ
巴
【解答と解説】
正解:c
引を転記する際に、合計金額のチェックを行うべきである。そして、低
に転記された項目の合計金額と比較しなければならない。
転記の誤りは、このプロセス(手続)の後に発生したエラー(手続上のミス)
であるため、効果はない。
b. このプロセスでは、最初の転記間違いを防ぐことはできず、検証は、誤って転
記された記録に基づいているため、効果はない。
d. これらのコントロールでは、最初の転記間違いを発見できない。
1
ClA Part I
g0
DV
5
給与処理を行う者が、実在しない社員を給与支払名簿に付加してしまうリスクを
減らす方法を選べ。
a.
給与支払名簿にスタッフを追加する際、スタッフの管理者による承認を要件
とする。
b.
給与処理を行う同じ従業員が、毎月の給与支払いの銀行残高調整を行うよう
にする。
C.
ーオフィスに行き、給与支払名簿に記載されている従業員のチ
定期的に行う。
d. タイムカードと給与支払対象時間数の照合をさせる。
【解答と解説】
正解:c
の配付を監視することにより、実在しない社員への給与の支払
ることができる。
給与支払名簿へのスタッフの追加の承認は、管理者ではなく、人事部門によっ
てなされるべきである。
b.毎月の給与支払いの銀行残高調整は、給与に関連した職能・責任を持たない独
立した当事者によってなされるべきである。
d. タイムカードと給与支払対象時間数(労働時間数)の照合は、支払額の検証に
はなるが、支払対象の有効性の検証にはならない。
ClA Part I
104
B
DV
企業の最高経営者は、内部統制の維持の役割を担う。コントロール手段としての
最高経営者の職能が関与するものを選べ。
a.
従業員の業務状況の監視
b.企業方針マニュアルの使用
C.
品質管理部門の維持
d.
內部監查
【解答と解説】
正解:
効なコントロールは、組織の目標および目的が達成されるという合理的な
1る方法で、最高経営者がシステムを指揮している場合に存在するも
には、業務の承認と監視、実績と計画との定期的な比較、システムが
りに稼動しているという追加的保証を提供することを目的とした活動の文書化が含ま
れる。監視とは、活動を監督、観察およびテスト(検証)することで、責任者への適
切な報告に関するものである。監視により、目標と目的の達成に向けての進捗の検証
がなされる。
b.
マニュアルは、アドバイスであってコントロールではない。
C.
品質管理部門は、内部レビューの形式である。品質管理マネージャーは、レビ
ューの対象となる部門とは独立していなければならない。
銀行の従業員が、会社の有価証券を保管する金庫に1人で立ち入ること(
を選べ。
ぐきである。1人で金庫に立ち入ることが許される場合に生じる恐れの
従業員が、会社の有価証券を担保に、短期の個人向け銀行ローンを借りるこ
とができる。
従業員が、
会社の有価証券を横領し、全く発見されない。
従業員に、身元保証保険を掛けることができなくなる。
従業員が金庫に入った場合の記録がなされない。
【解答と解説】
正解:a
では、金庫へのすべての立ち入りに関して継続的な記録を行い、記金
ては会社のスタッフが検査できるような仕組みを構築していなければ
金庫へのアクセスは、承認された役員に限定されるべきである。
さらに、金庫への立ち入りには、承認された2人の立会いが必要なのが一般的であ
る。これにより、「一時的に証券を持ち去り、ローンの担保にする(担保契約)」とい
うような不正行為に対する予防的コントロールとなる。
される
b.
明確な横領があれば、記録の改ざんがない限り、最終的には監査で発見
こととなる。
身元保証保険が掛けられるか否かは、特定のコントロールの存在ではなく、各
従業員の特性によって決まる。
d.
