D2 独立性と客観性 Flashcards
15%
D
DIl
れか。
a.
b.
下の大規模なメーカー企業の特徴のうち、コントロールの弱点となる
情報システム部門のリーダーは、社長に直接報告する副社長である。
最高財務責任者(CFO)は、最高経営責任者(CEO)に直接報告する副社長
である。
c.取締役会の監査委員会は、CEO、CFOおよび主要な株主によって構成されて
いる。
d. 管理者および財務責任者は、CFOに直接報告する。
【解答と解說】
正解:c
監査委員会は、内部および外部監査の監督を行うコントロール機能を持っており、
最高経営者とは独立した社外取締役によって構成されていなければならない。
監査委員会の権限確立と独立性は、内部監査の地位強化につながる。
報告を行う関係は強みとなる。情報システムの業務が、ユーザー(組織内部で、
a.
情報システムを直接利用する者あるいは利用部門)の利害によって独占的に運用
されるのを防ぐ。
b.d. 通常の妥当な関係である。
34
CIA Part I
DIl
2
内部監査人は、重大な現金の不足を発見した。これにつき責任者に質問すると、
「その現金は子どもの医療費に充てたが、返金する。」との回答だった。
内部監査人は、取締役会に直接報告を行っているが、このような是正措置が取ら
れたため、この現金の不足については取締役会に報告しなかった。
この場合、内部監査人に関する記述で、正しいものはどれか。
a.
組織の中での独立性はあるが、客観性に欠ける。
b.
組織の中での独立性も客観性もある。
C.
組織の中での独立性に欠けるが、客観性はある。
d.組織の中での独立性も客観性も欠ける。
【解答と解說】
正解:a
監査人は、取締役会に直接報告をするため、組織の中での独立性は保たれているが、
現金の不足の問題についての取締役会への報告を怠ったことは、客観性に欠ける。
ClA Part I
SO
DII
3
以下の状況のうち、監査人の客観性の毀損が見られるのはどれか。
a.
監査人は、主要な顧客に対する新しい電子データ交換(EDI)接続の手続を、
導入前にレビューした。
b.
元購買担当者が内部監査部門に転属になってから4ヵ月後に、その元購買担
当者が購買に関する内部統制のレビューを行った。
C.
給与と従業員手当の処理に関するサービス組織との契約について、内部監査
人が、コントロールと評価の基準を改善する提案を行った。
d.
給与会計担当従業員が、小型モーターの実地棚卸の検証において、監査人を
支援した。
【解答と解説】
正解:b
監査人の客観性が毀損されないためには、自己の業績や業務を自ら評価する等、監
査対象と監査人の間に利害関係があってはならない。
内部監査部門に転入した者が、合理的な時間(1年以上が妥当とされる)が経過す
る前に、以前に担当していた業務に対する監査業務を実施すると、自分が担当してい
た業務を評価する可能性が極めて高く客観性が毀損される。
導入前のシステムであれば、監査人との間に利害関係があることは考えにくく
客観性が毀損されているとは言えない。
わかる。導入前であれば、監査人との間に利害関係があることは考えにくく客観
約段階であることから、サービス組織による処理はまだ導入前であ
性が毀損されているとは言えない。
d.他部門のスタッフによる内部監査人への支援は、そのスタッフが監査対象部門
以外の所属である場合、監査対象部門との間に利害関係があることは考えにくく
客観性が毀損されているとは言えない。
a.
36
CIA Part I
DII
「基準」によると、以下のどれにより、内部監査部門の独立性が達成されるか。
スタッフ配置および監督
継続的な専門的能力の向上と専門職としての正当な注意
人間関係とコミュニケーション
組織上の地位
Poae
【解答と解説】
正解:d
内部監査部門の独立性が達成されるのは、取締役会が内部監査基本規程を承認し、
内部監査部門が取締役会に職能上の報告を行なう、という組織上の地位による。
a.b.c. 内部監査部門の熟達した専門的能力に関連する。
37
CIA Part I
DII
内部監査部門長は、外部監査人の指名についての評価を行うよう、監査委員会か
ら指示を受けていた。外部の監査法人のパートナーが、パートナーが所有する別荘
でのハンティングに内部監査部門長を誘っている。この場合、内部監査部門長とし
てふさわしい行動を選べ。
a.
両者のスケジュールが許す限りこの招待を受ける。
b.
利益相反関係を理由にこの招待を断る。
c.
会社の業務時間と重ならない限りこの招待を受ける。
d. このことが会社の倫理規定に違反するか、コントローラーに問い合わせる。
5
【解答と解説】
正解:b
監査人の客観性が毀損されないためには、評価対象から利益を供与される等、評価
対象と監査人の間に利害関係があってはならない。
に利害関係が生じ、その結果利益相反が生じるので、客観性が毀損される
この招待に応じれば、評価対象から利益を供与されたことになり、評価対象と監査人
利益相反関係を理由に断るという判断は正しい。
招待に応じれば、評価対象から利益を供与されたことになり、評価対象と監査
人の間に利害関係が生じるので、客観性が毀損される。よって、招待を受けると
いう判断は誤りである。
d. コントローラー(上司等の管理者)に問い合わせるのは、評価対象との間に利
害関係が生じるかが必ずしも明確でない場合であり、このような、明らかな利益
供与の場合は、利害関係が生じるのは自明である。
a. c.
38
CIA Part I
あるサービス会社では現在、大規模な経営合理化と業務の抜本的改革が進められ
ている。この会社の取締役会は、事業目標を再設定し、広範に部署を統廃合するこ
とを決定した。
現時点では、内部監査部門は最高執行責任者(COO)に報告するとなっているが、
変更のため、このような報告関係の見直しについても話し合い
いる。内部監査部門の報告関係のうち、最適なものを選べ。
管理上・業務上共に社長に報告する。
b.
部門運営上は社長(CEO)、職能上は取締役会に報告する。
C.
管理上は最高財務責任者(CFO)、業務上は社長に報告する。
d.
管理上・業務上共に最高財務責任者(CFO)に報告する。
DII
a.
【解答と解説】
正解:b
内部監査部門は、組織上独立していなければならない。
管理上(部門運営上)は社長や最高経営責任者(CEO)、業務上(職能上)は、社長
やCEOを監視する権限と責任をもつ監査委員会や取締役会に報告することによって、
(組織上の)独立性は達成される。
なお、業務(職能)に関する直接的なコ
ニケーショ
ンは、取締役会
行うのが
通例である。
業務上の報告関係が独立性を毀損している。なぜなら、社長は、内部監査部門
の業務対象(監査対象)であるライン機能の責任者だからである。
C.
管理上・業務上共に報告関係が独立性を毀損している。なぜなら、
CFOは財務
機能(財務監査の対象)の、社長はライン機能の責任者だからである。
管理上・業務上共に報告関係が独立性を毀損している。なぜなら、CFOは財務
機能の責任者だからである。
P
包
CIA Part I
7
62
DIl
以下の活動のうち、内部監査人の客観性を毀損しないものを選べ。
I新しい情報システム・アプリケーションについて、コントロールの基準に
関する提案をする。
I新しいコンピュータ・アプリケーションの稼働に関して、適切なコントロー
ルが確実に実施されるよう手続のドラフトを作成する。
新しいコンピュータ・アプリケーションの手続のレビューを導入前に行う。
a.
Iのみ
b.
Iのみ
皿のみ
d.Iおよび皿
【解答と解説】
正解:d
1および皿の活動は、内部監査人の客観性は毀損されない。
I
監査対象部門に改善提案を行っても、客観性は毀損されない。
適切なコントロール(内部統制)が確実に実施されるように手続を作
監査対象部門(情報システム部門)の業務であり、責任者は最高経営
業務を評価する立場にある内部監査人が、業務の計画立案(手紙
フト作成)に関与すれば、客観性は毀損される。
監査対象部門の業務手続(アプリケーションの運用および管理手続)を
しても、客観性は毀損されない。
40
CIA Part I
DII
8
監査委員会は、内部監査人と外部監査人の独立性促進に重要な役割を果たすとさ
れている。監査委員会の固有のリスクと考えられるものを次の中から選べ。
監査委員会を、社外取締役などの独立した取締役で構成することは可能であ
るが、独立した取締役であっても、最高経営者との個人的なつながりや業務
上の協力関係を有する場合がある。
b.
監査委員会のメンバーは組織より報酬を受け取っているため、株主の立場を
重視する。
監査委員会は、その業務の大部分を外部監査に割いており、内部監査や全体
的なコントロール環境にはあまり注意を払っていない。
d.監査委員会メンバーは通常、会計や監査の学位を有していない。
a.
