設立時取締役等による調査

Question 1

設立時取締役等（設立時取締役、設立時監査役）の調査事項

Answer 1

①　現物出資、財産引受け又はそのうちの市場価格のある有価証券について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること
②　定款に記載・記録された価額の相当性について弁護士、弁護士法人等の証明を受けた場合に、その証明が相当であること
③　出資の履行が完了していること
④　①～③のほか、会社の設立の手続きが法令又は定款に違反していないこと

Question 2

調査によって法令もしくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるとき（発起設立の場合）

Answer 2

①　発起人にその旨を通知

②　指名委員会等設置会社である場合は、設立時取締役は、当該通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役に通知

Question 3

設立時代表取締役の選定方法（定款に選定方法の定めなし）

Answer 3

①　取締役会を設置しない会社・・・発起人による選定（ただし、設立時発行株式を引き受ける者を募集することとするときは、その選定の効力は失われる）
②　取締役会設置会社・・・設立時取締役の過半数

Question 4

設立時代表取締役の選定方法（定款に選定方法の定めあり）

Answer 4

以下のいずれかの方法を定款で定め、その選定方法により設立時代表取締役を選定する
①　定款で設立時代表取締役を直接選定
②　発起人による選定
③　創立総会による選定（募集設立に限る）
④　設立時取締役による互選

Question 5

設立時代表取締役の選定がされない場合

Answer 5

設立時取締役全員が設立時代表取締役になる

Question 6

設立時委員の選定等

Answer 6

設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は
①　設立時取締役の中から、（A）指名委員会の委員となる者（B）監査委員会の委員となる者（C）報酬委員会の委員となる者、の選定
②　設立時執行役となる者の選定
③　設立時執行役の中から設立時代表執行役となる者
※　設立時執行役が1人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする

Question 7

設立時委員、執行役、代表執行役の選解職の決議要件

Answer 7

設立時取締役の過半数をもって決定

Question 8

発起人等の責任等（52条）

現物出資財産等の価額が定款記載価額に著しく不足するとき

Answer 8

①　発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
②　現物出資財産等について価額が相当であることについて証明した者（証明者）も、連帯して、不足額を支払う義務を負う。
※　擬似発起人も責任を負う

Question 9

不足額填補責任　免責事由

Answer 9

発起人及び設立時取締役・・・
①　現物出資、財産引受けについて検査役の調査を経た場合
②　（発起設立の場合のみ）職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
③　総株主の同意
証明者・・・
④　証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合

Question 10

出資の履行を仮装した場合の責任等（52条の2）

Answer 10

発起人、設立時取締役は出資の履行を仮装した場合、以下の行為をする義務を負う
①　払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
②　給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付（株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金額の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払）

Question 11

出資の仮装履行の責任の免責事由

Answer 11

①　発起人（出資の履行を仮装した者を除く）、設立時取締役が、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合

②　総株主の同意

Question 12

出資の履行を仮装した設立時発行株式

Answer 12

発起人は、支払もしくは給付がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない

Question 13

出資の履行を仮装した設立時発行株式を譲り受けた者

Answer 13

出資の履行を仮装した設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、悪意又は重過失でなければ、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。