銀行では、立ち入りについての記録がされている。
内部監査人は、売掛金部門がその他の会計活動と分離されていることに
は、独立した与信部門によって承認される。統括勘定と補助元帳の
行われている。同様に、勘定の年齢調べは毎月なされている。
売掛金担当マネージャーは、支払いが遅れている勘定がある場合は1年で、また、
破産やその他の異常事態発生時にはより早期に、償却処理を行っている。
貸方メモは、予めナンバリングされており、受取報告書と照合しなければならな
上記の組織における、内部統制の弱点を選べ。
支払いが遅れている勘定の償却
与信承認
売掛金の毎月の年齢調べ
貸方メモの扱い
【解答と解説】
正解:a
売掛金担当部門以外の者が、償却の承認を担当すべきである。
売掛金担当マネージャーが売掛金の償却処理を行い、記録業務に加えて、本来両立
すべきでない機能である償却の承認に関与しているため、不正が発生する可能性があ
る。取引の記録と承認は、分離すべきである。
与信承認部門は、記録部門から適切に分離されている。
売掛金の毎月の年齢(掛売から現在までの期間)調べは、適切である。
貸方メモの扱いは、標準的である。
仕入担当者は、仕入先と高額の取引をしたお礼に、高額の贈り物を受け取
このような事態の発生防止に、最も効果的な会社の方針を選べ。
a.
特定の金額を超えた購入には、予算要件へのコンプライアンスを決定する役
員による承認が必要である。
段を保護するために、大量購入する重要な素材は、2つの異な
業者より購入する。
部門を分散化し、各部門のマネージャーまたは主任が、自分自上
を担当するようにする。
実用可能な範囲で、仕入には競争入札を行う。
【解答と解説】
正解:d
一般的に競争入札は、高品質のものを最低入札価格で入手する正当で効果
である。
この方法では、仕入担当者は、有利な取り計らいをする販売業者に発注することが
難しくなるため、不正行為防止に有効なコントロールである。
金額の承認は、仕入の承認に関連している。本間は、販売業者の選定に関する
ものである。
2つの異なる販売業者から仕入れても、仕入担当者は、一方の販売業者に対し、
有利に計らうことができる。
散化によって、この種の不正行為の機会は、反対に増えて
多国籍企業の支店の送金部門における、適切な内部統制を選べ。
電信送金担当者は、銀行口座計算書の照合作業は行わない。
支店長が、すべての電信送金を受け取る。
外貨の為替相場の外貨換算率は、2名の従業員によって、別々に計算される。
会社の最高経営者が、送金部門の従業員の雇用を承認する。
【解答と解説】
正解:a
適切な内部統制には、銀行口座の調整係が独立して残高照合作業を行うことが必要
である。
b.d.
これらは、適切な内部統制ではない。
貨換算率は計算するものではなく、検証するものである。「外貨の為
2名の従業員によって別々に計算させても、内部統制は強化されない。
ある会社では、セールスマンに業務用の車を提供している。
会社の車が私的に使用されるのを防止するために、有効な方針を選べ。
内部監査人が、販売オフィスを監査する際に、車の私的使用について調べる。
新入社員向けのオリエンテーションに、倫理のテーマを設ける。
セールスマンが会社の車を使用した日は、必ず走行距離を記録させる。
定期的に、社内報に、セールスマンによる会社車両の私的使用を禁じる会社
方針を掲載する。
【解答と解説】
正解:c
走行距離を記録させることにより、会社の車の不適切な使用が抑止される。
これは、発見的統制(発見的コントロール)であり、予防的統制(予防的コン
トロール)ではない。
b. 倫理のテーマでは、範囲が広すぎる。
d.
