少額訴訟 Flashcards
少額訴訟の対象
① 訴額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えに限られる。
② 同一の原告が、同一の簡易裁判所において、同一の年に10回を超えて少額訴訟手続を利用することはできない。
原告の手続き選択権
① 原告は、少額訴訟の対象となり得る事件につき、通常訴訟によるか少額訴訟によるかを自由に選択できる。
② 少額訴訟を選択する場合は、訴え提起の際に少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述をしなければならない。
③ 少額訴訟を選択した場合、その年の利用回数を届け出なければならない。
④ 虚偽の届出をした場合は、過料に処せられる。
被告の移行申述権
① 被告は、訴訟を簡易裁判所における通常訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。
② 被告の移行申述は、被告が最初にすべき口頭弁論期日で弁論をし、又はその期日が終了するまでに行わなければならない。
職権による移行決定
裁判所は、以下の場合、通常手続への移行を決定しなければならない。
① 利用回数制限など、368条1項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき
② 相当期間を定めて催告したにもかかわらず、原告が利用回数を届け出ないとき
③ 公示送達によらなければ、被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼び出しをすることができないとき
④ 少額訴訟による審理・裁判を相当でないと認めるとき
職権による移行決定に対する不服申立て
職権による通常訴訟への移行決定に対しては、不服申立てができない(373条4項)。
一期日審理の原則
① 原則として、最初の口頭弁論期日で審理を完了させる。
② 当事者は、原則として、最初の口頭弁論期日前、又はその期日において、すべての攻撃防御方法を提出しなければならない。
③ 裁判所書記官は、最初の口頭弁論期日の呼出しに際し、少額訴訟手続の内容を説明した書面を交付しなければならない。
④ 特別の事情がある場合には、例外的に、期日を続行することができる。
⑤ 期日続行の場合、当事者は、続行期日に攻撃防御方法を提出することができる。
証拠調べの制限
審理の迅速性を確保するため、少額訴訟における証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限られる(例 在廷している証人の尋問)。
証人等の尋問
① 証人尋問は、宣誓をさせないですることができる
② 証人又は当事者本人の尋問は、裁判官が相当と認める順序ですることができる
③ 裁判所は、相当と認めるときは、電話会議の方法により証人尋問をすることができる
反訴の禁止
少額訴訟においては、反訴を提起することができない
即日言渡しの原則
① 少額訴訟の判決の言渡しは、原則として、口頭弁論の終結後、ただちに行う。
② 判決の言渡しは、判決書の原本に基づかないですることができ、この場合、調書判決を利用することができる。
支払猶予判決 意義と要件
少額訴訟においては、被告の任意的履行を容易にするため、請求の全部又は一部を認容する判決をする場合、裁判所は、被告の資力その他の事情を考慮して、特に必要があると認めるときは、認容額の支払猶予や分割払いの定めを内容とする判決をすることができる。