11大違憲判決 Flashcards
尊属殺違憲判決
(平等権)
存続に対する尊重報恩という普遍倫理の維持という立法目的自体は合憲であるが,刑の加重の程度(死刑または無期懲役)が極端であって、立法目的達成手段が不合理であることを理由に違憲としたものである。
議員定数違憲判決
(平等権)
昭和47年の衆議院議員選挙において,各選挙区の議員定数の配分に人口数との比率で不均衡があり,選挙人の投票価値に不平等が存在することの違憲性が問われた。当時は,一票の格差が最大約5対1に及んでおり,最高裁は違憲判決を下し た。
非嫡出子相続分違憲判決
(平等権)
従来の合憲の判断を変更して,嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1と定める民法900条4号ただし書の規定を違憲とした。
国籍法3条1項違憲判決
(平等権)
日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき,父母の婚姻により嫡出子たる身分 を取得した場合に限り日本国籍の取得を認めていることにより国籍の取得に関する区別を生じさせていることは,遅くとも平成17年当時において,憲法14条1項に違反する。
愛媛県玉串料違憲判決
(政教分離)
県が玉串料を靖国神社に奉納したことは,その目的が宗教的意義を持つことを免れず,その効果が特定の宗教に対する援助,助長,促進になると認めるべきであり,これによってもたらされる県と靖国神社とのかか わり合いがわが国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものであって,20条3項の禁止する宗教的活動に当たる。
空知太神社事件判決
(政教分離)
市有地を神社の敷地として無償で貸与することは、政教分離原則に違反するとした。その後上告された際には、現に神社の敷地として利用されている市有地を適正な賃料で氏子集団に賃貸することは、政教分離に違反しないとした。
薬事法違憲判決
(職業選択の自由)
消極目的の規制については,厳格な合理性の基準をとる。薬局の距離制限は国民の生命・健康に対する危険の防止という消極目的のものである。 薬局開設の自由→競争の激化→経営の不安定→不良医薬品供給の危険という因果関係は,立法事実がなく,規制の必要性と合理性は認められな い。その目的はより緩やかな規制手段である行政上の取締りによっても十分に達成できる。したがって,適正配置は違憲である。
森林法違憲判決
(財産権)
森林法186条が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは,森林法186条の立法目的との関係において,合理性と必要性のいずれをも肯定することのできないことが 明らかであって,この点に関する立法府の判断は,その合理的裁量の範囲を超えるものであるといわなければならない。同条は,憲法29条2項に違反し,無効というべきである。
第三者所有物没収違憲判決
(告知・聴聞の権利)
第三者の所有物を没収する場合において,その没収に関して当該所有者に対し,なんら告知,弁解,防御の機会を与えることなく,その所有権を奪うことは,第三者に対し,適正な法律手続きによらないで,財産権を侵害する制裁を科するにほかならないから,31条,29条に違反する。
郵便法違憲判決
(国家賠償請求権)
書留郵便物について郵便業務従業者の故意または重過失による損害、特別送達郵便物について郵便業務従業者の軽過失による損害についてまで、国の賠償責任を免除することは、立法府の裁量の範囲を逸脱するものであり、違憲であるとした。
在外邦人選挙権剥奪違憲判決
(選挙権)
98年改正前の公職選挙法が国政選挙で在外国民の投票を認めていなかったこと,改正後の同法が比例区の投票だけに制限し選挙区選挙で在外投票を認めていないことを違憲とした。