望ましいことではあるが、不適切な行為をやめようという単なる忠告に過ぎない
最高経営者は、従業員の給与が、実際に遂行された仕事に対してのみ支払われる
ことを確実にするために、工場の給与支払手続の内部統制に、新たな手続を導入し
たいと考えている。
この目的に、最も適した内部統制の措置を、次の中から選べ。
タイムカードを使用する。
各セクションの監督者に、自分のセクションに属する従業員への給与小切手
の配付を行わせる。
出来高払いの仕事の記録と、生産在庫の増加量を比較する。
未使用の小切手を、金庫に保管する。
【解答と解説】
正解:c
出来高払いとは、労働時間ではなく、出来高(仕事の実績や成果)に応じて、所定
の金額を支払うことをいう。
生産高(在庫の増加量)と、支払金額(出来高払いの仕事の記録)の比較は、給与
に関する適切なコントロールである。
従業員以外の者も、タイムカードに記録することができる。
各セクション(各部門)の監督者は、タイムカードへのアクセス権も有するた
め、給与小切手の配付は行うべきでない。配付は、給与支払担当者が行うべきで
ある。
d. 未使用の小切手は、口座に戻すべきである。
生産サイクルの監査をしている。その中のコントロール手続では、政府からの受
注契約で、重要な送り状(発送明細書)に関して、会計係が原料の単価と個別原価
一覧表の単価の照合を行っている。
この手続の目的は、以下のうち、
どのコントロールであるか。
妥当性
評価
承認
分類
【解答と解説】
正解:b
内部統制は、取引が本物で(妥当性)、適切な期間に適時に記録されていることを確
実にするものである。
また、取引が最高経営者の希望に従って履行され (承認)、適切な金額で記録され
(評価)、適切な勘定で記録される(分類)ことを確実にするものでもある。
これらのうち、会計係によって行われる手続は、評価目的のものである。
プログラムされた(コンピュータによって自動化された)コントロールを、シス
テマティックに、厳しくテストすることについて、正しい記述を選べ。
適切な手続を保証するための最高経営者による監督に、過度に依存するリス
クを減らす。
知識基盤システムの普及に、過度に依存するリスクを減らす。
組織戦略と情報の間の緊密な結びつきに、過度に依存するリスクを減らす。
自動制御に、過度に依存するリスクを減らす。
【解答と解説】
正解:d
プログラムされたコントロール(コンピュータによって自動化されたコントロール)
を、システマティック(体系的)に、厳しくテストすることにより、自動制御に過度
に依存するリスクを減らすことができる。
の利用が高まるにつれ、対応可能な手動コントロールが少なく
施および機能においてコントロールをテスト(検証)する必要性
最高経営者による監督は、組織内のすべてのコントロール構造の重要な要素で
あり、適切な手続を保証するためには、むしろ常に依存すべきである。
知識に基づくシステムの普及は、不適切な知識基盤のリスク(システムが提供
する知識が誤っていた場合のリスク)を増加させる。よって、普及自体がリスク
要因なのであり、過度の依存がリスク要因であるわけではない。
組織戦略と情報の間の緊密な結びつきは、長所であり、短所ではない。
積荷に添付される内容明細票上の発注書番号は、積荷の受取承認前に、
コピーまで遡って照合される。
このコントロール手続の意図について、最も適切な記述を選べ。
仕入先が請求する価格が合理的であるか検証する。
予めナンバリングされている発注書の番号の順番を検証する。
積荷を出荷した販売業者が、承認された仕入先であることを検証する。
積荷が仕入部門によって承認されていることを検証する。
【解答と解說】
正解:d
仕入部門による取引の開始には、発注した部門によって承認された購買請求書が必
須である。
仕入部門によって承認された発注書のコピーは、仕入先、発注した部門、受取部門、
および買掛金部門に送付される。受取部門のコピーには、数量の記載をしない。
したがって、積荷に添付される内容明細票上の発注書番号を、発注書のコピーと照
合させることにより、積荷が仕入部門に承認されていることが検証される。
これは、買掛金部門によって、仕入先の送り状に基づいて行われる。
これは、通常、買掛金部門によって行われる。また、発注書番号の照合では、
発注の順番の検証はできない。
これは、発注が行われる前になされるべきである。
大規模組織(企業)における給与監査の目的の1つとして、職務の適切な分掌に
ついての判断がある。以下の活動の中で、同じ部署内での職務の分掌に該当しない
ものを選べ。
従業員の雇用と給与の額の変更の承認
給与支払名簿の作成と、所得税の納税申告用紙の記入
給与小切手の署名と配付
出欠データの作成と給与支払名簿の作成
【解答と解説】
正解:d
出久データ(タイムカードの記録等)は、就業時間記録部門(情報処理部門、人事
部門の情報処理係等)によって蓄積される。
給与支払名簿の作成は、給与部門の業務である。
コントロール面では、これらの業務は分掌して、不正行為の発生およびその隠蔽を
防止すべきである。
両方とも、人事部門の業務である。
両方とも、給与部門の業務である。
適切な財務部門の業務には、給与小切手の署名と配付が含まれている。
以下の給与係の活動のうち、コントロールの強みではなく、弱点であるものを選
小切手の署名スタンプマシンの保管をしている。
賃金支払簿を作成する。
賃金支払簿を主任会計士に提出し、承認を得る。
給与小切手は、分離した給与口座から振り出される。
【解答と解説】
正解:a
時間記録、記録保管、賃金支払簿の作成に関わっていない会計係が、
手のサインをすべきである。
給与係は、記録業務を行う。
これは、給与係による記録業務の1つである。
c. d.