【解答と解説】
正解:a
これが、監査委員会の固有のリスクである。
b.監査委員会は通常、社外取締役によって構成される。社外取締役の多くは幅広
い見解を持っており、株主の見解に限定されることはない。
c.監査委員会は、外部監査にも多くの時間を割いているが、内部監査報告書の検
討にも多くの時間を充てている。
d報告内容やコントロール(統制)の問題の多くは、会計の学位がなくても理解
できる内容であるため、委員会のメンバーが会計などの学位を有している必要は
ない。
41
DII
右表の制約の内容が存
在した場合、a.〜d.の中
から、内部監査部門長の
適切な対応例を選べ。
3
열
23
制約の内容
内部監査部門長の対応
機密情報を理由として、監査
CFOにのみ報告する。
ている。
対象部門が監査範囲を制約し
監査業務計画は承認されてい
るが、監査対象部門が必要な
取締役会に報告する。
記録を提供してくれない。
監査対象部門が、帳簿の締切
CEOと CFOに直接報
作業のため、監査を2週間延
告する。
期するよう依頼してきた。
業務監査の際に監査人が大手
の顧客と連絡しようとしたと
は不要である。
業務監査なので、報告
ころ、監査対象部門がこれを
許可してくれない。
【解答と解説】
正解:b
高経営責任者)に行い、職能上の報告は監査委員会や取締役会に行う
内部監査部門が(組織上の)独立性を実現するためには、部門運営上の報告はCEO
い。
a d.
これらは職能上の制約問題であり、取締役会に報告すべきである。
c.監査業務計画上、2週間以内に監査をする必要があるのなら、職能上の問題と
して取締役会に報告すべきである。そうでなければ報告自体が必要ない。
42
ClA Part I
DIl
仕入部門長である公認内部監査人(CIA)は、価格、品質および性能面で最も良
い販売業者と大規模な発注契約を締結した。契約締結より間もなく、販売業者はCIA
に対してかなり高額の贈り物をした。
この贈り物の受け取りに関して、正しい記述は以下のうちどれか。
a. その贈り物が慣習的なものでない場合のみ、受け取りが禁じられている。
b. 贈り物の受け取りはIA倫理綱要に違反するため、CIAはこれを受け取ること
を禁じられている。
CIAは、内部監査人として行為しているのではないため、贈り物の受け取り
は、組織の倫理規程にのみ支配される。
d.
契約は贈り物の前に締結されたため、その受け取りはIIA倫理綱要や組織の倫
理規程に違反しない。
10
【解答と解説】
正解:b
倫理綱要では、贈り物の受け取りなどに対し、「専門職的な判断を毀損するか、また
は毀損すると予想されるどのようなことも受容してはならない。」と、その受け取りを
禁止している。(倫理行為規範2.2)
内部監査人ではなくても、CIAである限り、倫理綱要に従わなければならず、
高額の贈り物は受け取るべきではない。
理綱要と組織の倫理規程が異なる場合に、内部監査人としての行
いとしても、CIAである限り、倫理綱要に従わなければならない。
り物の前に契約の締結が完了し、組織の倫理規程違反を示す十分が
場合であっても、キックバック(リベート)と見られかねないため、
客観性を毀損し得る。
0
a.
ClA Part I
8
DII
監査委員会は、内部監査機能および外部監査機能、双方の独立性を高め、また、
最高経営者からの不当な圧力から監査機能を守るよう設計されていなければならな
この考え方を基に監査委員会は、どのようなメンバー
により構成されるべきであ
るか、次の中から正しいものを選べ。
それと
のメン
a.
取締役会内において定期的に交代する小委員会、
また
バー
関係監督官庁のメンバーのみ
重要な顧客、特に銀行、労働局等の監督官庁、株主および役員など
取締役会の社外メンバー
【解答と解説】
正解:d
会社の監査委員会は、会社経営とは独立したメンバーである社外取締役のみで構成
されるべきである。
の主な目的は、内部監査人および外部監査人の最高経営者から
の保持を推進することである。
監査委員会は、定期的に交代する必要はない。
b.c.
監査委員会のメンバーは、社外取締役で構成される。
b.およびc.に挙げられているようなメンバーは、最高経営者からの独立性が、
社外取締役のように明確ではないため、監査委員会、内部監査人、外部監査人の
独立性を保障するとは限らない。
DIl
リエンジニアリングとは、サービス、品質、スピード、コストの劇的改善を目指
し、高度に専門化された業務プロセスを徹底的に解析し、根本的な検討を行うこと
で、業務システムを抜本的に再設計し改革することである。
リエンジニアリングにおける内部監査人の関与について、適切でないものを次の
中から選べ。
プロセスが最高経営者の支持を得ているか判断する。
b. リェンジニアリングを検討すべき分野を推奨する。
新システムのための監査計画を策定する。
d.
再設計されたプロセスの実施を指揮する。
【解答と解説】
正解:d
客観性が損なわれるため、内部監査人は再設計されたプロセスの実施を指揮するな
ど直接関与すべきではない。
ここでいう「業務システム」とは、組織構成、権限の配分、業務手順、情報システ
ム等を含む総合的な業務体制を指す。
また、「業務プロセス」は、業務手順もしくは業務の遂行過程のことである。
a.b.c. これらは、内部監査人として適切な行為である。