種類債権 Flashcards
債権の目的物を種類のみで指定した場合
(給付すべき物の性質)
債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその性質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
種類債権の特定
(原則)
債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする(特定)。
不代替物と種類債権
(不代替物でも種類債権の目的物となるか?)
種類債権の目的物は通常代替物であるが、不代替物でも、当事者がその取引において個性に着目していない限り、種類債権となる。
債務者の行為による特定の方法
- 持参債務
持参債務は、目的物を債権者の住所において提供することによって特定する
債務者の行為による特定の方法
- 取立債務
① 取立債務は、債務者が目的物を分離し、引渡しの準備を整えて、これを債権者に通知することによって特定する。
② 債権者の住所が不明なときは通知不要。また、通知は不到達に終わっても、特定の効力を妨げない。
債務者の行為による特定の方法
- 送付債務
① 送付が債務者の義務の場合、債務者が第三地(債権者の住所地以外の場所)において履行することを義務とする場合は、持参債務と同じく目的物の第三地への到達をもって特定が生ずる。
② 送付が債務者の好意の場合、債務者が好意で第三地において引き渡す場合には、第三地に向けて発送することによって特定する。
特定の効果
- 特定前(①~③)
① 原則として履行不能とならない
② 危険負担の問題は生じない
③ 目的物の保管についての善管注意義務という問題も存在しない
特定の効果
- 特定後(①~④)
① 債務者は、特定した物についてだけ債務を負う → ただし、取引観念上信義則に照らし相当と認められる場合には、変更権がある ② 危険が債権者に移転する(534条2項) ③ 債務者は、特定した物について善良な管理者の注意をもって保存しなければならない(400条) ④ 所有権が移転する
制限種類債権とは?
目的物が種類と数量だけでなく、所在場所などによってさらに限定されている場合をいう。
制限種類債権の特色
(①~②)
① 限定内の物全部が滅失した場合、通常の種類債権と異なり、履行不能があり得る。
② 品質の良否が問題とならない。