これらは、適切な職務分掌であり、コントロールの長所に関する記述となって
いる。
適切な内部統制が行われるのは、以下のうち、どの場合か。
経営者が、組織の目的および目標を、それらが効率的かつ経済的に
される合理的な保証を提供するような方法で計画し、整備している場合
オペレーティングシステムおよび機能システムの設計において、最高経営者
が、専門職としての正当な注意を行使している場合
オペレーティングシステムおよび機能システムが、法律に準拠して、設計、
設置および実施されている場合
最高経営者が、効率的なオペレーティングシステムおよび機能システムを、
設計、設置および実施している場合
【解答と解説】
正解:a
最高経営者が、組織の目的および目標を、効率的かつ経済的に達成される合理的な
保証を提供するような方法で計画し、整備している場合、それらに「適切性」がある
える。「システム設計プロセスは、目的および目標を設定することから
設定された目的および目標を達成すべく、調和して運用されるよう、横
活動、人々を結びつける。
システム設計が適切に行われていれば、
計画立案
れた活動は、
どおりに行わ
れ、期待される結果が達成される。
専門職としての正当な注意は、必ずしも妥当なコントロールを提供しない。
法律遵守は、コントロールがカバーする活動範囲の一側面に過ぎない。
オペレーティングシステムや機能システムが効率的(無駄がない状態)であっ
ても、妥当なコントロールが存在しない場合もある。
会社の取締役、最高経営者、外部監査人、内部監査人はすべて、妥当な
ル環境の創造に重要な役割を果たす。最高経営者が主要な責任を負うの
のうちどれか。
適切な環境を確立し、全体的な内部統制構造を確定する。
確立された目的を達成する合理的な保証を提供するコントロールシステムを
設計し、運営する。
C.
外部監査人と内部監査人がコントロール環境を適切に監視することを確保す
d. 取締役会によって設計されたコントロールを実施し、監視する。
【解答と解説】
正解:a
高経営者は、組織の目的および目標が、効率的かつ経済的に達成され
保証を提供するような方法で計画、整備を行う。
また、最高経営者は、コントロールを育成する環境を確立し、維持する。
b. 最高経営者は、コントロールシステムの詳細な設計と日々の運営には関与しな
最高経営者は、コントロールの責任を監査人に委譲できない。
取締役会には監視責任があるが、通常の場合、詳細な設計には関与しない。
内部監査人は、部門の給与手続をレビューしている。給与部門の監督者に、ある
業務が割り当てられていたため、内部監査人が大きな懸念を抱いているという。
内部監査人に懸念を生じさせているというその業務は、以下のどれである可能性
が最も高いか。
すべての給与小切手の共同署名
部下スタッフの雇用
すべての部下の勤務時間報告のレビューと承認
全従業員への給与小切手の配付
【解答と解説】
正解:d
給与部門の監督者は、記録を取る責任を負うため、給与小切手の配付を行うべきで
はない。人事記録にもアクセスできる給与部門の監督者が小切手を配付すれば、幽霊
社員を使った小切手の流用につながりかねない。
これは、記録と(小切手の)管理という2つの相容れない業務を担当することから
生じるものである。
給与部門が小切手を作成するため、給与小切手の共同署名は相容れない業務で
はない。監督者の署名のみでは不十分である。
これらは、人事・給与部門の監督者の通常の業務であり、内部監査人に大きな
懸念を生じさせる業務ではない。