債務不履行の責任等 Flashcards
履行遅滞の成立要件
(①~④)
① 履行が可能なこと
② 履行期を徒過したこと
③ 債務者の責に帰すべき事由に基づくこと
④ 履行しないことが違法であること
履行遅滞の時期
- 確定期限がある場合
債務者は、その期限の到来した時から履行遅滞の責任を負う
履行遅滞の時期
- 不確定期限があるとき
① 債務者は、その期限の到来したことを知った時から履行遅滞の責任を負う。
② 期限の到来した後に債権者が催告すれば、債務者が期限到来の事実を知らなくても遅滞が生じる。
受領遅滞
(債権者が、受領しないor受領できないときは、どうなるのか?)
債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。
受領遅滞の法的性質
(法定責任説)
債務の履行を受けることは債権者の権利であって義務ではないとして、誠実な債務者を救済して当事者間の公平を実現するために、法が債権者に特別に課した責任であるとする。
受領遅滞の法的性質
(債務不履行責任説)
① 債権者が契約に基づく受領義務に違反した一種の債務不履行責任であるとする。
② 受領遅滞の要件として債権者の帰責事由が加わり、効果として、債務者に損害賠償請求権および契約解除権が認められる。
受領遅滞の要件
(債務不履行説の場合、①~③)
法定責任説 ① 債務者の弁済の提供があること ② 債権者の受領拒絶または受領不能があること 債務不履行説 ① 債務者の弁済の提供があること ② 債権者の受領拒絶または受領不能があること ③ 受領拒絶または受領不能につき、債権者に帰責事由があること
受領遅滞の効果
- 法定責任説
(①~⑦)
① 債務者は、債務不履行責任を免れる(492条) ② 債務者は、以後の利息の支払を免れる ③ 債務者は、供託できる(494条) ④ 債権者は、同時履行の抗弁権を失う(533条) ⑤ 債務者は、注意義務が軽減される ⑥ 危険が債権者に移転する(536条2項) ⑦ 債務者は、増加費用の請求ができる(485条ただし書)
受領遅滞の効果
- 債務不履行責任説
(①~⑤)
① 債務者は、注意義務が軽減される ② 危険が債権者に移転する(536条2項) ③ 債務者は、増加費用の請求ができる(485条ただし書) ④ 債務者の契約解除権(541条・543条) ⑤ 債務者の損害賠償請求権(415条) ※ 債権者の帰責性を要する
弁済の提供の効果
- 法廷責任説
(①~⑦)
① 債務者は、債務不履行責任を免れる(492条) ② 債務者は、以後の利息の支払を免れる ③ 債務者は、供託できる(494条) ④ 債権者は、同時履行の抗弁権を失う(533条) ⑤ 債務者は、注意義務が軽減される ⑥ 危険が債権者に移転する(536条2項) ⑦ 債務者は、増加費用の請求ができる(485条ただし書) ※ 法廷責任説の場合、受領遅滞の効果と弁済の提供の効果は一致する
弁済の提供の効果
- 債務不履行責任説
(①~④)
① 債務者は、債務不履行責任を免れる(492条)
② 債務者は、以後の利息の支払を免れる
③ 債務者は、供託できる(494条)
④ 債権者は、同時履行の抗弁権を失う(533条)