変態設立事項 Flashcards
変態設立事項についての検査役の調査手続の流れ
① 発起人(設立時取締役ではない)の検査役選任の申立て、裁判所が検査役選任
② 検査役の調査、調査結果の裁判所への報告、発起人には調査の書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項を提供
③ 裁判所は変態設立事項を不当と認めたときは、変更する決定
④ 発起人は、③の決定により変態設立事項が変更された場合には、当該決定の確定後1週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる
⑤ 発起人は、その全員の同意によって、決定の確定後1週間以内に限り、当該決定によって変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる
変態設立事項について検査役の調査を必要としない場合
① 現物出資・財産引受の財産の定款に定めた価額の総額が500万円を超えない場合 → 現物出資・財産引受の事項について
② 現物出資・財産引受の財産が市場価格のある有価証券であって、定款で定められている価額が有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 → 有価証券による現物出資・財産引受の事項について
③ 現物出資・財産引受として掲げる事項が相当であることについて、弁護士・公認会計士・税理士等の証明を受けた場合(不動産の場合は、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価を受けた場合) → 現物出資・財産引受の事項について
「相当であることについて証明する」ことができない者
① 発起人 ② 財産引受の譲渡人 ③ 設立時取締役又は設立時監査役 ④ 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 ⑤ 弁護士法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が①~③までに掲げる者のいずれかに該当するもの
出資の履行(34条)
① 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額の払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない
② 発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない
設立時発行株式の株主となる権利の譲渡
出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない
設立時発行株式の株主となる権利の喪失
① 発起人は、出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日の2週間前までに出資の履行をしなければならない旨の通知をしなければならない
② その期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う
※ 募集株式の引受人は当然失権
発行可能株式総数の定め等(37条)
① 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(発行可能株式総数)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない
② 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる
③ 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない(公開会社でない場合は除く)
※ 募集設立の場合、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない
発起人の過半数の一致を要する事項
① 設立時役員の選任 ② 本店の具体的な所在場所の決定 ③ 支店を設置する場合には、その具体的な所在場所の決定 ④ 株主名簿管理人を置く場合には、その選任 ⑤ 支配人を置く場合には、その選任
設立時取締役(及び設立時監査役)による調査(46条)
その選任後遅滞なく、(次に掲げる事項を)調査しなければならない
設立時取締役等の調査事項
① 現物出資、財産引受又はそのうちの市場価格のある有価証券について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること
② 定款に記載・記録された価額の相当性について弁護士、弁護士法人等の証明を受けた場合に、その証明が相当であること
③ 出資の履行が完了していること
④ 会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと
登記が効力要件であるもの
① 設立の登記 ② 新設合併 ③ 新設分割 ④ 株式移転 ⑤ 外国会社の登記をした外国会社の日本における日本に住所を有する代表者全員の退任
引受けの無効又は取消しの制限(51条)
① 民法第93条但書及び第94条第1項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については適用しない
② 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張し、又は詐欺もしくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない